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明日の日曜(10月28日)は、三位一体節後第21日曜日。 カンタータは、 第1年巻のBWV109、 第2年巻(コラール・カンタータ)のBWV38、 後期のBWV98、188、 の4曲。 ただでさえ盛りだくさんなのに、 さらに、 10月31日(水)は、宗教改革記念日。 カンタータは、 BWV80、(コラールカンタータですが、第2年巻とは一概には言えない) 後期のBWV79、129、 の3曲です。 あまりにも名曲が多すぎて、こうして書いてるだけで、すっかりやる気を失ってしまいました。 過去記事をごらんください。 三位一体節後第21日曜日 宗教改革記念日 1 2 宗教改革記念日(BWV80)の記事から「バッハの最後のカンタータは?」(1、2)に続く計4回は、 バッハの最晩年とバッハ親子をめぐる連続ものになってます。 相当気合を入れて書いたのですが、BWV80の記事など、なぜかヒット数が、カンタータ記事の中で、一番少ないようです。(泣) 時間と体力のある方は、ぜひ、見てくださいね。 * * * さて、最近、たまたまペルゴレージやスターバト・マーテルに関するコメントをいくつかいただいたので、 今日は、ずっとご紹介したかった、ペルゴレージがらみのバッハの隠れた名曲のことを。 ペルゴレージ。 この若くして亡くなった天才作曲家に対して、バッハがほとんど憧れと言ってよいような感情を抱いていて、 その作品を徹底して研究、演奏したばかりか、 なんと、 自分の生涯の総決算であり、全作品の集大成というべき大作、ロ短調ミサにおいて、 最も大切な核心とも言うべきクレドの、誕生、受難、復活の音楽のうちの誕生の部分に、 ペルゴレージからインスパイアされた新作、というか、ほとんどそのままの音楽を使用した、 ということは、以前にも書いたとおりです。 今では、誰もが西洋音楽史上最大の作曲家の一人と認めるバッハが、作曲技法上前人未到とも言える境地に達していたその最晩年に、なおも、こうして若い流行作家の音楽を吸収しようとしていた、ということは、実に驚嘆すべきことです。 あたかも、ペルゴレージに音楽の未来を重ね合わせているかのようにも見えます。 そんな特別な関係にあった、(バッハの片思いですけど)バッハとペルゴレージですが、 それを端的に象徴するような曲が、 詩篇51 「いと高き神よ、我が罪を消し去りたまえ」(ミゼレーレ) BWV1083 です。 これは、かんたんに言うと、ペルゴレージの遺作、あの名曲、スターバト・マーテルを、バッハが、自分の教会で演奏するために、編曲したもの。 カンタータ作曲に情熱を失っていた晩年のバッハが、他の作曲家の作品を演奏することは、よくある、というか、むしろそちらの方がふつうの事だったので、 なんだ、単なる編曲じゃないか、と思われる方も多いでしょう。 ところが。 実は、この編曲が、ただごとではないのです。 これまでくりかえし書いてきたように、バッハのパロディは、単なる再利用などではなく、晩年のバッハのみが習得しえた神がかり的作曲技法を惜しげもなく投入した、偉大なる再創造と言うべき性格を有するものなのですが、 このスターバト・マーテルの編曲も、 あたかも自作の重要作のパロディであるかのように、ていねいにていねいに、精魂込めて行われています。 正に、新たなる創造と言ってもよいレヴェルの編曲。 まず、歌詞を詩篇に変えていますから、メロディーの細かいところに変更が加えられているのは当然です。 ただ、この時点ですでに、単に言葉とメロディーを整合させるだけではあきたらず、ついでに、音の進行や、楽節の集束のさせ方等に、実に細かい変更を加えています。 次にオーケストレーション。 室内楽的な原曲に、実に精緻なストリングスの編曲を施して、常にシンプルな部分と響きの豊かな部分が代わる代わる現れるようにしており、驚くほどメリハリのきいた音楽になっています。 さらに、バッハのことですから、もちろん、ヴィオラ等の内声部を徹底的に補強。 以上の変更から、結果的に、原曲の近代性がさらに強調されることになり、どこか古典派のセレナードなどを思わせるような、きわめてモダンな響きが創出されています。 バッハがそれを意図したかどうかは疑問ですが。 そして最後、 最も重要な点、 これは歌詞上の整合ともかかわるのですが、 バッハは、全12楽章の原曲の一部を、(最後の方)切り刻み、並び替えて、 わざわざ、14楽章の音楽に作り変えています。 みなさんお気づきだと思いますが、数学マニア?のバッハにとって、 14は、自分自身の数字。 バッハは、生涯にわたって、これはと言う作品、ここぞと言う時、 とにかく勝負の際に、必ずどこかにこの数字を刻印しているのです。 なんでまた、他人の作品に、と思いますが、 とにかくバッハにとって、この編曲は、それだけ重要なものだった、 あるいは、よほどこのスターバト・マーテルが気に入っていた、ということ。 以上いろいろと見てきましたが、いずれにしても、これらの編曲によって、あのスターバトマーテルが、より普遍的な姿に生まれかわわっていることは、まちがいない、と思います。 もちろん、原曲の持つ、多少荒削りだけど新鮮な部分が、(それが原曲の一番の魅力でもあるのですが)失われている、という側面もあるでしょうけれども。 いずれにしても、この曲は、バッハ晩年の手によるスターバト・マーテルとして、独自の価値を持っており、もっともっと親しまれてよい曲だと思います。 詩篇51にきざまれた、バッハの14のサイン。 ミサ曲ロ短調核心部分への、ペルゴレージ作品の転用。 これらの驚くべき事実を目の当たりにすると、 ちょっとSFやファンタジーっぽくなってしまいますが、 ペルゴレージの死後、その魂が、ほんとにバッハに乗り移ってしまったのでは? などと空想したくなってしまいますね。 この前、コメントにも書きましたが、バッハが、プロテスタントの枠を超えた、ラテン語作品に 傾倒し始めたのも、ちょうどペルゴレージが亡くなった頃からだ、と想定されるのです! 今度、そういう小説か、まんがでも書こうかな。 まあ、それはともかく、 ペルゴレージが晩年のバッハに決定的な影響を与え、 その精神は亡くなった後もバッハの中で生き続けて、吸収、昇華され、 やがて両者の精神は、西洋文明史上の不滅の金字塔、ロ短調ミサに結実した、ということは、動かしがたい事実、と言えるでしょう。 と、まあ、いかにもロマンティックに、長々と書いてきましたが、 最後に、ちょっと種明かし。 ペルゴレージは、大流行作曲家。 その早すぎる死によって、その名声は、さらにヨーロッパ中にとどろきわたりました。 片や我らがバッハ氏は、一地方都市のトマスカントル。 しかも、ほとんど職務を放棄している変わり者です。 バッハが、大スター、ペルゴレージに夢中になって、なんとかその作品を自作に取り入れようとしたとしても何の不思議も無く、 まあ、実際はそんなところなのでしょう。 ↑ クリックすると、詳細データを見ることができます。 さて、とびっきりの名曲であるにもかかわらず、あまり知られていない曲に、 あの天才ヘンゲルブロックのCDがあるのは、なんという幸せでしょう! まるで、高原を引き抜ける風のように、清新でしなやかな美しさ! BWV1083ということだけでなく、特に名盤の多いスターバト・マーテルの中でも、特に美しい演奏の一つ、と言ってもいいのではないでしょうか。 この人は、カンタータはほとんどやらないくせに、このような曲ばかり、しっかりと録音してくれてます。きっと目立ちたいのでしょう。 スカルラッティとドゥランテのめずらしいコンチェルトとのカップリング。 この人、ほんとに何がしたいのか。 ご存知のように、ヘンゲルブロックには、ロ短調ミサの超名盤もあります。 レオンハルトを別格にすれば、わたしは、いまだに、このCDが最高だと思っています。 この機会に、ペルゴレージがらみの2大名曲を、ぜひ、ヘンゲルブロックの颯爽とした演奏で! おまけ。 ▽ こちらは、この前ちらっとご紹介した、原曲の、究極の2大決定盤。 左、アレッサンドリーニ盤。右、リチェルカール・コンソート版。 ヘンゲルブロックのドイツ風名演に対して、生粋のラテン的名演。 ↑ クリックすると、詳細データを見ることができます。 |
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
またおわびです。 |
Nora 2007/10/28 10:41 |
Noraさん、今晩は。 |
Skunjp 2007/10/31 20:08 |
Skunjpさん。こんばんは。 |
Nora 2007/10/31 23:19 |
そうですか、それは残念です。直前に風邪をひいて、今家でこれを書いています。今日中に直って元気に本番を迎えたいと思っています。 |
Skunjp 2007/11/01 08:07 |
(つづき)ヘンデルの演奏には2種のタイプがあります。昔ながらのロマンティックでスケール大だけどちょっと眠くなる演奏と、スポーティでカラフルかつ刺激的な演奏の2種です。 |
Skunjp 2007/11/01 08:18 |
Skunjpさん、早々とお答えくださってありがとうございます。 |
Nora 2007/11/01 12:05 |
こんばんは。 |
aosta 2007/11/03 00:12 |
aostaさん、お聴きになりましたか! |
Nora 2007/11/03 02:10 |
おはようございます。 |
aosta 2007/11/04 06:31 |
aostaさん。こんばんは。 |
Nora 2007/11/04 22:12 |
> しっかり、聞いてしまいましたよ。 |
Nora 2007/11/04 22:21 |
こんばんわ。 |
たこすけ URL 2007/11/08 23:44 |
上から続きます。 |
たこすけ URL 2007/11/08 23:45 |
たこすけさん。こんばんは。 |
Nora 2007/11/09 22:41 |
バッハは、聖母マリア=はるかなる女性的な存在に対して、明らかに憧憬のようなものを抱いていました。(本人は認めようとしないかもしれませんが) |
Nora 2007/11/09 22:43 |
さらに言えば、わたしは、バッハ晩年の、ラテン語作品全般への傾倒さえもが、ルネッサンスへの憧憬とともに、はるかな女性的なものへの憧憬によるものだったのでは、と、疑ってますが、それはまた別な話。 |
Nora 2007/11/09 22:46 |
バッハの編曲によるペルゴレージのスタバトマーテル、 |
Evangelist84 URL 2009/06/27 07:01 |
Evangelist84さん、 |
Nora 2009/06/29 22:21 |
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