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先週のブルックナーの記事にいただいたコメントを読ませていただき、いろいろなことを考えたので、そのことをちょっとだけ。 ブルックナーの音楽で、わたしがもっとも魅力を感じるのは、 神をたたえる荘厳なコラールや、宇宙的なクライマックスではなく、 曲のあちこちに散りばめられた何気ないフレーズだ、というのは、この前書いたとおりです。 わたしたちのまわりをとりまく、光や風そのもののような、まったく何気ないけれど、美しさにあふれたフレーズたち。 ブルックナーのシンフォニーには、そのようなフレーズがぎっしりとつまっていて、 わたしにとってブルックナーのシンフォニーを聴くことは、それらのフレーズの一つ一つを、ゆっくりと楽しむことに他なりません。 ▽ 交響曲第3番(ノヴァーク版 第1稿=初稿) (クリックするとホフマイスターの絵を拡大して見られます。素朴でいい絵。曲にぴったり) * わたしが大好きな曲。初稿でなければダメ。 ブルックナーが書いた、きらきらしたフレーズの宝庫。 最晩年に徹底的に手を加えた最終稿ももちろんすばらしいですが、 どう考えても、こちらの方が美しいような気が・・・・。 まあ、いずれにしても、まったくちがう曲と考えた方がよいでしょう。 インバル盤もいいですが、ティントナーが亡くなる前に残してくれたこのCDは、 考え得る最高の演奏。 このアダージョにちょっとだけ手を加えたアダージョ No.2もすばらしい。 (朝比奈さんの日本初演ライブ盤がありました) さて、先週の記事にブルックナーのモテットについてのコメントをいただきましたが、 数々のモテットもまた、きわめて魅力的です。 透きとおるほどに純化された、ブルックナーの最も美しい一面を、そこに聴くことができます。 でも、それらのモテットは、ほんの少ししか残されていません。 いや、モテットだけでなく、ブルックナーの場合、交響曲以外の曲は、極端に限られていて、実際、ブルックナーは、交響曲だけの作曲家のように言われています。 (実際には他の曲もけっこうあるのですが、あまり知られてはいませんし、70年以上も生きた長命の作曲家にしては、やはり少ないと言わざるをえません) 一方、今回、記事を書くにあたって、ブルックナーを聴いてみて、 前記したような、交響曲にちりばめられた無数の魅力的なフレーズの一つ一つが、実は、そのまま一曲のモテットになり得るほど、豊かな内容を持っているのだ、と、いうことを、あらためて感じました。 (それこそ、バッハだったら、何曲もの大作を書くことができるかもしれません) そのようなフレーズの楽しみ方として、 何気ないフレーズや対旋律の中に、気になるものがあったら、とにかく覚えて、鼻歌でもいいからいっしょに歌ってみる、という方法があります。(わたしはいつもそうしてます) そうすれば、その何気ないフレーズが、あのモテット等と同じように、豊かで美しいことを、実感していただけるでしょう。 以上のことから、ひとつの歴然とした事実が浮かびあがります。 つまり、ブルックナーは、何曲ものモテットや宗教曲、室内楽や器楽曲を書くことができる膨大な素材を、ただただ交響曲だけに注ぎ込んだ、ということです。 わき目もふらず、ひたすら。 (この点は、最小限の素材から、膨大な作品や巨大作品を生み出した、恐怖の省エネ作曲家、バッハと対照的ですね) しかも、普通の職業作曲家だったら、かならず、 「次はこのような曲を作ろう」と、具体的なプランを考えるのに、ブルックナーは考えません。 最低限の曲調くらいは想定するものの、それも最初だけ。 常に、その時点の自分に可能なすべてを注ぎ込んでしまいます。 まるで、その曲が、生涯最後の曲であるかのように。 だから、彼の交響曲は、みんな同じだ、などと悪口を言われるわけで、事実そのとおりです。 もちろん、だからこそ、後期になるにつれ、内容は恐ろしいほど深化していくのですが。 まさに、全力投球の作曲家。全力投球しか知らない作曲家です。 (この、あまりにも職業的でないところが、しかも、実は天才である、というところが、 やはりどうしても、ルソーとだぶってしまいます) 結局、ブルックナーは、自分でも言っているように、 真実、「愛する神のため」だけに、作曲をしたんだな、と思います。 「神のために」、常に自分のすべてを捧げた。 そして、この一点で、ブルックナーとバッハは共通しています。 (愛する神のもとにゆくブルックナー) だからこそ、わたしは、ブルックナーの書いたフレーズ一つ一つのすべてを、じっくりと聴いてあげたいのです。 演奏のために、泣く泣くカットした部分も含めて。 わたしは、ブルックナーについては、すべての稿をくまなく愛しています。 だって、ただでさえ、曲が少ないのですから。 わたしが稿の問題にこだわるのは、そのような理由からなのです。 そんなわたしが、一番愛する曲は、やはり、これ! ▽ 弦楽五重奏曲 ウィーン・フィルハーモニア五重奏団 * ブルックナーが一息に書いた、 きらきらしたと光や、そよそよとした風のようなフレーズたちが、 そのまま残された奇跡のような曲。 最新の良い演奏もたくさんありますが、 これは、古き良きウィーン・フィルの楽団員による、しっとりとした名演。 ▽ 弦楽五重奏曲のアダージョ(弦楽合奏版) (交響曲0番とのカップリング) スタニスラフ・スクロバチェフスキ、ザールブリュッケン放送響 * 上記弦楽五重奏曲の中でも、特に美しいアダージョを、 スクロバチェフスキ自身が編曲したもの。 数年前、サインをもらってしまった。 |
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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Noraさん、おはようございます。 |
aosta 2007/03/13 09:47 |
ブルックナー、しつこいですよね。よっぽど何か、うったえたいことがあったんでしょう。 |
Nora 2007/03/13 11:07 |
こんばんは。 |
アルトゥール 2007/03/16 22:23 |
こんばんは。いつもお世話になっています。 |
Nora 2007/03/16 23:30 |
Noraさん、こんにちは。こんなに前のトピックに書き込んでもいいのでしょうか?もうひとつブログというものが良くわかりません。まあ、とりあえず書きます。 |
S君 2007/12/11 16:19 |
ロマンスは関係ないかもしれません。まあ、ワーグナーの追悼ですから。でも古いお城とそれにまつわるロマンスを感じたのは事実なので…。これはアバドのせいかなー。 |
S君 2007/12/11 16:24 |
S君さん、どうも。 |
Nora 2007/12/11 17:12 |
いえ普通のCDです。アバドは大好きな指揮者ですがブルックナーを聴くのは初めてでした。これはちょっと言葉にできないほど素晴らしい演奏です。個々には、バランスが良いとか、リズム感が敏感とか、色彩感が豊かとか、格調が高いとか、しなやかとか、まあいろんな言い方はできるかもしれませんが、それだけでは言い尽くせません。巨大なトルソを見るような演奏ではないけれど、過不足なくアポロ的なブルックナーが屹立している感じとでも言いましょうか。 |
S君 2007/12/11 20:13 |
DG盤でしたか。 |
Nora 2007/12/11 23:37 |
シノーポリのライブが聴けたんですか。良いなー!私は図書館にあるシノーポリのブルックナー・シリーズを全部借りるつもりです。イタリア系といってもジュリーニのブルックナーはそれこそ最高ですし、何でも「系」で白黒つけたがるのは悪い癖ですね。くだんの指揮者は私と同年の生まれで、ブラームスなどリリカルでとても良いのです。ただしブルックナーだけは良くわかりません。(…こちらの問題かもしれません) |
S君 2007/12/12 15:34 |
同年生まれとおっしゃられてもちょっとわかりませんが、(笑) |
Nora 2007/12/13 01:22 |
この人のウェーベルン「夏風の中で」も素晴らしい演奏でした。何度も聴いた覚えがあります。さわやかで若々しい音楽の中に、名前どおりの含羞を感じました。(バレタ…?笑) |
S君 2007/12/13 10:18 |
> 含羞 |
Nora 2007/12/13 11:22 |
おっとシベリウスに火がつきそうです。今のところ、ブルックナーまでにとどめておかなければ(笑)それにしてもNoraさんと私は好みが似ています。バッハ以外はブルックナー、シベリウス、フォーレ、そして古楽…。違うところは、私が、おやじであることだけのようです。(明日は寒いところに行ってきます) |
S君 2007/12/14 19:15 |
> 明日は寒いところに行ってきます |
Nora 2007/12/14 22:41 |
>シベリウスのページもあります |
S君 2007/12/14 22:47 |
またまたブルックナーで書き込ませていただきます。先日、3番の第1稿を初めて聴きました。私は3番については若干苦手で、稿の問題にも関心がないので、ブルックナーを聴き出して30数年近くなるのに、こんな体たらくです。 |
S君 2007/12/19 14:24 |
お伺いしたいのは、ティントナー盤のことです。私が聴いたのはインバル盤でした。とても美しい演奏です。迫力にも欠けていません。でもPが小さすぎ繊細すぎるような気がします。美しくてダイナミックレンジが広くて雄大な演奏だけど、どこかパノラマ写真を見るような感があります。このような表現も決して嫌いではないですが、豊かで初々しい3番第1稿にふさわしい演奏が他にあるような気がします。…それがティントナー盤なのでしょうか?ナクソスは恐怖の玉石混交レーベルなので二の足を踏んでしまいます。(オケのレベルは?録音は?と、?がいっぱい…) |
S君 2007/12/19 14:31 |
S君さん、なんて、グットタイミングな。(笑) |
Nora 2007/12/19 21:23 |
ところで、わたしは、第3稿も好きです。 |
Nora URL 2007/12/19 21:26 |
>今ちょうど記事を書いているところです |
S君 2007/12/21 10:10 |
今、クーベリックの3番を聴きました。エーザー版でしたね、第2稿。第1稿ほどではないですが、やはりいろんなものが聴こえてきます。でも第1稿の方が、ずっと面白いし、凝縮度という点では第3稿の方が素晴らしいです。クーベリックの演奏も、かなり世評が高いですが最初は良くわかりませんでした。ただ、聴いているうちに彼のやりたいことが分かって来ました。「溶けあわせる」ということですね。(つづく) |
S君 2007/12/21 22:41 |
第3稿を聴いていると、9番にも通じるような深遠な響きが登場して、はっとさせられることが多いです。 |
Nora 2007/12/22 01:50 |
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