年末年始の記録・2~初詣・江戸の面影をそのまま残す大寺院、九品仏+巨樹探訪・1

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 今さら、で、恐縮ですが、初詣の記録。



 1月3日(土) 初詣

 九品山浄眞寺(九品仏)



 今年の初詣は、前から気になっていた九品仏にしました。
 典型的な浄土信仰のお寺ですが、年始めのご先祖様供養、ということで。
 けっこう初詣の方もいらっしゃいました。
 

 九品仏のそろっている寺院としては、奈良(実は住所の上では京都)の浄瑠璃寺が有名ですが、
 何と、東京にも、こんなお寺があったのです。

 阿弥陀来迎図さながらの来迎会(おめんかぶり)が、関東で唯一行なわれることでも知られていますが、それが行なわれるのは、三年に一度だけ。
 昨年がそれにあたったのですが、残念ながら見逃してしまいました。

 次を気長に待つしかないのですが、まあ、その前に、一度、お寺にお参りしておこうと思いたったわけです。



 浄眞寺は、江戸初期に創建された寺院。
 江戸名所図会に描かれている創建当初の面影を、奇跡的にほとんどそのまま保存している、東京ではめずらしい大寺院。
(境内は、もと鎌倉時代の城郭(奥沢城)で、その名残の土塁などまで残されています。)



 東急大井町線九品仏駅を降りるとすぐに、参道が始まります。
 九品仏の駅名は知っていたが、こんな大きなお寺があることを知ったのは、最近になってから。
 参道からしてすでに大寺院の風格が漂う。
 両側から様々な木々が覆いかぶさり、春は桜、夏は深い緑で彩られることだろう。
 右に見える古風な建物は、交番。

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 総門
 紅葉が少し残っていた。紅葉の頃は、すごいだろう。

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 門に入ってすぐ右側に閻魔堂
 横にひかえる奪衣婆がちょっと恐い。

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 すぐに、都内ではめずらしい壮麗な山門が姿を現す。(紫雲楼)

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 楼上の扉が開け放たれ、中におびただしい仏像群が見える。(阿弥陀如来と二十五菩薩)
 これらの仏像に迎えられ、浄土(境内)に足を踏み入れる、という形。

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 楼上の彫刻。左右に象、中央に龍。龍も像みたいに鼻が長い。

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 山門をくぐると、すぐ左に鐘楼がある。
 十二支を始めとする彫刻が見事。
 わかりにくいですが、鐘にもたくさんの彫刻が。

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 開山堂等の建物を見ながら少し行くと、少し右寄りに、雄大な本堂が姿を見せる。
 本堂は、山門の方に、背中を向けて、逆向きに建てられている。
 これまで見たことの無いめずらしい伽藍配置だが、その理由はすぐにわかる。
 
 側面を、回り込んで、建物の正面に向かう。

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 大銀杏と仏足跡

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 本堂(正面から)

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 本尊は、巨大な丈六釈迦如来仏。
 扉は閉ざされているが、その威容は外からぼんやりと見ることができる。

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 本堂も、おもしろい彫刻で飾られている。

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 本堂わき、もみじ

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 本堂前には、たくさんの巨木が植えられた広々とした空間が広がっており、その向こうに、まったく同じ形の、どっしりとした巨大な仏堂が、3つ並んでいるのが見える。

 これが阿弥陀堂

 中央の仏堂(上品堂)には、上品の阿弥陀仏が、
 右の仏堂(中品堂)には、中品の阿弥陀仏が、、
 左の仏堂には、下品の阿弥陀仏が、
 それぞれ上生、中生、下生の3体ずつ、
 つまり、この3つのお堂に、上品上生から下品下生まで、それぞれの印相を結んだ計9体の巨大な丈六阿弥陀仏が安置してあります。
 これが九品仏。

 この阿弥陀堂こそが、極楽浄土をあらわし、門から入った正面に、この阿弥陀堂が並んでいる形になっている。
 本堂は、現世のものとして、その阿弥陀堂(浄土)に対峙しているため、逆向きなのでした。
 ちなみに、阿弥陀堂が並んでいるのは、もちろん境内の西の方角。

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 カヤの巨木と阿弥陀堂。

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 九品仏。
 開山の珂碩上人が、18歳の時から30年以上かけて彫り上げた、と言われる。
 9体とも、実におおらかな作風。
 江戸期の仏像としては、極めてめずらしい巨像であり、
 新しい仏像らしく、肉髷の鮮やかなブルー、体の金箔などがそのまま残っていて美しい。
 
 上品堂の阿弥陀仏。
 阿弥陀仏の一般的な印相。鎌倉の大仏も、これですね。

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 左、中本堂の阿弥陀仏。
 胸の前で、両手でOKマークを作っている。
 以前ご紹介した鎌倉浄光明寺の阿弥陀仏と同じ。阿弥陀仏の印相としては珍しい。

 右、下品堂の阿弥陀仏。釈迦如来や薬師如来など、一般的な如来の印相。

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 巨木の中には、桜が多く見られる。
 花の頃は最高だろうな。

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 以上、本堂、阿弥陀堂ともに、どっしりとしたスケール感を誇るが、
 いずれの建物も、屋根が雄大で、しかもとびっきり美しい。

 これは、茅葺だったものを、以前の形に忠実に、銅版葺に葺き替えたもの。
 悠然としたカーブがたまらない。



 冒頭にちょっと触れた来迎会(おめんかぶり)は、
 これらの阿弥陀堂から本堂まで、木々の間にりっぱな橋がかけられて、仏や菩薩のお面をかぶり、美しい花々などで飾られた信者の方々が行列する、というとてもめずらしいもの。
 言うまでも無く、阿弥陀来迎の様子を実際にあらわしている。

 ああ、見てみたい。

▽ おめんかぶりの様子。(お寺で購入した縁起の表紙)

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 本堂わきの石庭。小さいながらも清々しい。

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 そのとなりの池・サギソウ園。
 サギソウの伝説が伝わることに由来し、夏にはサギソウが満開になるらしい。

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 観音堂と石仏

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 先日tonaさんが、「東京巨樹探訪」と言う本をご紹介なさっていました。
 現在では本屋で入手しにくいようなので、図書館で借りましたが、
 上の記事に登場した、本堂前の大銀杏と、阿弥陀堂前のカヤの巨木は、その本の中でとりあげられているものです。
 
 せっかくなので、この機会に、わたしも巨樹探訪を始めたいと思います。


 大銀杏。本堂横に、2本立っている。
 そのうちの1本は天然記念物。
 
 もちろん、葉はすべて落ちてしまっているが、さすがに風格ある枝ぶり。

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 樹齢700年の大かや。これも天然記念物。
 阿弥陀堂(一番右の中品堂)前に、覆いかぶさるように立っている。
 こちらは真冬の今も青々とした葉をたたえている。

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 境内には、その他にも、巨木古木が立ち並んでいる。
 巨樹好きには、見逃せないスポットでしょう。


 そんな巨樹の中で、小さな梅の木の蕾が早くもほころびかけていた。

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 このように、浄眞寺は、経典に基づく阿弥陀浄土を精密に地上に表現した例として、たいへん貴重。

 境内3万6千坪、各堂宇の柱数が36本、本堂と阿弥陀堂の距離が36間、と、阿弥陀浄土を示す数の表象も徹底している。
 
 この点は、まるでバッハの音楽みたい。



 帰りは、東門から、自由が丘方向へ抜けていきました。
 自由が丘駅までは、ゆっくり歩いて10分くらい。



 自由が丘など、めったに来ないので、ゆっくりと散策した。
 
 これは、スイーツフォレスト
 
 1Fのクオカショップ(スイーツ材料店)では、ふるまいぜんざいをいただいた。

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 2F、スイーツの森。
 
 このあやしいピンクの森の中に、十店近い有名スイーツのお店があり、それらのお店で、スイーツを買い、森の中のテーブルで食べることができる。

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 スイーツの森は、混んでいて落ち着かないので、
 わたしたちは、2Fの独立店舗、アメリカン・ポップオーバー専門店、スプーンブレッドに入った。

 写真右に写っているのが、「幻(?)のパン」、ポップオーバー。
 初めて食べたが、意外とおいしかった。

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 仕事初めには、もちろん、神田明神。

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「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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この記事へのコメント

2009年01月22日 09:27
「巨樹探訪」をご覧になって早速九品山浄眞寺のを見ていらっしゃったのですね。
なるほど大きな大きな立派な樹です。700年とは凄いですね。
東京にもたくさん巨樹がありますが、私はこの本で数えてみたら7箇所しか見ていませんでした。
有名な九品仏のある浄眞寺の境内の広さに驚きました。
彫刻も素晴らしいのですね。
京都、奈良、鎌倉には圧倒的に適いませんが、東京にも立派なお寺が存在するものの、心は向いていませんでした。
Noraさんは素敵な初詣をされました。
巨樹探訪されたらまた教えてくださいね。
2009年01月22日 23:46
 tonaさん、こんばんは。
 「巨樹探訪」、よい本を教えていただきました。
 これまで、いろいろな巨樹を見て、その時は感動してもそのまま忘れてしまうことが多かったのですが、これからは、この本に出ていないものも含めてちゃんと記録していきたいと思います。
(西側の山の方は、たいへんそうなので、tonaさんにおまかせいたしします・笑)
 昔から知っている巨樹を見ると、古い大切な友達と再会したような気になります。

 九品仏、仏像は江戸期の新しいもので、京都や奈良のものに比べると深みに欠けますが、それでも、江戸時代ならではの屈託の無さは魅力的ですし、特に建物の美しさや境内のたたずまいは、京都・奈良の名刹に比べても遜色が無いと思いました。
 移り変わりのめまぐるしい東京で、これだけの規模のものを(おめんかぶりも含め)そのまま保存してきたお寺の努力には、頭が下がります。

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