CD新譜情報~ヘンゲルブロック(DHM)とヘレヴェッヘ(hmf)

 今度の日曜日(3月9日)は、まだカンタータはありませんが、その次の日曜日(3月16日)になると、早くも棕櫚(枝)の日曜日。

 こうしてだらだらしていられるのも、もうあとわずか、何となく、夏休み終わり間際の小学生みたいな心境です。
 しかも、宿題をまったくやっていないダメ小学生。

 ほんとは、もっといろいろなことを書きたかったのですが、まったく書けませんでした。
 
 一応、
 シューマンの「楽園とペリ」について、
 ノートルダム楽派について、(バッハ源流の旅シリーズ)
 などの、原稿を準備してるのですが、いつものように、テーマを大きくしすぎて収拾がつかなくなり、とてもレント中に終わりそうにありません。
 まあ、いかにもマイナーな内容で、誰も期待してないだろうし、いいか。
 そのうち、むりやり形を整えてアップします。



  *    *    * 


  
 と、いうわけで、今日も、脱力しきったCD情報でお茶をにごします。

 ヘンゲルブロックとヘレヴェッヘ、2人の指揮者にかかわる、CDリリース・ニュースを。


 
 まずは、ヘンゲルブロックに関係するニュースから。


 トーマス・ヘンゲルブロック、
 わたしの、一生ついて行きたいアーティスト、第1位です。
 いくらメタボリック化しようが、モーツァルトにはまりこもうが、わたしの心は変わりません。
 
 
 ロ短調ミサ曲
 BWV42のシンフォニアを始めとする管弦楽曲集、
(以上、DHM)
 などなどの、圧倒的なすばらしさについては、これまで、このブログでも、何度も何度もくりかえし書いてきて、もうリンクするのもめんどうなのでリンクもしませんが、
 これらのCDは、すべてのバッハファン、いや、音楽ファンにとって、かけがえのいない宝物、と言ってよいと思います。

 
 そして、先日、HMVの新譜メールに目を通していて、びっくりしました。

 何と、上にあげた録音が両方収録されたCDセットが、5千円をちょっと超える金額(マルチバイ特価の場合)で購入できるのです。

 しかも、さらに、CD47枚のおまけがついて。(笑)
 つまり、
 DHM(ドイツ・ハルモニア・ムンディ)50周年記念の50枚組み超廉価セット
 らしいです。

 この驚愕の事実を、ぜひご自分の目でご確認ください。

 こちら


 ご覧になっていただいたとおり、
 このセット、バッハだけ見ても、
 他に、ユングヘーネル&カントゥス・ケルンのモテット集、クイケン兄弟の音楽の捧げもの、レオンハルトのゴールドベルク・バリエーション、鈴木秀美さんの無伴奏チェロ組曲などなど、名だたる名盤が収録されています。


 それにしても、
 これまでの様々な苦労、
 雨の日も風の日も、大型ショップのバーゲンや中古店を回ってコツコツとCDを集めたり、
 東京中の図書館を走り回って録音したりしたことが、
 走馬灯のように頭をよぎります。

 あれはいったい何だったのだ。
 これ、音なんかはちゃんとしてるのか。

 一番苦労して集めた、セクエンツィアやローレンス=キングのハープ・コンソートなどの、中世、ルネッサンス、ラテンバロック音楽のCDがほとんど入ってないのが、せめてもの慰めですが、それはそれで、これからこのセットを買う方にとっては、選択が偏っているような気が。

 まあ、いずれにしても、上記3作だけでも、絶対に、絶対に、価値はあると思いますので、
 まだ持ってない方は、この機会にぜひ。


 ただ、これらの中には、だいたいが廉価盤になっているとはいえ、1000円以上でオンセール中の現役盤も、けっこう含まれているので、いくらなんでも何かのまちがいなんじゃ、という疑惑も、ほんのちょっとは感じます。
 購入される方は、一応、十分確認してからにした方がよいかも。

 
 ところで、ヘンゲルブロックのバッハの名盤には、この他に、
 詩篇51(ペルゴレージのスターバトマーテルのバッハ版)
 マニフィカト(クリスマス版)
 などもありますが、
 これらの比較的新しい録音は収録されていないようです。

 特に、詩篇51については、いつもお世話になっているチェロのたこすけさんに、現役盤を半分むりやり購入させてしまった経緯があります。
 このセットには、ビルスマやら鈴木秀美さんやらの演奏が山ほどついているので、
 収録曲に「スターバト・マーテル」を見つけた時には一瞬青くなりましたが、曲目詳細を確認してみたところ、どうやらちがう曲みたいで、ほっと胸をなでおろしました。



▽ 上↑でご紹介したCDは、DHM50周年記念盤ですが、
  10年前の、40周年記念盤(のひとつ)は、これでした。(もう10年か、早いなあ)
  くしくも、ヘンゲルブロックのロ短調ミサ曲の、編集盤。

画像

  
 グロリアとクレド、アニュス・デイ、そもそも何もかもが最高のロ短調ミサの中でも、特別に最高の部分、つまり、空前絶後極上極美の究極の音楽が、1枚にまとめられている。
 もしかしたら、かなりレアかも?な、CD。
 もし、無人島に持っていく「1枚」をあげるとしたら、わたしの場合、まちがいなく、これ。
 伝説のロ短調ミサ・バレエのライブです。

 ちなみに、10年前のわたしは、ヘンゲルブロックを知ったうれしさのあまり、全曲盤を買った上に、さらにこの記念盤を買ってしまいました。
 それだけで、5000円以上はしたぞ。



 さて、ヘンゲルブロックは、一応DHMの看板スターですが、(ほんとか)
 もう一方のhmf(ハルモシア・ムンディ・フランス)の看板スターと言えば、これはもう、まぎれもなく、ヘレヴェッヘでしょう。



 次に、ヘレヴェッヘのカンタータ・シリーズ、新譜のニュース。

 教会カンタータは、久しぶりになるのでは。


 三位一体節後第16日曜日他のためのカンタータ集

  BWV 27、84、95、161 収録。

 詳細は、こちら


 この日のためのカンタータには、他にコラールカンタータの名作、BWV8がありますが、
 すでに、これは「コラールカンタータ集」の中で録音済みなので、
 変わりに、復活節前第9日曜日のための、BWV84が入っています。
 これは、内容、使用されているコラールが、他のカンタータと共通しているためでしょう。
 まあ、タイトルをつけるとすれば、「死を見つめる(考察する)カンタータ集」、と言ったところか。

 この祭日は、バッハにとっても特別な意味を持っていて、(詳細はこちら
 カンタータも、いずれもそれにふさわしい名曲ばかり。
 つけ加えられたBWV84も、ソプラノのための名カンタータ。
 冒頭、きらめくコンチェルトを思わせるアリアなど、いかにもヘルヴェッヘにぴったりそうで、とても楽しみ。


 ヘレヴェッヘ、決して、全集とか、選集とか銘打って録音しているわけではないのですが、すでに録音したカンタータは、いつのまにか、けっこうな数に登るようになりました。

 参考までに、ちょっとあげてみましょう。


 まず、HMFレーベルリリース分から。

  BWV 2、8、12、20、21、29、35、36、38、42、43、44、54、56、57、
      61、62、63、66、75、78、80、82、91、110、119、120、
      121、122、125、133、138、158、176


 その他に、今は教会カンタータに分類されていませんが、

  BWV 11、198

 さらに、Virgin レーベルから、

  BWV 39、73、93、105、107、131

 それに、今回の

  BWV 27、84、95、161

 が加わると、なんと、全46曲。


 なんだかんだ言ってるうちに、教会カンタータのほぼ4分の1を録音してしまったことになります。
 しかも、こうして振り返って見ると、錚々たる名曲の名演奏ばかり。

 こうなると、ヘレヴェッヘ自身も、ライフワークのつもりでじっくりと取り組んでいるのでしょう。

 これは、ひょっとするとひょっとするかも。
 もし全集完成、などということになれば、たいへんなクオリティを誇る全集が、また一つ誕生することになる。

 今後も目が話せません。
 応援します。


 
 それにしても、ヘンゲルブロック、この前、やっとカンタータをリリースしてくれて、しかも、たいへんな名演でしたが、
 少しは、ヘレヴェッヘを見習ってほしいもんだ。

 こつこつと、きちっと自分にできる仕事を一つ一つこなしていくヘレヴェッヘ。
 それに対して、気が向いた時に気が向いたことしかしないヘンゲルブロック。

 まあ、そこがたまらない魅力でもあるのですけど。



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画像





この記事へのコメント

S君
2008年03月08日 07:53
>DHM(ドイツ・ハルモシア・ムンディ)50周年記念の50枚組み超廉価セット、

思わず「何これ!?」と言ってしまいました。サイトを見てうなりました。う~ん、こんな時代になったのですねー(CDが売れにくい時代?)。

僕みたいに、ほとんどタダで音源を手に入れる人間が増えたせい?(いえいえ、僕の場合はレアケースでしょう…笑)。

しかしラインナップを見て2度うなりました。歴史的名盤を惜しみなく投入!苦労して集めた人にはがっかりでしょうが、初めての人には買いですね。これは。

それから、最近、ブルックナーとシベリウスに首っ丈でバッハがちょっとおろそかになっている僕ですが、反省を込めてヘレヴェッヘの新盤をgetしましょう。ヘレヴェッヘはBCJとともに僕がこよなく期待しているカンタータ演奏家です。
情報をいただきありがとうございました!
S君
2008年03月08日 07:55
カンタータといえば、このところ54番をレーヌでよく聴きました。驚くべき演奏です。アルトとしてはかなり低い声域が使われているのですが、この点で適性が絞られるのか、満足できる演奏は少ないです。僕的に合格なのは、ヘフゲン、シュツッツマン、ヤドヴィガ・ラッペと、アルト(コントラルト?)勢では数種ありますが、CTで満足できるのはレーヌくらいです。あ、これは解釈ではなく声域だけの評価ですが。

レーヌの盤はセバスチャンが1曲(54番)で、後はバルバラのお父さんのミヒャエルと、大叔父のクリストフが数曲ずつ入っております(あとホフマン)。これらが実に興味深い音楽で、ミヒャエルの華麗な外向性、クリストフの幻想的な内向性の対照が素晴らしい。大バッハの血統的な出自はこの辺にあるのでは、と納得しました。
2008年03月09日 11:21
こんにちわ。
こりゃまたすごい企画ですねえ。

>特に、詩篇51については、いつもお世話になっているチェロのたこすけさんに、現役盤を半分むりやり購入させてしまった経緯があります。

そんな風に思っていませんから、お気遣いなく(笑)。
逆ですよ。
おそらくNoraさんに教えてもらわなければ曲の存在すら知らずにいたでしょう。感謝してます。

2008年03月09日 22:39
 S君さん、こんばんは。
 ほんとに、なんじゃ、こりゃー、ですね。(またまた古っ!)
 バッハ以外は、ほとんど聴いたこと無いバロックが多いので、どうしようかと、心が揺らいでます。
 ただ、何だかわからないような曲をこんなにいっぺんに購入しても、はたして聴くのかどうか。
 もちろん、解説は読めませんし。
 今は、インターネット等があるので、だいたいのことはわかるかもしれませんけど。

 レーヌのBWV54、いつかちらっとおっしゃっていたやつですね。
 くわしく感想を聞かせていただき、ますます聴きたくなりました。
 バッハ一族の音楽も、興味深いですね。
2008年03月09日 22:55
 たこすけさん、どうも。

 実は、新譜メールを見たら、収録曲の中に、「ヘンゲルブロック指揮のスターバトマーテル」というのがあったので、はじめ、例の録音とかんちがいしたのです。
 それで、たこすけさんには悪いことしたな、と思って、記事の中でたこすけさんにおわびを書くつもりで、たこすけさんのところにコメントしたのでした。
 記事を書きながら確認したところ、どうやらちがう曲のようなので、ちょっと安心した、というわけです。
 ということで、わざわざお呼び立てして失礼しました。 
 でも、ちょっと魅力的なCDでしょ?
Eusebius
2009年12月23日 12:17
たまたま拝見しましたので、ちょっと注釈。Philippe Herreweghe の演奏は本当にいいですね。もうずいぶん前の、RICERCAR レーベルの輸入盤で彼が指揮するドイツバロックの曲を聴いて、曲の扱い方に共感し、何者なんだろう、だいたい何て読むのだろうと思いました。私より一歳年上と知って納得。当時の若さでは世界で知られるまでになっていなかったのでしょうね。しかし、名前の読み方は疑問に思っていました。一昨年、彼の本拠地のベルギーの Ghent (ヘント) を訪ね、彼の拠点の教会に行って、彼のCDを売っていた教会ボランティアに発音を尋ねました。彼らは彼を大変尊敬している様子で、2人で私に名前の読み方を教え、私の発音を直してくれました。日本語で書くと「ヘレウェーヘ」という感じですね。私は大学講義で音声学を若干教えているし、バッハの合唱指揮者でもあり、発音にはうるさい方なので、フラマン語(ベルギーで話されるオランダ語)として Herreweghe の発音はそれが妥当だと思います。最後の ghe は喉の摩擦音で、ドイツ語の che に当たります。
2009年12月27日 02:22
 Eusebiusさん、コメントありがとうございます。

 外国の名前の読み方は、ほんとうにむずかしいですね。
 人気が出て、定着してしまえばいいのですが、初めて見る名前の場合は苦労します。
 ヘレヴェッヘも、話題になり始めた当初は、さまざまな表記がなされており、Eusebiusさんの書いてくださった「ヘレウェーヘ」という表記も多かったと思います。
 ブリリアントのカンタータ全集で有名?なレーシンク(ルーシンク)なども、なかなか定着しません。
 わたしは、基本的には、例え実際とはちょっとちがっていても、読んでくださった方がCD検索しやすいように、一般的に定着している表記、あるいは大型CDショップHPの表記になるべく合わせるようにしています。
 でもヘレヴェッヘの場合は、「ヘレウェーヘ」の方が響きがいいですね。演奏のイメージにも、合っている。

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