林家正楽にびっくり~上野鈴本演芸場(3月上席・夜の部)

 3月1日、昨年の浅草演芸ホールに続いて、やっと上野鈴本演芸場に行ってきました。
 三月上席・夜の部、初日です。(~9日(貸切)を除き、10日まで)

 あれ以来、噺家さんと噺をできるだけ覚えようとして、テレビ、ビデオなどはずいぶん見てきましたが、かんじんの寄席に行くチャンスがなかなかありませんでした。
 レントでカンタータがお休みのうちに行かねば、と思い、
 今回は、仕事をさぼってむりやり行ってきました。
 ごめんなさい。

 浅草は、何から何まで、いかにも寄席、という雰囲気でしたけど、
 上野は建物もビルで、内部も小ホールみたい。
 総入れ替え制で、番組もだいぶ短いけど、(出演者が少ない)
 わたしにはちょうどいいくらい。
 同じ寄席でも、だいぶちがうようです。



 3月上席の番組は、下のパンフのとおり。


 一番笑ったのは、昭和のいる、こいる師匠。
 「幸せなら手を叩こう」のお囃子にあわせて登場したとたん、会場がパーーっと明るくなり、まぶしいくらい。
 いきなり超早口でしゃべくり出して、何をしゃべっても、何をやっても、
 ちょっと動いただけでも、もうおかしくってしかたない。
 笑いっぱなしで、あっという間に15分?がたったようで、そのまま嵐のように去っていきました。
 後から思い返しても、お二人が何をしゃべったのか、何一つ覚えておらず、
 結局、どちらがのいるで、どちらがこいるかもわからずじまい。
 あー、おもしろかった。なんなんでしょ、いったい。


 ところで、今回、色物で、紙切り、というのを、初めて生で見ましたが、
 この林家正楽という人が特別なのかもしれませんけれど、とにかくすさまじい芸で、びっくり。


▽ 以前書きましたが、噺家をおぼえるため、必ず似顔絵を描いてます。
  今回は、ペイントでアレンジしてみました。

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 この人、一見こわい感じで、
 前かがみになって、体をゆさゆさ揺らしながら、言葉少なに紙を切ります。

 TVとかで見て、紙切り、というと、たとえば、侍なら侍、動物なら動物そのものを切るイメージがありましたが、この人の場合はまるでちがう。
 世界がぐ~んと広いのです。

 例えば、「花見酒」というと、
 大きな桜の木があり、花びらが舞い、その下で、何人もの立派な侍やきれいな着物を着た芸者たちが、いかにも楽しそうに杯を重ねているようす、その全部を切ります。
 もちろん影ですから真っ黒ですが、侍たちが真っ赤になってるのが見えるようです。

 お客さんのリクエストに「転勤」というのがあったのですが、
 いったいどうするのか、と思ってたら、
 駅のホームかどこかで、たくさんのサラリーマンたちが、一人のサラリーマンを胴上げしてる様子を見事に切りました。
 胴上げされている人のスーツやネクタイも舞っています。歓声が聞えてきそうです。

 この日は、お客さんのリクエストに応えて、

 相合傘 → 花見酒 → のいるこいる(笑) → 転勤 → 松坂投手

 と、次々と切ってくれました。

 どれも大作なので、少し時間はかかるのですが、
 始めはがやがやしていたお客さんも、最後の方はかたずを飲んで見守り、
 プロジェクターで絵が大きく映し出されるやいなや、おーーーっ、と、大歓声。

 基本的に、絵は、リクエストした人にくれます。
 私は後の方だったので、リクエストできませんでしたが、次は必ず一番前に座ろう。


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 ☆ この「相合傘」は始めの試し切り。
   中では最も単純でしたが、そのかわり、一筆書きのように一発で切ってるとのこと。
   つまり、外枠も、そのまま、残っている!


 さて、かんじんの落語。

 切り絵のお題に「転勤」があったことからもわかるように、
 実は、この日は、2~30人のサラリーマンの団体が、会場のど真ん中にずらーっと並び、その他の客はパラパラ、というかんじ。

 当然、サラリーマンのみなさんは、みんな、お酒やビールを飲んで、どんどん酔っ払っていきます。
 噺家さんによっては、典型的な親父ギャグを連発して、そのまま帰る人もいました。
(それはそれでまた、すごい。お客さん、大喜び)

 そんな中で、入船亭扇遊と入船亭扇辰の二人が、
 堂々とまっこうから噺をして、しかも、しっかり会場の笑いを誘って見事でした。

 二人とも、名前からして、この前ビデオで見て記事にした、
 入船亭扇橋師匠の一門なのでしょうか。
 
 扇遊は、「一目上がり」。
 掛け軸について、ご隠居にいろいろ教えてもらい、掛け軸をほめようと、町内を回るガラッ八。
 八が回っていくと、掛け軸の内容が、三(賛)、四(詩)、五(悟)と増えていき、八がすっかりこまってしまう噺。

 扇辰は、「松戸の狐」?
 きつねのしっぽ付き胴衣を着こんで、お稲荷様にかんちがいされたお侍が、ふざけてお稲荷様のフリをしたら、さんざん歓待を受けてやめられなくなり、やりたい放題、さんざん豪遊した末に、朝方、こっそりと逃げ出す噺。

 特に扇辰の方は、
 冷え込んだ朝まだ来、人気の無い宿場街を、えらそうにしていた侍がすたこら逃げてゆく映像が目に浮かぶかのよう。
 それを見ていた子狐たちが、落ちの一言を言うところなど、
 なんとなく扇橋師匠の「ねずみ」を思い出しました。



 さあ、これで、お江戸4大寄席制覇のたくらみも、新宿、浅草、上野と進み、残すは、池袋のみ。

 なんとか、3月中の制覇を目指します。



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