「浪花の華」の舞台を訪ねる~春の大阪、奈良旅行記1・旅のきっかけ

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 前クール(1月~3月)のドラマの中で、一番夢中になって観たのは、何と言っても、

 NHK 土曜時代劇 浪花の華 ~緒方洪庵事件帳~ 

        原作:築山桂さん (「禁書売り」 「北前船始末」 (双葉文庫))

 です。


 天然痘と戦ってたくさんの人の命を救い、蘭学塾適塾の塾長として明治維新で活躍する多くの人材を育てた、
 「心やさしき蘭学医」、緒方洪庵。

 このドラマは、後年の、天下に並ぶものの無い名医として名をなした「洪庵」ではなく、まだ浪花で修業中の多感な青年、緒方章(あきら)が主人公。

 あきらは、武家の生まれですが、体が弱く、気も弱いダメダメ青年。
 武芸で身をたてることをあきらめ、好きな学問の道に進もうと、浪花の名医、中天游先生のもとで修行中。

 そんな内気で泣き虫のあきらが、ひょんなことから、謎の男装の麗人、左近と出会います。

 左近は、伝統ある龍天王寺(もちろん四天王寺がモデル)の舞楽集団「在天楽所」の楽人でしたが、
 それはあくまでも表の顔、実は、聖徳太子や難波宮の古から、自由商業都市浪花を守り続けてきた影の武闘集団、「在天別流」の一員なのでした。

 あきらは、中天游先生のやさしく厳しいまなざしに見守られながら、
 左近たち在天別流との関わりからさまざまな事件に巻き込まれていくうちに、
 いつしか人間的に成長し、やがて、人の命を守るために医者となることを力強く決意し、江戸に旅だちます。

 こうしてあらすじを書いているだけで、また胸がわくわくしてきます。

 実際、ドラマは、恋あり冒険あり、そして、ラストは涙の別れあり、
 の、見事な出来栄えの堂々たる一大歴史活劇でした。
 特に、そのラストの涙は、決してしめっぽいものではなく、ハードボイルドな、未来に続くような涙で、最高でした。


 このドラマ、他の時代劇とちょっと異なるのは、
 たいていの時代劇の舞台が、江戸か京都なのに対して、舞台が、天下の台所、浪花・大阪であること。
(実際の撮影場所は、京都のスタジオやお寺がメインで、水辺の場面は、近江八幡付近だったようですが)

 江戸とも京都とも異なる、江戸時代の浪花の街の風景、空気をていねいに描いていて、実に新鮮で、興味深かった。

 このドラマの原作者、築山桂さんは、
 NHKのこのドラマの公式HPに、
 「ご覧になった方が、これまで以上に大阪の町を好きになってくださいますように!」
 と書いていらっしゃいますが、
 わたしはものの見事にはまってしまったわけです。



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 これまで、大阪にはほとんど関心が無く、去年の関西旅行の時も、「三都の旅」などと言いながらも、大阪は単に通り過ぎただけでしたが、
 今回、このドラマのおかげで、無性に大阪に行ってみたくなった。

 天下の台所。水の都。
 そして、古いもの(「在天別流」)も、新しいもの(蘭学)も、すべて呑み込んで、常にドラマティックに躍動する自由都市、浪花・大阪。
 江戸とも京とも異なるそんな浪花の名残りを、感じてみたい。


 名づけて、「浪花の華」の舞台を訪ねる旅。

 今も大阪の中心のビジネス街に残る、洪庵の適塾を訪ねること、
 そして、現在に伝わる舞楽の最高峰のひとつ、四天王寺の舞楽を見ること、
 を、主な目的として、
 後は、時間の許す限り、例によって、好きな建築や仏像を見て回ろう、
 できれば、1日くらいは、奈良にも足をのばして・・・・、

 と、いうわけで、思い立ったら吉日、4月の後半に、大阪旅行に出かけてまいりました。



 そう言えば、昨年の関西旅行も、TVドラマ「鹿男あをによし」に触発されてのものでした。
 我ながらなんとも単純で情けないですが、根が筋金入りのミーハーなのだから、しかたありません。



▽ 適塾

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 旅行をこの時期にしたのは、もちろん、年に一度の四天王寺聖霊会舞楽大法要に合わせて。

 昨年、tonaさんの記事に影響され、初めて舞楽の舞台に出かけて、いっぺんでその魅力に取りつかれてしまいましたが、
 歴史、技術、規模ともに舞楽の最高レべル、ドラマのモデルにもなった、四天王寺舞楽を、実際観て、聴くこと
ができたことは、何物にも代え難い体験でした。


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 また、旅の途中、奈良・西ノ京にまで足を延ばし、復元なった薬師寺の大伽藍をついにこの目で見て、その伽藍の中のしかるべきところに安置された、大好きな聖観音立像や日光・月光菩薩像と、昨年の東京国立博物館以来1年ぶりで再会することができたことも、忘れられない思い出です。


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 そのほか、この旅で出会った、あまりにも個性的な、おびただしい数の建物や仏像たち、
 その一つ一つが、今も鮮やかに脳裏に蘇ります。



▽ 適塾のすぐ隣、今も明治の木造建築が現役の、市立愛珠幼稚園

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 さて、ほんとは、自分自身のための記録の意味でも、いつものように、それらをすべてじっくりと書いていきたいところなのですが、
 実は、このブログの容量の残りが、だいぶ少なくなってきてしまいました。

 これまでのように書きたいだけ書いて、そして写真をのせてしまうと、おそらく相当なボリュームになり、容量がまた減ってしまいますし、また、音楽の記事を読むために訪問してくださっている方の中には、またか、と、うんざりなさる方もいらっしゃることでしょう。

 わたしとしては、ほそぼそでもいいから、なるべく長く、バッハを中心にした音楽ブログを続ることを最優先したいと思っています。


 そこで、苦肉の策、というか、
 自分の欲求を満たすために、(音楽以外の好きなことを遠慮なく好きなだけ書くために)
 音楽以外の記事を中心にした、あたらしいブログをつくることにしました。


 こちら


 この旅行のことも、ここでは、おおまかな旅の行程、あらましだけを記録しておいて、くわしいことは、そちらの方に書くことにします。

 さまざまなテーマに分けて、今後、じっくりと時間をかけて書いていきたいと思います。
 また、ここでは書けないことなども、気のすむまで書くつもりですので、興味のある方は、ぜひご覧になってください。



 ああ、言ってるそばから、前置きだけでこんなに長くなってしまった。
 かんたんな旅の行程、あらましの記録は、次の記事で。



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 <お知らせ>


 「浪花の華」


 ドラマはとっくに終わってしまいましたが、この夏には、DVDもリリースされるようです。
 興味のある方は、ご参照ください。

 NHK 「浪花の華」 公式HP


 また、遅ればせながら、築山桂さんの原作も読み始めたところですが、
 ドラマの雰囲気そのままの、すばらしい作品だと思います。
(逆でした。雰囲気のあるすばらしい原作を、それだけ見事にドラマ化した、ということですね)

 原作:築山桂 「禁書売り」 「北前船始末」 (双葉文庫)

 著者 公式HP

 この方、ご自分でも雅楽の演奏をなさっていて、お稽古のもようや、ドラマの裏話などを書いたブログがとってもおもしろい。

 こちら



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カンタータ日記・奥の院

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