♪バッハ・カンタータ日記 〜カンタータのある生活〜

アクセスカウンタ

zoom RSS 櫟野寺大観音まさかのお出まし〜平成の出開帳で観る秘仏その2他、上野の秋の仏像三昧【三位一体節後25】

<<   作成日時 : 2016/11/11 21:06   >>

トラックバック 0 / コメント 2

 まずは、カンタータのお知らせから。


 今度の日曜日(11月13日、三位一体節後第25日曜日)のカンタータは、

 第1年巻のBWV90、
 第2年巻(コラール・カンタータ)のBWV116、

 の2曲です。


 コラール・カンタータの名曲、BWV116の最大の聴きどころは、3重唱アリア。
 バッハのカンタータ・アリアの場合、デュエットは数あれど3重唱となるとめずらしいのですが、このアリアは3重唱だけあって技巧的には極めて目が詰んでいるものの、決して華やかなものではなく、bcのみの伴奏によるしっとりとしたものになっています。

 今週東京でも木枯らしが吹いて秋もどんどん深まってまいりましたが、このアリアが最も心にしみるのはやはりこのような季節。
 彩りを増す街の景色をながめながら、この季節ならでは、のバッハの贈り物を堪能しましょう。

 
 過去記事は、こちら。↓


 <三位一体節後第25日曜>

    お気に入りのアリア6・暦の終わりに 心に染みる3重唱(BWV116)


画像



画像



画像




 前回に引き続き、こちらも、三十三年に一度開帳の秘仏。ただし、三十三年に一度なのは「大開長」ということで、毎年定められた日時には拝観可能なようだが、前記事の五大堂のように大観光地の寺院というわけではなく、なかなか拝観できない仏像ということには変わりはない。



 特別展 平安の秘仏 滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち

  @ 東京国立博物館 特別5室 (〜12月11日(日)まで)


画像



画像



 甲賀の里、櫟野寺の超巨大秘仏、十一面観音坐像(いちいの観音様)がまさかのお出まし!!

 もともと交通の便があまりよくない、「かくれ里」とも言われた土地のお寺の、なかなか観ることのできない秘仏。
 日本最大級の十一面観音坐像、台座から光背の先までの大きさは5メートル越え。頭と体は一本の木から彫りだされているという。
 いちいは最澄伝説も伝わる霊木の故郷として知られるところだが、正に金色に輝く巨樹の精霊。
 
 しかも、厨子からお出になった姿を拝めるのは、今回が初めてでは?


 まず、あまりの大きさに衝撃を受ける。
 しかも、巨体にもかかわらず、蓮華とその下の台座の間の支柱がぎりぎりまで細く造られているので、まるでその巨体が宙に浮遊しているように見える。
 さらに、全体が大きいだけではない。
 眼、鼻、口、手、足、一つ一つ、それぞれのパーツがこんなにも堂々と大きく、がっつりと際立っている仏像はこれまで見たことが無い。
 
 中でも、涙をたたえているかのように美しくもあやしい光を放つ、愁いに満ちた瞳、思いっきり突き出したような肉厚な唇のインパクトは強烈!
 それでいて、決してちぐはぐなバランスにならず、それらが一つになった姿は実に神々しく、美しい。
 展覧会に行く前に見た写真では、何となくでっぷりとしたおばさんみたいな仏像だな、と思っていたのだが(失礼しました)、実物を見上げてみると、すらっとしたスタイル。名だたる美仏立像にも決して負けていない。
 しかも、驚いたことに、若い。写真で見るより実物の方が数段若い。
 お下げ髪みたいな髪型、可憐な装飾(もちろん巨大ではあるけれど)等もあって、角度によっては、少女のように見えることも。
 湖北や奈良などの有名スター観音が、そのまま座ったら、ちょうどこうなるのでは??と言えばわかりやすいだろうか。

 そして何よりも、秘仏中の秘仏であるがゆえの、全身の金色の輝きが圧倒的。
 ライトの当て方も見事なのだと思うが、それ自体が霊的に発光しているかのよう。
 そして、これも、実際に観て初めてわかったことだが、衣の装飾の壮麗さ、そのバラエティに富んだ多様さ、鮮やかさ!特に緑がよく残っている。それが何とも深く美しい。様々な文様がカラフルに描かれ、中には彫刻のように浮き上がっている部分も。(何かをはりつけている?)

 正面に佇み、いつまでもいつまでもその神々しい姿を見上げていた。
 そして、それから周囲を何回も何回も回り、そのこの世のものとも思えぬ姿を目に焼きつけた。
 いつまでもいつまでも観ていたかった。
 すっかり離れがたくなってしまった。
 と、いうわけで、少なくとももう一度はいくつもり。幸い会期は12月11日までと、長いのだ。
 

 ちなみに、十一面観音というとそのほとんどが立像のようなイメージがあるが、ついこの前の観音の里の祈りとくらし展 Uでもすばらしい坐像にお会いしたし、トーハクにも何体かいらっしゃる。他にもあちこちでけっこう優れた坐像にお会いしたような気がする。
 聖観音はもっと少ないように思っていたが、昨年の瑞巌寺、今年の観世音寺(本尊)と、こちらも意外といらっしゃるのだろうか。


 なお、この仏像展、櫟野寺からその他の貴重な仏像がまるっといらっしゃっていて、大観音を中心に、大小さまざま、多種多様な実にバラエティにその周りを囲んでいる様子は圧巻。
 何だかとんでもない世界に足を踏み入れてしまったような気持ちになる。
 たった一つの寺院だけで、これだけの仏像展を開けるお寺は、京都や奈良を見てもほんのわずかしかないだろう。
 これはそのまま、櫟野寺の信仰の深さ、歴史の深さを物語っている。
 今回唯一の如来様、これだけ見れば十分巨大な丈六仏、薬師如来、
 金ぴかのクールな地蔵菩薩、
 妙に2次元的な古風な毘沙門天像、
 その他、それぞれ個性的な夥しい数の観音像、地蔵像、
 どれも独特の魅力にあふれていたが、
 わたしは3体の吉祥天像が特に深く心に残った。
 (このうち、鉈彫りの方には以前お会いしたことがあった)
 

 まだ観ていない方、必見!!

 正に、一期一会、本堂大修理中の今だけの機会となるかもしれない。

 
 ポスターギャラリー


 大観音等はもちろん撮影禁止。

 その大きさ、神々しさが少しでも伝わるように、ポスターやポストカード等、撮影できるものを可能な限り撮影しました。


画像



画像
画像



 図録

画像



 クリアファイル

画像



 創エネあかりパーク 2016のトーハク特別プロジェクションで観る櫟野寺の仏像たち
 

 まずは、大観音から。

画像


画像


 りっぱな別の仏像が現れたかと思いきや、これらは大観音の頭上面。
 一つ一つがすでにりっぱなサイズの仏像。

画像


画像



 お次は、薬師如来。

画像


 こちらも丈六の巨大仏。

画像


 お薬をどうぞ

画像


 
 おしまいは地蔵菩薩

画像


画像



 敷地内の様子

画像



 外へ。

 御来迎か??

画像



 トーハクの巨樹、ユリノキとのツーショット。

 櫟野寺大観音も、いちいの樹の精でもある。

画像



 垂れ幕

画像


画像



 甲賀市キャンペーンブース

画像
画像


画像


画像
画像


画像


画像




 なお、仏像ルーム(本館第11室)では、参考に、同じく珍しい十一面観音坐像である、千葉小松寺の十一面四手観音坐像(こちらの記事)がセンターに登場していた。(すでに展示替え)


 11月からは、展示替えされ、現在では、

 トーハクの誇る十二神将像、鎌倉写実仏の極北、曹源寺像、浄瑠璃寺伝来像(一部)がそろい踏み。

 写真は、浄瑠璃寺伝来像。(過去記事、こちらなど)

 この夏、浄瑠璃寺伝来像のうち、静嘉堂文庫に伝わるものを観に行ったことは記憶に新しい。(記事、こちら

画像


画像


 ちなみに、曹源寺像の過去記事はこちら

 浄瑠璃寺伝来像と曹源寺像のコラボ企画もあった。こちら。 


 全体的には、神像&七福神まつりの様相。

画像
画像



 その他、十一面観音(当麻寺像ほか)、僧侶の肖像彫刻なども。


 こちらは総合文化展から。ちょっとすごい宗達の仏画

画像




 また、一部時期を重ねて開催されている特別展「禅」においても、魅力的な仏像が多数展示中。

 こちらの詳細については、別記事で改めて。



 最後に、上野における、櫟野寺と同じ琵琶湖のほとりの仏像の話題。


 琵琶湖の仏像と言えば、おなじみのこちら。


 モダンでシャープなエキゾチック美人・山本山常楽寺の聖観音菩薩
        〜びわ湖長浜KANNON HOUSE3


 
 長浜市湖北町山本 山本山・常楽寺(山寺) 

 聖観音菩薩立像 平安時代後期(12世紀)


 びわ湖長浜 KANNONN HOUSE、早くも3代目の観音様。

 これまで3体とも、同じような大きさ・時代様式の同じようなお姿の聖観音菩薩ながら、それぞれ何と個性的で、まったく異なる魅力を持っていることか。
 あらためて観音の里・長浜の奥深さを思い知らされる。

 今回の観音様は、これまででもっともモダン。幾何学的とも言える現代的でシャープなデザイン。お顔は彫りが深くエキゾチックな超美人。それでいてそれらが一つになった全体の佇まいはどこまでもやさしく、慈しみにあふれている。

 * アップするのが遅くなり、この観音様はお帰りになってしまいました。

   現在は、すでに、4代目の観音様、高月町横山 横山神社の馬頭観音様が
   いらっしゃっています。
   あの、頭の上の馬が思いっきりにた〜〜っと笑っている方です。
 


画像



 よく見ると、日本人離れした超美人さん。

 徹底して簡略化、デザイン化され、未来的とも言える雰囲気さえ醸し出している衣裳。

 それでいて、指先やつま先の表現はあくまでもやさしい。

 
画像


画像



 見上げてみる

画像



 この方にお顔がとてもよく似た切れ長の目の十一面観音が、櫟野寺展にいらっしゃった。






 来年、ついに・・・・、

 春は奈良で快慶、秋は東京で運慶!

 運慶展では、あの2人がついにやってくる・・・・!

画像




画像




 上野の森の祭りの夜に浮かび上がる金色の大観音!


画像



画像




画像




そのほかの「記事目次」

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
櫟野寺は去年の10月、特別拝観で訪ねて、ご開帳だった秘仏ご本尊十一面観音坐像のお姿を拝みました。十一面観音さまはお寺の収蔵庫では巨大なお厨子の中におわして、正面からのお姿しか拝めないので、横のお姿も見られる博物館での展示が羨ましい一方で、正面からでも見る角度によってお顔が大人の女性に見えたり、若い男の子のように見えたりして、興味深かったですね。
今年夏に岩手の平泉で、中尊寺の一字金輪仏頂尊のご開帳を訪ねましたが、その仏様も見る角度によって、お顔が大人の女性のようにも若い女の子のようにも見えました。

櫟野寺では秘仏本尊の十一面観音坐像と丈六の薬師如来坐像、田村毘沙門天と呼ばれる毘沙門天像、金箔が施された地蔵菩薩坐像だけでなく、厳しいお顔にも漫画のようにも見える釈迦如来坐像と、手などが欠けながらも彩色のよく残る吉祥天像も印象に残りました。
大ドラ
2016/11/15 21:48
 大ドラさん、こんにちは。
 櫟野寺、行かれましたか!
 例年だとちょうど10月から11月にかけて、秘仏本尊の秋の特別拝観があるようですね。今年は本堂・文化財収蔵庫改修のおかげで出開帳となり、思わぬ形で秘仏大観音を拝観することができて、ほんとうに幸運でした。
 おっしゃるように仏像は、観る角度、その時の状況等によってまったく異なる表情を見せてくれるものですが、特にこの秘仏大観音はその傾向が顕著なような気がします。こんなにも写真とのイメージが違う仏像もめずらしいと感じました。それだけに、本来の居場所である寺院の厨子の中での表情もやはりまた格別であるだろうし、ある意味それこそが真のお姿であるにちがいないので、それを拝観できた大ドラさんをうらやましく思います。
 本堂・文化財収蔵庫改修は再来年の秋に終了し、その後、三十三年に一度の大開帳を迎えるとのこと。一般の開帳と大開帳のちがいはよくわかりませんが、いつに日にか、お寺でも拝観してみたいと思います。その時果たしてどんな表情を見せてくれるのか、楽しみです。

>厳しいお顔にも漫画のようにも見える釈迦如来坐像と、手などが欠けながらも彩色のよく残る吉祥天像

 今回の展覧会には、大ドラさんがあげていらっしゃる櫟野寺の仏像のほとんどが勢ぞろいしていて壮観でした。わたしも、吉祥天像には心奪われました。
 ただし、釈迦如来坐像だけは、いらっしゃっていなかったようで残念です。
 実際にお寺に行く機会が訪れたら、気を付けて観てみたいと思います。
Nora
2016/11/18 21:47

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
櫟野寺大観音まさかのお出まし〜平成の出開帳で観る秘仏その2他、上野の秋の仏像三昧【三位一体節後25】 ♪バッハ・カンタータ日記 〜カンタータのある生活〜/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる