♪バッハ・カンタータ日記 〜カンタータのある生活〜

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zoom RSS 風薫る5月のVnソナタ(特別付録:春のカンタータ選集) + 復活節後第4日曜(BWV108、166)

<<   作成日時 : 2007/05/06 10:32   >>

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 前回の記事に書いたように、近くの公園は、新緑にきらめいて、もうまぶしいくらい、
 まさに、風薫る季節の到来ですが、
 そんな中、今わたしが取り付かれたように聴いてるのは、
 バッハでも、古楽でも、ジャズでもなく、
 なんと、モーツァルトとシューベルトのヴァイオリン・ソナタです。



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 モーツァルトの方は、スズケ、オルベルツの全集。
 わたしのモーツァルト再入門については、CDの記事のところにも書きましたが、
 現時点での到達点が、この全集。
(逆に言うと、まだ、このあたりをうろうろしてる、ということ)
 曲はもちろんですが、スズケと、オルベルツが、もう最高!
 カール・スズケは、いつもお世話になっているアルトゥールさん、その他のみなさんが、口をそろえて絶賛されてたので、聴いてみました。
 けっして華やかではないですが、渋い銀色の光沢を放つような音色が、ほんとうに心に染み入ります。



 もう一方のシューベルト。
 わたしは、シューベルトにVnソナタがあることなどまったく知らなかったのですが、これもアルトゥールさんに教えていただきました。


 曲目は、次のとおり。

 デュエット(ソナタ) D.574
 ファンタジー D.934
 ロンド D.895
 ソナチネ 第1〜3番 D.384、385、408


 どれもこれも、ファンタジーにあふれ、うっとりするほどの美しさ。

 例えば、名前もそのものズバリの、ファンタジー D.934。
 冒頭の、アンダンテ・モルトなど、
 ピアノのきらめく分散和音の上を、ヴァイオリンがゆったりと、長くj引き伸ばした単音を連ねてゆくだけなのですが、その音の動きが、もう他の誰も書き得ないというような、美しいラインを描き出すのです。
 これが、メロディーメーカー、シューベルトのすごさ、なのでしょうか。


 演奏も、自分でもいろいろ聴いてみましたが、ご推薦いただいたフランンス勢の古い録音が、しっとりしていてすばらしかった。自然体の極みのような演奏で、これもストレートに心に染み入ってきます。

 特にVnの、ミシェル・オークレール!
 何と言う、やさしく、あたたかい音色でしょう。
 若い頃、ほんのわずかに活躍しただけで、事故等が原因となって引退、その後は後進の指導に専念し、日本にも縁があったようですが、最近、亡くなってしまったようです。
 最近は、女流ヴァイオリニストというと、まばゆいくらいに華麗だったり、厳しく研ぎ澄まされていたりしていて、それはそれで魅力ですが、
 このように、思わずほっとするような(それでいて実はとても勇気付けてくれるような)人も、もっといてほしいような気も・・・・。



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 それにしても、モーツァルトにしても、シューベルトにしても、
 これらの音楽の、なんて今の季節に合っていることでしょう。
 緑の美しさと音楽の美しさが相俟って、都会の日常の中にいながらにして、
 この世にこんなに美しいものがあるのか、と、ためいきが出てしまうほど。

 これからも、このような、かけがえのない宝物のような曲や演奏との出会いが、まだまだたくさん待っているかと思うと、わくわくしてしまいます。


 みなさん、どうか、これからも、よろしくお願いします。



▽ わたしの好きなユリノキの巨木(夫婦?)
  昨年、枝をみんな剪定されて丸ボウズになってしまいましたが、
  春になって、枝も葉も、元気にのびてきました。ほっ。

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 さて、そんな、緑きらめく季節の中、一応立場上、カンタータも聴いてみました。
 前回のカンタータの記事でご紹介した、ユビラーテのBWV146

 始めの2曲、オルガンコンンチェルトはもちろんのこと、
 さすが、ピカンダー・カンタータ、
 アリアがどれもすばらしく、
 特に最後のデュエット舞曲など、目立たない曲ですが、これまた、ひときわ今の季節にぴったりで、最高。
 吹き抜ける風や、輝く緑とひとつになって、心を打ちます。
 こんなに、いい曲だったのか、と、あらためて見直してしまいました。

 わたしが聴いたのは、アーノンクール全集盤ですが、躍動的で良い演奏。
 アーノンクールも、見直したぞ。



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 ひとつ、気がついたこと。 
 同じく「季節にぴったり」、と言っても、モーツァルト、シューベルトたちと、バッハとでは、
 多少ニュアンスがちがう、というようにも感じられました。
 モーツァルトやシューベルトは、風や緑を感じている、作曲者の心の歌、
 バッハは、風や緑の息吹、自然そのものの音楽、と言ったらいいのでしょうか。
 よくわかりませんが、
 もう少し聴き込んでみれば、何かつかめるのでしょうか。



  *    *    *



 さて、少しおそくなってしまいましたが、
(一応連休中なので、お許しください)
 今日は、復活節後第四日曜日。



 ライプツィヒ2年目のカンタータは、

 BWV108 「わが去るは汝らの益なり」

 
 先週書いた、ツィーグラー・シリーズ。
 ツィーグラー・シリ−ズ全体に関して言える事ですが、この曲も、聖書の引用が多く、イエス自身の言葉もそのまま使われています。
 バッハの音楽についても、その聖書と密接に結びついた歌詞を、そのまま生かすことに、主眼がおかれてるようなところがある。
 つまり、この曲を聴いて感動することは、そのまま、聖書の内容に感動すること、のような気がして、もはやこれは、わたしのような「お気楽リスナー」の出る幕ではないようにも思えてしまいます。

 でも、あまり難しいことは抜きにして、単純に、バッハ絶頂期の豊かな音楽を楽しんでしまうのがいいのかもしれません。
 それほど、この音楽は、魅力的。

 第1曲、心安らぐのどかなアリア、
 第4曲、3つのテーマによるすさまじい大フーガ、
 どれもこれも、すばらしい。

 特に、このフーガはすごい!
 これは、音楽のフーガ、であるとともに、言葉のフーガ、でもあります。
(そして、その言葉とは、イエス自身の言葉なのです。)



 もう1曲は、1年目のBWV166
 そういえば、1年目も、この曲くらいから、聖句引用が多く見られるようになります。




 【おまけ】

  春のカンタータ選集
 

 さて、と、いうわけで、世の中は、春たけなわですが、
 これまたいつもお世話になっている元ロック少年のために、
 今の季節に聴くための、春のカンタータ楽章を選りすぐったCDをつくりました。
 彼は、うれしいような、困ったような、思い切り微妙な表情をしていましたが、
 まあ、いつか何かの役にたつこともあるでしょう。

 ↓ こんな内容 ↓ (クリックすると、曲目一覧を見ることができます。)


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 〜お詫びと訂正〜

 ちょっと見てみたら、この曲目表、まちがってますね。ごめんなさい。
 最後から2曲目、BWV74の上の<三位一体節>というのは、削除し忘れ。
 つまり、BWV74は、もちろん、精霊降臨節のカンタータです。
 また、BWV104は、厳密に言うと、復活節後第2日曜日用のものです。



 もし、全集や選集など、CDラックに眠ったまま、という方がいたら、
 演奏は誰でもいいので、
 同じもようなのを編集して聴いていただければ、春の情緒を、何倍もたのしんでいただけることはまちがいありません。
(もちろん春以外でもOKですが)

 なお、たいていの曲は、これまで記事に書いた曲、またはこれから書く予定の曲です。

 くわしくは、カンタータ目次からどうぞ。


 いまだったら、これに、
 さきほど書いた、BWV146のデュエットアリアも入れたいな。
 まあ、ほかにも、入れたい曲は、山ほどあるんだけど。



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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
Noraさん、こんにちは。
本当に、若葉の季節にモーツァルトとシューベルトのヴ
ァイオリン・ソナタの季節はよく調和しますね。
私も、中々時間が取れないのですが、近々広い公園にで
も散歩に行って新緑に囲まれ、今しか味わえない季節感
を味わいたいと思っています。
ちょっと余談ですが、シューベルトのヴァイオリン曲が
お好きな方は、彼の小品、特に即興曲(D899とD9
35)と3つの小品D946もお好みになれると思いま
す。私のイチ押しはピリスの90年代後半のDG録音で
す!
アルトゥール
2007/05/06 18:08
 アルトゥールさん。おはようございます。
 まさか自分がシューベルトのことを書くなんて、思ってもみませんでした。すべて、アルトゥールさんを始め、パソコンを通じて知り合ったみなさんのおかげで、心から感謝してます。
 
 即興曲というのは有名ですけど、ほとんどちゃんと聴いたことありません。3つの小品、となると、何のことやら。(笑)
 早速、図書館で、ショパンやモーツァルトのピアノ曲といっしょに借りてこようと思います。
 これから、ちょっとピアノ曲を中心に聴いていこうかと。
 ブログで読ませていただいた、メンデルスゾーンも良かったので。

 はたして、ショパンのノクターンがどうのこうの、とか、書く日が来るかどうか。
(実は少しあこがれてるのです)
Nora
2007/05/07 12:41
こんばんは。
ショパン、悪くないですよ(「悪くない」などとえらそうなことをいうと、ショパンファンのかたに怒られそうですが)。ショパンのメロディーは、ふっとヨーロッパの香りがすることがあって、そこが好きです。
ノクターンには”TO LOVE AGAIN”として有名な曲以外にもTVCMで知っている曲がいくつかあります。
そんなことは別にしても、結構いい曲がそろっています。夏の夜に聴くのは最適ですよ。
koh
2007/05/07 22:03
 kohさん。おはようございます。
 
> 夏の夜に聴くのは最適ですよ。

 どうも、こういう言葉には、弱いのです。
 ショパンはピアノ曲ばかりたくさんあって迷ってましたが、
 とりあえず、このノクターンと、あとプレリュードを聴いてみることにしましょう。

 kohさんからどこでコメントをいただけるか、いつも楽しみにしていますが、まさかkohさんから、「ショパン」という言葉を聞くとは。
(人のこと、あまり言えないですね)
Nora
2007/05/08 10:23
わたしも本当はショパンなど聴いたことなかったのですが、2曲のコンチェルトを聴いたところこれが結構よかったのです。ピアノ曲ではいまのところ、ノクターンとプレリュードしか聴いたことはありません。
コンチェルトはピアノ六重奏ヴァージョンのほうが、普通のオーケストラヴァージョンよりいいと思っています。最初のトゥッティのところから、ピアノも参加して弾いているところがおもしろいです。
koh
2007/05/09 22:27
Noraさん、こんばんは。

信州は今、輝くような落葉松の芽吹きの季節を迎えています。
春と初夏が一緒に訪れる心躍る緑のとき。
私にとって、この季節の喜びそのものとしか思えない曲が、バッハのBWV146番のカンタータです。
何度聞いても、その度に心から湧き上がってくる喜びの感情と、いきいきと躍動するエネルギーに満たされます。
充足感に満ちたうっとりするような幸福感。
まるで春の命が溢れ、輝きだすかのようです。

>吹き抜ける風や、輝く緑とひとつになって、心を打ちます。
ほんとうにその通りですね。
私が聴いているのもアーノンクールです。



aosta
2007/05/09 23:26
> ピアノ六重奏ヴァージョン

 え、ピアノ6台?
 と、思って検索したら、さすがにそんなわけ、ありませんでしたが、それでも何だかすごそうですね。
 わたしも、さすがに、いきなりロマン派(なのかな?)のコンチェルト、というのは厳しいので、これなんか、とてもよさそうです。
 探してみますが、あるのかな。(笑)

 ところで、プレリュードとノクターンを借りるつもりで図書館に行ったら、他館も含めて予約待ち。(ショパン、大人気でびっくりです)
 バラードとスケルツォというのだけ残ってたので、しかたなくそれを借りてきてしまいました。
 予定が大幅に狂いましたが、はたしてどうなることか。
Nora
2007/05/10 11:55
 aostaさん、さわやかなコメント、ありがとうございます。
 このような、遠く離れた土地(そんなでもないか)のたよりを読ませていただくのも、インターネットの楽しみの一つだな、と、しみじみと感じる今日この頃です。

 第1番のチェンバロ協奏曲は有名ですが、BWV146の方はほとんど聴かれることもないので、(ほとんど全集盤のCDしか、無いんですよ)
 このようなコメントをいただけると、ほんとうにうれしいです!(うれし涙)

 協奏曲とくらべると、独奏楽器はオルガンになりますが、それなりに響きは新鮮ですし、
 また、確かに終楽章は欠けた形ですが、そのかわり、とびっきり魅力的なアリアやコラールがたくさんついてるのに・・・・。
 どうして、みんな聴かないのでしょうね。(悲し涙)
Nora
2007/05/10 12:22
このショパンの室内楽ヴァージョン、わたしの持っていますCDでの編成は、ピアノ+SQ+コントラバスです。
ピアニストは日本人のシラガ・フミコさん(1996年の写真ではまだうら若い女性)、あとのメンバーは北欧のひとたちです(BISレーベル)。
ピアノ界の事情にはうといので、あまりお聞きしたことのないお名前ですが、実力は結構すごいひとのように思えます。
koh
2007/05/13 16:26
 おはようございます。
 「北欧のひとたち」の一言で、もう、購入決定です。
 BISなら、まだだいじょうぶでしょう。
 ついに、ショパンのコンチェルトか・・・・。(感無量)
 このシラガフミコさんも、(ドイツに帰化された方で、白神典子と書くみたい)検索したら、ちょっとすごいですね。
 モーツァルトやベートーヴェンのコンチェルトについても、室内楽版のCDをリリースしていて、さらに、現時点での代表盤は、ブルックナーのピアノ曲集、とのこと。
 まあ、ブルックナーのピアノ曲自体はめずらしくないのですが、
 このCDには、7番のアダージョのピアノ版がはいってるそうです。
 いつもながら、たいへんな人をご紹介くださって、ありがとうございます。おかげさまで、今週は、ずっとCDショップ回りです。(笑+涙)
Nora
2007/05/14 10:33
 ショパン、ブルックナーは品切れのため、予約。
 モーツァルトがあったので買ってしまいました。
 コンチェルト26番と22番。フンメルによる室内楽版。(BIS盤)
 フミコさん、ジャケット写真を見る限り、ちょっと恐い・・・・。

 演奏は、すばらしいです。清流がほとばしる感じ。
 室内楽アレンジも、必聴。モーツァルトのコンチェルトは昔よく聴いて、26番はあまり好きでなかったのですが、こんないい曲だったのか、と、しみじみ見直してしまいました。
 22番が美しいのは言うまでもありません。
 いまのわたしは、室内楽の方がしっくりくるので、しばらくは、この版から離れられなくなってしまうかも。
Nora
2007/05/18 12:09
 このモーツァルトのシリーズは、ほかにも何枚かあるようです。
 困った・・・・。

 いずれにしても、ショパンが楽しみです。
 あと、もちろん、ブルックナーも。
 7番のアダージョ、室内楽版、オルガン版等は聴いたような気がしますが、
 ピアノ版、というのは、あったかな?

 このコメント、何のために書いているのか、自分でもよくわからなくなってきましたが、とりあえず記録のため、ちびちび続けていこうかと思ってます。
Nora
2007/05/18 12:20

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