♪バッハ・カンタータ日記 〜カンタータのある生活〜

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zoom RSS 引き続き新緑の奈良公園。東大寺逍遥〜初夏の奈良旅行・旅のしおり後篇【三位一体節後1】

<<   作成日時 : 2017/06/17 20:52   >>

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 朝ごはん

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 奈良滞在2日目。


 この日の午前中は、ゆっくりと東大寺を散策。

 まず何よりも、南大門に行きたかったのだ。
 昨日の記事でご紹介した快慶展の出口のところにあった「君も快慶マスターだ!」看板ではないけれど、やはり、南大門の金剛力士像だけは観ないと、わたしの中の快慶展が完結しないように思えたのだ。



 東大寺



 南大門


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 金剛力士像。

 金網越しに光を浴びて浮かぶその姿は、あまりの巨大さ、豪壮さゆえに、まるでCGみたいに、文字通りこの世のものとも思えぬ光景に見える。

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 東大寺の入り口に実に無造作にそびえ立ち、大仏を目指す国内外のたくさんの観光客が、そのプレリュード的な位置づけで通り過ぎる南大門だが、
 日本を代表する大寺院・東大寺のおびただしい文化財の中で、最も貴重なものの一つが、この南大門だと思う。

 歴史的とも言える鎌倉期復興を現代に伝える唯一の建築遺構、
 新しい武士の世界を象徴するような豪壮で巨大な姿、、それでいて武士の精神そのものの表出とも言える質実剛健な佇まい、世界のどの建築に比べても決して負けない壮麗さを誇っている。


 そして、その巨大な門の両側で睨みをきかせる2体の金剛力士像

 この10メートル近い巨像こそ、鎌倉期復興の大仏殿、その壮大な内部空間をびっしりと埋め尽くした、運慶・快慶を始めとする慶派の錚々たる仏師たちの競作による、想像を絶する極彩色の巨大仏群、その今では絶対に観ることができない失われてしまった夢の仏像群の威容を、そのまま現在に伝えてくれるただ一つ残された忘れ形見に他ならない。

 * 慶派競作の鎌倉復興大仏殿仏像に関する詳細記事、こちら

 この金剛力士像も、慶派が総力をあげて完成させた仏像として知られ、かなりの長きにわたって、阿形は快慶、吽形は運慶によるものと信じられてきた。
 しかし、先の解体大修理の際に見つかった文書により、阿形が運慶・快慶、吽形は  、  によって造られたことが確実となった。
 これによって様々な憶測、学説が生まれ、結局現在も快慶がこの阿形像にどのように係ったかについては定かではないが、
 快慶がどのように係っているにせよ、この金剛力士・阿形像こそが、快慶の生涯の最高傑作だとわたしは確信している。



 今回は、大仏以外をちょっと丁寧に回る。


 題して、大仏殿周辺を一回り

 大仏殿はこれまでに何度も訪れ、上にリンクした記事等、記事もけっこう書いているので、ここではちょこっとのぞくだけ。


 大仏殿を横目に、向かって右側側を裏山の方へ。

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 快慶展で観てきたばかりの僧形八幡神坐像がかつては御神体として祀られていた手向山八幡宮へ。


 これまでの喧騒がうそのような静けさ。

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 手向山八幡宮・社殿

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 手向山八幡宮の境内から本殿に向かって左側を眺めると、正面に美しいお堂が見える。

 これが日本有数の仏像空間として名高い、三月堂

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 三月堂

 東大寺、いや奈良、日本を、代表する圧巻の仏像空間。
 鎌倉期の増築により、この三月堂ならでは大空間が生み出された。
 いくつかの仏像がミュージアムに移動して、だいぶすっきりした上に、一つ一つの仏像の存在感が際立ち、より迫力が増したような気がする。
 
 ただ、以前感じた広大な堂内を埋め尽くすかのような重圧感も、ちょっと懐かしい。

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 その正面に、四月堂

 ここは、長い間東大寺で一番好きな場所だった。
 ここにはかつて、巨大な「モクモク観音様」(とわたしは勝手に呼んでいる。平安時代の千手観音立像)がいらっしゃって、そのお堂の割にはあまりにも大きな姿、おおらかな表情、そして何よりも、巨樹、あるいは入道雲のようにモクモクと縦横に伸びた極太の脇手によって、お堂に入ったとたん、堂内いっぱいに満ちた温かくやさしい雲のようなものに全身を抱かれたような気分になったものだった。
 この「モクモク観音様」、現在では、こちらはかつては三月堂にいらっしゃった、国宝天平仏、日光・月光菩薩を両脇侍に従えて、ミュージアムの「本尊」として立派に活躍なさっているが、この原体験のおかげで、今でもわたしの最も好きな仏像の一つだ。

 四月堂の本尊としては、その代わりに、一部美しい彩色の残る見事な十一面観音様が迎えられている。
 その他にも阿弥陀如来(立像、坐像一体づつ)、ものすごく目力のある黒々とした薬師如来坐像、さらに、向かって右端の厨子には、さりげなく国宝の普賢菩薩等が並び、今でも魅惑の仏像空間となっている。

 通り過ぎる方が多いと思うが、座敷に上がって、拝観可能なので、お見逃しなきよう。

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 四月堂前から、三月堂越しに、二月堂をながめる。

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 二月堂に登る。

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 庶民の観音信仰の聖地、二月堂は、雰囲気が清水寺によく似ている。すぐ横に不動滝があるし・・・・、

 何よりも、舞台。世界中からの観光客でいっぱいの二月堂の舞台。

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 左下方に四月堂の屋根が見える。

 眼下の森には、快慶展で観た、超絶技巧の結晶、阿弥陀如来像が普段いらっしゃる、重源上人ゆかりの俊乗堂等が点在している。
 その向こうに大仏殿、さらには奈良市街が広がる。

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 傷ついた美しい蛾。

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 二月堂、三月堂、そして四月堂。

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 大仏殿の方へ下りてゆく道。

 古都奈良でも最も風情のある道の一つ。

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 大仏殿の裏側

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 静謐な鹿たちの楽園

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 何か巨大なものの礎石。

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 大仏殿の(向かって)左側面。

 石垣にはあやしげな扉が。抜け穴?

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 以前訪れた戒壇院をのぞむ。

 ここも、あまりにも名高い必見仏像スポット。

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 快慶展で観た、僧形八幡神像が現在安置されている勧進所、これまた奇跡の工芸品・地蔵菩薩立像が安置されている公慶堂等が点在する静かなエリア。

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 東大寺を散策することは、快慶の仏像たちの現在の棲家を巡ることでもあるのだ。


 工事中

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 東大寺ミュージアム


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 先ほど書いた、旧四月堂の千手観音と旧三月堂の日光・月光菩薩。

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 これは、奈良博で撮影した弁財天のレプリカ。

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 この後。三度、快慶展へ。


 お一人お一人の快慶仏と再会を約し、帰路につく。



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  ☆    ☆    ☆



 今度の日曜日(6月18日)は、三位一体節後第1日曜日。


 カンタータは、

 第1年巻の、気合入りまくりのデビュー曲、BWV75、
 第2年巻の、こちらも気合入りまくり、コラール・カンタータ年巻・始まりの4曲の冒頭曲、BWV20、
 後期の名作、BWV39、

 以上、3曲です。


 今週から、1年の後半、夏〜秋のシーズンが始まり、祭日の名称も三位一体節後第○日曜日、というようになります。
 毎年くりかえしていることではありますが、バッハがライプツィヒに赴任したのはこのタイミングなので、何種類か現存するバッハのカンタータ年巻も、ちょうどこれから始まります。
 バッハの生涯最高最大の「作品」、カンタータ年巻を通して聴いていこう、という方、絶好のチャンスです。
 また、バッハのカンタータ、聴きたいけれど、何から聴いてよいのかわからない、という方、
 移り変わる季節に合わせて、それぞれの年代の個性の異なる「年巻」をまとめて聴いていくことが、気が長いようでいて実は最も効率的な方法なのではないかと思います。
 今がチャンス、今後ともよろしくおつきあいください。


 過去記事は、こちら↓


 <三位一体節後第1日曜>

    始まりはいつも Overture(BWV20、75他)
    (参考資料) コラールカンタータ年巻 「始まりの4曲」 一覧
    きちんと曲目解説〜年巻の始まり。この機会に用途不明テキストカンタータの名作を
    バッハの「第3年巻」〜BWV39、34の話題を中心に





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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
東大寺は2年ほど前の夏に訪ねて、南大門もくぐって快慶作の金剛力士像のお姿を拝みましたが、門が修復中で、足場が組まれていました。南大門から大仏殿の間で、観光客のうち、日本人よりも外国人の方が多かったですね。その時東大寺では、大仏殿と東大寺ミュージアム、戒壇院を訪ねました。戒壇院の塑像の四天王もいいですが、東大寺ミュージアムの千手観音さまと元々梵天像と帝釈天像だったと思える、伝日光菩薩像と伝月光菩薩像も好きですね。

三月堂も四月堂も今後訪ねて、仏様のお姿を拝みたいと思っています。でも毎年12月16日の執金剛神のご開帳にいつ行けるか、わからないですね。

興福寺国宝館が今、改修中で休館なのは残念ですが、去年の秋に五重塔と三重塔の公開で入ったときに、国宝館にも入りました。巨大な千手観音さまと八部衆にもお会いしましたし、どこかユーモラスな板彫十二神将像の姿も、龍燈鬼と天燈鬼の姿も楽しみました。その日は東金堂では献米祭で、そこが拝観できなかったのが残念でした。

奈良で入った飲食店では、去年の秋に奈良では、町屋をリフォームした南インド料理のお店で夕食にしました。もっと前に、玉木宏さんや綾瀬はるかさん、多部未華子さんなどのTVドラマ『鹿男あをによし』のロケ現場になった、年中おでんを出す小さな居酒屋にも入りました。
大ドラ
2017/06/19 21:57
 大ドラさん、こんにちは。
 東大寺、現在は中門向かって左手の回廊のあたりをけっこう広範囲に仮囲いして、何やら工事をしていました。最近は、奈良は(京都もですが)いつもどこかで何かしら工事をしていますね。そのたびにどんどん風景や建築、仏像等が新しく生まれ変わっていき、それを眺めるのも楽しいものです。
 東大寺は、ほんとうに外国人観光客が多かったです。今回は、特に東南アジア系の人たちが多かったような気がします。東南アジア系の方は基本的に陽気で楽しそうなのですが、例えば金剛力士像等に対しても熱心に祈ったりして、そのような姿が印象的でした。

 興福寺の国宝館は、わたしもたまたま昨年晩秋に当麻寺や春日大社を訪れた際に、立ち寄りました。その時は耐震工事に入ることは知らなかったのですが、行っておいてほんとうによかったです。この工事のおかげで、秋のトーハク運慶展にも、いくつかの仏像がいらっしゃるのではないでしょうか。それにしても、あの千手観音様、工事中はいったいどうしてるんでしょうね。

> TVドラマ『鹿男あをによし』

 わたしは学生時代や社会人になってしばらくの間はけっこう奈良に足を運んでたのですが、その後かなり長い期間まったく行かない時期がありました。それが、このブログを始めた10年前くらいから、再び奈良に頻繁に行くようになり、そのきっかけとなったのが、実は「鹿男あをによし」でした。
 あれは、観ていると思わず奈良に行きたくなってしまうような、わたしにとっては奈良愛を呼び起こされるようなドラマで、そのあたりのことはけっこう熱烈に記事にも書いたものです。
 奈良町あたりには、どんどん魅力的なお店が増えているようですね。ほんとうはゆっくりと食べ歩きなどもしたいのですが、奈良には訪れたいところがたくさんあって困ってしまいます。
Nora
2017/06/22 23:11

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