沖縄の風を感じた2つのライブ+久蔵の屏風ほか~6月のアルバム【マリアの訪問の祝日、三位一体節後第5】

 7月2日(金)は、カンタータファンおまちかね、マリアのエリザベト訪問の祝日。


 カンタータは、おなじみ、ヴァイマール時代に初稿が手がけられ、ライプツィ初年度に完成・初演された、BWV147
 コラールカンタータ(第2年巻)の大傑作、ドイツ語マニフィカト、BWV10

 の2曲。


 過去記事は↓

 <マリアのエリサベト訪問の祝日>

    マリアとバッハ~はじめて聴くカンタータ
    アドヴェント・クランツのともしび(BWV36、61、62)
    クリスマスとバッハその2・風の中のマリア(BWV147、10)
    対位法とバッハ・その1?
    お気に入りのアリア5・ロマン風マリア(BWV10)



 さらに、今度の日曜日、7月4日は、三位一体節後第5日曜日。


 カンタータは、

 第1年巻の劇的なBWV88
 これまたコラールカンタータ(第2年巻)の大傑作、BWV93

 の2曲です。


 過去記事は↓

 <三位一体節後第5日曜>

    源流への旅11 古すぎて斬新!トロープスレチタティーボ(BWV93他)



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今日は、恒例、6月のアルバム



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 6月12日(土)


 日本の美術運動展 @板橋区立美術館


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 「素通りしないで!」でおなじみ、板橋区立美術館所蔵の現代日本美術の特集展。
 

 このあたりは、猫だらけ。

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 6月13日(日)



 6月の東京国立博物館


 常設展で、早逝した等伯の長男、長谷川久蔵の屏風絵が展示されているというので、行って見た。
 気をつけてHPを見ていると、めまぐるしく展示品が変わっているのがわかる。年間パスを買ってほんとによかった。


 大原御行図屏風

 平家物語の終盤、大原の庵で、平家一門の菩提を弔っている建礼門院を、後白河法皇が訪ねる場面。

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 左右の端、特に向かって右端部分には、人気のまったく無い大原の自然が丹念に描かれていて、得意技のスタンプ桜をはじめ、藤や菖蒲などの春の花々が、あまりの美しさゆえに、却って絵の主題にも通じる静謐さ、はかなさを感じさせ、見事!(左)
 ・・・・と思いきや、かんじんの中央の人物たちを見ると、丁寧に描きこまれてはいるものの、なぜかみんな同じ顔で、しかも、笑っている。(右)
 あの桜図では、あの等伯さえも圧倒した久蔵だが、まだ修行中か。
 ただ、いろいろな意味で、久蔵がただものではないことを、十分に感じさせる作品ではある?

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 そのほか、特集陳列として、

 平成21年度新収品、
 中国磁州窪の枕、
 日本を歩く(東海編)、
 など。

 そのほか、考古学の部屋では、はにわが大量陳列されていた。


 中国磁州窪枕

 固くないのか?はじめの方にのせたネコの方が、寝心地よさそう?

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 はにわ

 なんだかステキなカップル。
 右の男性は、楽器を弾いている。

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 タイ文化フェスティバル @ 上野公園噴水広場

 
 民族楽器のブース。

 こちらにも書いた、おなじみツィンバロンの親戚、キムらしきものが見える。
 二胡か缶カラ三線みたいなのは、何と言うんだろう。

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 フルーツ(左)、石鹸(右)のカービング。細か~い。見事!

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 屋台もたくさん。

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 左写真のタイ風腸詰がおいしかった。
 甘酸っぱいカレー風味の春雨がぎっしり詰まっている。

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 さて、以下、いよいよ本題。



 6月19日(土)


 登川誠仁さんのライブ。

 登川誠仁民謡ショー ~セイ小の島唄とゆんたく~

    @ 大田区民ホール・アプリコ 大ホール


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 あまりにも芸達者で、映画「ナビィの恋」での世界一ハードボイルドなおじい役や、民謡においても唄そのものよりジミヘンばりの三線早弾きなどの印象が強かったセイ小(せいぐゎ)さんですが、今や誰もが認める島唄界の最長老。
 お元気なうちにしっかりと見ておきたいと思い、行ってまいりました。

 1500人は入ろうかという大ホールをほとんど満員にして、愛弟子の仲宗根創(なかそね・はじめ)君ほか、門下生をずらっと従えての堂々たるステージ。
 強弱、緩急変幻自在、即興的なフレーズやリズムが次々と飛び出す三線は、やはり圧巻で、門下生の方の三線ともども、これまで聴いてきたものとは次元がちがうのがわかる。
 そもそも、梢をわたる風のような小さな音から、大気を切り裂くような大きな音まで、音そのものが美しい。
 チューニングしているだけで、もう音楽になっている。

 愛弟子のはじめ君との三線のかけあいがすばらしかった。
 はじめ君が、きちっと揺るぎない演奏をするのをバックにして、セイ小さんが、リズムや音程を微妙にずらしたり、場合によっては突拍子もない音を出したりして、自由奔放な即興をくりひろげる。
 ある意味、ジャズ的、現代音楽的。こんなのは初めて聴いた。
 これは、この二人だけの音楽かもしれない。

 特に、富原ナークニー&はんた原でのかけあいがすごかった。
 誠仁さんは、かつて、嘉手刈林昌と、これをやったのだ。

 あと、唖然としたのが、あまりにも自然体なステージ上の態度。
 とても、1500人を前にしているとは思えず、ウチナー口、標準語混ぜこぜで、常にお弟子さんや観客に何か話しかけて、ウロウロ歩き回り、曲目や担当楽器も気分で変えてゆく。
 まるで、民謡酒場、というか、自宅でくつろいでいるみたい。
 ラスト数曲は唄も三線も弟子にまかせ、自身は太鼓しかたたかず、
 最後の曲にいたっては、(当然カチャーシーになるわけだが)なんと、カチャーシーの渦の真ん中で踊ってるだけで、結局まったく演奏に参加しなかった。
 こんなことって・・・・。いったい誰のライブなんだか(笑)

 いずれにしても、お元気そうで、当分はまったく心配なさそうだということがわかった。
 セイ小さんのあだ名どおり、ほんとうに小さくて、遠くから見るとまるで、機械人形みたいでかわいいのだが、(失礼)
 その小さな体のどこに、こんなパワーがあるのだろう、と感心してしまった。
(ご本人も、しばらくはしっかりと息をすることを忘れないようにします、とおっしゃっていた)


▽ アプリコ大ホールのオブジェ椅子

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 6月28日(月)


 麻乃 ディナーライブ

    @ スペースシャワーTV ザ・ダイナー(渋谷)


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 伊禮麻乃、あらため、「麻乃」さんになりました。

 新宿で開催されるオリオンビアフェストインイセタンで、毎年東京に来てくださっていた伊禮麻乃さん、
 その歌声に魅了されて以来、毎年楽しみにして、記事にも書いてきたのですが、昨年は出演されていなかった。
 バンクーバー冬季五輪の際には、例の日清オイリオ五輪応援ソング、「ビューティフル・エナジー」はTVで流れまくっていたものの、さほど話題にはならず、
 風のウワサに、本人をとりまく音楽環境が変わり(事務所をかわった?)、CDが廃盤となり、名前ももとの「麻乃」さんに戻したらしい、というようなことを聞き、ちょっと心配していました。

 そんな麻乃さんが、渋谷のライブ・スポットで、単独ライブをやる、というニュースを聞き、行ってまいりました。

 はじめ、あたかも、お客さんがいきなり舞台に上がってしまったかのような状態で、三線を手に、たった一人心細そうにあたりをきょろきょろ見回していた麻乃さん。
 ただ食事をしているだけのお客さんも多いので、ちょっととまどっていたようですが、
 ひとたび三線をつまびき、歌い始めるや、ハイトーン・ヴォイスが炸裂。

 あのまぶしいくらいに明るく、しかも透きとおった声は健在、というか、ますます磨きがかかったようで、
 その場を圧倒。

 明るくさわやかな曲調の「イジュの花 」で始まり、
 最近チャレンジしているという電子ピアノ弾き語りの、しっとりとした「kiseki」をはさみ、
 本人の三線伴奏だけの堂々たる沖縄民謡メドレー。
 そして元気いっぱいの「デリシャスオアシス」で、フィナーレ。
(「最後の曲、聴いてください、「ビューティフル・エナジー」!」と言いながら、力強く「デリシャスオアシス」を歌いだしたので、一瞬ズコッとなった)
 ♪どどんこ、どどんこ、デリオ~~ス♪(実は、どんどん行こ、どんどん行こ、と歌ってる)
 この曲、太鼓の乱れ打ちみたいな元気で楽しいフレーズが耳に残って、あとで必ず口ずさんでしまう。
 でもデリオスって何だろ。デレリオス、も出てくる。

 「梅雨が明けた沖縄から、さわやかな風を届けにきました。」とおっしゃったとおり、20分ほどの短い時間でしたが、沖縄気分を満喫することができました。

 元気そうで、一安心。これからもがんばってください。 


 麻乃さんのスケジュールは、こちらの公式サイトで。


▽ ライブ会場の、渋谷、スペースシャワーTV ザ・ダイナー。(渋谷プライム5F)

 ここは、ビュッフェスタイルのレストラン+イベント・スペースで、
 制限時間内であれば、この日のようにライブ等のイベントを自由に見ることができる。
 ワールドカップ等の大きなスポーツの試合がある時は、スポーツ・バーみたいにもなる。

 わたしたちは、2時間のディナー・コースにした。
 麻乃さんのライブは、7時から計3回予定されてたのですが、
 混んでいたらどうしようと思って、早々と6時くらいに行ってしまったので、(月曜日だったし、広い客席はそんなに混んでいるはずもなく)
 結局、ライブは最初の1回目しか見られなかった。残念。

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 現在、サッカーワールドカップ、日本の決勝トーナメント緒戦、パラグアイ戦をTV観戦しながら、書いてます。
 このお店も、ちょうど今頃は、昨日とまったく異なる雰囲気で盛り上がっていることでしょう。

 がんばれ、日本!



 6月の神田神社は、夏越大祓


 屋上庭園の様子。


 アガパンサス

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 6月の植物園&グルメ記事は、5月分と合わせて、こちら



そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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この記事へのコメント

ANNA
2010年07月02日 10:32
Noraさん、こんにちは。

BWV10「わが心は 主をあがめ」、大好きなんです。
そして、とりわけ第2曲のソプラノ・アリアは 聴くたびに 心が震えます。

Noraさんが、このアリアの印象を「運命のすべてを受け入れて風の中に毅然として立っているような感じ」と表現されていますけれども、ほんとうに!ほんとうに!そういう感じですよね。強い意志を感じます。

このアリア、私は 心が揺れるとき、心を強く持っていたいときに よく聴いているような気がします。なんだかこのところよく聴いているのですよね。今がそういう時期なのかな(笑)。私にとって心の「お守り」のような大切なアリアなんです。

私は、この曲を ヘルムート・リリング/シュトゥットガルト・バッハ・コレギウムの録音で聴いています。


2010年07月04日 13:31
 ANNAさん、こんにちは。
 過去記事を丁寧に読んで、コメントをくださり、たいへんうれしく思います。
 この頃は、さすがにあまり書くことがなくなり、カンタータの記事がほとんど無くて、申し訳無く思ってます。

 BWV10のこのアリア、心にしみますよね。
 このアリアのオブリガート、一気に駆け上がって、ゆっくりと降りてくる音型は、バッハがここぞという時に使う勝負音型なのですが、この曲の場合は、特別効果的だと思います。
 このアリアの他にも、シュープラー・コラール集に収録されたコラールなど、BWV10は、ほんとうに名曲ですね。

 せっかくなので、今年は、わたしもリリング盤を聴いてみました。
 オケの演奏もまっすぐだし、何よりもオジェーの歌が心にしみて、わたしも大好きです。

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