ちょこっと千葉まで・全天周映像「HAYABUSA」+若冲アナザーワールド~6月のアルバム・つけたし

 FIFAワールドカップ南アフリカ大会、日本の決勝トーナメント初戦・パラグアイ戦、

 結果は残念でしたが、延長時間いっぱいまで一瞬たりとも気をぬくことなく戦い続けたすばらしい試合。
 日本代表の皆さんには心から拍手を送りたいと思います。 


 6月、このサッカー・ワールドカップの日本代表の善戦とともに、日本中をわかせ、大きな夢を与えてくれたのが、

 小惑星探査機・はやぶさの帰還でした。

 以前、記事を書いて以来、NECのメールニュース等を読んで、はやぶさの動向については絶えず気にしてきましたが、
 さまざまな絶望的な状況が続く中、まさか、任務を完遂し、ほんとうに還ってくるとは・・・・!

 はやぶさのミッションの意味を広く知らしめ、それを応援するために作成され、各地で上映されていたプラネタリウム用CG大型映像、「HAYABUSA-BACK TO THE EARTH」の上映も、そろそろ終了間際ということだったので、はやぶさ帰還記念に観てまいりました。



 プラネタリウム用CG大型映像(全天周映像)

  「HAYABUSA-BACK TO THE EARTH」

    @ 千葉市科学館・プラネタリウム

    (千葉では、上映期間を大幅に延長し、~7月19日(月・祝)まで)



▽ この時観たのと同じ「完全版」収録のブルーレイ。

 もともと巨大な全天周ドームに映写するための情報量の多い映像のため、ブルーレイがおすすめ。
 星空や地球など夢のように美しい、すばらしいディスクだが、全天周映像をそのまま?収録しているようで、映像の上下がはっきりしないところがあり、また、絶えずくるくるまわっている感じがする。
 それもまた、宇宙っぽい?

画像




 ソファに寝転がって見上げる全天に、美しい宇宙や地球の映像と、それらを舞台にして繰広げられるはやぶさの大冒険物語が映し出され、
(あ、これはもちろん、プラネタリウムで見た時の話です)
 始まった瞬間から、エンドタイトルが終わるまで、涙が流れっぱなし。

 このように、自分も実際の宇宙空間にいるような状況の中で見ると、宇宙空間を、たった一人で、ただひたすら飛び続ける孤独が実感として感じられ、胸に迫ってきました。

 この7年間、わたしが地上でだらだらと暮らしている間、いつでも、どんな時でも、はやぶさは、たった一人、飛び続け、仕事を黙々とこなしてきたのです。

 もう、後半になると、はやぶさに感情移入して、はやぶさの映像に、なんとなく表情みたいなものが見えるようになってきた。


 しかし、一番感動したのは、何と言っても、最後の最後、エンドタイトル。

 この映像作品は、はやぶさの帰還前に作成されたため、はやぶさとの交信が奇跡的に回復し、はやぶさが地球への軌道を再確保したところで、終わっていて、
 その後のはやぶさの帰還シーンについては、あくまでもその時点での想像イメージとして、おまけみたいに、エンドタイトルの背景に流されるのですが・・・・、

 その帰還シーンが、何と、あの6月13日の実際の帰還映像、日本中に流れ、人々の感動を誘ったあのニュース映像と、何から何まで、細部にいたるまで、まったく一緒だったのです!

 これを見た瞬間、はやぶさはほんとうにすべてを成し遂げたんだ、とあらためて感じられ、
 はやぶさ~~っ、と心の中で叫んでしまった。

 実際の帰還前に、このCG映像を観ていた方は、あの現実の帰還映像は相当な衝撃だったのではないでしょうか。



画像




 あのニュースの映像、ほんとうにすごかった。

 天の十字架、南十字星の下、夜の大気を切り裂き、硬質の輝きを放つ美しい火の玉となって、大きな光の尾を引きながら、まっすぐに砂漠の中の目的地を目指す採集カプセル。
 その周囲で、燃え上がってバラバラにくだけながら、なおもカプセルの後を追い、
 やがては、無数の光の粒子となって、やさしくカプセルを包み込むように舞った後、夜の闇に消え去ったはやぶさ。

 はやぶさが、文字通り流星となって、空に散った瞬間です。


 宇宙開発関係の映像はたくさん見てきましたが、こんなにも美しく感動的な光景は見たことがありません。

 これまでの7年間、総飛行距離60億キロに及ぶ、苦難の旅、奇跡の旅のすべてを集約するような一瞬でした。

 ただ、地上から見る分には美しかったかもしれませんが、
 実際には、凄惨極まりない情景だったことでしょう。

 せめてもの救いは、この時もうすでに、はやぶさに、「意識」が無かったであろう、ということ。

 その何よりの証拠が、あのはやぶさが地球に送ってきた最後の映像なのではないでしょうか。

 はやぶさは、大気圏突入寸前、満身創痍の身にもかかわらず、地上からの最後の指示にしっかりと答え、その目(カメラ)をまっすぐに地球に向けましたが、
 その映像は、美しい地球の姿を確かに写し出しているものの、ご存知のように、右端が欠けています。

 これは、実際には、はやぶさが地球の影に突入したためのようですが、
 あのぼんやりとした写真は、もうこの頃には、はやぶさの「意識」が朦朧としていたことを物語っているように思えてなりません。



 それにしても、イトカワへの最初の着陸に失敗した後、完全に制御不能となり、ミューゼスの海の過酷な環境下にかなりの長い間さらされていたと想像されるはやぶさが、なぜ、再び飛び立つことができたのか。
(そのあまりの劣悪な状況ゆえに、着陸はほんの一瞬接地するだけの予定だったにもかかわらず、です)
 また、帰還途中、完全に音信が途絶え、前例からすると、100%宇宙の孤児になってしまうと思われたはやぶさが、
 なぜ、一月半後に、再び交信を再開し、ついには地球に還ってこれたのか。

 実際のところは、ありとあらゆる不測の事態を想定し、はやぶさの小さな体に最新技術の限りをつくした最強の危機管理システムを搭載させて、さらにそれでも対応しきれない局面においては、決してあきらめることなく渾身の遠隔操作を行い続けた、スタッフの方々の不断の努力の結果に他ならないと思います。
 ただ、今回のはやぶさの旅においては、それらスタッフをはじめとする多くの人々の思いが結実し、はやぶさに実際に意識が宿ったと考えた方が、説明がつくような、奇跡としか言いようのないことも多いようです。
 それならば、そう考えて、すなおにはやぶさの偉業をたたえるのも、いいのではないでしょうか。



 はやぶさは、人類の宇宙開発史において長くたたえられる、わが国が誇るべき「友人」です。
 カプセルの中身がどうであろうと、それはあくまでも副次的なことにすぎず、はやぶさの挑戦は、圧倒的な成功に終わりました。

 イオンエンジンという、それまで誰も実現化しようとはしなかった超省エネエンジンの力だけで、
 人類史上初めて、月よりも外の、地球には属さない天体に到達後、帰還することに成功したはやぶさ。

 この成功は、今後の人類の発展にとって、はかりしれないほど大きな踏み台となるでしょう。


 はやぶさが、見事「帰還」し、夜空の流星となった映像、

 はやぶさが最後に見た、ふるさと、地球の写真、


 この2点は、それを物語るモニュメントとして、いつまでもわたしたちの心に残るでしょう。



 おまけ、

 まったく個人的な感想ですが、
 このはやぶさの映画を観て、「ロード・オブ・ザ・リング」(指輪物語)のフロドの旅を思い出してしまった。
 絶対絶命のピンチの連続、ボロボロになりながらの孤独な旅。
 でも、実は、たくさんの仲間がそれを応援し、支えている・・・・。

 そう言えば、ラストシーン、落下傘をつけたカプセルが砂漠に降下してくるまわりを、
 大鷲グワイヒアがゆっくりと舞っていたような気が・・・・。
 あ、あれは、ハヤブサか。 



 このプラネタリウム映像、あまりの反響の大きさから、軒並み上映期間が延長されているようです。
 下HP↓で確認の上、ぜひご覧になってください。



 全国の上映館と上映スケジュール等



 JAXAはやぶさ特設サイト



 NECのHP



▽ イトカワ精密写真(2008年5月に丸の内JAXAiでいただいたもの)

 はやぶさは、イトカワ着陸前も、1年以上もの間、イトカワのすぐそばで測量を続け、地球にデータを送り続けた。
 そのデータをもとに作成された、イトカワの精密写真。
 岩山やクレーターの一つ一つに、誇らしげに、名がつけられている。
 当初は、イトカワがどんな形をしているかさえ、わからなかったのだ。

 右上図の中央に見える平らな砂漠のようなところが、はやぶさが着陸した「ミューゼスの海」。

画像




▽ 会場の千葉市科学館・プラネタリウム

 科学館が入っている「きぼーる」ビル、1Fアトリウム

画像


 宇宙関係の展示。右は直通エレベーター内部。

画像
画像




  *    *    *    *    *    *



 さて、はやぶさのプラネタリウム映像を観に、千葉に行ったついで、というわけでもないですが、
 評判の良い伊藤若冲展も一応見てまいりました。
 こちらは、ぎりぎりで、滑り込みセーフ。
 また若冲か、という感じがしなくもないですが、比較的見たことが無い作品が多かった後期展示で結果的によかった。
 結局、最後は、すっかり魅せられてしまうのだった。



 伊藤若冲 アナザーワールド Ito Jyakuchu♡ Another World

    @ 千葉市美術館

    (~6月27日(日)まで、すでに終了)


画像




 例によって、つっこみどころ満載の絵、続出!

 たとえば・・・・、


 最近「発見」されて注目の象と鯨図屏風 (1795年)

 (下の写真は、目録の、屏風の一部を拡大したページ)

画像



 白象図、鯨図 松本奉時

画像



 どうです、気になるでしょう。
 心にとまった作品等に関する、あくまでも個人的なメモを、「奥の院」に、書きました。

 こちら

 ぜひご覧ください。



▽ ちーばくんとも再会。千葉は、そこら中ちーばくんだらけでした。(今年、いよいよ国体があるのだ)

画像




▽ 会場の千葉市美術館のある、千葉市中央区役所の建物。

  ハリボテ型に対し、覆い堂(さや堂)型というべき、歴史的建造物保存建築。 

画像




そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

画像





この記事へのコメント

Nacky
2010年07月07日 00:53
Noraさま

日本代表の活躍で、日本中が元気をいただいたワールドカップも、
いよいよ、準決勝です。思えば、タンゴや古楽大国、そして三大Bを
擁する正統派クラシック大国とフラメンコの対決になりますが、
ここのところ、ブブゼラの音が耳から離れす、音楽ワールドカップ
という観点からは、決勝戦を待たずして、既に開催国である
南アフリカの優勝です。(笑
さて、これも季節外れのコメントで失礼ですが、先週末、武蔵野
市民会館で結成さればかりの「レゾナンツ・カペレ」の第一回
記念コンサートにおいて、BWV67を聴いて参りました。
ヨハネ受難曲初演直後、初めて、トラヴェルソが採用されたと
いわれる、記念すべきカンタータ。
それに、かつて歌ったことがある、小ミサ曲に転用された
原曲部分にも出会うことができ、幸せな気分に満たされました。
聴いてから拝読し、拝読してから演奏に触れる。。。。。
こんな繰り返しの中で、いつも、沢山の気づきや感動のきっかけを
ご教示いただき感謝しております。

2010年07月08日 22:12
 Nackyさん、こんばんは。
 せっかくの準決勝なのに、連日のAM3:00からの試合は厳しかったですね。
 わたしは、根性が無くて、2試合とも後でダイジェストを見る形になってしまいましたが、どちらも準決勝にふさわしい白熱した試合だったようで、リアルタイムで見られなかったのが残念です。
 決勝戦、わたしは一応、ルネッサンス音楽の故郷&古楽王国ということと、日本が激戦を繰り広げた相手ということで、オランダを応援しようと思います。オランダが優勝すれば、優勝国といい試合ができたということで、日本代表のみなさんにとっても大きな自信になるのではないでしょうか。

 ブブセラ、はじめは、なんじゃこりゃ、と思いましたが、なれてくると、よくある替え歌の応援ソングなんかよりも、ずっと白熱した雰囲気になって、試合が盛り上がるような気もしてきました。
 これももうすぐ聞けなくなるかと思うと、ちょっとさみしくもあります。

 最後の決勝殿、何と、日曜の深夜というか、月曜の未明ということで、これはまた最も過酷な時間になってしまいました。
 4年に1度のことなので、何とかリアルタイムで見たいとは思うのですが・・・・。

> 「レゾナンツ・カペレ」

 あいかわらず、精力的に足を運んでらっしゃいますね。
 わたしは知りませんでしたが、身近なところに、またひとつ、そのような団体が立ち上げられた、ということは、素晴らしいことだと思います。
 今後は、注目していきたいと思います。
Nacky
2010年07月09日 01:28
Noraさま
度々、お騒がせして済みません。
レオンハルト、コープマン等、錚々たるメンバーが率いる古楽大国は
ルネッサンス音楽の故郷でもありましたか??。。。。
確かに、日本が善戦して敗れた国だからこそ、優勝して欲しいですね。
日本の自信にもなりますし、実は、私もかつてはサッカー少~青~中年
でして、学生の頃は、キャプテンとしてチームを率いて、あのJ天堂大学
と戦ったこともありますので、それだけにワールドカップへの思いは
一入です。月曜日の早朝は、次のブラジル大会へとつなげる意味でも、
心してオランダに声援を送ろうと思います。
でも、スペインは、一見、フラメンコの国のようでいて、パッサカリア
(パサカーユ)という隠し技も持っておりますので要注意です。(笑
「レゾナンツ・カペレ」はバスの杉村俊哉先生が率いる将来が楽しみな
演奏団体ですので、是非、ご注目下さい。
それにしても、BWV67があったから、BWV78の、あのテノールのアリアが
聴けるのですね。
2010年07月11日 01:15
 Nackyさん、こんばんは。

> ルネッサンス音楽の故郷でもありましたか??

 厳密に言えば、現在のオランダではありませんが、古のネーデルラントは、ベルギーやフランスの一部も含み、その周辺出身のブルゴーニュ樂派やフランドル樂派の作曲家たちが、ヨーロッパ中にちらばって、ルネッサンス音楽の主役となりました。ですから、オランダ(ネーデルラント)は、ルネッサンス音楽の故郷、と言ってもまちがいではないんじゃないかと。
 まあ、応援するためのこじつけっぽいですが。

 なんと、Nackyさん、サッカーをなさってらしたとは・・・・!
 文武両道ではないですか。
 わたしは運動は苦手で、サッカーなんかを観ていると、そもそも、よくもあんなに走り続けられるもんだと感心してしまいます。
 スポーツ観戦も、普段はどちらかというと野球の方が好きで、サッカーは、最近はJリーグなどもあまり見ないのですが、やはりワールドカップは特別ですね。
2010年07月14日 05:25
NackyさんとNoraさんの応援の甲斐なく、オランダはスペインに敗れました。しかも、酷い試合運びで、オランダ国民としては恥じ入るばかり。。。お家芸だったはずの美しいサッカーなど、決勝戦では見当たりませんでしたわ。
スペインとオランダの対決、というより、心温まる同窓会という雰囲気だったのが、先月聴いたサヴァールとコープマンのジョイント・コンサートでした。URLをクリックすると拙ブログ記事に飛びますので、よろしかったらご高覧下さい。
2010年07月15日 01:27
 レイネさん、こんばんは。
 オランダ、決勝は残念でしたが、準優勝、おめでとうございます。
 優勝チームと、同じ予選リーグで戦ったなんてことになれば、とても光栄なことなので、せいいっぱい応援させていただきました。
 わたしは、ワールドカップ期間限定のにわかサッカーファンなので、戦略やフォーメーション的なことなどはよくわかりませんが、全体的にはスペインに押されてはいたものの、結局延長戦の最後まで、勝利の行方はわからない、緊張感あふれるすばらしい試合だったのではないでしょうか。
 オランダ、結果的には準優勝になってしまいましたが、それでも、このようなチームと戦えたことを誇りに思いたいと思います。

 すてきな教会での演奏会の記事、拝見させていただきました。
 まさに、ワールドカップの決勝を予言するかのようなコンサートで、おもしろいです。記事を読ませていただいた限り、ほんとうにバトルというよりは、和気あいあいとした雰囲気だったみたいですね。
 かつては、古楽演奏の最先端でバリバリ活躍していた二人ですが、いまやすっかり御大という感じで、最近の録音等を聴くと、音楽的にも、すっかり成熟してきたような印象があります。
 そんな二人の共演、なかなか聴き応えがあったのではないでしょうか。
Nacky
2010年07月15日 07:11
Noraさま
おはようございます。
コメント欄をお借りします。
レイネさま、同じく、準優勝をお祝い申し上げます。
オランダにお住まいなのですね。
教会における、オランダ、スペインの協演(競演;笑)
の記事も楽しく拝読させていただきました。
私は、二十歳の頃、NHK-FMから流れてきた、
レオンハルト氏の「チェンバロ協奏曲第5番」で
バッハに入ってしまいました。
正しく、古楽王国オランダです。
これからも、時々、お邪魔致します。
2010年07月20日 00:30
 Nackyさん、
 レイネさんが記事になさっているオランダ・スペイン競演などは、日本ではちょっと考えられないようなコンサートですよね。
 海外にお住まいになってる方の記事を読むと、たまにうらやましくてたまらなくなるようなこともありますが、そのような記事を書いてくださってるおかげで、遠い海の彼方のことを気軽に知ることができるのだから、うれしいことです。

 レオンハルト大先生は、いつまでもお元気でいらっしゃるといいですね。
 そして、できれば、もう一度だけでいいので、何かバッハの大作を聴いてみたいです。 

この記事へのトラックバック

過去ログ

テーマ別記事