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zoom RSS おなじみの場所が初めて見せてくれた様々な表情〜’16晩秋奈良旅行・旅のしおり(行程)その2

<<   作成日時 : 2016/12/19 21:48   >>

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 唐招提寺と春日大社


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 11月23日(水・祝 祝勤労感謝の日)


 さて、前夜の内に奈良まで来ていたおかげで、この日は一日、朝からゆっくり奈良周辺を散策。

 一番の目的である春日大社は、この日は式年造替の本殿等特別参拝が午後のみとのことだったので、午後から参拝することに。
 午前中がまるごと空いてしまったので、どこに行こうか、あれこれ考える。行きたいところがたくさんあって悩んでしまうがそれもまた楽しい。
 結局、西ノ京まで少し足をのばして、唐招提寺を訪れることにする。
 唐招提寺は、数年前に金堂大修理後に初めて訪れたのだが、その時はかなり駆け足だったので、今回ゆっくりと拝観できればと思ったのだ。紅葉の頃の唐招提寺は初めてだし、そもそも、今回の旅のもう一つの大きな目的が「真数千手観音」。日本の「真数千手観音」の代表とも言うべき唐招提寺像を事前に改めて観ておきたかったこともある。
 


 唐招提寺


 西ノ京秋色

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 秋の装いの唐招提寺は初めて。

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 金堂


 総門をくぐると、いきなり正面に金堂がドドーンと建っている。

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 改めて金堂の3大巨大仏と再会。
 やはり、この3体、すごい。この世のものとも思えないほどすごい。

 今回お目当ての、向かって一番左側、まちがいなく日本最大の真数千手観音は、これまではただその大きさや腕の迫力だけに圧倒され、正直言ってそれほど美しいと思ったことは無かったのだが、久しぶりに観るその姿、大修理を経た後であるためか、イメージの中にあったよりもずっとずっと壮麗に感じられた。物理的に美しくなっているのは当然なのだが、さわやかで若々しいエネルギーにあふれ、それが桁はずれな巨大さによって増幅され、何だかえらいことになっていた。
 翌日予定している、當麻寺南西院の秘仏・「真数千手観音」の特別開帳拝観に向けて、気分が大いに盛り上がってきた。

 中央の盧舎那仏は、光背の千体仏があいかわらずすさまじい。
 ようく見ると一つ一つ大きさも姿かたちも異なる仏たちが、はるか天井近く、仏像本体のほとんど倍近い高さまで、まるで巨大な炎のような形を成して密集し、その中にどっしりと座す盧舎那仏。千体仏が広がるそのほぼ中央の円に重なって、大きな大きな顔があり、正に宇宙の中心のようだ。以前は頭ばかりやたら大きな仏像だな、と思っていたが、それは体とのバランスだけを見ていたからで、無限の化仏の中心の顔、さらには金堂全体の壮大な仏像空間全体の中心の顔としては、やはりこれだけの大きさがあってしかるべきなのだ。
 千手観音の手をすべてはずして修理を行ったことが話題になっていたが、この千体仏はいったいどうしたのだろう。

 そして、一番右の薬師如来、こちらは他の二仏に対し、本体、光背とも極めてシンプル。
 シンプルではあるが、やはり大きいことには変わりなく、シンプルであるがゆえにその雄大さも際立って感じられる。
 その大らかな造形は、いかにも頼りがいがある薬師様、という感じ。

 以上の3大巨大仏を中心に、盧舎那仏の両側には梵天・帝釈天、さらに3大仏を取り囲むように四天王が建ち並ぶ。いずれも奈良時代の、重量感に満ちた迫力を有しながらも、どこか落ち着いた雰囲気のある像。すべて2メートル近い巨像ながら、3大仏の前では妙に小さく感じられ、思わず、守る必要あるのか?となどと思ってしまった。

 それら圧巻の仏像群が、今や木そのものの厳かさが支配する、壮大な古代遺跡を思わせる堂内空間と完全に一体化しながら、その広い空間いっぱいに、まるではちきれんばかりのエネルギーを放射しながら林立している。

 拝観者は、まず金堂の外観の壮麗さに打たれ、そして堂内を覗き込むと、ここでまた内部の光景に圧倒され、ほとんどの方が感嘆の声をあげる。
 あまりにも有名で今さらながら言うまでもないが、日本を代表する仏像空間の一つ。正に世界遺産と言うにふさわしい。


 金堂は、どこからどのように観ても絵になる。

 日本を代表する大建築だと思う。

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 講堂


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 金堂があまりにもすごいので、見過ごされがちだが、こちらの仏像もすごい!
 わたしは、講堂ばかりが有名な東寺の金堂が、実は大好きなのだが、それとちょっと似ている。(金堂と講堂は逆だが)
 これまで長い間仏像遍歴をしてきてきてつくづく実感している、良い仏像と出会うポイントの一つに、「スター仏の影に名仏像あり」ということがある。これもその典型。

 講堂は金堂とは一変して、建物、仏像共に鎌倉の世界。迦陵頻伽が舞飛ぶ光背を背負った華麗な弥勒如来!これも3メートル近い巨像。
 翌日訪れる予定の當麻寺で、南西院の真数千手観音とともに観たいと思っていたのが、奥之院の仏像パノラマなのだが、そのうちの一つが弥勒来迎厨子。この仏像はズバリそれと共通する世界を表現しており、ここでも良い予習になった。
 そう言えば、當麻寺金堂の本尊も、弥勒如来だった。
 弥勒仏の両脇を固める持国天・増長天だけは、檀像風一本造りの奈良彫刻。
 鎌倉時代と奈良時代、時代は異なれど、それぞれの時代の「異国風」ということでは共通している。 


 戒壇院

 真夏に訪れた観世音寺を思い出す。あそこも鑑真和上ゆかりの寺院だった。

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 御影堂

 奥に進むにつれ、凛とした気配が漂ってくる。

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 鑑真廟

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 門の中はこの世のものとも思えぬ清浄な空間。

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 唐招提寺は、現代も鑑真の精神が漲っている。


 新旧宝蔵

 
 左写真、高床式の旧宝蔵。
 右写真、新宝蔵。(宝物館)

 そして、この新宝蔵で、まったく思いがけず、「本物の鑑真さん」にお会いする奇跡?が・・・・。
 
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 わたしたちが唐招提寺を拝観している時、ほぼ同時に、だいたい同じ順序で拝観していらっしゃる一団があった。
 何人かの僧侶がついて、説明しながら案内していて、中には年配の僧侶の方もいらしたので、おそらく寺院の何らかの関係者の方なのだろう。
 わたしたちが新宝蔵に入った時も、そのグループがちょうど新宝蔵を拝観しているところだったのだが、何気なくそのグループがいるあたりを見てびっくりしてしまった。
 普段は固く閉ざされている扉が開かれ、まぶしい光がもれている。そして、その中心に、何やら映像や写真ではすっかり見慣れたものが。
 あまりのことに目の前にそれがあることが信じられず、一瞬何が何だかわからなくなってしまったが、
 まちがいない、鑑真和上像だった。
 現在上記御影堂が修理中に付、鑑真和上像は新宝蔵に安置されているのだが、もちろん普段は拝観することはできない。その鑑真和上像がまったく思いがけず姿を見せ、グループの方は一人一人熱心に焼香している。
 幸運な偶然によって、わたしたちも後ろからちょこっと拝観させていただくことができた。
 もはや言い尽くされた言葉だとは思うが、正に鑑真和上が生きて、そこに座っているかのようだった。
 日輪、月輪がぽっかりと浮かぶ真っ青な海を後ろにして、静かに静かに目を閉じていらっしゃる。静寂の中、呼吸までが聞こえてきそうなほど。これまでに感じたことのないような緊張感が周辺に漂っている。

 今回の旅行では、唐招提寺では特別拝観等は無いはずだったのだが、とんでもない超大物を拝観することができた。思いがけない幸運!

 
 鑑真像が収められた部屋の扉が閉じられてから、新宝蔵の仏像の拝観を始めた。

 名高いトルソーを始めとして破損仏が多いが、樹木がそのまま仏の姿となったような実に清々しい仏像がズラリと並ぶ。
 それにしてもこの有名なトルソーの美しさ!いったいこの美しさは何だろう。果たしてどのようなお顔だったのか、想像の翼は無限に広がるが、どんなにら想像したところで、この肉体にふさわしいお顔は思い浮かばない。そんなすごい造形!
 鑑真とともに来朝した仏師の影響か、エキゾチックな雰囲気の仏像が多いのもおもしろい。これらの「新しい仏像」は、その後の仏像の和様化の根源的な契機にもなった。その行きついた先が件のトルソーなのだと思う。
 ど真ん中で圧倒的な存在感を示す巨大な大日如来像もすごすぎ。
 仏像以外にも興味深い展示資料多数。


 鑑真の精神は、一本一本の植物にまで。

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 春日大社


 奈良公園秋色

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 第六十次式年造替で、ぴっかぴかになった本殿を、門の間から参拝。(もちろん写真はNG)
 境内の空気全体が新しくなったようなさわやかさ。金ぴかに生まれ変わった狛犬君も観ることができて感激。

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 式年造替を記念した特別参拝では、その他、順路に従って、禁足地の御蓋山浮雲峰遥拝所、徳川将軍、戦国大名奉納の釣燈籠等を拝観することができた。
 写真は、御蓋山浮雲峰遥拝所。

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 盛りだくさんだった式年造替のイベントは、ほとんど残念ながら終わってしまっていたが、このような演奏会を聴くことができた。
 奈良女子大学箏曲部飛鳥会による琴の演奏会。現代作品が多くておもしろかった。

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 宝物館もまったく新しく「国宝殿」にリニューアルし、国宝の社宝を特別展示中。
 来年、トーハクで春日大社展が開催され、そこでほとんど同じ内容のものを観ることができるようなので、今回は見送る。 

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 おなじみ荷茶屋でちょっと遅いランチ。

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 そもそもの目的だった式年造替記念品も、無事ゲット!
 「春日の竹柏(なぎ)」という蒔絵風シールお守りをいただいた。
 (経緯等は、旅行記の第1回参照)

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 参道では、春日若宮おん祭りの準備が。

 流鏑馬道とお旅所。

 奥之院若宮神社に祀られている若宮神を、本殿よりこのお旅所の行宮(あんぐう)まで遷しして、その前で、神楽(かぐら)・ 東遊(あずまあそび)・ 田楽(でんがく)・ 細男(せいのお)・ 猿楽(さるがく)・ 舞楽(ぶがく)・ 和舞(やまとまい) 等、ありとあらゆる各種神事芸能が奉納される。
 いつか必ず観てみたい。
 今年の夏、東京の国立劇場で、その芸能を上演する特別企画公演があったが、やはり実際に神社で観てみたい気がして、それには行かなかった。

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 まだ少し時間があったので、興福寺に。


 興福寺


 せっかくなので国宝館に立ち寄り、唐招提寺の千手観音に続いて、わたしが最も愛する千手観音のお一人、千手観音の王の中の王、元食堂ご本尊に会いに行く。
 やはり、すごい!何度観ても、すごい!先ほどの唐招提寺の時とほぼ同じようなことを書いているが、とにかくすごすぎる。 


 二つの塔

 明日訪れる予定の當麻寺も二つの塔で有名。

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 南円堂と北円堂。
 このほとんど周囲に人気の無い北円堂の中に、日本彫刻の最高峰と「言われている」あの方々が。来年ついにトーハクに!
 わたしは快慶の方が好きだから、春にまた奈良に来るけど。

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 おなじみの建築も秋模様

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