適当落語あらすじ 「てれすこ」  by Nora

 適当落語あらすじ 「てれすこ」

 以下は、笑三さんが話したものの大意を、わたしが勝手にまとめたものなので、
 間違いや、細かい差異など、たぶんあるにちがいないこと、お断りしておきます。



  *    *    *
  


 ある時、長崎の漁師町で、不思議な魚があがりました。

 それまで誰もが見たことも無いような魚で、どんなに経験をつんだ漁師に聞いても、えらい学者に聞いても、何と言う魚かわかりません。

 結局正体がわからず、その魚をいったいどうしたものか、長崎中で喧々諤々の大騒ぎになってしまいました。
 よっぽど奇妙な魚だったのでしょう。

 あまりの騒ぎに、ついには、お奉行様までが登場。 
 魚を絵に描き写し、この魚の正体がわかったものには百両を授ける、という高札を掲げます。

 百両といえば、たいへんな大金です。それでも誰も、この魚のことはわかりません。


 すると、一人の男が名乗り出ます。

 お奉行様の問いに、男は自信たっぷりに答えます。
 「その魚は、てれすこ、です」
 「て、てれすこ?」
 あからさまにあやしいですが、誰もほんとうの名前がわからない以上、男に反論できません。
 男は百両を受け取り、帰っていきました。


 お奉行様としてはどうも釈然としません。
 疑念がどんどんふくらんでいき、男にまんまと百両とられたのではないか、と思うと、くやしくて夜も眠れません。

 そこで、お奉行様、一計を案じました。
 その魚を開き、干物にして、今度はその絵を描いて、同じように高札に掲げます。


 案の定、あの男が、また名乗り出てきました。

 「それは、ステレンキョウ、です」
 男が今度も自信たっぷりに言ったので、
 お奉行様、そら見たことか、と大激怒。
 「同じ魚であるのに、ちがうことを答えるとは何事か。いいかげんな嘘つきめ!」と一喝し、男を捕らえてしまいます。



 さて、実は男には、若いお嫁さんとまだ生まれたばかりの子どもがいました。

 びっくりしたのはこのお嫁さん、
 意気揚々と出かけていったっきり、そのまま戻らなくなってしまった夫のことが、心配で心配でなりません。

 心配のあまり、取り乱し、火もの断ちをして、(火を通したものを一切口にしない)願掛けを始めてしまいました。
 一番栄養が必要な時にほとんど食べないのですから、乳の出も悪くなり、そば粉をといて赤ちゃんに飲ませる始末。

 当然、母子そろって、みるみるやせ細っていきます。



 やがて、いよいよ、男に、お裁きが下されることになりました。

 お白州に引き立てられた男に下された判決は、打ち首・・・・。

 魚の名前を言っただけで、ちょっとあんまりですが、
 でも、そこは、わずかなお金を盗んだだけで重罪になった江戸時代、
 百両という大金を、しかもお上からだましとったのだからしかたありません。 

 お奉行様、さすがに憐れに思ったのか、男に言います。
 「最後に何かほしいものは無いか」
 男は何もいらないから、家族に一目合わせてほしいと頼みます。

 お嫁さんと赤ちゃんがお白州に連れてこられました。
 最後の対面。
 こんなに痩せて・・・・、と、泣く男。

 「お上が決めたことだから、自分の死罪はしかたない。ただ、おまえたちのことが気がかりだ・・・・」と、男は涙ながらに言い、
 これから母子だけで生きていく上で、必要なこと、守るべきことを、いくつかお嫁さんに伝えます。

 そして、最後の最後に、男が、お嫁さんに伝えた一言・・・・。



 その言葉を聞くやいなや、お奉行様、思わず膝を打ち、
 「その方の申すこと、もっともである」と言い、男は、晴れて、無罪放免となるのですが、
 さて、男と家族を救ったその一言とは・・・・。

 お嫁さんが、火もの断ちをしてた、というのがちょっとした伏線で、
 「ひものだちしたおかげで、無罪となりました」というのが、落ちになります。



(ネタばれになるので、以下は省略。ぜひ寄席に行って聞いてください)



▽ 奇妙な魚。これは、ヒゲキホウボウ。(深海魚)

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