♪バッハ・カンタータ日記 〜カンタータのある生活〜

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zoom RSS オルガンはどこへ行くのか〜年末年始のアルバム【顕現節後第2日曜日】

<<   作成日時 : 2010/01/15 00:23   >>

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 1月17日は、顕現節後第2日曜日。

 カンタータは、

 初期のBWV155
 おそらく第2年巻(コラール・カンタータ)のBWV3
 後期のBWV13
 の3曲です。

 過去記事は、次の通り。


 闇の中に燦然と輝くコラールが印象的な、後期の大傑作、BWV13について、リヒターの名演等のことを書いているのが、こちら

 やさしくやわらかな色調に全編を染め抜かれた、コラールカンタータの名品、BWV3について、ほんのちょこっと書いているのが、こちら


 後者の記事のメインは、新春スペシャルとして、ロ短調ミサの特集になっています。
 (なお、今年は、新春スペシャルは特にありません。)



 今年はまた、BWV3を聴きました。リリング盤。
 これがカンタータ聴き初め。
 平安に満ちた弦+オーボエのオブリガートにのせて、コラールが、めずらしくバスによって力強く奏される冒頭合唱をはじめ、最後まで、一瞬のスキもない、コラール・カンタータ。
  
 bcの音型までがコラールから派生している、コラール付きのトロープス・レチタティーボ(第2曲)などの、充実しきった書法から、第2年巻(1725年)の作品だとばかり思っていましたが、
 1726年のコラール・カンタータ年巻補完作だという説もあるようです。



  *    *    *    *    *



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 以下、これまで書かなかった、年末年始に見たもの、聞いたもの、食べたものをまとめて。



 まずは、イルミネーションなどのつけたしから。


 池袋駅東口。最近がんばっている。

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 この牧歌的な光の向こうでは、熾烈な家電戦争が繰広げられている。
 左:ビック本店、右:ヤマダのLABI日本総本店。

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 こちらは、わが家のツリー。

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  ☆    ☆    ☆



 池袋駅地下ショッピング街のスタバが、開店1周年ということで、無料でコーヒーを配り、ジャズライブをやっていた。
 演奏は、「スタックス」。スタバの店員さんのバンドらしいが、けっこう本格的だった。

 
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  ☆    ☆    ☆




 所用で巣鴨方面に行く。


 都電の庚申塚駅に、ホームから直接入る甘味店が。
 めずらしいので、ちょっと休憩。

 都電のお客さんから、丸見え。

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 焼きそばが名物とのことで、昼がまだだったので、ここでランチ。
 大きなおはぎがついている。

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 庚申塚は有名な巣鴨商店街のはずれにある。
 猿田彦を祀っているため、民家の狭間の境内はお猿だらけ。

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  ☆    ☆    ☆




 年が明けて・・・・。



 今年は、川崎は影向寺(ようごうじ)のお薬師様に、初詣


 多摩川沿いの、古墳がやたら多い、関東のまほろばともいうべき地域。
 かつて橘樹(たちばな)郡と呼ばれていた川崎市のほぼ真ん中、宮前区野川東耕地の高台に、影向寺はある。

 橘樹は、その名のとおり、弟橘媛ゆかりの古代ロマンあふれる土地柄だが、
 影向寺は、その地を代表する寺院にふさわしく、なんと、白鳳時代の創建。浅草寺や深大寺と並ぶ歴史を誇る、東京周辺では最も古い寺院の一つ。

 境内はそれほど広くはなく、一見ごくごく普通の寺院だが、
 江戸時代の地元棟梁による再建ながら、白鳳の古い様式を忠実になぞらえた美しい薬師堂、(県指定重文)
 平安仏と推定されるが、ケヤキの一本造の関東風の素朴な作風が、さらに古い時代に通じるような素朴でおおらかな風格をかもしだしている、本尊・薬師如来の巨像、(国指定重文)
 鎌倉時代の精悍な聖徳太子孝養像を安置する六角堂、
 などなど、
 気の遠くなるような歴史を刻んできた古寺ならではの文化財を数多く抱えている。


 薬師堂

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 薬師堂と収蔵庫と銀杏の巨樹。

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 数多い文化財の中でも、一番の至宝は、何と言っても本尊・薬師如来。
 素朴でおおらか、どっしりとしていて、何とも頼りがいのありそうな巨仏。
 現在は、本堂裏手の収蔵庫に収められており、収蔵庫には、本尊・薬師三尊のほか、二天像、十二神将像が並び、なかなか壮観。
 一応秘仏で、収蔵庫は、正月3ヶ日、8月5日の施餓鬼会、11月3日のみ扉が開かれ、ガラス戸越しに、諸仏を拝観することができます。

 なお、寅年の今年は、稲毛7薬師寅年ご開帳で、4月4日(日)〜11日(日)まで、ガラス戸も開かれ、じかに拝観することができるそうです。

 ↓ちらし(写真の仏像が、稲毛7薬師第2番にあたる影向寺の薬師仏)

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 太子堂

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 影向寺についてのくわしい記事は、こちら



  ☆    ☆    ☆



 初詣の帰り、お正月らしく、浮世絵展に行く。


 太田記念美術館開館30周年記念特別展

 江戸の彩り 珠玉の浮世絵コレクション (〜2月24日(水)まで)

        at 太田記念美術館


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 特にテーマがあるわけではなく、浮世絵の代表作とも言えるような名品をずらーっと並べただけのもので、すでに見たことがあるようなものが多かったが、さすが太田記念美術館、浮世絵の長い歴史の全体をカバーしているし、状態もよいものが多い。
 お正月にふさわしい、華やかでぜいたくな展覧会でした。(晴れ着で観ている方もいた)

 肉筆画も多かったが、中でも、北斎最晩年の傑作、「羅漢図」が圧巻。(八十七老卍筆)
 これは以前にも見たことがあったが、思わず絵の前に釘付けになってしまった。(下の絵)↓
 実物はすごい迫力です。羅漢の手から、実際に稲妻の光る黒雲がわきあがっているみたいに感じられます。
 最晩年の北斎、人物画については、現代の漫画家みたいに、独特の決まったタッチに定まってしまった感があるが、(それはそれですごいんだけど)
 このような雲や生物などの森羅万象に関しては、洋の東西を問わず誰も及ばないような高みに達していたのではないか。

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 そのほか、印象に残った絵。

 あの鈴木春信に多大な影響を与えた、西川祐信の「雪の送り・やぐら時計」
 国芳の弟子の大蘇芳年が、他ならぬ国芳その人を偲んで描いた「歌川国芳肖像」
 (国芳が大好きだった猫を、膝元にさりげなく描いてあげている)
 司馬江漢が、春信の名で(わざわざにせの落款までつけて)、春信っぽく描いた、「縁先二美人」
 (つまり、かんたんに言うとばったもん、ということだが、人物は春信っぽいのに、背景に思いっきり江漢らしい最先端の超遠近法を使っているのが笑える)
 あと、もちろん、春風のようにやわらかな、ほんとうの春信自身の作品、何点か。(数は少なかったが)


 注!展示替あり



  ☆    ☆    ☆



 ニューイヤー・コンサート

 文京フィルハーモニック管弦楽団第5回定期 at カザルス・ホール


 以前、たこすけさんのブログで、カザルス・ホールが今年の春をもって取り壊しになることを知り、その前に足を運ばねば、と思っていたところ、
 お正月に、無料で聴けるアマチュア・オケのニューイヤー・コンサートがあることを知り、早速行ってまいりました。

 女性奏者は皆さん、色とりどりの華やかなドレスを着ていて、新春らしいゴージャスな雰囲気。
 アマチュア・オケながら、あまり知られていない曲目も含まれていて、なかなか意欲的なプログラム。
 「シャンパンポルカ」では、シャンパンの栓を抜く「ポンッ!」という音を出すスティック型の楽器(コルベルク ポップガン)も登場。(実際には「ポコン」という音だったけれど)

 なかなか本格的で、おもしろかった。

 それにしても、シュトラウスのワルツはいいな。美しくない部分がまったくない。
 特に冒頭の「こうもり」なんか、うっとりするようなメロディーが、次から次へと湧き上がり、まるで魔法の泉。
 こんなとっておきのメロディーを惜しげもなく投入してしまっていいのか?と心配になってしまうほど。

 音楽の美しさに陶然となり、また、ホールの音と居心地があまりにもいいので、いきなり一曲目から意識を失い、(うとうとして)
 心地よいまどろみの中で、遠い昔に聴いた、カルロスの夢を見る。


 と、いうわけで、このホール、音がものすごく良い上に、広さもちょうどよく、内装もシンプルながら格調高い。
 しかも、りっぱなパイプオルガンもある。
 バッハや古楽、室内楽や器楽曲の演奏会場として、理想的なのでは。
 これから熟成を重ね、さらにどんどん良いホールになっていくと思われるのに、やむをえないこととは言え、取り壊しは非常に残念。

 壊される前に一度だけ、と思って行ったのだが、ホールのスケジュールを見ると、今後取り壊しまで、魅力的なプログラムの連続。
 また、足を運ぶ可能性大。 


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  ☆    ☆    ☆



 聖地チベット−ポタラ宮と天空の至宝

        at 上野の森美術館


 会期終了間近に滑り込みで行った。そのせいか、予想をはるかに超える大混雑。(東京は、すでに終了)

 チベットというと、どうしても様々な政治的問題がからんできてしまうが、ここでは、純粋に美術品として展示物を観た感想を。

 一言で言うとすると、
 日本の密教美術もかなり妖しいと思っていたが、チベットの本場の密教美術は、それどころではなかった、ということ。
 日本の密教は、インドの中期密教が中国等を経て伝わってきたものだが、チベットのそれは、インドの後期密教がダイレクトに伝わったものらしい。
 それだけ、ヒンドゥーの影響も色濃く、妖しさも倍増、ということのようだ。

 従って、どの像もけっこうごちゃごちゃしているが、その割には全体として均整が取れていて、けっこう美しいのがすごかった。
 どうやら各像のさまざまな部位のバランスを細かく定めた設計図のようなものもあったようで、一部が展示されていた。

 あと、多くの像は、たくさんの足で、たくさんの動物や魔物などを踏みつけているのだが、
 それらの動物や魔物などが、妙にさわやかな、気持ちよさそうな表情をしていて、まるで指圧でも受けているようで、笑ってしまった。

 わたしとしては、チャム(祭礼の舞楽)の面や衣装、楽器などがとても興味深く、日本の舞楽との関連も大いに気になるところだった。


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 ↓ちらし。

 写真は、チベットの十一面観音。
 ご覧のとおり、チベットの十一面観音は、日本のものとは異なり、メインの顔とほとんど同じ大きさの顔が、上に高く積まれている。
 また、あの葛井寺の千手観音みたいに、実際に千本の腕を持ち、それぞれの手に目が付いているので、
 正確には、この像は、
 十一面千手千眼観音
 ということになる。
 これだけごちゃごちゃしているのに、全体的な姿は、とても自然で美しい。

 さらに、このちらしをクリックして拡大すると、裏面の説明を見ることができます。
 この裏面の左下に写っている、虹色のハリセンを耳につけたドクロベエ様みたいなのが、気に入ってしまった。
 これは、チャムのキャラクターのうちの一つ。ぜひご覧ください。

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 壮観!

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 上野公園にある、正岡子規記念球場

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。Noraさんは本当にいろいろな所に足を運ばれて、そのいちいちのコメントに教養の深さというか味わいを感じるので感心してしまいます。

カザルスホールの件は実に残念ですね。奇遇ですが、実はこのコンサートに私の友人が出ていたようです。「壊される前にいい記念になった」とのこと。
かげっち
2010/01/15 12:40
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
今年も、読み応えのある記事と美しい写真を楽しみにしております。

さて、庚申塚駅構内の甘味屋さんの焼きそば、野菜がごろごろしてておいしそう。目玉焼きが乗っかっていて、オランダ名物インドネシア料理のバミ・ゴーレンにそっくりです。このトッピングは、青海苔と花かつおですか?
バミには、ハムが一切れ乗ってるのがご愛嬌です。そして、ピーナツ・ソースを添えたのが好み。

焼きそばにおはぎって、ヴォリューム満点ですが、デザート付きなのがお得感がありますね。
レイネ
URL
2010/01/17 20:22
こんばんわ。
記事に誘われるように13番を聴いています。
第3曲、いいですね。確かにオルガン編曲くらいありそうな気もします。
それ以上に今回は第5曲に惹かれて繰り返し聴きました。ヴァイオリンとリコーダー(?)のユニゾンという音色の妙もあるし、半音階を多用した旋律がこれまた泣かせますね。
たこすけ
URL
2010/01/17 23:26
 かげっちさん、
 この日は、お正月の無料コンサートということで、超満員。立ち見や、中には入場できなかった方もいらっしゃったようでした。
 演奏者の方も、やりがいがあったのではないでしょうか。
Nora
2010/01/19 14:38
 レイネさん、あけましておめでとうございます。
 わたしは、ミーゴレンと言ってましたが、バミゴレンとも言うんですね。
 ご指摘のように、青海苔とかつぶしがのっていて、濃厚なソース味、さらには紅しょうがや巨大おはぎまでが添えてあったので、食べてる時は、ミーゴレンのことなどはまったく思い浮かびませんでしたが、なるほど、写真を見ると、ミーゴレンそのものですね。(笑)
 はじめ、オランダとインドネシア料理というのは意外な取り合わせだな、と思いましたが、よく考えたら、歴史的な背景があるわけですね。
 それにしてもインドネシア料理が名物とはうらやましいです。オランダ版は、本家とはまた少しちがうんでしょうね。
 わたしも、ピーナツ・ソースの味付けが大好きで、エスニック料理の中では、インドネシア料理が一番好きなのですが、こちらには、タイ料理やベトナム料理のお店はやたら多いのに、なぜかインドネシア料理のお店は少ないです。
 意外な取り合わせと言えば、オランダの中華料理屋が舞台の映画を観たのを思い出しました。(→右URL欄→)
 それでは、今年もよろしくお願いいたします。
Nora
URL
2010/01/19 15:24
 たこすけさん、
 BWV13の第5曲、たまりませんね。ゾクゾクします。
 おっしゃるとおり、オリジナルはVnとリコーダーのユニゾンですが、いったいどういうことでしょう。ちょっと聴くと、何の楽器だかわからないような不思議な音色になっていて、そのせいもあり、曲全体が、宇宙的、といか、最晩年の抽象的な鍵盤楽器みたいな雰囲気に包まれてます。
 第1曲も似たような雰囲気があって、その中間に、あのコラールが明るく輝いているのだから、なおさらたまりません。
 これは、文句無しの名曲です。
Nora
2010/01/19 16:06

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