♪バッハ・カンタータ日記 〜カンタータのある生活〜

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zoom RSS 年の始めにプチ巡礼体験。「祈りの道へ」−四国遍路と土佐のほとけー @多摩美術大学美術館【顕現節後2】

<<   作成日時 : 2015/01/14 19:32   >>

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 まずはカンタータのお知らせから。 


 今度の日曜日(1月18日)は、顕現節後第2日曜日。


 カンタータは、
 初期のBWV155
 コラール・カンタータ(第2年巻、あるいは後期(1726年)の年巻補完作)のBWV3
 後期のBWV13
 の3曲。


 この祭日には、コラールカンタータ・BWV3と後期作BWV13と、名品中の名品が存在しており、これまではそれらの曲を中心に聴いてきて、記事も多く書いてきました。


 過去記事は、こちら↓


 <顕現節後第2日曜>

    闇の中の閃光(BWV13、3他)
    顕現節後第2日曜(BWV3)
    顕現節後第2日曜(BWV3)
    CKの名品BWV3を聴く


 先週ご紹介したモントリオール・バロックの顕現節後のカンタータ集の中では、この祭日の曲としてヴァイマール時代の初期作のBWV155をとりあげているため、今年はわたしにしては珍しくこの初期作を聴いてみました。

 この作品は、短いながら、意欲的なアイディアと挑戦にあふれた、初期バッハならではの緊迫感を持つ、渾身の1曲。
 逆に言えば、スキが無い分わたしには少々息苦しいところもありますが、始めのレチタティーヴォから最後のコラールまで、暗闇から光へのセオリー通り、一気呵成に怒涛の如く音楽が流れてゆきます。

 そんなこの曲において、モントリオール・バロックの演奏は、その迫真の心のドラマを見事に表現するものですが、第4曲のアリアと終曲のコラール(これは他の多くのカンタータ等にも登場するおなじみのコラール)では、厳しく張りつめた心の葛藤の果てに、美しい夢想が大きく広がり、花開くかのような演奏を聴かせてくれます。
 わたしはやはりこのような部分に強く心惹かれる。
 特に、冒頭から続く暗く沈んだ曲調を突き破り、心弾むスキップ音型(その後のカンタータの舞曲アリア等にも数多く登場!)が炸裂する、第4曲・ソプラノアリアは絶品、聴きどころ。
 第5曲、すべての結論としてのコラールも、真摯なOVPPによる歌唱によって、バッハの心の襞までもが、鮮明に浮き彫りにされる。


 今年は、毎週まじめにカンタータのこと書いているな。まだ3週目だけれど。



  ☆    ☆    ☆



 さて、新年になってから、けっこうさまざまなところに出かけてるので、その記録をアップしてゆきます。


 はじめに、今週末に終わってしまう(1月18日(日)まで)、すばらしい仏像展のことから。
 以前、予告したものです。



 四国霊場開創1200年記念 

 祈りの道へ −四国遍路と土佐のほとけー

  @ 多摩美術大学美術館


▽ 唐破風みたいな屋根のついた入口。

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 四国霊場開創1200年を記念して、過去から現代にまで脈々と連なる四国遍路の概要を多角的に展示した好企画。
 空海の明星来影の聖地であるとされる土佐に焦焦点を絞っているのも良い。



 まずは、仏像


 金林寺古仏群や名留川観音堂古物仏群など、遍路路周辺の古寺やお堂で大切に保管されている夥しい古仏群がある一方で、笹野大日堂の大日如来像上郷阿弥陀堂の阿弥陀如来像などなど(写真パネルでの展示だった雪蹊寺毘沙門天像もそうだ)、錚々たる慶派の国宝仏ともみまがう仏像が一緒に並んでいて、四国霊場の、時代、地域を超えて信仰を集め続けている懐の深さを実感することができた。

 古仏群は破損や風化の著しいものがほとんどだが、破損仏の中である意味最もインパクトがあったのが、歓喜寺の如来(形)坐像。
 全体的には、表情や全体像がよくわかる優美な平安仏だが、体の左側の肩から腕、腰の大部分だけがすっぱりと直線的に欠けてしまっているので、じっと観ていると特撮映像みたいに感じられてくる。
 手塚治虫だったか、楳図かずおだったか、(それとも諸星先生?)
 昔、体の一部が異次元に行ってしまうオチのまんががあったのを思い出した。

 一方、リアルな造形の慶派仏を観ていると、昨年若狭を訪れた時に感じたのと同じような、中央との強固な結びつきみたいなものもひしひしと感じられた。

 慶派仏、ということでは、展覧会場に入ってすぐのA展示室の中央に、竹林寺の、思わず息を飲むほどに見事なまごうことなき快慶様の阿弥陀如来立像の優品が、やさしい慈しみの光をあたりに放射するかのようにしながら立っていらして、いきなりここで時の経つのを忘れて像に見入ってしまった。
 すぐ間近で直に観られるので、微かに残る美しい金泥や截金細工もよくわかる。
 しかも、この像、家康公の養女の阿姫が山内忠義(土佐藩第2代藩主)のところに嫁いできた折に、この地に家康を祀るために竹林寺に奉納したものだという。
 (阿姫が阿弥陀像を寄進し、そのことを像に裏書したことは記録文書によって知られていたが、平成25年の科学調査によって、像背面にその裏書が発見され、この像が阿姫が寄進した家康ゆかりの像であることが確認された)
 

 竹林寺と言えば、秘仏本尊・文殊菩薩像が50年に一度の御開帳で(こちらの記事)、これは観に行くことができなかったが、(2体の獅子の内古い方の獅子君は、美しい写真パネルが展示されていた)
 かわりに貴重な阿弥陀像を観ることができたのはうれしかった。
 思いがけず、快慶様の阿弥陀像、しかも家康公ゆかりの像に初詣、ということになった。


▽ 金林寺古仏群のうちの一体

 
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▽ 笹野大日堂大日如来像

  実物は、写真で見たイメージより小さいが、写真よりもずっとやさしく暖かい表情だった。
  (撮影時に人工的な光をあてているため、どうしても「目力」が強くなってしまっている) 

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 以上、魅力的な仏像が勢ぞろいだったが、一番すごかったのは、やっぱりこれ。
 (写真は図録を撮影したもの)

 定福寺 木造六地蔵立像

 めずらしい木造の六地蔵様。しかも、古い鎌倉仏。
 素朴な雰囲気で、地方仏なのだろうが、その造形、表情等の完成度は見事の一言!
 一度見たらぜったいに忘れられない。

 もともとどのようなお堂でどのように配置されていたのかはわからないが、今回展示されている配列では、向かって一番右のお地蔵様の前に立って全体を観るとおもしろい。
 目の前には、厳しく慈悲深い表情の堂々たるお地蔵様。
 視線を左に移してゆくと、左に行くにしたがって、お地蔵様の表情はやさしく穏やかになり、やがては微笑み、笑いだし、最後のお地蔵さまにいたっては大笑いしている。
 その上なぜか、左の方のお地蔵さまは、顔をこちらの方に向けて、つまりお地蔵さまとしては顔を左に傾け、明らかにこちらを見て笑ってらっしゃる。

 あの即成院の二十五菩薩にも通じる楽しさ、おおらかさ。
 これまで観たあらゆるお地蔵様の中でも、最も印象的なお地蔵様の一つ。
 (地元では、笑い地蔵尊さんと呼ばれ、したしまれているとのこと)

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 それ以外の展示物は、仏画、考古遺物、古くから現在にまでいたるお遍路の様子を物語る資料、写真パネルなどで、だいたい半分はそれらで占められていた。

 仏画は金剛頂寺の貴重な作品が勢ぞろい。
 中でも、愛染明王と不動明王が一体になった、両頭愛染曼荼羅図がめずらしかった。
 素朴絵の極みとも言うべき、雪蹊寺の高祖大師秘密縁起の美しくも緩い絵には、目が釘付けに。

 遍路資料や写真パネルによって(その他スライドなどもあった)、過去から現在にいたるお遍路の様子がとてもよく伝わってきて、お正月早々、時空をこえた「束の間の遍路気分」を体験することができた。  



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 さて、普段はなかなか行くことができない地方の仏像を拝観できる、ありがたい展覧会。

 四国の次は、東北だっ!

 いよいよ今日、1月14日から、トーハクで、

 特別展 「みちのくの仏像」

 開催!!



 「祈りの道へ」展へと至る道

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 ベネッセとサンリオピューロランド

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 この奥に美術館がある。

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 帰りは、モノレールに乗って立川へ。

 グランデュオを目指して、まだイルミの残る駅前を急ぐ。

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 支那そばや

 創業者の佐野さんが昨年亡くなってから、初めて行った。

 ここなどは、チェーン店展開のお店だということもあり、最近よく行くようになった「蔦」や「麦とオリーブ」などに比べると、料理としての完成度ということでは一歩譲るような気がするが、麺とスープがやさしく一つになっているところなどはやはり唯一無二で、わたしにとっての「中華そば」の原点に近い味だと思う。

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 中央本線甲府行普通列車に遭遇。

 一見して鉄道オタクの方々が写真を撮っていたので、わたしもいっしょになって撮ってみました。

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 夜の中を、暗い方へと旅立っていった。

 そのまま乗っていれば、2時間ほどで甲府に着くようだ。
 一瞬乗っていってしまおうかと思ったが、踏みとどまる。

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