「橋ものがたり」展・この橋はどこに続くのか~TVアニメ「へうげもの」と絡めて【三位一体節後10】

 今日(8月28日)は三位一体節後第10日曜日。


 カンタータは、

 第1年巻、ロ短調ミサの原曲を含むBWV46
 第2年巻、コラールカンタータのBWV101
 後期、小ミサ曲原曲のBWV102
 の3曲。


 上記のとおり、バッハが生涯にわたって幾度も利用した楽章を含む、とんでもない名曲ぞろい。
 全曲としてのまとまりも、一部のスキもないような完成度を誇る曲ばかりです。
 先週に続く、夏のカンタータのクライマックス。


 過去記事はこちら。↓


 <三位一体節後第10日曜>

    バッハの源流への旅・その7~聖週間・幻のエレミヤ哀歌(BWV46)
    ミサ曲・かけがえのないアルバム、原曲集中のミステリー(BWV46、102他)
    コラールカンタータの諸相(後編)+魅惑のミサ原曲カンタータ( BWV101、102)



 今日はまた、「ぐるっとパス」がらみの展覧会等のメモ。



 8月4日(木)



 日本橋架橋百年記念 特別展 日本美術にみる橋ものがたり -天橋立から日本橋まで-

  @ 三井記念美術館  ~9月4日(日)


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 お江戸日本橋のたもと、三井記念美術館で開催されているユニークな特別展


 この春、宇治を訪れて、宇治、さらには京都における宇治橋の存在の重要性、その魅力に触れたばかりだったので、興味深く見ることができた。
 宇治橋はもちろんだが、住吉大社の太鼓橋や天橋立などにちなんだ作品も多く、これまでの幾度かの関西旅行で、住吉大社や天橋立に予定を組みながらも結局訪れていないことがくやまれる。

 天橋立がらみでは、会期はじめ頃の限定展示だった有名な雪舟の天橋立図と、後期展示の島田雅喬の作品が見られずに、残念。


 寺社の伽藍曼荼羅、名所を描いた屏風や浮世絵、名所図会の類が多くておもしろかった。
 その類の絵を観るのはこの上なく楽しく、大好きだが、それぞれの作品で、実にさまざまな意味において「橋」がとても大きな役割を担っていることにあらためて驚かされる。
 そう言えば、わたしなんかが風景写真を撮るときも、橋があれば必ずそれをポイントにして構図を考える。
 橋がある写真とそうでない写真とでは、何となく趣が異なる。

 浮世絵等の中では、北斎の橋の絵が、どれもすごかった。
 風俗画なのに、異世界への架け橋としての神秘性まで感じられるものまである。
 そう言えば、ここには出展されていなかったが、沖縄の絵(空想図)にも、変な橋がたくさん描いてあった。
 北斎の絵などは、後期展示(8月9日~)の方に特にもおもしろいものがあったようだが、前期展示でも十分楽しめた。
 中でも、北斎の橋図の究極のものとも言える「百橋一覧図」が見られたのはよかった。
 いつまでも絵の中の道を目でたどり、いくつもの異世界の橋をわたり、不思議な風景の中の世界を逍遥し続けてしまった。
 あまり見ていると、抜け出せなくなる?

(大きな絵がはってありますので、クリック&拡大して、北斎による異次元の橋の世界を思う存分さまよってください)

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 あと、こちらは以前見たことがあったが、風景画が極端に少ない若冲による、舟遊びの舟から見る景色をつづった、こじゃれた「乗興図」も出ていた。
 若冲とくれば、蕭白こそ日の本一の橋画家(?)だと思うが、(石橋図!などなど)今回は、蕭白の作品は無かった。

 他には、川端玉章の京都名所十二月が、何でも無い日本画ながら、格調高い凛とした美しさにあふれていて、すばらしかった。
 「名橋十二月」ではないのに、ほとんどの絵の主役は橋になっている。
 展示替え後には、あの東福寺の「通天紅葉」が登場、これは見たかった!
 

 ところで、最近わたしは、木曜の深夜にNHKBSで放送されているアニメ 「へうげもの」にはまっており、何に対しても「数奇(すき)」を気取るのがマイブームになっているのだが、
 はじめの工芸品コーナーで、さまざまな「名物」を見られたのもよかった。
 明らかに、これらのものに対する見方が変わってきた。

 三井記念美術館の真ん中には、アニメの主要登場人物の一人でもある織田有楽斎の茶室、国宝・如庵が再現されていて、以前見たときは特に何も感じなかったのだが、
 今回見てみたら、わずかな空間の中に、客をとことん楽しませよう、そして自分もとことん楽しもう、というしかけがあふれていることがわかり、しかもそのすべてが洗練され、しゃれているので、ものすごく感銘を受けた。
 建築上もたいへんなレベルの創意工夫だと思う。
 そして、その中にさりげなく置かれたいくつかの「名物」・・・・。
 完全に主人公の織部に感化されてる?


 あと、今年の春、宇治の橋寺を訪れた時には、あまりにも仏像に感銘を受け、また時間も無かったので、つい見逃してしまった宇治橋断碑(ここで展示されていたのは拓本)を、ここで見ることができて、感動。
 日本でも最も古い名筆とのこと。言われなければ何ていうことはないが。


 もりだくさんの展示の中では、やはり、最後の日本橋のコーナーが、一番親しみ深かった。
 日本橋周辺の在りし日の名建築の写真や絵は、やはり圧巻。

 さて、その日本橋にも関わるのだが、ユニークで幅広い今回の展覧会で、一番感銘を受けたのは、実は、擬宝珠、だったりする。

 今回は、
 名古屋裁断橋の擬宝珠
 現在の日本橋(これが架橋百年)の前の代の、江戸後期の日本橋擬宝珠の2種類が展示。

 今年の始め、神田神社で、数奇な流転の運命をたどった万世橋擬宝珠を発見し、橋の擬宝珠がこんなに大事にされているのか、と、妙に感心した。
 その後、上記「へうげもの」を見ていると、
 その中で、利休にわびさびの心を教わり、「例えば瀬田の唐橋の擬宝珠にも良いものと悪いものがある」と聞かされた古田佐介(織部)が、いきなり馬を飛ばして確かめに行き、
 「確かに京側より○番目の擬宝珠はなかなか渋うござった」と利休に報告し、利休にほめられる(実はあきれられ軽くあしらわれた?)シーンがあり、
 この時は、そんなアホな、と笑ったものだが、
 このように大切に展示されているのをあらためて見ると、擬宝珠、なかなか個性的で味わい深い。

 裁断橋のもののように名文の誉れ高い銘とともに見ると、なおさら趣が深まるし、
 お江戸日本橋の擬宝珠に関しては、この擬宝珠そのものをどーんと正面に大きく描いた、広重肉筆の風景画が合わせて展示されていて、形や質感から銘にいたるまでまったく同じで、
 あの広重が、実際に目の前にあるこの擬宝珠を見ながら絵を描いていたのだと思うと、不思議な感慨にとらわれる。

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 ちなみに、地下鉄地下道に展示されている熈代勝覧の日本橋は、明暦の大火前のさらに前の代の日本橋であるため、擬宝珠の形はかなり異なる。

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 会場に、やたら浴衣姿の女性がいるな、と思ったら、浴衣割引というのがあるみたい。



 * 会場の三井記念美術館のある三井本館および日本橋近辺の写真を集めた記事をアップしました。
 
   こちら



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 TVアニメ 「へうげもの」

    NHKBSプレミアム 木曜日PM11:00~ (再放送は、月曜日(日曜深夜)AM1:00~)

 しばらく夏休みでしたが、いよいよ今週(8月25日)から放送再開しました。
 ついに、長谷川等伯まで登場。
 物語も、ちょうど利休と秀吉の確執が表面化し始めるところで、目が離せません。

 原作まんがは未読でしたが、あの「デカスロン」(古っ!)の人だったんだ。(山田芳裕)
 これは読まねば。

 驚愕のエンディング・テーマも、見どころ。(聞きどころ?)


 NHK公式HP



 なお、先日、名古屋旅行をした時、

 東海3県「へうげもの」関連企画 織部大数奇コレクション

 というのをやっていた。

 東海3県の美術館、博物館等10館が共同して、織部関連の企画展を実施する、というもの。

 名古屋で時間があったのがほとんどの施設が休館になる月曜日だったので、残念ながら一つも行けなかったが、
 興味のある方はぜひ。


 公式HP 


 
そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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この記事へのコメント

Nacky
2011年08月28日 17:04
Noraさま
今日は「残暑お見舞い」というご挨拶がピッタリですね。
この時間、17時にもかかわらず素晴らしく晴れわたっております。
さて、大変ご無沙汰を、、、、と申しましょうか、実は、諸事情で
Net環境がよろしくなく、ここ2ヶ月ほどはコメントも差し上げる
ことができませんでした。
(本日も外部PCからコメントをお送りしております)
まだ暫くは同様な状況が続きますが、閲覧だけはさせていただいて
おります。
これから秋に向けての様々な話題も楽しみにしております。

なお、「つぶやき岩の秘密」のDVDを購入しましたので、
よろしければ、お貸し致します。
その手段につきましては、また、こちらのコメント欄で
ご相談させて下さい。

Nacky
2011年08月29日 01:32
 Nackyさん、こんばんは。
 今日は東京も好天で、日中はかなり暑くなりました。
 暑くなったり、すずしくなったり、さらには台風が来たり、と、天候不順が続きますが、どうか体調にはくれぐれもお気をつけください。

 「つぶやき岩の秘密」、ついにお買いになりましたか。
 お気づかいありがとうございます。本ブログにおいては、個人的なCD等の貸し借りはしない方針にしておりますので、お気持ちだけいただいておきます。
 早速、レンタル等で探してみます。 
 また、実は、他にも観たい番組があって、今度NHKアーカイブスの番組公開ライブラリーというところに行こうと思っていたのですが、そこでも観られるかもしれません。

 ところで、今日上野に行ったのですが、時間があったので、また旧奏楽堂の日曜コンサートを聴くことができました。(オルガンの日)
 シューマン~バッハ~レーガーというプログラムで、シューマンとレーガーはバッハにちなんだ曲目です。
 シューマンのロマンあふれるカノンがすばらしかったです。
Nacky
2011年09月01日 20:25
Noraさま
こんばんは。
先日は、ブログの運営方針も理解しないままに大変失礼を致しました。
すばらしい作品ですので、是非、ご覧になって下さい。
さて、9月です。芸術の秋ですね。
台風も近づいておりますので、くれぐれもお気をつけて週末を
お過ごし下さい。
2011年09月01日 22:21
 Nackyさん、
 運営方針も何も、どこにも明記していないのに勝手に決めているだけで、こちらこそ失礼いたしました。これにこりずにまたいろいろと教えてくださるとうれしいです。
 「つぶやき岩の秘密」はぜひ見てみたい作品なので、近いうちに必ず観てまた感想を書こうと思います。

 台風、すでにかなりの被害が出ているようです。これ以上、災害で苦しむ方が増えないよう、祈るばかりです。
 Nackyさんも十分気をつけて、よい週末をお過ごしください。 
 

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