バッハの源流への旅・その4~オケゲム「プロラツィオーヌム」

 バッハといえば、対位法のイメージが強いですが、
 かつて、「ルネッサンスのフーガの技法」と言われていたのが、
 オケゲムのミサ「プロラツィオーヌム」です。


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 * ↑クリックすると、参考に現代譜を見ることができます。
    (昔わたしが参加した古楽講座の先生が書きおろしてくださったもの)



 これはかんたんに言うと、
 一つのメロディが、同時に異なる比率の長さで演奏されてカノンを形成し、(これで2声)
しかも、二つのまったく異なるメロディに関して、そのすべてが同時進行してゆく、(これで4声)
という、書いてるだけで恐ろしいものです。
 従って、楽譜は、二つのメロディと指示だけだったような気がします。
(こうなると、もうバッハどころではなく、中世末期のアルス・スブティリオールをさえ連想してしまいます。)

 この曲は、以前は、対位法の数理的側面を極限まで追究した例として、「音楽」としては、まったく評価されていなかったのですが、
 今では、対位法的要素が複雑になればなるほど、なぜか「叙情性」が増してゆくという、
大作曲家オケゲムのすさまじさを証明するような、代表曲となっています。


 それを実際に体験できる、最も「人間的な」名盤があります。
 現代音楽の作曲家、ホルテン指揮のものです。

 ホルテンは、ラ・リューのレクイエムの名盤でも知られていますが、ともすれば冷たくなりがちなルネッサンスの対位法作品を、胸にしみいるように演奏する人です。
 名作レクイエムも入った、超お徳盤。
 (ナクソス カタログ番号 8.554260)

 「ナクソス ミュージック ライブラリー」で試聴ができます。(30秒だけですが)
 必ず15分無料体験を選択し、左上のカタログ番号検索に上の番号を貼り付けて、試聴してください。



 ナクソスは、ほんとうにあなどれないレーベルです。

 この「バッハの源流への旅」のシリーズでは、
 始めに、デュファイ、オケゲム、ジョスカンの3人をご紹介し、それぞれが俗謡「ロム・アルメ」によるミサを書いていることをお話ししましたが、
 このフランドルの3人の巨人のミサ「ロム・アルメ」が、すべてそろうのも、ナクソスだけかもしれません。

 デュファイ (カタログ番号  8.553087)
 オケゲム  (カタログ番号  8.554260)
 ジョスカン (カタログ番号  8.553428)

 さわりを聴くだけでも、個性の違いがわかってもらえるかもしれません。
 興味のある方は、ぜひ試聴してみてください。
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