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zoom RSS 魅惑の個性派ブルックナー全集たち。そして、改めてアーノンクールを偲ぶ〜今年聴いたCDブルックナー編

<<   作成日時 : 2016/12/12 23:16   >>

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 恒例、ブルックナー特集。

 今回はちょっと趣向を変えて、全集(あるいは選集)を中心に。



 5つのオーケストラによるブルックナー 交響曲全集 

  マリオ・ヴェンツァーゴ指揮、
  タピオラ・シンフォニエッタ、ノーザン・シンフォニア、ベルン交響楽団、
  バーゼル交響楽団、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団


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 今年、ブルックナーを聴きたくなった時に、一番手にすることが多かったセット。

 近年、デニス・ラッセル・デイヴィス指揮、リンツ・ブルックナー管弦楽団や飯森範親指揮、山形交響楽団のシリーズを皮切りに、
 トーマス・ダウスゴー指揮、スウェーデン室内O、
 ピノック&ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック・ソロイスツ・アンサンブル、
 などなど、
 少人数オケによる、室内楽的で精緻なブルックナー演奏が増えてきて、ブルックナー演奏の新しい可能性を模索、大きな潮流となりつつあり、わたしもそれらの演奏には深い感銘を受け、本ブログでもその都度ご紹介してきましたが、
 この全集は、その方向性を、交響曲全曲にわたって各曲それぞれ最もふさわしいオケを選択して、徹底して追求した「コンセプト全集」。

 フィンランドの室内オケ、タピオラ・シンフォニエッタによる0番や1番、イギリスの室内オケ、ノーザン・シンフォニアによる2番・・・・、
 オケの名前と番号の組み合わせを聞いただけでぞくぞくしてしまうけれど、イメージ通りの清澄極まりない演奏です。
 3番や6番も、一般オケながら2管編成、後期作品になるともちろん3管編成になりますが、清々しい透明感はそのまま。
 そして・・・・、
 最後にリリースされた第5番。ここで起用されたオケが、何と再びタピオラ・シンフォニエッタ!
 「タピオラ・シンフォニエッタのブルックナー5番」、どうです、聴いてみたくなりませんか?



 ブルックナー 交響曲全集

  ゲルト・シャラー指揮、フィルハーモニー・フェスティヴァ


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 シャラーが、かのミュンヘン・バッハ・管弦楽団の意志を引き継いだフィルハーモニー・フェスティヴァとともに大切に録音してきた、最新のキャラガン校訂版を基調にした全集も遂に完結。(記事、こちらこちら
 ダメ押し?で、ミサ曲第3番他の宗教曲と自らがオルガンを弾いたオルガン曲全集の収録されたCDまでリリース。
 今年は、これらのCDもとてもよく聴いた。この指揮者とオケのコンビによるブルックナーは、わたしにとってのスタンダードに最も近いものの一つなのだ。
 それぞれのCDを個別に購入してきたため、まとまった全集盤としての写真が無いので、写真は最新盤の上記ミサ曲第3番他+オルガン曲全集のCD。

 シャラーさん、さらに勢いに乗って、すでにキャラガン最新版によるフィナーレ付完全版第九番を録音しているにもかかわらず、それではあきたらずに今年の末には自らの校訂完全版CDをリリースするとのこと。



 ブルックナー 交響曲全集

  シモーネ・ヤング指揮、ハンブルク・フィル


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 こちらもこれまで何度か記事にとりあげてきましたが、シモーネ・ヤング指揮、ハンブルク・フィルの全集も完結(記事、こちらこちらこちら)、
 ついに全集盤として(しかも驚くべき安価で)リリースされた。
 このセットの場合もすでにだいたい持っていたが、全曲そろっていたわけでは無かったし、しかも全集盤が破格の安価だったので、全集盤を購入。

 このコンビの演奏も、ほとんどスタンダード。
 心から安心して聴ける。
 力強く雄大、妙に「男らい」響きに満ちているが、さすがに女性ならではのやさしいところ、あたたかいところも。
 徹底的に初稿にこだわった全集であるところも、初稿ファンにはたまらない。
 大名曲第3番第1稿の超名演も、もちろん含まれており、これだけで不滅の価値がある。(記事、こちら
 
 

 以下、選集。


 定評ある歴史的名盤も、ちゃんと聴いております。

 

 ブルックナー 交響曲選集

  クナッパーツブッシュ


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 どれもみな、若い頃LPで持っていた録音だが、みんな処分してしまっていた。
 よく知られた発掘録音をまとめた安価なBOXが出ていたので、一体どんな演奏だったのか、記憶の中の演奏の通りなのか、確かめたくって聴いてみた。

 最晩年の3番、4番は、水墨画みたいな演奏。それぞれミュンヘン・フィル、ウィーン・フィルとの最後の演奏会ライブとして有名。
 これまで何度か書いてきたことだが、3番はこの数年前のドイツ放送響のライブが大好きだし、4番は大戦中録音の力に満ちたベルリン・フィルとのライブ(下の写真・1枚目)の方がずっと心を動かされる。
 49年のウィーン・フィルとの7番は魅力的な引き締まった演奏。
 しかしこれも、逆に晩年のケルン放送響とのライブ(上の写真の右側のCD)の方が何とも言えない懐かしさを感じる。
 ミュンヘン・フィルとの8番はあまりにも名高い演奏。(下の写真・2枚目の右側のCDと同じ演奏)
 最近8番で一番好きなのは、61年のウィーン・フィルとの演奏。(その下の写真)
 写真にも写っているアルペン・シンフォニーや、名高いワーグナーも含めて、この頃のウィーン・フィル&クナッパーツブッシュは史上最強の組み合わせなのでは。何に関して最強なのかよくわからないが。
 5番と9番は、他に発掘録音は存在せず、貴重。
 5番はびっくりするほど音が良いが(ちょっとクリアすぎ)、5番、9番どちらも、使用楽譜を含めてあまりにも妙な演奏で、若い方などは聴いたらびっくりしてしまうのではないか。


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 ブルックナー 交響曲選集

  チェリビダッケ


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 レミ・パローのブルックナーがあまりにも良くって、そしてレミ・パロー自身があまりにも師であるチェリビダッケのことを崇拝しているようなので、もう一度きちんと聴いてみようと思いました。



 そして、最後、心の演奏。


 ブルックナー 交響曲選集


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 アーノンクールのブルックナーは、わたしにとってどれもかけがえの無いものだが、これは、その中でも初期TERDEC録音を集成したもの。
 21世紀に入ってからRCAに録音したウィーン・フィルとの5番、9番が入ってないのは残念だけど、ロイヤル・コンセルトヘボウとの3番、4番、ウィーン・フィルとの7番、ベルリン・フィルとの8番という、オケ、曲共にバラエティに富んだ内容。
 このCDセットを紹介するHMVのツィートに、「ブラームスのスコアに首っぴきになっていたとき、ブルックナーが巨人になって、私のデスクの横に立っているような気がした。」というちょっと怖いアーノンクール自身のコメントが紹介されていた。

 今年は、アーノンクールがいなくなってしまって、彼がどれほど多くのものを我々に与えてくれたのか、改めて思い知らされた。
 最晩年のアーノンクール、どれほどの高みに到達していたことか!
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管とのさよならライブのブルックナー5番、モーツァルトのシンフォニーやコンチェルト、ベートーヴェンの4番・5番、もちろん幸運にも生で聴くことができたロ短調ミサも忘れることができない。
 これら最晩年の演奏についてはこれまで感想を書いてきたけれど、聴けば聴くほど、思い出せば思い出すほど、そのすごさはふくれあがってゆく。どんどん、どんどん、ふくれあがってゆく。感想に書いたことなど何の意味も持たないくらい、その演奏の持つ価値、力は途方もない。

 そして、真のラスト・レコーディング、

 ベートーヴェンの荘厳ミサ曲、

 もしもありとあらゆる音楽の中で最高の作品の最高の演奏というものが存在するとしたら、このCDはそれに限りなく近いものが確かに刻印されたものなのではないだろうか。

 アーノンクールを失ってしまった寂しさはとても埋められるものではないけれど、わたしたちには膨大な演奏が残されている。
 ここにあげたブルックナー選集も、最晩年の演奏に比べれば、まだまだ道の途中での記録かもしれないけれど、ここには確かにエネルギッシュなアーノンクールが生きている!ここではいつでもアーノンクールに会うことができる。


▽ いつかこのCDについて、きちっとした感想を書けたら。

  しっかりとこのCDと向き合い、真正面からそのすべてを受け止めることが、
  当面のわたしの目的だ。

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 おまけ、朝比奈さん

 今年はとても懐かしい演奏の画期的な復刻盤もリリースされた。

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