ホワイトデースペシャル・春の訪れを前に、シベリウス再び~バティアシュヴィリを聴いた!+棕櫚の日曜日

 今度の日曜日は、棕櫚(枝)の日曜日。
 後は、そのまま、受難週に突入し、そして、いよいよ復活節、まばゆいカンタータの季節!となります。

 もちろん、レントの最中ですが、棕櫚の日曜日にマリアのお告げの祝日が重なった時に限って、バッハはカンタータを書きました。
 初期のBWV182
 第2年巻(コラールカンタータ)の名作BWV1
 の2曲がそうですが、
 このうち、BWV182は、棕櫚の日曜日にふさわしい内容になっていますので、今週のカンタータとしてあげておきます。

 詳細は、過去の記事をごらんください。こちら

 美しくしっとりとした、しかし、どこか決然とした歩みを感じさせるシンフォニアが、
 長い旅の終わりを、そして、これから始まる受難の物語の開始を告げます。
 リコーダー伴奏の長いアルト・アリアを始めとする、中盤の3つのアリアも、初期作らしい真摯な美しさをたたえていて、すばらしい。
 ぜひ、お聴きになってみてください。



  *    *    *


 
 さて、というわけで、あともう少しで、いよいよ暦の上でも、待ちに待った春、光あふれる春を迎えることになるわけですが、
 その前に、もう一度だけ、シベリウスのCDについて、書いておきましょう。前回の補足。

 シベリウスのいくつかの名作の、代表的CDと言ってもいい、一生聴き続けていくちがいないような名盤とめぐりあうことができたからです。



画像




 まずは、この前、おおげさに前フリした、バティアシュヴィリ(バティアシヴィリ?)さんのコンチェルトから。


 シベリウス ヴァイオリン協奏曲 

        リサ・バティアシュヴィリ(Vn)、サカリ・オラモ指揮フィンランド放送響

                (ドイツ・ソニー・BMG) 


 先日ようやく入荷し、聴く事ができました。
 注文してからかなりたっており、1枚のCDとしては破格の値段でしたが、(書くのもおそろしい)
 ほんとうに、ほんとうに、聴けてよかった・・・・!

 この人は、まちがいなく天才です。

 
 冒頭、かすれた声でつぶやくように始まるモノローグ、
 それを聴いた瞬間、スラヴの荒涼とした原野が目の前にうち広がり、シベリウスが、わたしの好きなスラヴ系の音楽の流れをくんで出発した音楽家であることを思い知ります。
 そして、バティアシヴィリさん自身も・・・・。
 
 その後は、天馬空を行くような、歌にあふれた大演奏。

 第2楽章のいじらしいまでに切々とした告白、
 第3楽章の土の香りあふれる舞曲、
   
 何もかもが圧巻で、
 始めはどんなものかちょっとだけ確認するつもりで聴き始めたのですが、
 いつの間にか全曲聴きとおしてポカーンとしていて、
 カップリングの聞いたことの無い曲が始まって、(世界初演とのこと)ようやく我に帰る始末。

 CDではめずらしいのですが、まるで実際のライブを聴き終えたかのような、かけがえのない充足感を得ることができました。


 このCDでは、オラモの存在も、例えようもなく大きい。
 オラモ、特に何をしているわけでもありません。ただ誠実に伴奏をして、バティアシュヴィリさんに好きなようにやらせています。
 ただ、そのオケの響きが、どこをとっても、例の北欧の大気を感じさせる澄み切った響き。
 ああ、ぞくぞくする。ちょっと聴くとなんでもないようですが、これはたいへんなことだと思います。

 オラモ、諏訪内さんの伴奏もよかったですが、オケがバーミンガム響からフィンランド放送響に変わっているせいかもしれませんけど、明らかに成長しています。
 諏訪内さんもすごいので、バティアシュヴィリさんとの比較はかんたんにはできませんが、オラモの差で、こちらのCDの方がちょっとだけ上のような気が・・・・。

 オラモ、フィンランド放送響との交響曲が、ますます楽しみになりました。

 

 さて、後は、前回の記事やコメントで少し触れたのですが、
 じっくり聴きこんだところ、「ちょっと気になる」どころではすまなくなったCDがあるので、それらのCDのことを。



 シベリウス 交響曲第1番、3番、「恋人たち」

        アシュケナージ、ロイヤル・ストックホルム・フィル


 この他に、4番、5番のCDも聴きましたが、全体的にすばらしい出来だと思います。

 地味ですが、透明でいて、時々様々な色にキラキラきらめくような、オーケストラの音色。
 そのオケをまるで自分の手足のようにして、実にていねいに、元気いっぱいな演奏をくりひろげている。

 4番、5番になると、さすがに錚々たる名演がそろってますが、
 3番なんかは、これまで聴いた中でもトップクラスかもしれない。録音もいいし。

 わたしは、3番、大好きなのですが、このCD、しばらく手離せそうもありません。

 何か飛びぬけたものを期待すると、肩透かしかもしれませんが、3番などは、聴いているだけでくるくるふわふわ飛んでいるような気分になれるステキな曲で、これだけ美しい音色で、明るくきちっと演奏してくれれば、よけいなものはかえって不要です。


  アシュケナージ、平均律の新盤ですっかり見直しましたが、指揮の方ももっと注目した方がいいかもしれない。

 こんな人が身近にいたのに、一度も実演は聴かず、ちょっと残念なことをしました。



 残念、と言えば、
 次にあげる、この人のシベリウスを一度も聴かなかった、というのは、残念、というか、取り返しがつない痛恨事でした。
 それこそ、ものすごく身近なところにいてくれたのに。

 
 シベリウス 交響曲第4番、7番

        渡邉暁雄、ヘルシンキ・フィル(ライブ)


 じっくりと、何度も何度も聴いてみました。聴けば聴くほど新たな発見があり、引き込まれます。

 これはもう、まちがいない、4番と7番の、(わたしにとって)最高の演奏です。
 ヤルヴィ、ヴァンスカ、セーゲルスタム、ベルグルンドらの、あの錚々たる名演と比べても決して負けることのない、たいへんな名演奏です。
(今さら何をあたりまえのことを、という方も多いかもしれませんが)


 実況録音で音があまり良くなく、最新録音に比べると物理的透明感に欠けるので、始め聴いた時は、こんなものかな、と思ったのですが、とんでもありませんでした。

 聴いていくにつれ、CDの向こうから、時と空間の彼方から、透き通って清々しい風がびしびしと吹いてきます。

 各楽器の音はむしろ生々しいのに、まったくうるさくない。
 なんなんでしょう。これは。

 ここで、こういう響きがほしい、
 こういう旋律をこういう風に歌って欲しい、
 という時に、こちらが考えている以上の響きが、歌が、きちんと聴こえてくる幸せ。
 そんな音楽を聴く最高の醍醐味を、心ゆくまで感じることができる。


 それにしても、このような演奏で聴くと、第4番、第7番は、正しくシベリウスの最高傑作なのではないか、という思いが強くなってきます。

 特に第7番。
 これは、例えて言うならば、どこまでも、どこまでも、飛んでいくような音楽です。

 どこまでも飛んでいき、
 もうこれ以上行ったらダメなんじゃないか、もう2度と帰ることができないんじゃないか、ということがうすうすわかっていながらも、それでも、飛行をやめることができず、
 ついには、とんでもないところに到達してしまうような、
 そんな、悲しくも気高い音楽。


 こんなことを書くと、また福永武彦の「死の島」のことが自然に思い浮かんでしまいますが、
 渡邉さんの演奏を聴くと、そのような音楽の本質が、切々と胸に迫ってきます。

 このような音楽を書いてしまった後では、30年もの間作曲し続けた交響曲第8番が、結局時のはざまに葬られたのも、やむをえないような気もする。


 ただ、このCD、不満な点が、一つだけ・・・・!

 最後の最後、和音が重なっていき、空の彼方に突き抜ける、あの印象的なエンディング。
 その和音が響きわたった瞬間、それにかぶさるように、盛大な拍手がわきおこるのです。

 これだけの演奏ですから、興奮をおさえきれなかったのでしょうけれど、
 ここは、できれば、たっぷり3分くらい余韻をかみしめてから、拍手したいところ。

 ただ、わたしも、こんな演奏を生で聴かされたら、どうなるかわかりません。
 気を失って、拍手どころではないかもしれない。


 それにしても、この日本で、このような演奏が鳴り響いていたというのに、それをただの一度も聴かなかったのだから、とんでもない大バカものです。

 そのような後悔はしないように、みなさん、気をつけていきましょう。



 さて、以上、シベリウスのCDについて、いろいろなことを書いてきましたが、
 それらの内容を踏まえて、ここで、ブルックナーの時みたいに、現時点での交響曲のオススメCDリストをメモしておきます。


 第1番、第2番は、大指揮者の演奏で、未聴のものがあるので、(というか、ほとんど聴いていない)保留。

 第2番は、大昔、オーマンディ、フィラデルフィアが大好きでしたが、家を探してもみつかりませんでした。

 第3番 アシュケナージ、ロイヤル・ストックホルム・フィル セーゲルスタム、ヘルシンキ・フィル
      (まったくタイプの異なる演奏として)

 第4番 渡邉暁雄、ヘルシンキ・フィル セーゲルスタム、ヘルシンキ・フィル

 第5番 ヤルヴィ、エーテボリ響(新旧両盤) ベルグルンド、ヨーロッパ室内O(新盤)

 第6番 ヤルヴィ、エーテボリ響(新旧両盤) ベルグルンド、ヘルシンキ・フィル(旧盤)

 第7番 渡邉暁雄、ヘルシンキ・フィル

 (おまけ)

 第6番+第7番+タピオラ(以上を1枚に収録したCDとして・題して「異次元への飛行」・笑)

      ヴァンスカ、ラハティ響



 その他では、まだじっくり聴いてはいませんが、例によってS君さんに教えていただいた、
 エールリンクバルビローリ等大物の演奏がたいへん気になります。

 また、以前、アルトゥールさんに教えていただいた、ペトリ・サカリ指揮アイスランド響(!)の演奏もまだ入手できていません。

 というわけで、上記リストは、どんどん変わっていく可能性大。



 シベリウス特集、思いがけず長編になってしまいましたが、
 おしまいに、これから本格的に春を迎えるにあたり、北の巨人、シベリウスの手による、雪解けの春を感じさせるすばらしい小品集をご紹介します。


▽ ジャケットをクリックすると、曲目詳細がごらんになれます。

画像



 シベリウス青春時代の「春の歌」、
 ハープの響きが夢見心地の中期の「鳥」、
 あと、ソプラノ、Vn、fl、ハープ等が独奏にフューチャリングされた、最晩年の、ワルツや田園組曲、などなど。
 ほとんど知られてはいませんんが、とびっきりステキな小品ばかりがぎっしりおさめられた1枚。

 演奏は、こちらも、「北の巨人」、ネーメ・ヤルヴィ。

 ヤルヴィおじいさん(この録音の頃はまだおじさん)は、こういう小品でも、いつも全力投球だから大好きです。。
 このようなCDが、それこそ星の数ほどあるんだから、たまらない。



そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

画像





この記事へのコメント

S君
2008年03月14日 15:36
リサちゃん、良さそうですねー(笑)。

> 冒頭、かすれた声でつぶやくように始まるモノローグ

いつもながら何という刺激的なNoraさんのキャッチ・コピーでしょう!これはぜひ聴きたい!

アシュケナージの新盤はまだチェックしていませんが、今のところフィルハーモニアとの旧盤を集めてみたいです。アシュケナージの初期は一本気でみずみずしいロマンが大好きです。渡邉さんの方は、今予約しています。楽しみです!
S君
2008年03月14日 15:38
それからバルビローリは本当に凄い指揮者ですね。名優は存在感からして違いますが、バルビローリもそんな感じで、音楽の存在感というか実在感が、その辺の指揮者とは格段に違う。単にベテランと言うだけでなく、これは指揮者の巨大な音楽性の証しでしょう。

エールリンクは実にもディープな指揮者ですね。最初オケがあまりに荒っぽくて閉口しましたが、よく聞くと何と味の濃いシベリウスでしょうか。濃縮シベリウス・ソースという感じで、これにハマルとなかなか抜けられないでしょうね。

S君
2008年03月14日 15:41
僕も現時点で気に入っている演奏を書いてみました。
あくまで途中経過です。それに、ここには書いていませんが、Noraさんとのやりとりを通して、かけがえのない盤に数多く出会いました。ありがとうございました。

No1 ベルグルンド/ヘルシンキフィル
No2 レヴァイン/BPO
No3 アシュケナージ/フィルハーモニア
No4 バルビローリ/ハレ管
No5 カラヤン/BPO
No6 ベルグルンド/ヘルシンキフィル
No7 ヤルヴィ/エーテボリ響

今日はホワイトデーですね。わが家の女性陣にホワイトチョコでも買って点数をかせぐとしますか(笑)
2008年03月15日 02:25
 S君さん、こんばんは。
 リサちゃんは、年齢等も含め、どういう方か、まるで存じませんが、CDを聴いた限りでは、「ちゃん」と気軽に呼べない雰囲気を持った、大人の女性のような気がします。つまり、すごい、本格派。
 そう言えば、この前、わたしもハーンちゃんなどと言いましたが、調べたら、ヒラリー・ハーンも、もう30歳近いんですね。童顔だー。
 誰か、ハーン&サロネンの新譜を聴いてください。気になってしかたない。(笑)

 CDリスト、ありがとうございます。こういうのは、結局自己満足みたいなものかもしれませんけれど、楽しいですね。
 2番や5番などは、レヴァインとかカラヤンが入ってもまったくおかしくないと思いますが、4番のバルビローリというのはすごいですね。これは絶対に聴いてみなくては。
 そういう意味では、アシュケナージもなかなかすごいのです。

 共通してるのは、6番のベルグルンド&ヘルシンキだけですが、これは、確かにはずせませんね。よーくわかります。
Nacky
2008年03月15日 21:41
Noraさま
ホワイトデーでしたね。
私も、昨日、職場でバレンタインデーのお返しにあちら
こちらへと。。。。。(爆
昔のアニメ「牧場の少女カトリ」でシベリウスのフィンランディアが
BGMとして流れていました。
美しい森の画像と音楽がマッチしていて素敵でした。
よろしければ、覗いてみて下さい。
   ▽
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/norioh/meigekichiri-katri.htm
2008年03月16日 20:58
 Nackyさん、いつもありがとうございます。
 おー。これはすごいですね。
 一番上のイラスト、カトリちゃんがいきなり、楽しそうにカレバラ(カレワラ)読んでるじゃないですか!
 サイト両方見させていただきましたが、(→右URL欄→)1910年代と言えば、シベリウスがバリバリで活躍していたフィンランド激動の時代、本格的な大長編アニメのようですね。
 ネットで映像を探してちょっと見てみましたが、森や湖などの背景がものすごく丁寧に描き込んであり、鶴なんかも飛んでいて、正にシベリウスの世界そのもの。シベリウスの音楽も、フィンランディアだけでなく、いろんな曲が使われまくってるようです。
 これは、ぜひレンタルで借りて、観てみたいです。
 いつも、思いがけないコメントをくださり、ありがとうございます。
2008年03月16日 21:07
 (続きです)
 もう一つのURLも、一応、貼り付けておきます。(→右)
 この「カトリ」は、タイトルだけぼんやり記憶にあるくらいで、こんなアニメだとはまったく知りませんでした。
 フィンランドがらみのアニメは、ムーミンくらいしか知りませんでした。あ、あれは、ムーミン谷が舞台か。
S君
2008年03月18日 13:22
BWV182 「天の王よ、あなたを迎え入れます」は、大好きなカンタータです。冒頭、弦のピツィカートにのってヴァイオリンとリコーダーが奏でる旋律の美しさといったら!本当に柔和でつつましやかな心にしみ入る音楽です。これは、イエス様が子ろばに乗ってイスラエルに入場する様子を表しているのですが、通常私たちが考える「王の入場」とは何と違った音楽なのでしょう!

僕はこの182番をコープマンとアーノンクールで聴きました。前者の柔和でしかも透明感の高い、喜びにあふれる音楽作り。そして、後者の少年合唱団のふんわりと柔らかで、しかも器楽陣はコクと深みのある音楽作りと、いずれも素晴らしい演奏です。

最後から2番目の曲は、159番やヨハネ受難曲でも使われているコラールに基づくコラール編曲ですが、これがまた聴き応えのある傑作です。もちろんアリアも素晴らしい!とにかくこの182番、最初から最後までバッハが気合いを入れて作った名作カンタータですね。
S君
2008年03月18日 13:38
昨夜はバーンスタイン/ニューヨークフィルでシベリウスの4番を聴きました。う~ん、かなり違和感が残った…(汗)。

バーンスタインはともかく、オケ、特に管楽器がシベリウスとはかけ離れている感じがしました。ヴィブラート付けまくりのフルート、陽気で派手な金管。ちょーっとー!と頭の中で?マークが一杯つきました。まあ、でも当時こんな解釈もあったんだなー、シベリウスの演奏史をたどるって面白いなー、とも思いましたが…。

バーンスタインは今度、VPOでの演奏を聴くつもりです。こうしてみると、シベリウスの交響曲とオケの民族性というのは、かなり相性の善し悪しがあるな、と感じます。 

Noraさんもいつかおっしゃっていたイギリス人とシベリウスの相性の良さも不思議ですね。一体何なんでしょうね?それに日本人とシベリウスの相性はどうなんでしょう?僕はシベリウス大好き人間ですが、日本での人気はもっぱら2番とヴァイオリン協奏曲なのでしょうし。
(舘野泉さんのシベリウス小品集を借りました。まだ聴いていませんが、楽しみです)

2008年03月20日 01:01
 S君さん、どうも。
 BWV182のていねいな感想を書いてくださって、ありがとうございます。バッハ初期カンタータ(特に合唱)は、もちろん傑作ばかりなのですが、全体が張り詰めたような緊張感に貫かれていて、なかなか気軽に記事を書けないので、このような的確なコメントをいただけると、とてもうれしいです。

 バースタイン、4番などもあるのですか。
 バーンスタイン&ニューヨークフィルの古い演奏は、昔、定番の名曲などよく聴き、けっこう好きでした。
 晩年のウィーンフィルとの5、7番は聴いたことありますが、何となく、ブルックナーの9番と似ていたような気も・・・・。

> 日本での人気はもっぱら2番とヴァイオリン協奏曲なのでしょうし

 今は、コンサートでは、5番も人気のようです。
 ただ、やはり、2番に比べると、なかなかむずかしいようですね。
 もしかしたら、演奏する側の都合もあるのかもしれませんね。
S君
2008年05月18日 22:05
ずいぶんと亀レスですが、やっとハーンのシベリウス/VN協奏曲を聴けました。まずカップリング(というかメイン)のシェーンベルクにぶったまげました。こんなに良い曲だったとは!人間くさいんです。シェーンベルクの神経と音楽的生理が手でつかめるような演奏?ハーンのVNも唖然とするほど巧く、サロネンともども水を得た魚のようにシェーンベルクの海を泳ぎ切っています。
S君
2008年05月18日 22:12
一方のシベリウスですが、これは評価が分かれるかも知れません。あまりにもひたむきで、若干色っぽさに欠ける、という人がいるかもしれない。

まず外側からいきましょう。そもそもこの曲は怪物的なテクニックがないとおもしろくない曲ですが、その点、ハーンのテクニックはお釣りがくるほど。特に至難の重音が完璧。それに音程の正確で音楽的なこと!この点、彼女にかなう人はいないでしょう。

この圧倒的テクニックと音楽性でハーンは何をやっているかというと、「恋を知らない乙女の恋へのあこがれ」を歌うんです。第一楽章のカデンツの後のオクターブ重音は初々しくて神々しい歌が祈りまで昇華されている。第二楽章のロマンスは賛否両論でしょう。甘くないんです。でも、辺にかきくどかないのが好きですね。ここを手練手管でやられると僕など一挙に冷めてしまう。「恋を知らない」んです。そこが良い。第三楽章は最も彼女の音楽性に合っています。鋼のように弾む強力なシンコペーションの冴え。春の乙女の踊りは原初的な力に漲り陶酔的な高みに昇っていきます。これは全くユニークな名演!
2008年05月19日 22:19
 S君さん、どうも。
 ハーンのシベリウスの件、おぼえていてくださり、感想を書いてくださってありがとうございます。とてもうれしいです。
 そうでしたね。カップリング、シェーンベルクでしたね。
 ハーンのテクニック+サロネン、NYフィルの伴奏なら、確かにすごいかもしれません。
 シベリウスのVn協奏曲はさんざん聴いたので、もういいかな、とも思っていたところですが、これはぜひ聴いてみましょう。
 S君さんのおっしゃる「恋を知らない」シベリウスというのも、妙に気になります。(笑)
 リサさんのは、いかにも「恋多き」シベリウス、という感じ?でした。
 まあ、情熱があふれている、ということ。
S君
2008年06月04日 14:24
先日、オラモのシベリウス/2番を聴き非常に感動しました。通俗名曲の手あかは完全にぬぐい去られ、真価を目の前に突きつけられた感じです。第2楽章の盛り上がる所で、純白の巨大な氷河が目の前で崩れ、なだれを打って迫ってくるようなイメージに圧倒されました。そして、僕にとっての鬼門、通俗名曲たる最大の難所、第4楽章でも、オラモはあくまでひたむきにナイーブに、しかし堂々たる気迫とともに曲を締めくくっていました。…う~ん。感動!

あ、ムターちゃんはグバイドゥーリナではなく、シベリウスの方が良いと思いますよ。カップリングのセレナードも素敵です。
2008年06月05日 22:47
 おー。オラモ、お聴きになりましたか。2番というと、フィンランド放送響の新しいシリーズでしょうか。オラモは古い全集を持ってますが、それも誠実で心にしみいるような、すばらしい演奏でした。
 新シリーズを含む最近の録音では、それにさらに荒々しいまでの迫力も加わり、えらいことになってるというウワサですが・・・・。
 これはわたしも絶対に聴いてみましょう。

 そうそう、ヒラリー・ハーンのシェーンベルク、聴きましたよ。これはすっごいですね。もはや現代音楽にチャレンジとかじゃなくて、第1級の名曲として、正面から堂々とぶつかり、完璧な美しさで演奏しきっています。これ、むずかしいんでしょう?サロネンもすごいし、ベルクなども絶対に聴いてみたくなりました。あるのかな?

 シベリウスの方も美しかったです。(サロネンもさすが)
 わたしは、荒涼とした風がびしびしと感じられるバティアシュビリの方が、やはり好きかも知れませんけど、そんなものを感じる必要はまったくないわけで、一般的には最高の演奏といってもよいと思います。
2008年06月05日 22:59
 わたしの方は、最近聴いたCDの中では、ペライヤのパルティータが、予想通り、よかったです。
 その他、実は、また自分でも意外なところにはまってしまっていて、それについては、来週くらいに、また記事を書こうと思っています。
 と、いうわけで、このところ、けっこうCDを聴きまくっていて、なかなかムターまでは手が回りませんが、ムターのシベリウス、伴奏はプレヴィンでしたね。プレヴィンのシベリウスというのも興味深々です。

この記事へのトラックバック

過去ログ

テーマ別記事