♪バッハ・カンタータ日記 〜カンタータのある生活〜

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zoom RSS 復活節前第9日曜日 + 今月のCD・暖炉(炬燵)の部屋で聴くバッハのピアノ曲CD他

<<   作成日時 : 2008/01/19 23:58   >>

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 今週は東京でも初雪が降ったそうですが、深夜とのことで、まったく気がつきませんでした。


 まだまだ寒い、というか、ますます寒くなってきた感じですが、
 今年の復活節は、とても早くて、3月23日。
 先週書いたように、暦の上では、顕現節後の祭日をすべてすっとばして、
 早くも、復活節へのカウントダウン、春へのカウントダウンが始まります。


 と、いうわけで、1月20日は、復活節前第9日曜日。

 カンタータは、

 第1年巻のBWV144
 第2年巻(コラール・カンタータ)のBWV92
 後期(1927年)のBWV84

 BWV84は、ソプラノのソロカンタータとして知られる名曲です。

 昨年の記事はこちら。ただ、あまりくわしく書いていません。
 いつか書かなくてはならないな。



  *    *    *



 さて、このように、空気に粉雪が混じるような季節になってくると、
 なぜか、ぬくぬくとあたたかい家の中で、バッハのピアノ曲でも聴きたくなってきます。
 できたら暖炉のそばなどが一番なのですが、そんなものあるわけありません。
 炬燵にでも入りながら、聴きましょう。
 昨年も、キラキラときらめく雪片を思わせるかのように研ぎ澄まされた、シュタットフェルトのピアノコンチェルトをご紹介しましたが、
 今年もちょうど、すっかり気に入って最近ずっと聴いているピアノ曲等のCDがあるので、
 それらを中心にご紹介したいと思います。

 それでは、少し早いですが、「今月のCD」ということで。



画像



 まず、フランス組曲
 ピアノによる決定盤がありそうでなかったため、これまでずうっと探し続けてきましたが、ついに、ほとんど理想的とも言える演奏とめぐりあうことができたので、まずそのCDから。

 またまた、カンタータ掲示板で教えていただいたもので、


エフゲニー・コロリオフの最新CD。
  (TACETレーベル)


 コロリオフは、ヘンスラーのバッハ大全集の中のゴールドベルク変奏曲の名演等で、知る人ぞ知るバッハ弾き。
(もちろん、他のCDも多い)

 これまで、フランス組曲の録音はありませんでしたが、満を持してリリースされたこのCDは、これまでにまったくなかったようなタイプの、超名演でした。

 一言で言えば、ものすごく自然な演奏です。
 総じて、おどろくほどスロー。基本的に、ものすごく個性的な演奏で、テンポもめまぐるしく揺れ動きますが、それなのに、その一音一音が、まるで自然界に漂う音のように、無理なく心にしみこんでくる。

 まるで、大気や水の静かな流れを思わせるような、穏やかな穏やかな演奏。
 聴いても聴いても、けっしてあきることのない、ほんとうに全身を包み込んでくれるような演奏。

 もしかしたら、
 リヒテルの、平均律1巻のプレリュードの中の、最高の演奏のいくつか、
 あるいは、エドウィン・フィシャーの、平均律の名演、(これは録音がよければ、という条件付きですが)
 などに、非常に近しい演奏と言っていいかもしれません。


 今年にはいって、ほとんどかけっぱなしの、ヘビー・ローテーション状態。

 バッハの「ピアノ曲」ファンの方は、ぜったいに聴いてみてください。
 ちょっと高いですが、それだけの価値はあります。



 次は、バッハのピアノ曲の原点、インヴェンション

 インヴェンションについては、昨年、やはりシュタットフェルトの、胸のすくような思いっきりロマンチックな演奏をご紹介したばかりですが、
 今回は、ものすごく規範的、と、いうか、どこをとってもインヴェンションそのもの、というか、バッハの魂そのものがストレートに伝わってくるような、簡単なようでいて実はすごく難しい、やはりこれも超名演、といってよい演奏です。


 エヴァ・ポブウォッカのCD。
  (ビクター・エンタテインメント)


 昨年のけっこう早い時期にリリースされたCDですが、年末ずっと聴いてたから、まあ、いいや。


画像



 ポブウォッカは、ポーランドの女流ピアニストで、エドウィン・フィシャーとニコラーエワの両方に連なる経歴の持ち主だそうです。
 ショパンやシューマン、メンデルスゾーン、グリークなどの、特に小品を、実に味わい深く聴かせてくれる、とのことですが、そのかたわら、ライブ等でも一貫してバッハを取り上げ続け、バッハのスペシャリストとしての名声も確立しているようです。
 
 この演奏も、長年大切に弾き続けてきた結果、あらゆるよぶんなものが切り捨てられ、本当に必要なものだけが美しく結晶化したかのような演奏。

 ちょっと聴くと、極めてスタンダードなものですが、
 何度も聴いていると、まったく無駄の無い、どこをとっても美しさに満ち溢れた演奏であることに気がつきます。
 しかも、聴けば聴くほど、新しい美しさを発見します。そして、それは、バッハの音楽に始めから備わっているものなのです。

 さらに、女性ならではの、おおらかであたたかい歌心も、あちこちで聴くことができます。

 聴けば聴くほど、味が出る。 
 これからはしばらく、インヴェンション、というと、まずこの演奏に耳を傾けることになりそうです。



 インヴェンション、と言えば、
 わたしは長年、インヴェンションの各曲を、2つ、ないし3つの旋律楽器が、美しく奏でたら、どんなにいいだろう、と、ずっと考えてきました。
 そして、そんな演奏を、ずっと夢見てきましたが、昨年末、ついにその夢がかないました。


 「インヴェンションとパルティータ」

  ジャニーヌ・ヤンセン(Vn)、マキシム・リザノフ(Va)、トルレーヴ・テデーン(Vc)
  (デッカ)


 若い名手3人のアンサンブルが、おおまじめに、しかもとびっきり楽しく美しく、
 インヴェンションとシンフォニア、全30曲を聞かせてくれます。

 モダン楽器を使ってますが、ヤンセンさんのピリオド奏法が実に堂に入っていて、なんだか、かっこいい。

 もう説明は必要ないでしょう。とにかく一度聴いてみてください。
 上記ポブウォッカ盤とともに、インヴェンションがどんなにすてきな「音楽」であるか、思い知らせてくれるでしょう。
 バッハのうれしそうな顔が目に浮かびます。

  
画像



 ちなみに、「インヴェンションとパルティータ」という妙なタイトルがついてますが、
 これは、2声曲と3声曲の間に、例の、ニ短調無伴奏パルティータ(シャコンヌ付き)が、全曲収録されてるから。
 もしかしたら、これがメインなのかもしれませんが、まだ聴いてません。(笑)
 すみません、ちゃんと聴きます。



 最後に、ちょっと季節はずれになってしまいますが、
 昨年末にリリースされたCDの補足。


 「降誕節のための傑作カンタータ3篇」(BWV64、121、133)

  J.チュベリー、Ens.レザグリマン、ナミュール室内cho
  (リテェルカール)


 ツィンク、トロンボーン、オーボエ・ダ・モーレ等、特徴的な管楽器が大活躍するクリスマスの名作カンタータ集。

 昔ながらの奏法によるこれらの管楽器の懐かしくも素朴な音色と、
 開管プリンツィパル管を備え付けたポジティブオルガンの豪快な音色とが、
 一つにあたたかく解け合い、それらが織り成す響きがなんとも古雅で、夢見るように、美しい。

 古き良き時代のドイツのクリスマスを、どっぷりと体感することができる、なかなか味わい深いCD。
 ドイツの田舎町かどこかで、聖劇か何か見ているような、不思議な気分になれます。

 合唱団のメンバーがソリストをつとめているところも、もしかしたら技術的には問題があるのかもしれませんが、かえって素朴な感じが増して、わたしにはうれしい。

 ヘレヴェッヘの2組のカンタータ集、コープマンのアンソロジーを始め、
 クリスマス・カンタータ集には、よいものが多いですが、
 また1枚、名CDが加わりました。

 クリスマスにご紹介すればよかったですね。ごめんなさい。
 買ったのが、年末だったもんで。


画像


 △ あのリチェルカール・コンソートのBWV106の名盤(旧盤)と同じ、
   洋書のようなデザインの背表紙が目印。(左側の赤いラインに注目)



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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
Noraさま
私はチェンバロのレコードとCDしか持っていません。
しかも、レオンハルト氏が中心ですので、Noraさま
のように聴き比べもあまりしていません。
(その他には、リヒター氏、キプニス氏、ピノック氏、鍋島元子氏、
曽根麻矢子氏、ドレフュース、ガラッティ氏、タヘッツィ氏のものを
少々、所有しています)
実は、グールド氏の名盤すら持っていないのです。
昨年までは、バッハはチェンバロで聴くものだと
譲りませんでしたから。。。。。。
でも、ピアノ弾きの友人ができ、更に、古典派、ロマン派
の多くのピアノ巨匠たちが、バッハを尊敬し、そして学んで
いたという事実を知り、ピアノそのものが好きになりました。
今では、特に若い頃の(なかなかいい男なので?)グ-ルド氏
が好きですね。
今夜は雪(横浜)、明日は大寒ですが、心は暖かい
冬です。
Nacky
2008/01/20 16:52
Noraさん、こんばんは。寒い日がつづきます。今夜は首都圏でも雪だということですが、かぜなどお召しにならないようになさってください。

インヴェンションといいますとわたしも、ジャック・ルシエ→アルド・チコリーニ→グールドとピアノばかりで聴いてきました。考えてみるとチェンバロの演奏は本格的には聴いていないです。

このポブウォッカというひとのも聴いてみたいです。
この名前の綴り、Pobのつぎの字がtのように見えるので、tockaで「ウォッカ」と発音するとは、ポーランドの名前は難しいですね。

それから、弦楽のインヴェンションこれは絶対買いたいです。インヴェンションはふたりで、シンフォニアは三人で演奏しているのでしょうか。
koh
2008/01/20 17:48
 Nackyさん、こんばんは。
 だいぶ冷え込んできましたが、まだ雪は降っていないようです。
 しんしんと雪が降る夜などは、チェンバロがぴったりですね。
 雪を見つめながら、2つのチェンバロや3つのチェンバロのためのコンチェルトなどを聴いていると、涙がこぼれそうになります。
 そう言えば、グールドの孤独なピアノも雪に似合います。
 なーんて、あしたの朝たいへんなので、あまりひどい雪にならないといいんですけど・・・・。
 かぜなど、おひきにならないように。
Nora
2008/01/21 00:31
 kohさん、こんばんは。

> かぜなどお召しにならないように

 ありがとうございます。実は、年明け早々ひどいかぜをひきましたが、ようやく復活してきました。もうだいじょうぶです。kohさんも十分気をつけてくださいね。

 ポブウォッカさん、とてもいい顔をしてらっしゃいます。瞳がとても力強い。グリーグの小品集も出ているようなので、聴いてみたいです。
 それから、本文では書き忘れましたが、4つのデュエットも収録されていて、これまたステキな演奏です。

 以前、ゴールドベルクの弦楽三重奏版がありましたが、インヴェンションは、ありそうで無かったですね。
 ヤンセンというアイドルっぽいヴァイオリニストが中心になって、2声曲は、ヴィオラのリザノフとのデュエットで、3声曲は、チェロのテデーンが加わり演奏しています。
 テデーンはBISレーベルで、よく北欧の曲を演奏している人のようです。
 個人的には、インヴェンションのアンサンブル版などは、あまり大家より、このくらいフレッシュな演奏家の方が楽しめるように思います。
Nora
2008/01/21 00:53
92番を今朝聴きました。これも心にしみる名曲。第一曲の「悪しきことも益にされる」という歌詞がジーンときました。本当にその通りで、感謝であります。

さて、コロリオフとポブウォッカ、いずれもロシア派のピアニズムをくんでいますね。というかニコライエヴァの弟子筋だと思いますが、この辺りはピアノによるバッハ演奏の牙城ですね。大切に聴いていきたいと思います。コロリオフとポブウォッカのインヴェンションには僕も心から感動しました。次のターゲットとして、とりあえずコロリオフのフランス組曲は欲しいと思っています。(そういえばこの曲、ピアノによる決定版があまりないですね)

ポブウォッカはパルティータの名演もあります。その他、グリーグ(抒情小曲集)やフォーレ(夜想曲)も素晴らしいですね。
S君
2008/01/21 11:21
 92番、始めハイドンのことをおっしゃってるのかと。(笑)
 何かおかしいな、と思ったら、カンタータですね。カンタータのブログだというのをすっかり忘れておりました。(笑)
 BWV92、オブリガート付きのコラールもすばらしいですね。

 ポブウォッカのグリーグやフォーレ、聴きたいです。そのような、ロマンンティックな小品も、すごくいいような気がしますね。
 コロリオフのフランス組曲は、ほんとうにおすすめです。ちょっと高いですけど。
 ロマン的側面と、知的側面のバランスが最高だと思います。
 そして何より、音色が美しい。
Nora
2008/01/21 23:09
こんばんは。リチェルカール・レーベルのカンタータは新録音なのでしょうか。このレーベル、以前は通常のプラケースでリリースしていたのですが、いっとき全く見なくなり、最近になって旧録をおっしゃるような「洋書風背表紙」で再リリースしているようですので。まあ、再リリースであってもこのカンタータは未聴で、そそられることに変わりはありませんが…。

自分のクラシックのブログにカンタータについて新しいエントリをアップしたので、のちほどトラックバックさせていただきますね。
子守男
URL
2008/01/24 02:23
 子守男さん、ヘンゲルブロック盤、お聴きになりましたか!
 またすばらしい記事をTBしてくださり、ありがとうございます。

 チュベリーのクリスマス・カンタータ集は、2006年12月録音となってますので、一応ニュー・リリースなのではないでしょうか。
 ナミュールというのはベルギーの街だそうで、全員ベルギー人のメンバーによる、とても素朴な演奏です。ちょっと季節はずれですが、ぜひお聴きになってみてください。 
Nora
2008/01/24 21:19
Nora さん、そうですか、新録音なのですね。見つけたら購入しようと思います。ありがとうございました。
子守男
URL
2008/01/26 01:19

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