チェブからのクリスマス・プレゼントCD~カンタータ、ブルックナー&コステロ+気になるCD【降誕節】

 待降節のお休みの間に、ゆっくりとCDでもご紹介しようと思っていたら、
 あっという間に、待降節第4日曜日も過ぎて、(12月19日。ヴァイマール時代のカンタータ、BWV132BWV147aあり)
 早くもクリスマス。



 と、いうわけで、今年のクリスマスは、ほんの少しだけですが、CD紹介もかねた記事にします。



▽ タワレコのクリスマス・キャンペーン、今年の主役はチェブ・サンタ。

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 現在、タワレコでは、チェブラーシカが、くじびきやプレゼント、オリジナル・グッズなど、いろいろ大活躍ですが、
 うれしいのは、お願いすると、CDを、写真の特製チェブ袋でラッピングしてくれること。(無料)
 袋がなくなり次第、終了だそうですが、まだやってるかな?

 でも、こんなかわいい袋でCDをプレゼントされてよろこんで開けてみたら、恐い顔の指揮者のジャケットが出てきたら、ちょっと微妙か?



 だけど、こんなCDだったら、だいじょうぶ。(ほんとうか?)
 

 バッハ・クリスマス・アルバム

 カンタータ第110番 BWV110
 マニフィカト(フルトホーフェン編クリスマスヴァージョン)、ほか

    フルトホーフェン&オランダ・バッハ協会


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 バッハの名だたる大作声楽曲の、しみじみと美しい録音で定評のある、フェルトホーフェン&オランダ・バッハ協会の、カンタータ録音。

 曲目は、後期クリスマス・カンタータの名曲、BWV110
 管弦楽組曲第4番の序曲・合唱付で幕を開ける、聞き覚えのある音楽も満載の、華やかで美しい大名曲。
 
 この曲に関しては、以前、くわしく記事を書いています。こちら。 
 クリスマス・オラトリオもいいですが、まだお聴きになってない方はぜひ。

 また、カップリングもいい。
 マニフィカトのクリスマス・ヴァージョン

 前記BWV110の中でも最もクリスマスらしい、しっとりとした美しさに満ちた第5曲デュエットは、実は、マニフィカト初演クリスマス・ヴァージョン 243aのクリスマス用挿入曲を転用したもの。
 でも、マニフィカトを聴いても、もうこの音楽は出てきません。
 このマニフィカト、234aそのものではなく、のちの完成版、BWV243に、挿入曲としてバッハと同時代のさまざまな作曲家のクリスマス音楽を使用した、フェルトフォーフェン・ヴァージョンというべきものなのです。
 1枚のCDで、同じ音楽が2回登場するのを避けたためかどうかは知りませんが、この挿入曲がどれも皆、クリスマスのあたたかさにあふれていて、すばらしい。

 壮麗かつ滋味深い、心のこもった演奏が、どちらの曲にもぴったり。
 両曲とも、ソプラノが大活躍する曲ですが、ソプラノのゾマーさん、ミールズさんの競演も、陶然とする美しさで、華を添えています。

 かくれクリスマス名曲、マニフィカトのクリスマス・ヴァージョン、ヘンゲルブロックやヘレヴェッヘなど、超名盤ぞろいですが、そこにまた一枚、個性的な名盤が加わりました。



 チャンネル・レーベルのフルトホーフェンのCDでは、超豪華装丁の大曲シリーズも、クリスマス・プレゼントにぴったり。
 

 ミサ曲ロ短調


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 今年は何といっても、実演でのアーノンクールのすばらしい演奏が記憶に刻まれたロ短調ミサですが、
 CDで購入したものの中では、これが一番よかった。
 まっすぐで、心に染みる演奏。

 豪華ブックレット付。


 
 以下、チェブ袋から出てきたらちょっと困るCDの代表格?

 ブルックナーのCD
 しかも、指揮者の気合い入りまくり顔写真ジャケ・・・・。

 でも、内容は、どちらも最高!
 ブルックナーに関しては、今年もたくさんのすばらしいCDをご紹介してきましたが、年末になって、またまた、新たな名盤を追加することができるのを、心からよろこびたいと思います。



 ブルックナー 交響曲第8番(第1稿)

    インバル指揮、東京都交響楽団


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 30年近く前、史上初めて、ブルックナー交響曲初稿の魅力あふれる世界の扉を開け放ってくれたインバル。
 その時の衝撃、よろこびは、いまだに忘れることができません。

 その後、それら初稿を始めとするさまざまな稿の見事な演奏が次々とリリースされ、わたしたちブルックナーファンにとってのすばらしきブルックナー・ルネッサンスの時代が花開いたわけですが、
 最近、シモーネ・ヤングの全集サイクルがリリースされるにいたり、ついに、異稿演奏も、もはや実験的でもなんでもない、究極とも言える次元に到達したか、としみじみ感じたものです。
 ところがその幸福にひたっているうちに、今度は他ならぬインバル自身によって、そのヤング盤に限りなく迫るようなたいへんな名盤がリリースされてしまいました。

 フランクフルト響盤の、あの瑞々しさ、精緻さはそのままに、それに大きな呼吸と底知れぬあたたかさの加わった稀有の名演。
 こんな名演を日本のオケが実現した、というのも、夢のような話。

 乞!第3番初稿、再録音。



 ブルックナー 交響曲第8番

    スクロヴァチェフスキ指揮、読売SO


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 きびきびとした快速調の演奏。

 だからと言って、筋肉質なわけでも、結晶化しているわけでもなく、
 一陣の風のように吹き抜けていくような、颯爽とした、自然で有機的な演奏。
 しかも、それはただの風でなく、その風が吹き抜ける間には、きらきらとした光が明滅するかのように、ブルックナーの心から湧き出た美しく魅力的なフレーズのすべてが、現れては消え、現れては消える。

 それにしても、ここで全曲にわたって刻まれるリズムの生き生きとした躍動感、鮮やかさはどうだろう。
 リズムやテンポはめまぐるしく変わるが、決して作為的でなく、正に、風が強弱や方向を変えるかのごとく、自然きわまりない。

 朝比奈さんが亡くなった少し後、スクロヴァチェフスキ&N響の8番を聴いて、(わたしにとって、久々のブルックナーのライブでもあった)
 フィナーレ展開部などのめくるめく音の奔流に全身を包まれ、朝比奈さんのいない喪失感がすっかり癒やされた記憶が、鮮明に甦ってきた。


 このCDでもまた、日本のオケが、たいへんな演奏を実現している。
 技術的な精度もたいへんなものだが、読売SOは、ブルックナーに関しては、もう「自分たちの音楽」というような自身を持っているのではないだろうか。

 先ほどのインバル盤も含め、このように見事なブルックナー演奏が、日本のオケによるものだということは、何と誇らしいことだろう。
 しかも、それは、こんな名演が、いつも身近に聴ける、ということでもある。

 今年は一度も行けなかったが、やはり、ブルックナーのライブは格別。来年は、ぜひ足を運びたい。

 なお、このスクロヴァチェフスキ&読響ライブ盤の演奏会を、アルトゥールさんが実際にお聴きになっており、その時の感動がストレートに伝わってくる記事をお書きになっています。

 こちら



 さて、チェブ袋でプレゼントされるなら、個人的にはこんなCDがうれしい。



 NATIONAL RANSOM ELVIS COSTERO

 ナショナル・ランソム 

    エルビス・コステロ


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 実は、コステロが好きです。

 コステロ、熟年化してから、しばらくの間ず~~っと、まったりじっとり系、あるいはややこし系のさまざまな「大人の音楽」を転々とする寄り道が続き、ちょっとどうしたものか困っておりましたが、ここのところ、ようやく本来の、ロックの王様としてのコステロが帰ってきたような気がする。
 カントリー色の濃かった前作もよかったが、今回のアルバムは、それをベースにしながらも世界がぐっと広がり、しかも一気呵成の勢いがある。

 SPIKEMIGHTY LIKE A ROSEBRUTAL YOUTH など、歴史的なロック&ポップ・アルバムを立て続けにリリースしていた頃の勢いを、なつかしく感じさせてくれるような、ちょっとすてきなアルバム。

 コステロが最も調子がいい時には、すなわち上記の名作アルバムなどにおいては、最初の一音からもういきなりハートを鷲掴みにされてしまうが、この「ナショナル・ランサム」も、ほんとうに久しぶりに、そういうわくわくする感じを味わわせてくれた。

 SPIKE のTボーン、レオン・ラッセルとの共作、マイ・ラブリー・ジザベルが、ちょっと聴くと、短い何でもない曲のようでいて、無限のニュアンスが込められていて圧巻。
 


 おまけ、チェブラーシカ公式アルバム


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 以下は、気になるCD。
 思いっきり気になってるものの、まだ未聴のCD。



 ジャズ版クリスマス・オラトリオ

    キングズ・シンガーズほか


 キングズ・シンガーズとビック・バンドの共演盤。
 しかも、聴きどころの寄せ集めでなく、2枚組の本格的アレンジ。

 実は一番楽しみにしていて、クリスマスにはぜひご紹介したいと思っていたのですが、何とリリースが遅れ、年内間に合うかどうか、とのこと。がくっ。
 でも、クリスマス・オラトリオは、お正月も含めた音楽なので、いいのだ。

 このCDに関しては、またあらためて。



 フーガの技法

    リフシッツ(P)


 以前、「音楽の捧げもの」で名演を聴かせてくれたリフシッツのフーガの技法。

 フーガの技法については、フレットワークのヴィオール四重奏版をご紹介したばかりですが、弦楽アレンジもいい雰囲気ですが、この曲に関しては、ピアノ版も大好きなので、期待大。



 さて、おしまいに、
 クリスマスのカンタータ
 今日の記事の中でも、BWV110が登場しましたが、その他にも、傑作ばかりが山ほどそろっていて、過去記事もたくさん書いています。

 こちら↓

 ご参照のうえ、ぜひお聴きください。 

 
  <待降節第4日曜>
    待降節第4日曜(BWV132)

  <降誕節>
    クリスマスとバッハその1(クリスマス・オラトリア、マニフィカト)
    クリスマスとバッハその2・風の中のマリア(BWV147、10)
    クリスマスとバッハその3 【降誕節カンタータ一覧】
    お気に入りのアリア・クリスマス編その1 青く透明な光(BWV151)
    お気に入りのアリア・クリスマス編その2 悲しみを見つめる視座(BWV57他)
    バッハの最高のクリスマス音楽は・・・・
    またまたきちんと曲目解説・クリスマス編~BWV110 これこそ、クリスマス音楽!

  <降誕節後第1日曜>
    クリスマスとバッハその3 【降誕節カンタータ一覧】
    1年の最後の日没~降誕節後第1日曜(BWV152他)

 

 また、カンタータ以外のポップスも含めた、クリスマスがらみの記事をまとめたページがあります。

 昨年、とりつかれたように撮りまくった、東京中のイルミネーションの写真も合わせてご覧いただけます。
 今年は、あまりクリスマスらしい写真が無いので、そのかわりに、どうぞ。

 こちら



 今年の My Best クリスマス・ツリー


 西武池袋線練馬駅には、映画の宣伝の驚愕のチェブ・ツリーが。


 自動改札の間の柵の中に、しょぼぼんと。

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 てっぺんのチェブをうらやましげに見つめるチビ・チェブ。

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 やっぱりチェブは、しょぼかわいいのが一番。



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そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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この記事へのコメント

ANNA
2011年01月10日 22:02
Noraさん、こんばんは。
>ブルックナーのライブは格別
やっぱりそうなんですね。昨年私もティーレマン、スクロヴァチェフスキのコンサートを聴きのがしてしまったので、今年こそはぜひライブでブルックナー体験をしたいな~というのがひとつの目標です。Noraさんの弦楽五重奏曲のCDですけど スクロヴァチェフスキさんにサインしていただいたんですね。いいなあ、とってもうらやましいです。
2011年01月14日 00:22
 ANNAさん、こんばんは。
 ブルックナーの曲は、やたら長いですから、全曲を通して集中して聴くには、やっぱりライブが一番ではないかな、と。(笑)
 よく言われるように、音楽に全身を包まれる、というのがブルックナーを聴く醍醐味の一つだと思いますが、その点もライブ向きですよね。
 幸いなことに、日本においては、とても身近なところに、すばらしいブルックナーを聴かせてくれる方がたくさんいらっしゃいます。この記事に書いたインバルさんなども、CDで聴く限り、いまやたいへんな境地に達していると思います。今年こそは、よい演奏をお聴きになれるといいですね。

 スクロヴァチェフスキさん、作曲家でもいらっしゃるので、「このCD(ご自身の編曲)をサイン用に選んでくれてとてもうれしい」とおっしゃってくださった・・・・、ような気がします。英語だったので実はよくわからなかった。

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