♪バッハ・カンタータ日記 〜カンタータのある生活〜

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zoom RSS 豊穣の大地・実りの秋〜三位一体節後第20日曜(BWV180、49他)〜コープマン

<<   作成日時 : 2006/10/27 01:11   >>

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 日本ハムファイターズ、日本一、おめでとうございます。

 今日は、何の不安も無く、試合を見ることができました。
 これだけヒートアップした満員の札幌で、あのメンバーが戦って、負けるはずないからです。

 でも、もちろん、札幌で日本一を決めてくれたのは、とてもうれしいですけれど、
 あのすばらしいメンバーが、みんなそろって戦うのを、もう二度と見ることがないのだ、と思うと、今はなんだかさびしい気持ちでいっぱいです。
 今年一年のいろいろなことが思い出されて、できれば時間が止まってほしい、と、感じてしまいました。

 選手のみなさん、ほんとうに、おつかれさま。
 感動をありがとう。


  *    *    *


 わたしも少しがんばって、カンタータのことを書きたいと思います。
 まずは、次の日曜のお知らせから。


 10月29日(日)は、三位一体節後第20日曜日。

 天上の婚宴という、実りの秋にふさわしいテーマですが、バッハは、それにぴったりな、華やかで美しいカンタータを用意してくれました。

 「コラール・カンタータ」(2年目)はBWV180
 その他は、初期のBWV162、4年目のBWV49です。

 4年目のカンタータは、しばらくソロ・カンタータが続きましたが、
 このBWV49は、オペラみたいなダイヤログ・カンタータ。(2重唱)
 バッハにはオペラがありませんが、そのかわり、このようなダイヤログ・カンタータや世俗カンタータが、オペラファンの方にはおススメです。
 短い曲ではありますが、求め合う魂が最後にはひとつになる、というような流れは、クリスチャンでないわたしたちにもわかりやすいばかりか、感動的でさえあります。

 しかも、ごていねいに、またコンチェルトのシンフォニア付。
 先先週のBWV169とこの曲で、BWV1053全曲(原曲はオーボエ協奏曲)がそろってしまいます。

 ライプツィヒのトマスカントルに就任する際、バッハが厳しく釘をさされたのが、華美な音楽は禁止、ということでしたが、
 バッハ先生、まったく言うことを聞いてません。
 それもそのはず、バッハと市当局との激しい衝突は、このころから始まっているのです。

 しかし、考えてみると、このようなコンチェルト楽章などのカンタータへのパロディは、たいへん意義深いことなのではないでしょうか。
 コンチェルト楽章や、世俗カンタータなどは、(もちろんオペラなども)もともと一部の特権階級のための音楽ですが、
 バッハはそれを、最高の形に編曲して、ごく一般の人にも提供し続けたわけです。
 まったく普通の人が、普段は耳にすることが無いような音楽を、毎週毎週、教会で聴くことができたのです。
 案外みんな、楽しみにしてた?

 パロディというと、どうしてもマイナスなイメージを持たれる方も多いようですが、
 この場合のパロディという仕事は、
 「市民音楽家バッハ」という姿を鮮明に浮かび上がらせるものであり、音楽史的にも、画期的かつ重要な意味を持つものであるような気がします。

 4年目のこのあたりのカンタータの特徴としては、以上の他に、
 オルガンをオブリガート楽器(通奏低音でなく、メインの楽器)にしているものが多い、
 と、いうこともあげられます。
(コンチェルト楽章の独奏楽器も、ほとんどすべてオルガンなのです。)

 わたしは、この理由について、
 コンチェルト楽章を使用するにあたって、市当局の手前、せめて独奏楽器は教会の楽器であるオルガンにした、
 あるいは、逆に、市民へのサービスのつもりで、自身の超絶技巧を披露しようとした、
 などと、いろいろ考えていましたが、
 どうやら、息子のフリーデマンの修行のため、というのが正解のようです。
 こうなると、まさに、やりたい放題。

 なお、このBWV49については、オーボエダモーレとヴィオロンチェロ・ピッコロ(小型チェロ)をオブリガート楽器とする第4曲アリアが、思わず陶然となってしまうような美しさをたたえた名曲だ、ということもつけくわえておきます。
 これこそ、「オペラ」のクライマックス。


☆ コープマン盤で、BWV49を歌うピオー

画像



 さて、今日の3曲のうちでは、BWV180が、美の極致とも言うべき名曲です。
 ほんとうは、こちらの方をくわしくご紹介しようと思っていたのですが、BWV49のことが思わず長くなってしまったので、今回はかんたんに。

 まさに、豊穣の大地をはるばると見わたすかのような、流麗な冒頭合唱に、楽しい舞曲アリアが続きます。
 しかも、すべて長調楽章。一点のくもりもありません。

 これまでくりかえしお話してきたように、舞曲アリア等は、何といってもケーテンのパロディ曲が、はちきれんばかりの生命力にあふれていて魅力的ですが、
 こちらは、正真正銘、バッハ全盛期の、新作コラール・カンタータ。
 同じ舞曲アリアでも、内容が凝縮されている、というか、格調が高い、というか、
 とにかく、一味ちがった魅力にあふれています。

 やはりヴィオロンチェロ・ピッコロ(小型チェロ)が大活躍する、導入レチタティーボ付きのコラールも、とびきり美しい。(ここでは、合唱でなく、ソプラノが歌います)
 またまたシュープラー・コラール集に入れたくなってしまいます。

 コラール・カンタータは名曲ぞろいですが、この曲は、その中の最高峰のひとつ、と言ってよいでしょう。

 わたしは、何か美しい風景に接すると、なぜか頭の中で、この曲の冒頭合唱が響くような気がします。
 また、この曲の冒頭合唱を聴くと、これまでに見たさまざまな美しい風景が、次々とよみがえるような気がします。


☆ これまでに見た、最も美しい風景のひとつ。
  波照間から西表をのぞむ。

画像


 *日ハム優勝のせいか、なんだか少し感傷的になってしまいました。


 このBWV49180、名曲だけに、CDはどれもこれもすばらしいですが、
 わたしは、明るく楽しいコープマン盤をよく聴きます。

 両曲とも、小型チェロが活躍する曲なだけに、もちろん、コワン盤も最高。

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コメント(4件)

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Noraさん、こんばんは。

この秋カンタータを聴いてきた中で、ほんとうにすっかり夢中になってしまったのがBWV180のカンタータです。一聴き惚れ?でした。
冒頭合唱から美しい世界に引き込まれますね。
お気に入りのカンタータになったので、ぜひ他の演奏でも聴いてみたいなと思いNoraさんの過去の記事を拝見しました。コープマン盤、コワン盤がお薦めなんですね。いつもご案内下さりありがとうございます。
ANNA
2012/11/16 17:34
 ANNAさん、こんにちは。いつも、ありがとうございます。
 BWV180、いいですよね。演奏家によって、雰囲気もだいぶ異なるので、聴き比べも楽しいです。
 ライプツィヒ2年目の後半、ライプツィヒにヴィオロンチェロ・ピッコロの名手がいたようで、バッハは、ヴィオロンチェロ・ピッコロの活躍する曲を集中的に書いています。
 現代の名手コワンは、何枚組かのヴィオロンチェロ・ピッコロカンタータ選集をつくっていますが、ちょうどこれらの曲が書かれた時期は、バッハの全盛期と重なるので、この選集は、カンタータのベスト・オブ・ベストの超名演集、というような、たいへんな内容のものになっています。
 BWV180も、その中の1曲です。
 一方、コープマンの全集盤も、明るい曲調にぴったりの美しい演奏です。
 あれも、これも、とほとんど参考にならないかコメントになってしまいましたが、よろしかったら、ぜひお聴きになってみてください。
Nora
2012/11/19 15:29
Noraさん、こんばんは。

今年も残すところ数日となりました。
Noraさんのご案内のもと、ゆるゆると、あっちにふらりこっちにふらり
しながら(他の音楽も聴きながら)カンタータを聴き進めてきました。
今年の目標は、とにかく聴いてみること。そしてお気に入りのカンタータ
やアリアと出会えたらいいなーという、本当にざっくりとしたものでした。

おかげさまで、私のお気に入りと出逢うことができました。
BWV180は、その中のひとつです。(お薦めいただいたコワン盤ですが
とても気に入ってます。ありがとうございます。)
聴きのこしといいますか、次年度持ち越し?のカンタータもありますので
それらの作品も含め、引き続きカンタータを聴いていきたいと思っており
ます。来年もいろいろ教えてくださいね。どうぞよろしくお願い致します。

それから、建築の記事やお写真もとても楽しみにしてます。
この2年ほど休眠中でしたが、Noraさんの記事を拝見している
うちに、またいろいろな建物を見て歩きたいという気持ちが湧いて
きています。

どうぞよいお年をお迎えくださいませ。
ANNA
2012/12/29 00:33
 ANNAさん、こんばんは。
 今年もいよいよ押し迫ってきました。
 何となくあわただしい1年でしたが、そんな中で、今年も、さまざまな音楽や建築等と出会い、記事にすることができました。
 引き続き、こんな感じで続けていけたら、と思っています。

 新しいカンタータの記事をほとんど書くことができなかったのが、ちょっと心残りではありますが、そこは、カンタータは季節の音楽、毎年同じ音楽がめぐってくるので、過去記事をリンクすることで一応ご紹介はできるので助かります。
 そして、ANNAさんのように過去記事を丁寧に読んでくださり、お気に入りのカンタータを見つけられた方がいらっしゃると、このようなことをやってきて良かったと、とてもはげみになります。
 こちらこそ、来年もよろしくお願いいたします。何か、良い音楽や建築と出会われたら、ぜひ教えてください。
 来年が、ANNAさんにとって良い年になりますよう。
Nora
2012/12/31 02:35

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