青春の鎌倉再訪記‘07夏 Vol.2 鎌倉のお屋敷街を歩く

 ちょっと遅くなってしまいましたが、お盆休みのおしまいに、鎌倉に行った時のことを、書いてしまいます。
 なかなか良いコースだったので、一応、ちゃんとガイドにもなるようにしてみました。
 このコースは、ことのほか花が美しいコースなので、これから秋にかけて、ますます魅力を増すことでしょう。
 下の地図を参照しながら、お読みください。

 なお、初めての方は、よろしかったら、まず Vol.1 からご覧になってください。



  *    *    *



 池袋から、鎌倉まで、直通電車(湘南新宿ライン)で、わずか1時間ちょっと。
 ひょっとしたら、ディズニーランドよりも近い?
 かんたんには行くことのできない、はるか遠い街。
 なぜか、ずっと長い間、そんな風に感じていましたが、
 こんなことなら、もっと早く、気軽に行っていればよかった。

 列車が大船を過ぎて、北鎌倉に近づくと、
 窓の外の景色が、いつしか陰影を深め、
 山の岩肌や木々、家々、電柱やポストにいたるまで、
 ごくごくあたりまえであるはずのありとあらゆるものが、
 その土地の歴史の重みゆえの、凛とした独特の風格を帯び始める。

 何もかも、昔と、同じ。
 この瞬間がたまらなく好きです。



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 12時ちょっとすぎに鎌倉駅到着。

 小町通りで昼食でも、と思ったが、あまりの混雑でとても進める状態でないため、
 入口の手前のそば屋へ。

▽ 天ぷら冷やしそば+名物しらすいなりのセット
  鎌倉のおそばはたいていおいしい。

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 昼食後、すぐわきの地下道を通って、西口へ。

 地下道に入ったとたん、ウワワーーン、という大きな音に全身を包まれ、びっくり。
 なぜか異様にせみの声が反響しているようだ。
 地下だから、せみなどどこにもいるはずもないのに。
 西口側に出て、すぐに、納得。
 ターミナルのある東口に比べて、西口は大きな樹木が多く、すでにせみの王国。
 そのすさまじいまでの鳴き声が、東口の方にまで響いていた、というわけ。
 それにしても、ちょっとトンネルをぬけただけで、
 樹木の感じといい、せみの声といい、東口の雑踏とは、もうまるでちがう世界。
 天気もうす曇で、前日までの酷暑にくらべれば、うそみたいにすずしいし、(実際は暑いのだろうが)
 自然と心が躍る。



 市役所前の車が通る通りを、南へ。
 すぐに御成小学校前に差しかかる。

▽ 御成小学校正門。小学校とはとても思えない。

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 御成小学校は、駅のすぐ裏手にありながら、
 豊かな緑に囲まれた広々とした敷地に、洋風の古い木造校舎が点在する、昔懐かしい雰囲気のステキな小学校。
 昔は自由に見学できましたが、今は防犯上からか、一般は立ち入り禁止。
 でも、HPにすばらしい写真をたくさんアップしてくださってますので、どうぞ。
 かなりいい感じで、ちょっとびっくりしますよ。
 外からでも、建物の一部を見ることができます。 

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 車を避けて、御成小学校を通り過ぎたところの小径を、左へ入ってしまいます。
 まわりの雰囲気はさらに一変。
 ごみ一つ落ちていない細い小径の両側は、もう、したたるような緑+せみの大合唱。
 右側は御成小学校の生垣とそれに続く山々。
 左側はお屋敷が続き、工夫をこらした生垣や板塀などが連なります。
 塀越しにそれぞれ特徴的で立派な家々を拝見させていただくだけでもあきません。
 大切に育てられたたくさんの花々もあちらこちらに咲き乱れています。
 また小径のところどころからは、さらに趣のある細い石畳の道が伸びていて、どこに続いているのか、思わずふらっと入っていきたくなってしまいます。

 鎌倉屈指のお屋敷街の始まりです。
 個人のお宅ばかりなので、写真がのせられないのが残念。



 さて、そんなお屋敷街のど真ん中に、最初の目的地、鎌倉大谷記念美術館があります。
 谷戸の奥の方ですが、
(鎌倉の複雑に入り組んだ山のヒダヒダを「谷戸」といい、その奥をたずねると、たいていお寺や豪邸などがあります)
 道案内に注意して歩いていけば、すぐにたどりつきます。

▽ 鎌倉大谷記念美術館入口

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 美術館のことは、すでに、書きました
 展示はそれほど多くはありませんが、建物や庭がとにかくすばらしいので、たっぷり時間をかけて見学しましょう。
 庭は、花々でいっぱいです。

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 デュフィの後は、年内いっぱい、ヴラマンクとのこと。
 またずいぶんとちがいますが、大谷さんは、ヴラマンクも集めていたようです。
 


 美術館を見たら、御成中学校が山頂に見える山の手前を、左へ。
(なんとこの中学校は山の上にあります。通うのがたいへんそう)
 しばらくまっすぐ南へ進み、一度由比ガ浜大通まで出てしまいます。
(鎌倉文学館の方に通じる小径はあるにはあるのですが、わかりにくい)



 にぎやかな大通に出たところに、いきなりそびえているお城みたいな建物が、鎌倉彫のお店、寸松堂。
 1Fの洋風店舗部分に、寺院・城郭風の居住部分が乗っかった怪建築です。

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 鎌倉市では、条例に基づき、明治~昭和初期に建てられた洋風建築物が、
 「都市景観重要建築物」として指定され、保存されています。

 鎌倉市 都市景観重要建築物HP
 
 それぞれの建物の前には、解説の看板が立てられ、それらを訪ね歩くだけでも、とても楽しいのですが、この寸松堂も、そのうちの一つ。

 このあたりには、いくつもの都市景観重要建築物が集中していて、洋館好きにはたまりません。
 この大通ぞいにも、他にいくつかあるのですが、一般の住宅等なので、写真は無し。
 上記HPでごらんになってください。



 何軒かの洋館を見学したら、にぎわいを避け、またすぐ右側の小径に入ってしまいます。
 先ほどと同じような山沿いのお屋敷街が、さらに続きます。

 まず美しい門構えを見せるのが、吉屋信子記念館。
 吉屋さんは、昭和初期の少女向け小説家とのこと。
(期間限定公開。要予約)

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 そこからずっと、りっぱなお屋敷が続きます。中には、洋館風の建物も。 
 谷戸の際をぬうようにのびる美しい径。
 このあたりになると、風に、時折かすかな海の香りが混ざるようになります。
 海から直接帰ってきてもいいように、庭先にシャワーのある家が、いい感じ。



 そして、このあたりの中心にあるのが、次の目的地、鎌倉文学館です。
 先ほどの鎌倉大谷記念美術館は、近代住宅でしたが、こちらは、古風な明治の洋館。
 もと前田侯爵邸を利用したものです。

▽ 鎌倉文学館入口。この日は少し先の裏門から入りました。

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 岩肌をくりぬいたトンネルの登り道。鎌倉にはこのようなトンネルが多い。

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 見事な玄関。

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 特徴的なファサード。

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 2階からのながめ。海がすぐそばに見えて、気持ちが良い。
 ベランダに出て、休憩もできます。

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 館内には、鎌倉ゆかりの作家たちの原稿、ゆかりの品々、などが展示されている。
 鎌倉ゆかりの作家たちが、あまりにも多いので、びっくり。
 中には、ちょっと来たことがあるだけの人も。

 生原稿は、やはり恋愛をあつかったものが多いので、手直し等を見ると、けっこう恥ずかしいのですが、
 中でも、堀辰雄大先生は、断トツに赤面ものでした。


 海の見える広々とした庭園は、薔薇で有名。
 まだ少し咲き残っていた。

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 鎌倉文学館を出て、少し歩いたところに、また、都市景観重要建築物が。
 これは、長谷子ども会館。本格的な明治の洋風住宅を、そのまま児童館として使用しています。
 説明によると、内装もすごいようですが、ここも、中で子どもが普通に遊んでいるため、見学は不可。
 中から子どもたちの歓声が聞こえる。

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 すぐとなりの甘縄神明社と、入り口わきの公民館?(川端康成記念館手前)
 この公民館も、なかなか味のある建物。

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 さて、甘縄神明社から、さきほどの由比ガ浜大通にぬければ、
 そこはもう、長谷観音、大仏などが集中する、にぎやかな観光スポット。
(江ノ電長谷駅付近)
 せっかくなので、この後、いくつか、お寺も見ていくことにします。



(以下、つづく)



 さて、今回、ほんとにひさしぶりに鎌倉を訪れたわけですが、
 一番びっくりしたのは、あまり地図を見ることなく、昔の記憶だけで、歩けたこと。
 ここはこうだったはず、というのが、ほとんどそのまま、そのようになっているのです。
 もちろん、細かいところは変わってるのでしょうけれど、根本的にはまったく変わってない、
 古き良き部分がそのまま残っている。
 まるで、遠い昔にタイムスリップしたみたい?



<鎌倉大谷記念美術館およびこの日のコースの参考地図>

(地図の真ん中に、ハタが立ってますが、特に何の関係もないので、気にしないでください。)






















そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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この記事へのコメント

2007年09月05日 16:54
鎌倉いいですね。
お盆休みも充実していましたね。
鎌倉にすでに中学生のときから研究に歩き回っておられた由、凄いですね。
私は湘南出身ですので、高校の友人に御成小学校や中学校を出た人がいました。学校の門からしてこんなだったのですね。友人たちから聞いていませんでした。
大谷記念美術館も知らなかったので、今度是非行ってみたいです。
鎌倉文学館、懐かしいです。この春クラス会で行ったとき丁度バラの真っ盛りで、ブログにも書いてしまいました。
お屋敷町も素敵ですよね。
友人が結婚して、お屋敷の離れに住んでいたので、お招きを受け、部屋部屋に野の花をさりげなく活けて、素敵な生活をしていたのを思い出しました。

今では年に1、2回は出かけるようになりました。それほど鎌倉は魅力ある町です。
2007年09月06日 21:46
 tonaさん。こんばんは。
 風雨が強まってきましたが、十分お気をつけになってくださいね。

 「研究」などと、かっこうのいいものではなく、ただ友だちに連れ回されていただけなのですが、そのおかげで、今では、何をかくそう、りっぱなお寺おたく、洋館おたく、になってしまいました。(笑)
 ですから、わたしにとって、鎌倉などはもう、夢のような街で、
 これをきっかけに、ちょっとまた、鎌倉熱が再燃しそうです。

 それにしても、この前、わたしがあこがれのまなざしでながめるばかりだったあのお屋敷のうちにどれかに、もしかしたら、お友だちがお住まいになられているかもしれないのですね。
 それに、tonaさんご自身も、湘南出身とは、ステキですね。

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