ショパンとカンティガの意外な関係?ゼスポール・ポルスキ~続・LFJレポート【復活節後6】

 昇天節の記事ですでにお知らせしましたが、もう一度お知らせしておきます。

 今度の日曜日(5月16日)は、復活節後第6日曜日。

 1年目、BWV37に続く最後の定型カンタータ、
 真摯極まりない各楽章を、「インスブルック」の有名なメロディのコラールが締めくくる、BWV44
 2年目、ツィーグラー・シリーズ、
 ヴィオロンチェロ・ピッコロが登場するほか、4本のオーボエの活躍がめずらしい、BWV183
 以上の2曲です。



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 先週に続いて、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(LFJ)で観た、無料ライブをもうひとつご紹介。



 ゼスポール・ポルスキ(正しくは「ゼスプウ・ポルスキ」と発音するらしい)



 5月4日、地下のヴァレ・ノワール広場でのライブと、そのあとの地上広場のミュージックキオスクでのライブ、(今シーズンのキオスクでの最終ライブ)2回を聴きました。
 以下、写真は2つの公演のものがまぜこぜになってます。

 * ヴァレ・ノワール広場内は基本的に撮影NGのようでしたが、ポルスキのライブは撮影OKのようで、
   特に、「フラッシュはたかないようにお願いします」とのアナウンスもあったため、撮影しました。



 グループ名は、チーム・ポーランドといった意味みたい。
 歴史の中で埋もれていった、ポーランドの伝統的な民俗音楽を当時の楽器で復元、というコンセプトで結成されたとのことだが、精力的な活動の中で、結構斬新なこともやっているようだ。

 東欧の民族音楽集団としては、
 やはり、ラ・フォル・ジュルネで出会った、こちらは正に、現代に生きる伝統音楽の体現者、バリバリのロマ・バンド、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスが思い浮かびますが、(記事は、こちらこちら
 このゼスポール・ポルスキは、もっと現代風に洗練されていて、スタイリッシュ、
 タラフが本能的なのに対して、とても理知的な感じがします。



 いろんな楽器が登場しましたが、名前はよくわかりません。
 一応あとで検索してでてきた、それらしいポーランド語名も載せておきますが。正確性に自信はなし。


まん中の女性が演奏しているのは、ポーランド風フィドル(fidel Plocka)。
右のべん髪風のお兄さんは、この写真ではバグパイプを吹いている。
謎なのが、左の女性。何もせずにずっと腕組みしたまま座っていた。たまに歌っていたようだが。

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左の写真は、普通の笛とVn?
右写真、左の弦楽器は「basy dlubane」、または「bas」、つまりベース?
右の巨大タンバリンは、「bebenek」という名のドラムらしい。

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 以上、7人のメンバー構成のバンド。


毎度おなじみ、ハーディガーディー(lira korbowa)とツィンバロン(cymbaly)
このべん髪が見事なお兄さん、バグパイプを吹いてた人ですが、いろんな楽器をめまぐるしく持ち替えて熱演。

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さらには、リコーダー風の笛も。

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この方は、ベースの方だが、こちらは別の系統の笛、ショーム系かな?
この人、右写真ではなんとホーミーをやっている!
たくさんの楽器の音色が重なり演奏が熱を帯びる中、急にウーウェ~エ~と、謎の低音の歌声らしきものが聞こえ、なんだなんだと思っていると、こんどはピイィ~イ~、ヒュルル~~と口笛のごとき高音が。
これはもしやモンゴルのホーミー(喉歌)ではないか。
モンゴルみたいに、同時には音がしなかった気がするが、確かに2種類の音がした。

ポーランドにもこの唱法があるのか?

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 喉歌の人、口琴も演奏していました。
 このグループのメンバー、ものすごい民族音楽&楽器マニア?



 後で知ったのですが、ゼスポール・ポルスキは「5大陸のショパン」というCDを出していて、ショパンの名曲をいろんな国の音楽風にアレンジしたものを収録しているのだそうです。
 その中の、「シベリアのショパン」で、トゥヴァ共和国(ロシア連邦の一つ)の喉歌、フーメイ(ホーメイ)を使っているのだとか。もしかして、その曲だったのだろうか。


 余談だが、動画でトゥヴァのフーメイを視聴してみたら、すさまじかった。
 喉歌はモンゴルのホーミーしか聞いたことがなかったのだが、ああいう悠久の大地を感じさせるようなゆったりしたものではなくて、こちらの「フーメイ」は、基本的に早いテンポで楽しそうに歌う。
 フーメイ大会みたいなところで、小さなお子さんが渋い低音を出していたり、大人数で大迫力のフーメイ合唱をくりひろげていたり。

 びっくりした。世界は広い。
 このポルスキの人のは、またちょっと違う。

 

 音楽は、基本的に、東欧風な(部分的にはイスラム調な)哀愁を帯びつつも、心躍るような楽しい舞曲が中心。
 極めてシンプルながら、さまざまな楽器やコーラスのおもしろさ、演奏の勢いで一気に聴かせる。



 笛やフィドル、バグパイプにハーディーガーディー、そして演奏するのが、ちょっとアラビア~ンでシンプルな舞曲・・・・、

 こうしてあらためて見てみると、中世の古楽、トラバドゥールや、カンティガを始めとするさまざまな巡礼歌などをやっているグループ(例えばこちら)と、かなり重なる部分が多い、というか、限りなくいっしょ。

 このゼスポール・ポルスキというグループが、実際にはどれだけポーランドの伝統音楽を体現しているのか、
 さらには、ショパンが、実際にはどれだけポーランドの民族音楽から影響を受けたのか、
 わたしにはよくわからないが、
 ただ、
 「クラシック音楽」が生まれる以前の、ヨーロッパ本来の伝統音楽が、東欧の民族音楽などに色濃くその痕跡を残していることは、ほぼまちがいないことなので、

 もっとも洗練された「クラシック音楽」というイメージのあるショパンのピアノ曲は、実は、カンティガやトラバドゥールなどの中世音楽に、その直系として密接に結びついている・・・・

 ううーん、今回もちょっとムリがあるかな。ショパンの音楽、それほど知らないし・・・・。



 さて、音楽がひとしきり盛り上がったところで、突然、あでやかなカップル登場。


 気品に満ちた王様と王女様?

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 今度は青春まっただ中な感じの村娘と青年風カップル(たぶんダンサーはさっきと同じ人たち)

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 荒技連発!

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 地上広場ではあまりスペースがないので、ダンスはダイジェスト版。


 待機している時間も長い。
 その間、キオスクの舞台の上に腰掛けて、何やら小芝居?をしていた。
(楽団は、舞台前の地面に椅子に置いて演奏)
 演技なのか、疲れてたのか、思いっきり気だるい雰囲気に笑ってしまった。

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 写真には撮れなかったけれど、荒技部分もしっかりありました。
 柱があったり、機材など障害物が置かれたりして狭い上に、演奏者や客など、人がごちゃごちゃしている中で、あまりに豪快に踊るので、ハラハラしてしまった。

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 ポーランドでは、フォークロア・ダンスが盛んで、非常に多彩な種類のダンスがあるらしい。
 その一部でも見ることができて楽しかった。



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