青春の鎌倉再訪記‘07秋 前編~紅葉の国・晩秋の北鎌倉

画像


 思い出の鎌倉を訪ねる旅。

 昔よく利用したガイドブックに紹介されているコースどおりに、
 今の鎌倉を歩いてみよう、ということで、この夏から始めましたが、
 今回は、その第2回目。


 ガイドブックは、これ。

 カラー版・鎌倉の散歩道  富岡畦草著、写真  (山と渓谷社)
 

 今回は、この本の、<第2章・山之内から、亀ヶ谷坂を越えて>の章にしました。

 鎌倉観光の中心地、北鎌倉をメインにしたコースです。

 円覚寺、明月院、浄智寺、と、北鎌倉の名刹を順番に訪ね、長寿寺横を右に折れて、
 亀ガ谷切通しを寿福寺等のある扇ガ谷に下り、小町通りを通って鎌倉駅へ、
 と、いう、定番中の定番コース。
 

 今回も、ちゃんとガイドになるようにしましたので、地図を参照しながらご覧になってください。

 ただ、あまりにも有名な観光地がほとんどなので、旅行記、というより、
 写真のアルバム、という感じです。



 行ったのは、この前の連休の真ん中、好天に恵まれた、11月24日(土)。
 秋が終わらないうちに、と、いうことで、行ってまいりました。

 鎌倉は温暖な海の街なので、紅葉が少し遅いみたい。
 紅葉の盛りには、まだ少しだけ早いようでしたが、(例年では、12月初旬が最盛期とのこと)
 それでも、十分楽しめてラッキーでした。



 いつものように直通の湘南新宿ラインに乗って、1時間。
 朝ゆっくり出発して、十分散策を楽しめるのが、うれしい。

 だけど、鎌倉に近づくにつれ、列車はどんどん混んできて、大船でついにぎゅうぎゅうのラッシュ状態に。
 まあ、観光シーズンで、連休中。しかも暑くも寒くもないすばらしい行楽日和。
 しかたない。 

 このうちの半分以上が北鎌倉で降りたため、北鎌倉の小さな駅は、ほとんどパニック状態。
 外に出るのに、10分以上かかってしまった。



 昼ちょっと前に、散策スタート。
 
 ほんとうは、駅のすぐそばの「光泉」というお店でいなりずしを買ってから出発しよう、
 と、思ったのですが、あまりの混乱ぶりに断念。
 直接、円覚寺へ。

 観光客の大群は、ほとんどそのまま円覚寺に向かうわけですが、
 さすがは大寺院。
 大勢の人を呑み込んで、なお、厳粛な佇まいを見せています。

 それにしても、北鎌倉を降りてすぐ、深い杉木立に囲まれた門が現れると、
 ほんとうに、心が引き締まる。
 でも、それと同時に、なんだか、やさしくなつかしい懐に抱かれたような気もするのです。



 円覚寺


 総門。門の向こうには、色鮮やかな世界が。

画像



 三門。東国武士の都、鎌倉を象徴する風景。
 手前の緑は、かえでです。
 もうちょっとで、これがすべて、真っ赤にそまるのでしょう。

画像


 裏側は、すでに、色づき始めていた。

画像



 選仏場。本堂横の禅道場。

画像



 居士林。こちらも禅道場。
 あまりの鮮やかさに息を呑みました。
 こんなのは、TVや写真でしか見たこと無かった・・・・!

画像



 方丈の門の彫刻。西洋のドラゴンみたい。

画像



 方丈の庭園も、野趣にあふれ美しいのですが、
 その横側の何気ない野原の風景が、もっと鎌倉らしい。
 そそり立つ崖に、やぐら(横穴)群。
 地面を覆う、ピンク色の綿のような花(何だか不明)がまるでフワフワした絨毯みたい。
 
画像



 その他、境内で見つけた彫刻たち。
 左、思いっきりくつろいだ二人の観音様。右、切り株を彫った、素朴で美しい千手観音。

画像
画像



 色づく妙香池。

画像


画像



 境内には、弓道場もあります。

画像



 境内の谷を、さらに奥に登っていく。


 仏日庵。ここは、境内でお茶が飲めます。(有料)

画像



 これが、高名な、国宝・舎利殿。
 円覚寺でも、最も美しい建物。
 門や塀で囲まれているため、屋根しか見えないのが残念だが、
 こんなに美しいカーブの屋根、見た事ありません。
 内部には、仏舎利を収めた世にも美しい水晶塔(厨子)が安置され、両側を、地蔵像と観音像が守っています。(もちろん非公開)

画像



 境内の杉たち。

画像
画像




 さて、たっぷりと1時間以上かけて、円覚寺を散策した後、
 ほんとうなら、踏切りをわたって、縁切り寺、東慶寺に向かうところなのでしょうが、
 あまりにも人が多いので、今日はパス。

 踏切りを渡らず、線路際の路を左に進み、明月院の方を目指します。
 さすがに紫陽花のシーズンでないので、人の数はだいぶ減りました。

 少し行ったところを、道標べに従い、左折。
 明月谷に入っていきます。

 小川に沿って伸びる、わら屋根の茶屋などが並んだ美しい路。
 普段は緑であふれていますが、今は、かえでなどの色づいた木々がすばらしいアクセントになって、いかにも山里、といった風情が感じられます。



 この路のちょうど中ほどに、ひっそりと建っている洋館が、

 葉祥明美術館


 洋館好きのわたしとしては、見逃すわけにはいきません。


 前回行った、大谷記念美術館や鎌倉文学館のように、実際に使われていた洋館を利用したものではありません。
 大倉美術館のように、最高級の贅沢を感じさせるスケール感ももちろんありませんが、
 小さいながらも、あたたかい雰囲気にあふれた洋館です。

 ある外国人親子が以前暮らしていた、というコンセプトでつくられた、とのことですが、
 前庭には、ちょうど秋の陽射しがあふれて、その一家の笑い声までが聞こえてくるかのよう?


画像


画像



 内部も、細かいところまでもが、しっかりとつくられていて、
 とても、いごこちの良い空間で、ゆっくりと、絵や絵本を見ることができます。


画像



 葉祥明の作品、
 わたしは、以前のメッセージ色が薄いものの方が好みですが、
 なんだかんだ言っても、実物を見ると、ものすごくうまい!
 あたりまえですが。
 見ていると、心がほんわかあたたかくなってきます。
 
 思わず、イタリア・トスカーナ地方、アッシジやペルージャなど、ウンブリアへの旅をモチーフにした絵本を買ってしまった。


 「葉祥明画集 トスカーナの祈り イタリア、光と風の旅」 (’01年 サンリオ)  


画像




 さて、この谷の奥に、静かに佇んでいるのが、名刹、

 明月院


 紫陽花寺として、あまりにも有名ですが、豊かな自然に包まれた境内は、いつ訪れてもその季節ならではの表情を楽しむことができます。


 実は、このお寺、その名前から、「月」や「うさぎ」にとことんこだわっているお寺でもあります。

 境内のあちこちにちりばめられた、月やうさぎにちなんだものを探すのも、大きな楽しみ。

 主要な建物に、月に関係する名前がつけられている他、大きなうさぎ小屋には、ほんもののうさぎまでが飼われています。

 最近、なんだか月に、なじみがあるな。


 月笑軒。これは茶室。

画像



 本格的な枯山水。

画像



 本堂。
 手前、うさぎと月の屏風がかわいい。拡大してご覧ください。
 おかし?が供えてある。
 正面の、月を模した丸窓からは、広々とした日本庭園が眺められる。(本堂内別料金)

画像


 こちらも、かわいい開山堂。

画像



 境内の奥深く、開山堂のわきにある、明月院やぐら。
 実は、明月院の最大の見所は、このやぐらなのではないか、と思います。

画像


 間口7メートル×高さ3メートル×奥行き5メートルの、他にあまり例がないほど巨大なやぐらで、
 中央には美しい宝篋印塔が置かれ、
 正面の壁には、基壇、光背付の2体の如来像、
 その両側には16羅漢像が浮き彫りにされ、
 仏教施設としてのやぐらの形態を、ほぼ完全な形でとどめています。
 
 まさに、石のミニ寺院。

 東北横手の、有名な雪の「かまくら」の由来は、この鎌倉のやぐらなのではないか、
 という説があるのですが、
 このように美しいやぐらを見ると、ほんとうにそうかもしれないな、と、思ってしまいます。 

 

 後編に続く。



 【参考地図】


 今回のコース・全体図

 例によって、ハタはまったく意味ありません。
 よく見ると、建長寺半僧坊のすぐ裏手まで、びっしりと住宅地になっていてびっくり。
 以前は、ほんとうに深山の奥の院、と言う感じでしたが。





 円覚寺~明月院~浄智寺









そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

画像





この記事へのコメント

tona
2007年12月01日 21:35
秋の鎌倉、春と随分趣が違いますね。
円覚寺と明月院、もう懐かしいという感じです。
何か見落とした所がいっぱいです。
方丈の門のドラゴン記憶にありません。
私も「やぐら」好きです。
昔昭和52年の本「鎌倉のやぐら」大三輪龍彦著は愛読書です。
といってもこの頃全然広げないです。鎌倉にはたくさんありますね。

葉祥明美術館もなかなかいいところなんですね。
明月院が「月」や「うさぎ」にこだわっているお寺とは知りませんでした。
とても楽しい再訪記でした。
恥ずかしいくらい何も見ていないことも認識しました。
ありがとうございました。



2007年12月01日 23:54
 tonaさん。こんばんは。
 この前半を書いた後、tonaさんはどのようなことをお書きになってたかな、と、ちょっと拝見させていただいたのですが、写真など、ほとんど同じところばかりなので、記事を出すのがちょっと恥ずかしくなってしまいました。
 紅葉で、少し色がちがうだけ。(笑)
 いつも、tonaさんの後を追ってるみたいですが、行動派のtonaさんは、わたしの目標でもあります。どうか、お許しください。

> 何か見落とした所がいっぱいです。

 円覚寺など、ほんとうに見所が多くて、とても全部は見学できませんでした。(例えば、わたしは、大鐘までは、とても登れませんでした)
 明月院も、やけにウサギの関係するものが多いなあ、と思ってたら、裏庭でほんとうのウサギを飼ってたので、びっくり。
 京都のようなハデさが無い分、どのお寺もいろいろなくふうをして、訪れる人を楽しませてくれているのですね。
(そう言えば、明月院の門前には、うさぎまんじゅうのお店もありました)
2007年12月02日 00:08
 やぐらについて、書き忘れてしまいました。

 やぐら、ほんとうに、すばらしいですよね。
 やぐらは、古代は横穴住居、中世は墳墓等の仏教施設、近代には防空壕や倉庫など、その時代その時代、鎌倉の人にとってすごく身近なものとして、使われ続けたとのこと。
 歴史のロマンです。

 この記事でもおわかりのように、実はわたしは、中学の時の自由研究で「鎌倉のやぐら」というのをまとめて以来、ずっと「やぐら」ファンです。
 
 そんな人はあまりいないだろうな、と思っていたら、記事の後半に出てくる中学生や、tonaさんの存在を知って、非常に心強く感じているところです。(笑)
koh
2007年12月02日 18:53
Noraさん、ごぶさたしておりました。今年の秋はとうとう紅葉を見に行くことができずに終わってしまいましたので、Noraさんの美しい鎌倉の写真を見せていただいて、やっと気がすみました。やはり、春は桜の花が、秋はもみじが見られないと納まりがつかないような気がします。

鎌倉でよく目にする、がけの下がえぐれて、ほこらのようになったもののことを「やぐら」と言うのですか。これは知りませんでした。たしかに鎌倉の風景を特徴づける魅力のあるものです。

お寺の裏庭などでよく見かけますね。たしか、瑞泉寺の庭なんかにもあったような記憶があります。
2007年12月02日 21:58
 Kohさん、こんばんは。
 鎌倉の紅葉、わたしが行った時(先週)は、まだ少し早かったですが、それでも、ところどころで色づくもみじがすばらしかったです。
 今日などは、あたたかかったし、最高だったのではないでしょうか。
 東京でも、まだこれからのところもあるかもしれませんよ!

 夢窓疎石が直々に造ったとされる瑞泉寺の庭園は、おっしゃるとおり、やぐらのある崖をそのまま生かしていて、野趣に富んですばらしいです。
 実はあれ、以前は、単なる茂みだったのですが、古文書と異なるので、発掘したところ、大きなやぐら群が出現したそうです。

 今度、行かれる機会があったら、ぜひ、やぐらにも、ご注目してみてくださいね。
 それにしても、このように、その地域だけにあるもの、というものは、意外に多くて、ほんとうにおもしろいと思います。

この記事へのトラックバック

過去ログ

テーマ別記事