♪バッハ・カンタータ日記 〜カンタータのある生活〜

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zoom RSS バッハファンのヘンデル入門・2 春まだき・春を呼ぶ一枚〜バッハVSヘンデル【復活節前第8日曜日】

<<   作成日時 : 2009/02/14 23:59   >>

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 あした(2月15日)は、復活節前第8日曜日。

 カンタータは、
 初期の、BWV18
 第1年巻の、BWV181
 第2年巻の、BWV126
 の3曲です。

 過去記事は、こちら

 ほとんど何も書いていませんが、モンドリアンの絵でもご覧になってください。


 この日のカンタータは、レチタティーヴォが聴きどころの曲がそろっています。

 BWV18は、最初期の作品ながら、様々な実験的なレチタティーヴォが特徴的。
 特に第3曲は、聖書のキリストの言葉(バス)に、テノールが応答、ソプラノの会衆がコラールを歌う、
 という形が、何度も繰り返されます。

 BWV181の第2曲レチタティーヴォは、アリオーソ部分の伴奏とのからみあいが心にしみるように美しい。

 そして、BWV126
 コラール・カンタータ絶頂期のこの曲において、
 レチタティーボは、ついに究極の完成形にたどりつきます。
 第2曲レチタティーヴォ。
 例によって、トロープス・レチタティーヴォですが、アルトとテノールのデュエット。
 アルトとテノールが、交代でトロープス+コラール各節を歌い、一方がコラールを歌っているのに対し、ここでは何と、もう一方が美しい対旋律をからませます。

 他に例をみない入念さ。


 今年は、このコラール・カンタータBWV126を聴いてみました。

 張り詰めた緊張感。おそろしいまでの完成度。

 そして、コラール・カンタータは、この後、前人未到の高みに到達します。

 いよいよ、コラール・カンタータ年巻の最終結論であり、そして、受難曲の予告編でもある、
 BWV127BWV1両曲が登場します。 



  *    *    *    *    *    *
 


 さて、昨日の九州地方に続き、今日は東京でも春一番。
 今日の東京は、実にうららかな晴天。セーターを着ていると、汗ばむくらいで、一息に春がやってきたかのようでした。
 本格的な春の訪れはまだまだですが、今日のように春の足音が聞こえてくると、CD棚から取り出して、聴いてみたくなる1枚があります。

 このCD、前にも取り上げたような気もしますが、
 Nackyさんがコメントで、春らしい曲としてあげていらしたヘンデルのハープ協奏曲も収録されていますし、とにかく良いCDなので、また登場させてしまおう。

 
 ラ・フォル・ジュルネ ナント’06 公式アルバム バッハ/ヘンデル

        リチェルカール・コンソート
        ソプラノ、ヌリア・リアル  
        バロック・ハープ、ジョバンナ・ペシ オーボエ、パトリック・ボージロー
        そして、ガンバはもちろん、フィリップ・ピエルロ


画像



 バッハとヘンデルのコンチェルトとカンタータが、1曲ずつ収録されています。

 バッハは、BWV10055から復元されたオーボエコンチェルト BWV1055a
 (クレジットでBWV1005aとなっているのは明らかにまちがい)
 そして世俗カンタータ、「しりぞけ、もの悲しき影」 BWV202
 の2曲。


 もちろん、購入したのは、バッハがお目当てでした。

 曲目は、バッハの、とても春らしい音楽、2曲、
 演奏は、わたしが最も信頼している奏者の一人、フィリップ・ピエルロ、
 そして、ご覧のとおりの鮮やかなピンクの春らしい紙ジャケ、(CD盤までピンクです)
 
 リリースと同時に飛びつきました。


 実際に聴いてみると、予想以上のすばらしさ。
 軽やかに心浮き立つかのようなコンチェルト、
 そして、しっとりとした愛のカンタータ。
 さながら、春の女神が、一面の雪原を、静かにゆっくりと、しかし確実に春色に染めてゆく光景を目の当たりにするかのよう。

 陶然となって、もう心から大満足。


 そして、後は、後半、ヘンデルの2曲。
 この時は、ヘンデルにはたいして興味なかったので、もういいかと思って、CDを止めようとした、その時です。

 ヘンデルの1曲目、ハープ協奏曲が始まりました。
 
 そのとたん、目の前がさーーっと薔薇色に光輝きだしました。びっくりした。
 バッハの音楽は、雪解けを思わせる凛とした清々しさがすてきでしたが、
 今度は、一気に、春の饗宴が始まったかのよう。炸裂する音と光。
 いつかご紹介した「チューリップの幻術」の世界。
 まぶしい。これこそが、春!

 そして、続く、カンタータ。

 「炎の中で」 HWV170

 雄大な大地を思わせる、ピエルロの力強いガンバのリズムに乗って、
 器楽とソプラノが、今度は、春の夕べの香りが漂うかのような、情感あふれる旋律を歌います。
(輸入盤につき、歌詞などはまるでわからず、とんちんかんなことを言っているかもしれませんが、気にしないこと)


 というわけで、バッハももちろんすごかったけれど、
 ヘンデルも、そのバッハを吹き飛ばしてしまうほど、底抜けにすごかった、という話でした。

 この「春のCD」、バッハとヘンデルの、実に春らしい曲の名演が収録されていて、必聴ですが、
 しかしそれだけでなく、それぞれの音楽が、バッハ、ヘンデル、この2大作曲家の本質を端的に表しているような気がして、なかなか興味深いものがあります。


 この頃は、ちょうど、Kohさんから、ヘンデルのイタリアン・ソロ・カンタータというのを教えていただいた頃で、
 おー、これがそのカンタータか!と、感激し、
 この後、しばらくの間、わたしは、イタリアン・ソロ・カンタータにはまることになります。

 わたしのヘンデル体験は、実に、カンタータから始まったわけです。



 次回は、(いつになるかわかりませんが)
 わたしが聴いたイタリアン・ソロ・カンタータのCDと、
 もう1曲、ヘンデル入門の大きなきっかけとなった名曲、
 「9つのドイツ語アリア」について。



 また、このCDによって、わたしは、ヌリア・リアル嬢の、やさしくまっすぐな歌に、すっかり魅了されてしまった。
 正に、春の歌声。
 

▽ 最近のお気に入り。
  左、ルネサンス・ギターのモレーノのプロジェクトにリアルが参加した、
  スペイン・ルネサンス歌曲集。
  右は、あまり関係ありませんが、サナブラス(ハープ・コンソート)の、スペイン・ルネサンス歌曲集。
  これは名盤中の名盤。
  伴奏には、様々な楽器が登場。あのポッジャーがアラビア〜ンなすてきなソロを聴かせてくれる。

画像


 

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
Noraさま

このようなアルバムがあったのですか
バッハ&ヘンデルとくれば、音楽史上最強タックといっても過言では
ないですね。(笑
先のコメントに間違いがありましたので、ここで訂正させたいただきます。
>バッハを敬愛したショパンやシューマンは心の通じ合う友人のように
勝手に思っていましたが、このCDを聴いて「シュタイアーさん、
ショパン」さんと共にバッハへの想いを通わせ合いたいと思います。

「シュタイアーさん、シューマンさん」です。m(__)m
でも、まあ、いいか。。。
ショパンさんだけでなく、ベートーベン、ブラームス、リスト、ドヴォルザークさんや、その他、沢山の音楽家の皆さんともバッハへの思いを通わせ合いたいと思います。
Nacky
2009/02/15 13:22
たびたび失礼致します。
>ショパンさんだけでなく
 
シューマンさん、ショパンさんだけでなく。。。。。
ですね。

あと、ハープ協奏曲は、しみじみとゆったり流れる第二楽章も好きですし、
後に独奏楽器をオルガンに変えて編曲されたオルガン協奏曲も好きです。

ちょっと追記させていただきました。
Nacky
2009/02/15 14:33
Noraさま

明日からまた冷え込むようです。お風邪など召しませぬように。

ヘンデルにあってバッハにないものと言えば、(旋律の)伸びやかさでしょうか。素直にまっすぐ伸びてゆく、大らかに拡がってゆく音楽−−−実はそれは「私に無いけれど欲しいもの」という精神性に近いのです(笑)もちろん私をバッハに譬えているわけではなく、自分がひねくれ者だからそのように思うわけですが。今年は少しでもヘンデルに倣いたいと思います。
かげっち
2009/02/15 21:53
 Nackyさん、こんばんは。
 わたしは先ほど、TVのN響アワーを見て、チャイコフスキーさんと心を通わせてしまいました。指揮者の方が演奏後、泣いてらっしゃったようですが、そんな光景を見たのは初めてです。なかなかの名演だったのではないかと思います。
 でも、もしかしたら、汗かも。

> 後に独奏楽器をオルガンに変えて編曲されたオルガン協奏曲も好きです。

 あのハープ協奏曲のオルガン版があるのですか。
 バッハみたいですね。
 どんな感じなのか、おもしろそうですね。早速探して聴いてみます。
 いつも、ありがとうございます。
Nora
2009/02/15 23:34
 かげっちさん、こんばんは。
 もうすでに寒くなってきました。お互い、健康には気をつけましょう。

 バッハも、素直で真っ直ぐな旋律をけっこう書いてるんですが、すぐにいろいろと手を加えて、ややこしくしてしまうところがありますね。

 バッハとヘンデルのちがい、色々考えたのですが、一番大きいのは、誰のために曲を書いたか、ということなのではないでしょうか。
 ヘンデルは同時代の人たちのために、オペラやオラトリオを書いた。
 だから、当時はバッハなど足元にも及ばない大スターですが、現代では、長大なオペラの上演等がなかなか困難で、一部の曲しか知られていない。
 その点、バッハは、同時代の人たちに背を向けて、未来に向かって普遍的な音楽を書いた。少なくとも、最後の10年くらいは意識的にそうしています。
 だから、当時の人たちからは偏屈な変人あつかいされてましたが、現代においては受け入れられやすい。
 まあ、ちがいといったらそれくらいなもので、二人とも天才なのはまちがいありません。
Nora
2009/02/16 00:38
ヘンデルのハープ協奏曲って、レコードの時代はごく普通に録音があって良く聴かれていましたが、バロックの古楽演奏が普及してからは、意外と録音が少ないんですよね。
たぶんバロックハープ奏者で、この曲を上手く弾ける人が少ないからでは・・・?と思いますが。
アンドルー・ローレンス・キングがハープを弾いた録音を持っていますが、ポツポツと(笑)やっとこさで弾いている感じです。
いい曲なので、もう少し録音が増えてほしいのですが。

カンタータからヘンデル体験って、珍しい入り方ですね。
たぶん一番マイナーなところかもしれません。
後はスゴイ(←何が???)のばっかりかもしれませんよ!?
REIKO
URL
2009/02/16 06:06
 REIKOさん、こんばんは。
 ローレンス=キングが、無伴奏をアレンジしたものや、ラテン・バロック等を弾いているCDを聴くと、実に見事な演奏をしています。
 もしかしたら、ヘンデルが念頭に置いていたのは、割りと現在に近いハープなのかもしれませんね。よくはわからないですが。
 それにしても、この曲のメロディ、有名ですよね。何かに使われてたのかな。
 それから、この記事を書きながら、そう言えば、ハープってバッハにはまったく似合わないな、としみじみ感じました。
 ハープでバッハを演奏するのがよくない、というのではなく、何となく、イメージとしてかけはなれてるなと。

 記事には、カンタータからヘンデル体験が始まった、と、さも続きがありそうなこと書いてますが、今のところ、そのカンタータ+この前のチェーザレが、わたしのヘンデル体験の、ほとんどすべてです。
 カンタータのことを書いておきたいのですが、輸入盤がほとんどなので、何を歌ってるのかさっぱりわからず、果たして何を書けばいいものやら。(笑)
Nora
2009/02/17 23:15

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