「もうすぐ夏休みも終わり」特集~小川の流れる映画・ディズニーアニメ編、その他

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 「小川の流れる映画」コーナーで、バッハの音楽を使用している映画をコレクションしていますが、

 わたしにとって最も大切な「小川の流れる映画」について、これまでほとんど触れていなかったので、
 今さら何か書くのも憚られますが、一応タイトルだけあげておくことにします。

 学校の夏休みもそろそろ終わりですが、せっかくなので、今回は、ディズニー・アニメ等の特集、ということで。
 


 ファンタジア

      1940年、ディズニー映画


▽ ディズニー・ギャラリーの「魔法使いと弟子」のフィギュア
  下は、貴重なラフスケッチのパラパラまんが

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 もう今さら、何も書くことが無い、
 これまで、何度、くりかえし観たことか。
 わたしという人間の最も深い部分に、しっかりと根付いている映画。

 冒頭、すらっとしたストコフスキー(のシルエット)が颯爽と登場して、指揮棒を持たない両手がしなやかに動き出した瞬間、そこからあふれ出す音と光。
 それらの音と映像は、どんどんふくらんでいき、やがて洪水のようになって、観ている者を包み込む。

 そして、それは、「魔法使いの弟子」に扮したミッキーが、洪水の海の怒涛と、大空を駆け巡る数限りない流星たちを、自由自在に「指揮」する、あのあまりにも有名な大クライマックスへと連なります。
 

 初めて観た時、子ども心に、「ああ、これがクラシック音楽というものか」と思いました。
 それ以来、ずっと長い間、その時に心に焼き付けられた「音楽」を、求め続けているような気がする。


 バッハの音楽は、言うまでもなく、冒頭に演奏される、ストコフスキーお得意の、トッカータとフーガ・オーケストラ版。


 * つけたし

 バッハのオーケストラ編曲などというと、今では、いきなり眉をひそめる方もいらっしゃるかもしれませんが、ストコフスキーがバッハの普及に果たした役割、彼のバッハに対する愛情の大きさは、計り知れないと思います。
 garjyuさんが、ちょうど、ストコフスキーのバッハについて、記事をお書きになってらっしゃいます。

 こちら

 ストコフスキーは生涯にわたってバッハを演奏し続けたので、当然映画のものとはちがう演奏でしょうけれど、
 garjyuさんがおっしゃるように、「虚心坦懐」に聴きなおしてみたらいかがでしょう。
 ちなみにわたしは、ストコフスキーの意志を継いだ、オーマンディ&フィラデルフィアの演奏も、大好きでした。



 ところで、この映画、最後は、アヴェ・マリアの厳かな祈りでしめくくられますが、
 このアヴェ・マリア、日本版では、「バッハのアヴェ・マリア」となっていたような気がします。
 (残念ながら)もちろんこれはシューベルト。


 (結局、書いてる・・・・)



 次の映画は、「小川が流れる映画」かどうか、未確認ですが。


 海底2万マイル

      1954年、ディズニー映画 


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 この前ディズニーシーに行った時、メンテナンス休みを終えて新装なったアトラクション、「海底2万マイル」に、早速乗ってみようと並んでいたところ、やたらバッハのオルガン曲がかかっていた。

 そう言えば、映画にもネモ船長がオルガンを弾くシーンが何度か出てくるのだが、となると、バッハである可能性はたいへん高いことになる。
 ビデオを持っていたはずなのだが、ちょっと見当たらず、確認できませんが、とりあえずメモがわりに書いておきます。
 万が一ご存じの方がいらっしゃったら、教えてください。


 * つけたし

 コメントでレイネさんが、映画の中でネモ船長が弾いていたのは、トッカータとフーガ ニ短調 BWV565だったと教えてくださいました。
 ありがとうございます。



 光も何も届かない、暗黒の深海をゆく悲しい潜水艦の中で、
 ただ、一人バッハを弾き続ける、深海の墓守、ネモ船長・・・・。(涙)

 「2001年宇宙の旅」にも、暗黒の宇宙の彼方に向けて、果てしない孤独な旅を続けながら、バッハの音楽に耳を傾ける、という場面があるが、(小説のみ。映画の方は、はっきりとバッハは出てこない)
 そのようなこの世の最果てのようなところに、バッハの音楽はとてもよく似合う。

 「海底2万マイル」、ヴェルヌの原作も、わたしの心の最奥に根付いている作品です。
 原作には、しっかり、バッハ登場。


 * つけたし

 その他、ネモ船長が活躍する映画としては、「リーグ・オブ・レジェンド」(2003年)というのがあった。
 狼男や吸血鬼、透明人間、トム・ソーヤーにジキル&ハイドさんなどなど、伝説上、物語上の超人?たちが協力して、世界の危機を救う、という、ショーン・コネリー主演?の半おばか映画だったが、
 ここでのネモ船長、他の超人たちに比べると、完全に生身のただのインド人なのに、ほとんど一人で働かされていた。
 冷静にストーリーをふりかえると、結局、これだけのメンバーが雁首そろえて、ネモ船長(というか巨大最新鋭ノーチラス号)の存在なしでは何ひとつできなかった、ということになってしまうが、制作サイドとしては、それでいいのか?
 もっとも、狼男やトム・ソーヤが、国際的テロ組織と戦うのにどれほど役に立つかは、端から疑問だったが。
 ただ、この映画の中では誰もがうっかり忘れているけれど、ネモ船長も、もともと凶悪なテロリスト。
 ネモ船長自身を、こんなに恐ろしい強力潜水艦を持たせたまま、野放しにしておく方が、危険な気もする。

 まあ、それはおいといて、
 というわけで、舞台のほとんどはノーチラス号艦内なので、ネモ船長、当然お得意のオルガンの一つくらい、弾いていたと思われるが、これについても、忘れた。未確認。



 以下、バッハとは関係ないですが、最近観たディズニー映画から。



 ティンカー・ベル

      2008年、ディズニー映画(オリジナルDVD)
      
 
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 ティンカーベルへの思いについては、これまでも何度か書いてきました
 ティンクが主人公の映画ができる、と聴いて、ずっと前から期待してたのですが、コマーシャル・フィルムで観た、あからさまにCGっぽい絵に違和感を感じて、がっくり。
 どうしようかと思いましたが、やはりティンク・ファンとしては観ておかねば、ということで、一応観てみました。


 新入り妖精ティンクが、失敗をくりかえしながらも成長してゆき、最後には世界に春をもたらす、というのがあらすじですが、
 妖精たちが、世界に季節の移ろいをもたらしてゆく、という点で、完全に上記「ファンタジア」の中の「花のワルツ」へのオマージュ、というか、最新CD技術世代のウォルトへの挑戦、というべき作品です。
 最近のディズニー映画では、ちょっとめずらしいくらい、ものすごく気合いが入っている。
(「花のワルツ」では、もともとクリスマスの音楽であることを意識してか、夏から、秋、そして冬への移ろいを描いています)
 
 ただ、CGの絵は、やはりどうしても抵抗がある。 
 直接比べてしまうと、超一流の絵画と単なる美しいデジタル写真、というか、次元の差、本物とにせものの差がくっきりと浮き彫りになってしまう。
 だけど、これは比べる方がおかしいのかもしれず、
 実際に観てみると、CG風な絵も、慣れてくればそれほど気にならず、むしろ美しくてうっとりするようなところもある。

 作品自体、あの「楽園とペリ」の世界を思い起こさせる、よくできたファンタジーで、なかなか楽しめました。
 ティンクが、妖精の国では、製造業に従事している技術系で、妖精の国に、初めてオートメーションをもたらした、という意外な過去も知ることができた。

 何よりも、あのアホピーターの小憎らしい顔を見なくてすむのがいい。
 「永遠の少年」だか何だか知りませんが、それを笠に着てやりたい放題のピーターのせいで、ティンクが苦労するのを見るのはつらいから。
 あからさまにそっくりなやつが、思わせぶりに出てくるけど。
 あと、ティンクが心をこめてやりとげた最初の仕事が、「生涯の宿敵」、ウェンディのためだった、というのも、ちょっと複雑・・・・。
 今後続編がつくられるようだが、(全4部作予定)だんだん、ピーターの影が大きくなっていくんだろうな。

 ところで、この映画、歌はそれほどないのですが、始めっから終わりまで、絶えず音楽が流れています。登場人物や場面に応じて、ライトモチーフみたいのがあるみたいで、 実に効果的。まるで、よくできたバレエのよう。
 この点からも、気合の入りようがわかる。



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ウォーリー WALL・E

      2008年、ディズニー映画(ピクサー作品)


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 まさか、「2001年宇宙の旅」のオマージュ、というか、完全なパロディだったとは・・・・!
 「美しく青きドナウ」や、「ツァラトゥストラ」までかかるし。
 「ツァラトゥストラ」をバックに、ここでは、猿でなく、メタボ船長が立ち上がります。
 文字通り、ただ立ち上がるだけなのに、感動的。なぜかは、映画をご覧ください。
 HALそっくりの赤目のコンピューターが登場しますが、ここでは単に、「オート」(自動操縦士)と呼ばれている。
 この映画では、HALは、力強い?不死身の地球の友人(=ゴキブリorバッタorエビ??)の名前になっているようです。
 「2001年」のHALは、恐ろしいコンピュターですが、まあ、ちょっと憎めない、かわいそうな存在なので、このように設定した気持ちはわかる。

 映画の内容ですが、おもいっきりかぶってる割に、「2001年」に比べ、この映画は、ものすごく楽観的。
 ここでの人類は、圧倒的に能天気で力強い。
 ウォーリーが、地球にたった一人取り残され、コツコツ働いている冒頭シーンこそ、あまりにも悲しくて涙を誘いますが、最後はもちろん、ハッピーエンド。
 一時は、こんな悲しい結末あり?とドキドキする瞬間もありましたが、だいじょうぶでした。

 ウォーリーとイヴが、宇宙でダンスするシーンは、音楽も含め、最高。
 ハープのような、シタールのような不思議な音色で、何の楽器だろう、と思ったのですが、
 この映画のサントラには、ヴァリハというマダガスカルの民族楽器が使用されている、とのことで、もしかしたらこれがそうかもしれない。
 いずれにしても、これは歴史に残る名シーンだと思う。

 あと、ウォーリーが宝物を集めて作り上げた、地球の隠れ家が、電飾もきらめいて、夢のように美しい。
 (ウォーリーは、意識を失ったイヴを、この電飾で飾ってあげるのだ)



 ハリスと未来泥棒

      2007年、ディズニー映画


 わたし好みのタイムトラベルもの。
 ストーリーは単純で、結末も見え見えだけど、なかなか楽しめました。

 フック船長そっくりの悪役が出てきます。
 ウォルトには完全に欠落していた、フック船長的「悲しい悪役」への愛が、この作品ではひしひしと感じられて、うれしかった。
 それにしても、グーブ、始めから、目の下が黒くて、何だか怪しいと思ってましたが、(単なる寝不足か?)
 悲しすぎるぞ。



 ついでに、もちろん邦画も何本か観てますが、最も印象に残ってるのは、これ。



 「パコと魔法の絵本」

      2008年、中島哲也監督作品

 
 もとになった舞台の、MIDSUMMER CAROL というタイトルが、ぴったりの映画。
 ついに背景がフルCGになってしまった。楽しー。

 わたしは、何を隠そう、映画「嫌われ松子の一生」が大好きなのですが、
 あの映画から、ダークな部分、きたない部分をすべて取り去ったかのような映画。
 そういう意味で、お子様には特におすすめ。

 だけど、ラストは反則でしょう。あんまりだ。
 まさか、そんなことはないだろうな、と、途中からどきどきしてたのですが、何のためらいもなくやってしまうとは。号泣。

 底抜けに楽しく、悲しい映画。


 それにしても、去年の夏休みにご紹介した、「サマータイムマシーン・ブルース」もそうでしたが、舞台の映画化というのはおもしろいのが多い。
 群集劇だから、キャラがしっかりしていれば、それだけおもしろくなるんだろうけど。
 演劇、ほとんど観たことないですが、原作の舞台も、きっとおもしろいんだろうな。



 その他、今、日本では、(世界でも?)映画を始めから前・後編、パート3くらいに分けて公開することが多くなっていて、DVDやTVと連動して、宣伝を大々的にしてうまくつなぎながら、少しでも動員やレンタルを増やしていこうということのようですが、
 わたしも見事に術中にはまり、これまで、「三丁目の夕日」「デス・ノート」など、立て続けにTVやレンタルで観てしまいました。

 最近も、「20世紀少年」「レッド・クリフ」「チーム・バチスタの栄光」など、レンタルで観ましたが、これらについては、前編(パート1)を観た直後は、ものすごく続きが見たくて、場合によっては劇場まで行ってしまおうか、とも思うのですが、そのうちにどうでもよくなってきて、まあ、レンタルが開始されて、気が向いたら観るか、というような感じになってしまう。

 何となく、映画というより、TV的な気軽な感じ。
 そう言えば、TVドラマと連動している映画も、やたら多い。
 今はたいていの映画にTV局がからんでるんだから、あたりまえか。

 でも、「レッドクリフ」くらいは観ようと思ってます。(現在完結編DVDがリリースされたところ)
 最近の三国志は、「史実」に基づいて、孔明が妖しい活躍をしないものが多いので、こういのを、待ってたのだ。
 金城さんの孔明もなかなかよい感じ。



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 * 写真はすべて、これまでディズニーリゾート周辺で撮ったものです。



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カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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この記事へのコメント

2009年08月27日 07:10
ディズニーの「海底2万里」では、たしかにネモ船長がバッハの「トッカータとフーガニ短調」をパイプオルガンで弾いてます。
6,7年前、次男が、この映画を見てからこの曲のかっこよさにハマって大好きになり、パイプオルガンを弾きたい!と言い出しました。音楽学校の1日ワークショップに参加して、当時習っていたバッハの「ブレー」かなんかをパイプオルガンで弾いて、満足だったようです。
わたしは、ネッド役の若きカーク・ダグラスのかっこよさにびっくりしました。息子マイケルに似てるけど、もっとずっとスタイルがいいので。
ジュール・ヴェルヌ好きなんですが、この映画よくできてますよね。苦悩するネモ船長って、「ポニョ」のお父さんのモデルにきっとなってる、と思います。
2009年08月28日 01:18
 レイネさん、さっそく教えてくださってありがとうございます。
 「トッカータとフーガ」でしたか。いいかげんなこと書いてたらどうしようと思ってたので、助かりました。
 個人的には、オルガンコラールでも弾いてたらしぶいのにな、と思ったりしましたが、やはり、「トッカータとフーガ」がかっこよくてぴったりですよね。
 それにしても、潜水艦にパイプオルガンをつけてしまうという発想はすごいと思います。悪役がオルガンを弾いてるシーン、なぜかけっこうあるような気がしますが、これが元祖かもしれません。

 オルガンでブーレですか、いいですね。
 もう半世紀以上前の映画なのに、息子さんがそのように影響を受けたりしているという話を聞くと、感動してしまいます。

> 「ポニョ」のお父さん

 それはおもしろそうですね。「ポニョ」、観なければ、と思いつつまだ観ていないので、気をつけて観てみることにします。
2009年08月28日 10:54
ご無沙汰しております。ようやく、体調も戻ってまいりましたので、ブログもぼちぼち更新始めました。
ストコフスキーの「トッカータとフーガ」の入ったアルバムについて書いたのでTBさせていただけますれば。
2009年08月28日 21:28
 garjyuさん、こんにちは。

> ようやく、体調も戻ってまいりました

 よかったですね。これからも楽しみに読ませていただきますので、よろしくお願いいたします。

 トラックバック、ありがとうございます。
 ストコフスキーは、わたしも大好きです。
 本文も追加して、文中からもリンクさせていただきましたが、ご了承ください。
かげっち
2009年08月31日 11:57
お久しぶりです。
「ファンタジア」後輩の女の子(弦楽器)を誘って映画館に行った憶えがあります。子守り役にも使った憶えがあります。好きな映画と言われるとあげたりしないかもしれませんが、人生にとっては比重の大きな映画です。
でもいま聞くとストコフスキーの演奏は時代を感じさせますね。
2009年09月03日 13:12
 かげっちさん、こんにちは。
 ふつうのストーリーのある映画でないので、クラシック好きでないと、デートには使えないかもしれません。(笑)

 ストコフスキー、バッハだとさすがに先入観があって、抵抗のある方が多いかもしれませんね。
 でも、くるみ割り人形や禿山の一夜など、すばらしいと思います。音楽だけ最新録音を使った版もあるはずですが、さすがに音質による迫力ではひけをとるものの、古い版もまったく負けていないような気がしました。

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