夏休み理科特集~烏瓜と日蝕、梅雨明けの「副虹」
ファイターズ、昨日はダル&鶴岡ゴールデン・コンビが大活躍、なんとか首位のまま折り返しを迎えることができました。
それにしても、ソフトバンクと、ぬきつぬかれつのすさまじい戦いが続いています。
今からこんなで、いったいこれからどうなるんだ、と思いますが、
まあ、それはそれ、
今週末はゆっくり、「ファイターズが主役」の球宴を楽しみたいと思います。
オールスター戦を迎えると、いよいよ夏本番。
各学校も夏休みに突入したようですが、今日は夏休みらしく、理科っぽい話題をいくつか。
カラスウリの花を見た!
昨年、tonaさんのブログで、生まれて初めてカラスウリの花の写真を見て、感動のあまり、まだ実物を見てもいないのに記事まで書いてしまいました。
これまでその存在すら知らなかった、というのも情けない話ですが、深夜に暗闇の中でひっそりと咲き、しかもすぐに花を閉じてしまう、ということで、カラスウリ自体はそこら中でやたら見かけるにもかかわらず、その花は、そんなに知られてはいないようです。
すでに時期が遅くて結局昨年は見ることができず、来年こそ絶対にこの目で見よう、と心に誓いました。
昨年のうちに、いつも行く植物園の生垣に、カラスウリの実がたくさんなっているのを発見。
植物園は早い時間に閉園してしまいますが、ここなら、外に面しているので、観察するのに、問題無し。
(ただ、人気のあまりない道で、深夜にあまりウロウロしていると、あからさまに不審&危険なので気をつけねば)
今年に入って、ツルがきれいに取り除かれてしまったので、がっくりしましたが、
夏になって急にまたツルが繁殖。昨年以上にびっしりと生垣を覆いつくして、一安心。
植物園で植えているのか、自然に生えてくるのか。
いずれにしても、それ以来、ちょこちょこ、帰宅時にチェックしていたところ、
その甲斐あって、先週末の7月17日金曜日、ついに、開花。
生まれて初めて、そのあまりにも不思議な花が開くところを見ることができました。
じいっと観察していると、まるで生き物のようにゆらゆらと触手のような花びらを広げていくのを、見ることができる。
反対に、閉じる時は、(これは観察できませんでしたが)その触手全部をガクの中にきちんと収容するらしい。
▽ 閉じ始め

なぜカラスウリが、深夜のごく短い時間だけ、あんなに不思議な形の花を咲かせるのか、
受粉に適した、夜行性のスズメガだけを誘うため、夜の闇の中でだけ花開き、
闇の中でスズメガになるべく目立つように、なおかつ、空中を飛行しながら蜜を吸うスズメガ以外の昆虫が近寄れないように、触手状の特徴的な花びらをしている、
というのが定説のようです。
おそらく、スズメガには、この花が、深海の闇の底で、ぼーっと光を放ちながらゆらゆらとうごめく、発光くらげのように見えることでしょう。

ただ、わたしが見ていた時には、スズメガでなく、たくさんの甲虫類が集まっていました。
ある花は、大きなハナムグリみたいなのにバリバリと食べられていた。
(下の写真および冒頭の写真に、よく見ると甲虫類が写っています)
これが受粉に係わっているのか、それとも単に襲われていたのかは、不明。
実際にカラスウリの花を目にして、「銀河鉄道の夜」のイメージにこれ以上ふさわしい花は無い、とあらためて強く感じました。
物語の最初に、「青い光」、「烏瓜の燈火」、などの言葉をくりかえし、物語の世界に、あやしく美しい幻想的な深みを加える、
正に言葉の天才。
賢治が書いた「烏瓜の燈火」は、もちろん、カラスウリの実で作ったランタンですが、
この花を一目でも見たことがある者の脳裏には、この花があやしく咲き乱れている情景が、必然的に思い浮かぶことでしょう。
今回のタイトル、「烏瓜と日蝕」も、ちょっと賢治風にこだわってみました。
こんなタイトルの詩か童話、いかにもありそう。
さて、このタイトルにもあるように、昨日は、待ちに待った世紀の天体ショー、
日食(日蝕)
だったわけですが・・・・。
わたしも、早々と日食メガネを用意して、万全の態勢でこの日を迎えたところ、東京地方はあいにくの雨&曇り空。
おそらく大勢の方がそうだったように、直接見ることはできませんでした。
皆既日食帯に含まれる屋久島やトカラ列島も、悪天候のところが多かったようで残念でしたが、こちらは、皆既食の状態の時には夜のように暗くなるので、普段体験できない神秘体験をなさった方も多いことでしょう。
うらやましい。
日本では、喜界島などで、皆既食が完全に観測できたとのこと。
実は先日、喜界島出身の方の島唄を聴く機会があり、
(次に記事に書く予定)
世紀のビックイベントとして、島をあげて盛り上がっている、ということを聞いていたので、
よかった、よかった。
それにしても、ほんとうにうらやましい。
東京は、重苦しい雨雲が絶えず広がっていて、食が一番大きな時間帯に空を見上げてみても、
日食?何それ?という感じでまったく変化なし。少しは暗くなったり、すずしくなったりしたんだろうか。
でも、おかげで、TVでじっくりと各地の日食の様子を見ることができました。
中でも、NHKでやっていた、硫黄島と、小笠原近海の船上から見た日食の中継がすごかった。
食が始まると、美しいコバルトブルーの海の景色が、徐々に色を失って、古いモノクローム写真のような不思議な情景に変化してゆき、
それと同時にあたりはひんやりとしてきて、周囲からはどんどん雲が湧き上がってくる。
始めのダイヤモンドリングがきらめいて皆既食に入った瞬間、突然、ほんとうに突然、ふっと暗闇が訪れる。
空は真っ暗だが、地平線は、何と、360度見渡す限り、夕焼けのように真っ赤に燃えている。
まるで天空に巨大な幕がかぶせられたかのよう。
あやしい光を放つコロナや紅炎(プロミネンス)。
その周囲には、いつのまにか、今の季節には見えるはずのない冬の星座が出現している。
やがてもう一度ダイヤモンドリングがきらめくと、あたりの風景は、まるで何事もなかったかのように鮮やかな色彩を取り戻してゆく・・・・。
・・・・わかっていても、すごかった。
昔の人は、それこそ、空にいる何者かが、何かやってるとしか思えなかったでしょうね。
わけがわからないですもん。
でも、どちらかというと、曇りや雨の時の方が、インパクトはあったかも。
晴れていれば、なんとなく、太陽に影がさしたのがわかるが、曇りや雨の場合は、いきなり真っ暗になるんだから、これは恐ろしい。
いつ明るくなるか、わからないんだし。
▽ 小笠原近海の中継で大活躍した、豪華客船「ぱしふぃっく びいなす」号。
絶えず晴天域を目指して航行を続け、決定的瞬間の奇跡のように美しい映像を、
曇天の下でしょんぼりのわたしたちに届けてくれた。
先日、7月20日・海の日に、帆船を見に横浜へ行ったら、たまたま大桟橋に停泊していた。
(その時の記事は、「奥の院」に書きました。こちら。)
この後、すぐに出航したようだ。
忍び込んで、乗っていってしまえばよかった。でも海に投げ出されるな、きっと。
結局、自分では何も見ることができなかったので、ヘンデル「サムソン」の、皆既日食アリアというのを聴いてみようと思います。
REIKOさんの、日食とヘンデル他の作曲家について調べたおもしろい記事は、こちら。
* 「サウル」ではなく、「サムソン」のまちがいでした。今回は、「サ」しかあってませんね。失礼しました。
今度、「サウル」を聴こうとしてたので、つい・・・・。
次に、日本で見られる日食、
意外とすぐで、2012年(平成24年)5月。
今度は、大阪、名古屋、東京、大都市縦断の、完全な金環日食。
リングが大きいので、それほど暗くはならないようですが、美しい金の指輪を見ることができそうです。
日蝕メガネ、使えなかった方も、捨てないで、大事にとっておきましょう。
梅雨明けの前後、東京地方は夕焼けが特別に美しかったので、写真を何枚か。

そして、梅雨明け後には、この間に続き、再び虹が。
今回は、めずらしいダブル・レインボー。
わかりにくいですが、よく見ると、外側に副虹が。
それぞれの虹の色の並び注目!!
副虹は、色の並びが鏡にうつしたように逆になるのが、一応撮れています。
それにしても、ソフトバンクと、ぬきつぬかれつのすさまじい戦いが続いています。
今からこんなで、いったいこれからどうなるんだ、と思いますが、
まあ、それはそれ、
今週末はゆっくり、「ファイターズが主役」の球宴を楽しみたいと思います。
オールスター戦を迎えると、いよいよ夏本番。
各学校も夏休みに突入したようですが、今日は夏休みらしく、理科っぽい話題をいくつか。
カラスウリの花を見た!
昨年、tonaさんのブログで、生まれて初めてカラスウリの花の写真を見て、感動のあまり、まだ実物を見てもいないのに記事まで書いてしまいました。
これまでその存在すら知らなかった、というのも情けない話ですが、深夜に暗闇の中でひっそりと咲き、しかもすぐに花を閉じてしまう、ということで、カラスウリ自体はそこら中でやたら見かけるにもかかわらず、その花は、そんなに知られてはいないようです。
すでに時期が遅くて結局昨年は見ることができず、来年こそ絶対にこの目で見よう、と心に誓いました。
昨年のうちに、いつも行く植物園の生垣に、カラスウリの実がたくさんなっているのを発見。
植物園は早い時間に閉園してしまいますが、ここなら、外に面しているので、観察するのに、問題無し。
(ただ、人気のあまりない道で、深夜にあまりウロウロしていると、あからさまに不審&危険なので気をつけねば)
今年に入って、ツルがきれいに取り除かれてしまったので、がっくりしましたが、
夏になって急にまたツルが繁殖。昨年以上にびっしりと生垣を覆いつくして、一安心。
植物園で植えているのか、自然に生えてくるのか。
いずれにしても、それ以来、ちょこちょこ、帰宅時にチェックしていたところ、
その甲斐あって、先週末の7月17日金曜日、ついに、開花。
生まれて初めて、そのあまりにも不思議な花が開くところを見ることができました。
じいっと観察していると、まるで生き物のようにゆらゆらと触手のような花びらを広げていくのを、見ることができる。
反対に、閉じる時は、(これは観察できませんでしたが)その触手全部をガクの中にきちんと収容するらしい。
▽ 閉じ始め
なぜカラスウリが、深夜のごく短い時間だけ、あんなに不思議な形の花を咲かせるのか、
受粉に適した、夜行性のスズメガだけを誘うため、夜の闇の中でだけ花開き、
闇の中でスズメガになるべく目立つように、なおかつ、空中を飛行しながら蜜を吸うスズメガ以外の昆虫が近寄れないように、触手状の特徴的な花びらをしている、
というのが定説のようです。
おそらく、スズメガには、この花が、深海の闇の底で、ぼーっと光を放ちながらゆらゆらとうごめく、発光くらげのように見えることでしょう。
ただ、わたしが見ていた時には、スズメガでなく、たくさんの甲虫類が集まっていました。
ある花は、大きなハナムグリみたいなのにバリバリと食べられていた。
(下の写真および冒頭の写真に、よく見ると甲虫類が写っています)
これが受粉に係わっているのか、それとも単に襲われていたのかは、不明。
実際にカラスウリの花を目にして、「銀河鉄道の夜」のイメージにこれ以上ふさわしい花は無い、とあらためて強く感じました。
物語の最初に、「青い光」、「烏瓜の燈火」、などの言葉をくりかえし、物語の世界に、あやしく美しい幻想的な深みを加える、
正に言葉の天才。
賢治が書いた「烏瓜の燈火」は、もちろん、カラスウリの実で作ったランタンですが、
この花を一目でも見たことがある者の脳裏には、この花があやしく咲き乱れている情景が、必然的に思い浮かぶことでしょう。
今回のタイトル、「烏瓜と日蝕」も、ちょっと賢治風にこだわってみました。
こんなタイトルの詩か童話、いかにもありそう。
さて、このタイトルにもあるように、昨日は、待ちに待った世紀の天体ショー、
日食(日蝕)
だったわけですが・・・・。
わたしも、早々と日食メガネを用意して、万全の態勢でこの日を迎えたところ、東京地方はあいにくの雨&曇り空。
おそらく大勢の方がそうだったように、直接見ることはできませんでした。
皆既日食帯に含まれる屋久島やトカラ列島も、悪天候のところが多かったようで残念でしたが、こちらは、皆既食の状態の時には夜のように暗くなるので、普段体験できない神秘体験をなさった方も多いことでしょう。
うらやましい。
日本では、喜界島などで、皆既食が完全に観測できたとのこと。
実は先日、喜界島出身の方の島唄を聴く機会があり、
(次に記事に書く予定)
世紀のビックイベントとして、島をあげて盛り上がっている、ということを聞いていたので、
よかった、よかった。
それにしても、ほんとうにうらやましい。
東京は、重苦しい雨雲が絶えず広がっていて、食が一番大きな時間帯に空を見上げてみても、
日食?何それ?という感じでまったく変化なし。少しは暗くなったり、すずしくなったりしたんだろうか。
でも、おかげで、TVでじっくりと各地の日食の様子を見ることができました。
中でも、NHKでやっていた、硫黄島と、小笠原近海の船上から見た日食の中継がすごかった。
食が始まると、美しいコバルトブルーの海の景色が、徐々に色を失って、古いモノクローム写真のような不思議な情景に変化してゆき、
それと同時にあたりはひんやりとしてきて、周囲からはどんどん雲が湧き上がってくる。
始めのダイヤモンドリングがきらめいて皆既食に入った瞬間、突然、ほんとうに突然、ふっと暗闇が訪れる。
空は真っ暗だが、地平線は、何と、360度見渡す限り、夕焼けのように真っ赤に燃えている。
まるで天空に巨大な幕がかぶせられたかのよう。
あやしい光を放つコロナや紅炎(プロミネンス)。
その周囲には、いつのまにか、今の季節には見えるはずのない冬の星座が出現している。
やがてもう一度ダイヤモンドリングがきらめくと、あたりの風景は、まるで何事もなかったかのように鮮やかな色彩を取り戻してゆく・・・・。
・・・・わかっていても、すごかった。
昔の人は、それこそ、空にいる何者かが、何かやってるとしか思えなかったでしょうね。
わけがわからないですもん。
でも、どちらかというと、曇りや雨の時の方が、インパクトはあったかも。
晴れていれば、なんとなく、太陽に影がさしたのがわかるが、曇りや雨の場合は、いきなり真っ暗になるんだから、これは恐ろしい。
いつ明るくなるか、わからないんだし。
▽ 小笠原近海の中継で大活躍した、豪華客船「ぱしふぃっく びいなす」号。
絶えず晴天域を目指して航行を続け、決定的瞬間の奇跡のように美しい映像を、
曇天の下でしょんぼりのわたしたちに届けてくれた。
先日、7月20日・海の日に、帆船を見に横浜へ行ったら、たまたま大桟橋に停泊していた。
(その時の記事は、「奥の院」に書きました。こちら。)
この後、すぐに出航したようだ。
忍び込んで、乗っていってしまえばよかった。でも海に投げ出されるな、きっと。
結局、自分では何も見ることができなかったので、ヘンデル「サムソン」の、皆既日食アリアというのを聴いてみようと思います。
REIKOさんの、日食とヘンデル他の作曲家について調べたおもしろい記事は、こちら。
* 「サウル」ではなく、「サムソン」のまちがいでした。今回は、「サ」しかあってませんね。失礼しました。
今度、「サウル」を聴こうとしてたので、つい・・・・。
次に、日本で見られる日食、
意外とすぐで、2012年(平成24年)5月。
今度は、大阪、名古屋、東京、大都市縦断の、完全な金環日食。
リングが大きいので、それほど暗くはならないようですが、美しい金の指輪を見ることができそうです。
日蝕メガネ、使えなかった方も、捨てないで、大事にとっておきましょう。
梅雨明けの前後、東京地方は夕焼けが特別に美しかったので、写真を何枚か。
そして、梅雨明け後には、この間に続き、再び虹が。
今回は、めずらしいダブル・レインボー。
わかりにくいですが、よく見ると、外側に副虹が。
それぞれの虹の色の並び注目!!
副虹は、色の並びが鏡にうつしたように逆になるのが、一応撮れています。
この記事へのコメント
でも何で「カラス」ウリなのか・・・実が黒いのかな?と思って調べたら、実は朱色だそうですね。
(黒なのかと思ってました)
日食は厚い曇り空だったので、早々にテレビ観測?を決め込みました。
もし晴れていたら、生の「部分日食」と、テレビの「皆既日食」、どちらを優先するかで迷ったかも!?
硫黄島と太平洋上の船からの中継は、綺麗でしたよね!
黒い太陽よりもむしろ、水平線の淡いオレンジ色と、シルエットになった雲が、神秘的ですごいと思いました。
3年後の金環食は、今から楽しみにしています。
晴れますように・・・(^ ^;)
カラスウリ、普通のウリと同じく実は青いのですが、やがて真っ赤になります。(関係ないですが、ゴーヤも同じです)
黒かったら、ほとんどナスですね。(笑)
わたしは、カラスが食べるからかな、と思ってたんですが、調べて見たら、
中国の朱墨→唐の朱→カラシュ→カラス
という説があるみたいですね。
日食のページ、おもしろかったので、勝手にリンクしてしまいました。
いつも、おことわりもせず、すみません。
(ついでに、新しい記事でも)
日食、わたしもあっさりあきらめてしまいましたが、根性ある人たちはずっと空を見続けていて、東京でも、一瞬太陽が見える時があったそうです。
しかも、雲の向こうに透けて見えたので、くっきりと肉眼で三日月形が見えたらしい。(写真をブログにアップなさってる方もけっこういる)
ちょっとくやしい・・・・。