♪バッハ・カンタータ日記 〜カンタータのある生活〜

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zoom RSS 最先端古楽演奏の潮流と歴史の重み。まるっと一挙ご紹介!〜今年聴いたCDバッハ・古楽編【降誕節】

<<   作成日時 : 2016/12/23 19:23   >>

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 早いもので、先週の日曜日(12月18日)は待降節第4日でした。待降節中ですが、初期の名作カンタータBWV132があります。
 さて、そして12月25日(日)から3日間、いよいよクリスマス、降誕節です。


 降誕節のカンタータはたくさんありますので、

 【一言コメント付降誕節カンタータ一覧】

 をご覧ください。


 クリスマスのための、バッハ渾身の作品がそろっています。
 有名なクリスマス・オラトリオもクリスマス周辺のカンタータの集成です。あの名作に決して負けないたくさんの傑作カンタータがズラリとそろっていますので、この機会にぜひ他のカンタータにも耳を傾けてみてください。
 華やかで壮麗な曲、しっとりとした美しさに貫かれた心にしみる曲、
 ぜひ次の一覧をご参照の上、、お気に入りの1曲を見つけて、すばらしいクリスマスをおすごしください。

 【降誕節カンタータ一覧】


 なお、今年〜来年にかけては、クリスマスも新年も日曜日であるため、降誕節後第1日曜日は巡ってきません。
 次のお知らせは、新しい年ということになります。


 過去記事↓


 <降誕節>

    クリスマスとバッハその1(クリスマス・オラトリア、マニフィカト)
    クリスマスとバッハその2・風の中のマリア(BWV147、10)
    クリスマスとバッハその3 【降誕節カンタータ一覧】
    お気に入りのアリア・クリスマス編その1 青く透明な光(BWV151)
    お気に入りのアリア・クリスマス編その2 悲しみを見つめる視座(BWV57他)
    バッハの最高のクリスマス音楽は・・・・
    またまたきちんと曲目解説・クリスマス編〜BWV110 これこそ、クリスマス音楽!
    謹賀新年、いきなり曲目紹介〜BWV191を巡る初夢。バッハはいかにロ短調ミサを書き始めたか。



 待降節中にほとんどCDのご紹介ができませんでしたので、今回もCDの感想。

 バッハから古楽全般へ。一気に駆け足で。



 BACH ARKADEN

 バッハ・アーケイド ”過去から現在、そして未来へのバッハ作品”

  カチュナー&ラウテン・カンパニー、カルムス・アンサンブル


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 以前ご紹介した、アンサンブル・アマルコルドのバッハ・モテット集で極上の伴奏を聴かせてくれたカチュナー&ラウテン・カンパニーのアルバム。

 バッハのモテットやカンタータ楽章が多く収録されているが、それだけの曲集ではない。
 タイトル通り、バッハを軸にさまざまな時代の作曲家をつなぐ壮大な「アーケード」を聴かせてくれるアルバム。
 デュファイとバッハのモテットが同じCDに収録されている、わたしにとって夢のようなアルバム。
 しかも、演奏はとびっきりポップで鮮烈。
 これまで聴いたことの無いようなリズム、奏法によって、それぞれの音楽の新しい魅力、ぼんやりと気が付いてはいたけれど、実際に音として聴くことはあまり無かった未来的とも言える要素を見事に浮き彫りにしている。
 そんな演奏がアルバム全体を貫いており、デュファイとバッハ以外の作曲家では、古くはパーセルから、新しい所ではペルト等にまでおよび、それぞれの作曲家同士の根幹におけるつながりが、大きなアーチを描きながらも実はものすごく近しいということを改めて気づかせてくれる。
 コラールに主眼を置いた選曲も考え抜かれていてさすが。

 思わずまた小難しいことをつらつら書いてしまったが、何よりも、温もりのある人間の声や古楽器の音を活かしながらも、ある種コンピューターミュージックを突き抜けてしまったかのような不思議なアンサンブルの響きは衝撃的。
 それだけでも一聴の価値あり。

 なお、特にカンタータ楽章では、リズム部分やヴォーカル部分に関して、かなり大胆なアレンジあり。歌をスキャットや器楽に変更したり、大幅な削除や配置換えしたり、やりたい放題。
 しかし、選曲同様考え抜かれたこれらの編曲は、見事に一本筋が通っているような気がする。
 ボーナストラックとして、「メヌエット」の声楽&古楽による本格的ジャズパフォーマンスが収められている。



 HANDEL with CARE

 ヘンデル 弦楽編曲版オペラとオラトリオ・アリア集

  ラウテン・カンパニー・ベルリン 


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 上のアルバムにおける斬新な演奏で、バッハ他の声楽曲の新しい方向性を打ち出してくれたラウテン・カンパニーの、ヘンデルのオペラ、オラトリオアリア集。
 リーダーのW.カチュナー編曲による管絃楽曲版。
 曲、演奏とも無条件に楽しめる一枚。
 解説によると、大人気だったヘンデルのオペラやオラトリオの有名曲には、小オーケストラや家庭で演奏できる編曲楽譜がたくさん出回っていて、実際にオペラやオラトリオを聴くことができる階層だけではなく、いたるところでその音楽を聴くことができたという。
 そんな雰囲気に、どっぷりと浸ることのできる一枚。


 なお、カチュナー&ラウテン・カンパニーの同種の管弦楽編曲版アルバムとして、バッハのカンタータ編(バッハ・ウィズアウト・ワーズ〜管弦楽編曲によるカンタータのアリア、コラール集)もリリースされたようだ。
 まだ聴けていないが、上記アンサンブル・アマルコルドのモテット集では、鮮烈極まりないシンンフォニアを聴かせてくれていたので、否が応にも期待が高まる。



 ヘンデルでは、ついにこんなのも買ってしまった。

 オラトリオ全集

 
 上記CDを入門編として、このバッハのカンタータにも比肩する世界に分け入って行こうと考えてはいるのだが・・・・、
 まだ聴いてません。

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 バッハ マルコ受難曲

  ユーリング&アンサンブル・ヴンダーカンマー、ラース・アイディンガー(語り)、他


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 BWV198等を利用したバッハのマルコ受難曲の復元版CDに、また魅力的な一枚が加わった。
 声楽陣を含めて演奏がすごぶる美しい上に、音楽が欠落している福音史家のレチタティーヴォ部分を、無理に作曲したり、何らかの既存音楽を当て嵌めたりせずに、ストレートな語りで代用しているところが潔くて新しい。
 このエヴァンゲリスト役のラース・アイディンガーさんは、ドイツの俳優とのこと。



 続いては、以上のような「新しい」バッハのCDばかり聴いた後に耳を傾けると、妙にほっとするセット。
 泣く子も黙るトマスコアのカンタータ集、「最新版」。


 バッハ 教会カンタータ集(全30曲ほか、10CD+ボーナスCD)


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 かのロッチュさんの後を受け、22年にわたりトマスカントルを務め(ちなみにバッハは27年間)、昨年健康上の理由から惜しまれつつ辞任したビラーさんのカンタータ集。
 その芸術の集大成とも言うべき、2007年から2013年にかけてのライヴ音源集。
 ボーナスCDとして、職を辞す2015年の録音も収録!
 伝統を一身に背負いながら現代に生きるバッハ演奏を模索し続けたビラーさんの演奏のすごさについては、かつてロ短調ミサの名盤をご紹介した時にも書いた通り。
 歴代のトマスカントルのカンタータ名盤に負けない演奏ばかり!
 今年はけっこうこればかり聴いていた。

 
 
 バッハのCD、おしまいに、一昨年購入したものだけど、これも今年よく聴いていたもの。
 リチェルカール・コンソートの「音楽の捧げもの」


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 昨年のLFJでピエルロさんにサインをいただいたCD。
 今年のLFJにはピエルロさんがいらっしゃらなかった。そのかわりというわけではないが、今年はバッハの室内楽を聴きたいときは、このCDを選ぶことが多かった。
 こんなに美しいバッハの室内楽CDがあったか?と思わず聞き惚れてしまうCD。
 古楽のバッハ演奏もここまで来たのだな、と、しみじみと思う。



 お次は、バッハではないが、ルターをテーマにした古楽CD。



 ルター・ダンス

  ザ・プレイフォーズ


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 自由な即興演奏をふんだんに取り入れた民族音楽的なアプローチで、ルターとその時代のさまざまな作曲家の音楽を、宗教曲、世俗曲取り混ぜて楽しく聴かせてくれる。
 冒頭の「バッハ・アーケイド」にも通じる、その「一本筋の通った自由さ」は、最近の古楽団体の一つの潮流でもある。
 プレイフォードの名を冠したグループだけあって。思わず踊り出したくなる演奏。



 久しぶりに、ストレートど真ん中の古楽CDも聴いた。


 「燃える心」 (マショー作品集 第3集)

  オルランド・コンソートオルランド・コンソートのマショー・シャンソン(第3集)


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 オルランド・コンソートのマショー・シャンソン集、けっこう評判が良いにもかかわらず、これまで購入していなかったが(わたしはマショー、オルランド・コンソートともにそんなにものすごく好き、というわけではない)、
 第3集がリリースされ、一応完結?したようなので、聴いてみた。
 実にふくよかで美しい演奏。
 マショーのある意味中世っぽい、妖しさやどぎつい色調はかなりオブラートに包まれており、どことなくヴィトリやその後のルネッサンスに接近するような響き。



 最後、一家に一組、1セット、

 古楽の聖典。

 中世&ルネッサンス音楽ファンにとって、不滅の聖典とも言える名盤中の名盤が集成された50枚組ボックスが、何と1万円強という驚くべき価格でリリースされた。


 オワゾリール 中世、ルネサンス録音集


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 どれだけ苦労して、一枚一枚買いそろえていったことだろう!
 当時すでに廃盤の物も少なくなく、長い間、中古店に通ったり、けっこう遠方の図書館にまで出かけていったこともある。

 スコラ・アンティカのグレゴリオ聖歌集から始まって、

 ピケット(ニュー・ロンドン・コンソート)のカルミナ・ブラーナ、カンティガ等の巡礼歌、吟遊詩人の音楽、キャサリン・ボットのトルバドゥール、トルヴェール、

 そして、

 コンソート・オブ・ミュージックの「シャンソニエ・コルディフォルム」!

 ロンドン中世アンサンブルのデュファイやオケゲム、ジョスカン、イザークのシャンソン集!

 ルネッサンスの様々なマドリガル集、ヴァージナル曲集を経て、ダウランドのリュート歌曲集まで。

 すべてがここにつまっています!
 正に貴重な「聴く音楽史」!
 しかも極上の演奏ばかりなので、理屈抜きで楽しめる。

 今では単独では購入しにくいものが多く、中世&ルネサンス音楽に身近に親しむ絶好のチャンス!

 しかも、すべてオリジナルジャケット使用、正に一家に一組。


 個人的には、「ロンドン中世アンサンブル」のオリジナルアルバムがほとんどすべて収録されているのがうれしい!
 しかも何と、ジョスカンやイザークのシャンソン集は初CD化とのこと。

 だが・・・・!

 ここまでやっておきながら、オリジナルを何よりも尊重しながら、

 なぜ、デュファイの世俗音楽全集だけ、抜粋収録なのかっ!!

 よりによって、デュファイの世俗音楽全集だけ、CD五枚組分が大幅に抜粋され、一枚だけになってしまっているのだ。
 オケゲムの世俗音楽集は、オリジナルCD二枚組分、きちんと収録されているのに。


 デュファイの世俗音楽は、このセットに収められたあらゆる音楽の中でも(つまり音楽史上、ということ)最も重要な音楽である上に、1980年の時点で何とその全曲を、考え得る最高レヴェルの演奏で録音したこのデュファイ世俗音楽全集は、レコード史上に輝く歴史的名盤。
 これではグールド全集でゴールドベルク変奏曲だけ抜粋にしているのと同じ。
 あと4枚、4枚だけ増やせばいいだけの話ではないか。なるべく幅広くバラエティに富んだ音楽を安価に提供する、といいうのがこの種のBOXセットの使命なのかもしれないが、失われてゆきつつあるオリジナルの「レコード」名盤をきちんと提供し、保存につなげることも、大切なのではないか。



 さて、

 こうしてバッハ、古楽のCDを振り返ってみても、アーノンクールさんが切り拓いてくれた地平のあまりの大きさを、再確認し、途方に暮れるのだった・・・・。



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