年明け。この機会にバス・アリアの最高峰を聴いてみましょう。【新年後第1日曜日、顕現節】

 年明け早々、祝祭日が連続します。


 まず、今日(1月4日)は、新年後第1日曜日。

 カンタータは、

 第1年巻のBWV153
 後期のBWV58

 の2曲です。

 この祭日も、めぐってくる年とめぐってこない年があり、このブログを始めてから、この祭日があったのは初めてではないでしょうか。

 第1年巻のBWV153は、単純な4声コラールで始まるめずらしいカンタータ。
 3つのコラール(真ん中の一つは、マタイの受難コラール)を、レチタティーヴォやアリアでつないだ、簡素ながら、オラトリオのような物語性を有する大作です。
 世の苦悩を歌う歌詞から、ずっと暗い色調が支配的ですが、おしまいに、夢のように美しいメヌエットのアルト・アリアが花開きます。
 
 一方、BWV58は、さすがにマタイの年の作品だけあって、豊潤な響きが魅力的。
 ソプラノのコラールとバスの自由なアリアがからみあう、ダイアログ・カンタータ。
 後年になって付け加えた、中間のソプラノ・アリアも、後期作品ならではの美しさ。
  

 それから、次に、明日が仕事始め、という方も多いと思いますが、
 週が始まってすぐ、1月6日(火)が、顕現節、ということになります。

 カンタータは、

 第1年巻のBWV65
 第2年巻(コラール・カンタータ)のBWV123

 の2曲です。

 過去記事は、こちら
 ボッシュの絵も合わせてお楽しみください。

 顕現節といったら、クリスマスの最後を飾る祭日。
 どちらも名作中の名作。

 やはりなんといっても、バッハの時代の礼拝を再現したマクリーシュ盤が真っ先に思い出されます。



 さて、お正月ぼけで、記事を何も用意していなくて、途方に暮れております。
 
 そこで、すでにトップページの<お知らせコーナー>には書いたのですが、
 ちょうどこの年末年始に、葛の葉さんが、ご自身のホームページ「バッハの教会カンタータを聴く」の「古い録音を聴く」のコーナーに、新しい録音をアップなさいましたので、それをご紹介させていただきたいと思います。


 1、シュバイツァーのオルガンコラール集

   よく知られたEMI録音ではなく、ずっと後年(1951、52年)の米コロンビア録音だそうです。
   一部、未CD化録音も含む。

   こちら

   これまで、何度も記事にとりあげてきたBWV639も、収録されています。

   ちなみに、このBWV639、上にリンクした記事にもあるように、
   タルコフスキー監督のSF映画、「惑星ソラリス」で知られていますが、
   葛の葉さんによると、吉永小百合さん主演の日本映画、「母べえ」でも使用されているそうです。

   シュバイツァーの演奏は、心に直接訴えかけてくるような、滋味あふれるもの。
   こちらのコーナーで、ヴァルヒャとの聴き比べもできます。


   * その後葛の葉さんから教えていただいた情報によると、
     「母べえ」の音楽は、冨田勲さんが担当しているとのこと。
     また、一部インヴェンションも使用されているようです。 
     上でリンクした記事にあるように、冨田勲さんは、映画「惑星ソラリス」にインスパイアされ、
     BWV639とインヴェンションとをコラージュして、「ソラリスの海」という曲を作っています。
     「ソラリスの海」が収録された「宇宙幻想」のリリースが1977年ですから、実に30年以上にわたって、
     冨田さんは、バッハのこれらの曲を大切にしてきた、ということになります。

    

 2、フィッシャー=ディースカウのカンタータアリア集

   フィッシャー=ディースカウの青春の記録。
   バスアリアの最高峰、BWV158BWV159のアリアも収録されています。
   まだ聴いたことがない、と言う方は、ぜひ。  

   このCDは、わたしも持っていますが、
   LPをていねいにおこしたこちらの録音は、ずっと豊かで瑞々しい音質で、まるでちがう演奏みたい。
   演奏自体、すっかり見直してしまった。

   こちら  


 * なお、このコーナーでは、
   バッハのカンタータの最高傑作とも言えるBWV82の、ホッターの最高の名演、
   しかも、やはりLPからおこした最高の音質の録音を、試聴&ダウンロードすることができます。
   こちらも、まだ、聴いたことがない、と言う方は、この機会にぜひ。

   こちら



 バッハのバス・アリアの最高峰として双璧をなす、BWV82BWV159のアリアについては、これまでたくさんの記事を書いてきましたので、
 興味のある方は、
 トップページのサイト内検索コーナーに大文字でBWV番号を入力するか、
 教会暦別目次ページの「マリアの潔めの祝日」、「五旬節」の欄を見ていただき、記事を選択の上、ご覧になってください。
 


 また、葛の葉さんは、教会カンタータ全曲の楽譜(旧バッハ全集のもの)のアップをずっと続けてらっしゃいましたが、
 昨年末のクリスマスに、無事全曲完了なさり、次は世俗カンタータを開始されたようです。
 心からの敬意と感謝を表するするとともに、みなさんにもお知らせしたいと思います。

   こちら



そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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この記事へのコメント

2009年01月05日 11:36
 クリスマス&明けましておめでとうございます。貴エントリ「ULTRASEVEN X~」(2007/12/06)にコメントさせていただいたTenor1966です。
 当エントリを拝読し、我が家にある『J.S.バッハ:教会カンタータ選集/リヒター』(1989年12月)の新年後第1日曜日用カンタータを聴いてみようと思い、第1巻のCDケースの裏面を探してみたところ、BWV153もBWV58も見つかりませんでした。
 「確かどちらかは入っていたはず」と思い、分厚い解説書の方を探してみたところ、CD2の4曲目にBWV58が入っていました。CDケースの方はBWV171(CD3の1曲目)と表記されており、どうも誤植のようです。
 というわけで、無事シャイラ・アームストロングとディートリヒ・フィッシャー=ディースカウによる演奏を楽しむことができました。
 末筆ですが、今年が良い年でありますようにお祈りいたします。
2009年01月05日 23:23
あけましておめでとうございます。昨年は本当にお世話になりました。今年もよろしくお願いします。
早速、すばらしいものを・・・(涙、涙)。
シュバイツァーはむちゃくちゃ聴いてみたかったのです。ありがとうございます。
2009年01月06日 00:05
 Tenor1966さん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 
 アームストロング&フィッシャー=ディースカウのBWV58、すばらしいですね。
 今年わたしが聴いたリリング盤では、ソプラノのコラールが合唱になっているのですが、ソプラノソロのリヒター盤の方が、やはりダイアログカンタータの雰囲気が色濃く感じられます。

 ところで、わたしのCDも、2枚目の最後にBWV58が入っていました。 3枚目の始めに入っているBWV171は、新年用ですから、本来逆なのですけど、収録時間の関係でしょうか。もしかしたら、そのせいで誤植になったのかもしれません。
 ちなみに、BWV171も、後期のすばらしいカンタータですね。

 それにしても、BWV58、見つかってよかったです。
 リヒターのカンタータ選集は、かけがえのない遺産ですが、基本的に1祝祭日につき1曲づつなので、聴きたい曲が入っていないことが多いのが玉に瑕です。
 それでは、今年がtenor1966さんにとって良い年でありますよう。
2009年01月06日 00:29
 たこすけさん、あけましておめでとうございます。
 こちらこそお世話になりました。今年もよろしく。

> 早速、すばらしいものを・・・(涙、涙)。

 例によってわたしは何もしていないのですが、喜んでいただいてうれしいです。たこすけさん、喜ぶだろうな、とは、思ってました。
 あと、楽譜もそろってますので。(笑)
2009年01月06日 01:04
 独り言コメント。
 葛の葉さんによると、記事に書いた「母べえ」と「ソラリス」とは、意外なところでつながっているようです。
 これについては、記事を書き足しておきました。
 「母べえ」、まったく観るつもりはありませんでしたが、これは、観ないとダメかも。

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