花の王国! 北海道旅行記‘07初夏~第3回・小樽観光 運河の夢のあと

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 7月5日(木)、2日目、小樽観光。

 朝9時半頃、札幌からJR函館本線、区間快速いしかりライナーに乗り、約40分で小樽に到着。

 途中、銭函(ぜにばこ)という駅から小樽築港駅付近まで、日本海石狩湾の海岸線ぎりぎりを列車が走ります。
 場所によって、湾の両端の陸地が正面に島のように見えたり、ごつごつと飛び出た岩のうえで水鳥がたたずんでいたり、漁の作業をしているらしい小舟が小さくゆらゆらと揺れていたり、いろいろな風景が流れていきました。

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 小樽駅構内の窓を飾るたくさんのランプ

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 小樽は、江戸時代から、ニシン漁で賑わった海辺の町です。
 明治13年に、小樽・札幌間に日本で3番目の鉄道が敷かれ、小樽は石炭積出し港にもなり、北海道開拓の拠点港としての役割を担うこととなりました。
 銀行や企業も続々と進出、道内随一の経済繁栄を誇る、活気に満ちた海運の町となったのでした。



 小樽駅から路線バスで10分、錦町(にしきまち)下車、徒歩2~3分で旧日本郵船小樽支店に着きます。

 日本郵船は明治18年に設立され、現在も日本を代表する大きな海運会社です。
 この建物は、明治37年着工、明治39年に落成したもので、現在は小樽市の所有になっています。

 運河公園から見た旧日本郵船小樽支店。

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 さほど大規模な建築物ではありませんが、いかにも堅牢そうな質感と、左右対称のしっかりした外形は、端正な美しさを感じさせます。
 設計、佐立七次郎(さたちしちじろう)の貴重な遺産。(東京駅・赤レンガ駅舎の設計等で有名な辰野金吾の工部大学校=現東京大学工学部での同期)
 施工は地元棟梁、山口岩吉。


 中に入って入場料300円を支払うと、係の女性が丁寧に説明しながら案内してくれました。
 昭和50~60年代に小樽市がおこなった修理復元工事により、細部まで建設当時のままの姿になっているそうです。


 1階の広いフロアは営業室。
 実用的な事務の仕事や、取引先との応対に使われた。造りも備品もたいへんに豪華。
 がっしりとした机と椅子、一枚板!のカウンター、一人一個の可動式照明器具、きれいなふくらみをもつコリント式の円柱、などなど、ご覧ください。

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 1階金庫室。
 奥の壁のまんなかにある四角い窓のようなものは、実は非常用出入り口。
 外側から梯子をかけて、人一人が出入りできるようになっている。外側から見ると、かなり
 高い位置についている。

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 2階貴賓室。
 真ん中に暖炉。壁紙は「金唐革紙」(きんからかわかみ)といい、和紙で製造した、革に似せた紙。明治当時の色あせた部分と、昭和に復元した金色が鮮やかな部分がある。
 美しい彫刻がほどこされている銀色の器具は、暖房用のラジエーター。

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 2階会議室。
 貴賓室のとなりで、壁紙やじゅうたんは同じだが、広さは4倍くらいある。
 じゅうたんは一枚もの。

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 明治39年、この会議室で「日露国境画定会議」が開かれました。日露戦争後、ポーツマス条約により、サハリンの一部が日本の領土となることが決定したのをうけて開催された、国境線を現地に設置する作業の打ち合わせ会議です。

 こうした重要な国際会議が竣工直後におこなわれたこと、おもてむきかかったとされている工事費に比べて非常に豪華で贅沢なつくりであること、などを考え合わせると、建設に際し、国の威信をかけたバックアップも、かなりあったのではないか、との推測もなされるようです。

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 扉のドアノブは、すべて木製。
 冬季に手が凍りついてしまうことの防止。
















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 日本郵船の海運業務の方は、建物前面には専用の倉庫、専用水路、建物裏側には鉄道、という、貨物の輸送がスムーズに行なわれる絶好の立地だったことも味方して、たいへんな隆盛をきわめたようです。
 絶えず船と鉄道が乗り入れ、荷物が出入りし、このあたりもたいへんな賑わいだったでしょう。


 建物をでて、目の前にある運河公園でひと休み。
 すっきりとした雰囲気の、気持ちのいい公園です。
 かつて、日本郵船の船入り場だった場所を、埋め立ててつくられました。
 北海道経済の中心のひとつだったこのあたりも、今では、市民の方が憩う、静かな公園です。

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 運河公園の向こう、北運河。

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 建物裏に今も残る、手宮線(廃線)線路。

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 ちょうど旧日本郵船前に、おたる散策バス「うしおコース」(観光客向けの路線バス)がきたので、「小樽運河ターミナル」まで乗っていきました。

 いつのまにかお昼になっていたので、「浅草橋」を渡り、「小樽運河食堂」で食事をすることにしました。
 ここはひとつの建物の中に、海鮮料理、ラーメン、寿司、ビアホ-ルなどの飲食店と、お土産屋さんが入っている観光施設です。

 ここで食べた特選海鮮丼。味は、小樽ならでは!と感動するまではいきませんが、まあ、おいしかったです。
 海辺の町で海のものを食べる、というのはやっぱりいいですよね。

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 昼食の後は、倉庫街を見ながら、小樽運河の遊歩道を、浅草橋から中央橋方向へ。

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 観光客が多く、にぎやかですが、きれいな花のプランターがたくさん置かれた水辺の遊歩道は、ちょっと洒落ていて、なかなかすてきでした。


 消防犬ぶん公と笛吹き小僧。

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 旧大同倉庫(左)、旧大家(おおが)倉庫(右)

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 旧小樽倉庫(左の写真に写っている三棟で一つの倉庫)
 瓦屋根にしゃちほこがのっています。持ち主が、沖の船からも、自分の倉庫がひと目でわかるように、と、設置したようです。
 三棟のうち、向かって左側が「運河プラザ」という観光施設になっており、中庭で休憩できるので、ソフトクリームなど食べつつひと休み。

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 次は「北のウォール街」と呼ばれる、かつてたくさんの金融機関や商社が軒を連ねていた地区を歩くことにしました。
 今でも、明治~昭和初期に建てられた、小規模ながら歴史的価値のある建物が数多く残り、(店舗やホテル、事務所などに利用されている)
 小樽が国際的な港湾都市として繁栄し、北海道経済の中心地であったということが、実感されます。

 旧第四十七銀行小樽支店(左)と旧三井銀行小樽支店(右)

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 旧安田銀行小樽支店

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 旧北海道拓殖銀行小樽支店=現ホテル・ヴィブラント・オタル

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 ホテル・ヴィブラント内部
 ホテルのフロント+喫茶店になっています。
 階段には、デュフィの絵が!

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 旧越中屋ホテル=現・小樽グランドホテルクラシック
 越中屋は明治時代から続く由緒ある旅館で、このホテルは外国人専用の別館として、昭和初期に建てられました。
 内部のステンドグラスがきれい。

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 旧北海道銀行本店=現・小樽バイン
 「小樽バイン」は、ワインカフェ&ワインショップで、ワインを飲みながらランチやディナーが楽しめるようです。建物の前に止まっている車はボンネットバスで、予約制の観光バスです。

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 日本銀行旧小樽支店=現・日本銀行金融資料館
 設計は辰野金吾。最初に行った、旧日本郵船小樽支店の設計者、佐立七次郎と同じ、工部大学の第一回卒業生。
 辰野金吾は有名ですが、この小樽の二つの建物に関しては、
 わたしは、日本郵船の方が、だんぜん好きだな。

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 北のウォール街から、色内(いろない)大通りを南に行けば、750m先のメルヘン交差点まで、ガラス製品の店やオルゴール屋さんなどの店舗が続く、長いショッピングストリートになっているそうです。

 そろそろ歩き疲れたので、入口付近だけ。

 写真左:旧百十三銀行小樽支店
 写真右:左端、岩永時計店、
      塔のある建物をひとつはさんで右、旧第百十三国立銀行小樽支店

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 夕方4時過ぎに小樽をあとにし、札幌へ。

 札幌駅で、明日以降のためにフリーきっぷを購入したりしたあと、
 夕飯は、札幌駅近くのカニ料理屋さんへ。(せっかく北海道に来たので)

 写真はゆでガニが中心になっていますが、セットメニューを頼んだので、他にカニすき、カニのお造り、甲羅揚げ、陶板焼き、などいろいろでてきました。 
 お造りと陶板焼きは、とてもおいしかった。
 
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 夕食のあとは、札幌駅のJRタワー展望室、T38(タワー・スリー・エイト)へ。
 入場料は700円、または、「まちめぐりパス」5ポイント。
 昨日の藻岩山はほんとうにすごかったけど、ここもなかなか。

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 ホテルに一度戻ってから、夜ちょっと行ってみた、すすきのの様子。
 真夜中近い、というのに、道路が歩行者天国で、ビアホールになってます。びっくり。

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 みそらーめんでも食べようと思ったのですが、(カニ食べたばかりなのに・・・・)
 大好きな支那そばやを発見。
 池袋店が閉店して以来、ずっと食べられませんでしたが、こんなところで巡り合えるとは!
 文句なしにおいしかったけれど、
 なんと、池袋と同じく、ここも、間もなく閉店してしまうとのこと。
 間に合って、よかった。(涙)

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