「時かけ」、ドラマ「仁」ほか。夏のタイムマシン、再び~久々に小川の流れる映画【三位一体節後8】

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 今度の日曜日、8月14日は、三位一体節後第8日曜日。

 
 カンタータは、

 おそらく初期作を改変した、BWV136
 第2年巻のコラール・カンタータ、BWV178
 後期のBWV45

 の3曲です。


 過去記事は、こちら。↓


 <三位一体節後第8日曜>

    三位一体節後第8日曜(BWV45他)
    真夏の幻影、あるいは「夏の夜のオペラ」(BWV45、168) 



 さて、真夏の対ソフトバンク3連戦がついに始まった。
 まだまだ先は長いとは言え、もしここでまた3連敗でもしようものなら、例えクライマックスシリーズに出られたところでもう絶対ににソフトバンクには勝てっこない・・・・。
 始まる前は、そんなせっぱつまった気持ちさえ感じていた。
 この3連戦、ある意味土壇場の、大切な大切な3連戦のような気がする。

 昨夜の初戦、そんな重要な場面で、今や無敵とも言えるソフトバンクの前に立ちふさがってくれたのが、
 そう、われらがダルビッシュ。
 結果は、ご存じのとおり。14奪三振、今季5度目の完封で、15勝目!
 灼熱の中の13連戦中、すべての投手陣が疲れを隠しきれない中で、この完封の価値ははかり知れないほど大きい。
 借りはきちっと返すのがダルビッシュだ!

 ダルビッシュの投球が完璧なら、ソフトバンクの守備も鉄壁で、4回まで毎回毎回、ファイターズ打撃陣が3塁まできちっと出塁しているにもかかわらず、なかなか得点を許してくれなかった。
 しかし、5回の表、ダルビッシュが魂の三者連続三振を取った直後、それに触発されたか、ファイターズ打撃陣がついに爆発。
 中田先生が、今や芸術的な域に達した犠牲フライを見せ、ついに得点をもぎとった。

 それにしても、昨夜は圧勝だったとは言え、ソフトバンク、恐るべし。
 初回、足そのものをホームベース前に横たえて、スケールズ渾身のスライディングをブロックした細川、
 9回2アウトの土壇場で、ダルビッシュのグローブを吹き飛ばして、ピッチャーライナーをヒットに変えた松中、
 何なんだ、このまんがの登場人物みたいな人たちは。
 
 敵は手強いけど、この勢いで、あと2戦もがんばりましょう。

 ・・・・まあ、よく考えたら、まだまだ先があるさ。



  *    *    *    *    *    *



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 また、バッハの命日を忘れていた。(7月28日)

 お盆休みということもあるので、バッハをしのび、久しぶりの「小川の流れる映画」シリーズ、今年前半に観た映画等を中心に、何回かにわけて続けたいと思います。

 地デジ対応でスカパー等が観られるようになり、家でやたら映画を観るようになりましたが、もとから少なかった劇場に行く回数は、さらに減ってしまったような気がします。
 そんな中での心にとまった映画等に関するメモ。


 まず今回は、夏休み恒例の、タイムトラベル、時間旅行特集。



 「時をかける少女」

    2010年、谷口正晃監督作品


 名作ジュブナイル、「時をかける少女」の後日譚。
 あの有名な、大林監督作品の続編というわけでなく、筒井康隆の原作そのものの40年後、のようなので、
 舞台はもちろん尾道などでなく、 お母さんになってる芳山さんも原田知世でなく安田成美さん。(ちょっと感じが似ている?)
 何よりも、深町君が、大林作品ではうやむやにされていた「ケン・ソゴル」の名を名乗り、微妙~な恐ろしさをかもし出しながら大登場。
 その他、細部にもよくこだわった、ファンには実にたまらない、以前ご紹介したアニメとはちょっとわけがちがう、「正統的」な作品になっている。

 そのアニメ「時かけ」では主人公の声を担当した仲里依紗さんが、今回は堂々の主演。ものすごいはまり役。
 基本的に、映画好きの若者たちを中心にした昭和の香り漂う青春物語がメインになっているが、その輪のはじっこにいつに間にかはまりこんで、喜んだり悲しんだりしているごくごくふつうの「現代人」。(=当時の人たちからすると「未来人」)
 こういう役をやらしたら、里依紗さんは天下一品。
 ちょっとさめた態度で人に接する典型的な「現代人」ながら、楽しい時はほんとに楽しそうで、だがらこそ悲しい場面になると、とにかくかわいそうになる。
 また、彼女、全力で「駆ける」役をやらせても、右に出るものがいないのでは。

 結末は実にせつないもので、やりきれない気持ちになってしまうが、同時に放送された劇中の短編映画「光の惑星」を見ると、希望の光がにわかに降りそそいでくるような内容になっている。
 これを観て初めて、「時をかける少女」の2世代にわたる大団円となるのではないだろうか。
 ケン・ソゴルの非情に徹しきれない極めて中途半端なところに、結果的に救われた感じだが、重要な任務を抱えている職務上の立場からしたら、かなりまずいのでは。いずれクビになるにちがいない。


 この映画、なつかしの昭和、70年代の世界がていねいに描かれているだけに、部屋の中や街の中に、70年代にまだ無かったものを探したりするのも、楽しみ。
 そのようなものの中に、バッハのゴールドベルグ・バリエーションがある。

 主人公がまだ高校生のお母さんと喫茶店で会うシーン。店内で、小さな音量で、アリアのピアノ演奏がかかっていて、シーンの終わりに音が大きくなって、次のシーンに移行する、という効果的な使われ方。

 もちろんグールドのデビュー盤はすでに存在しているが、話題になったのは一部のクラシックファンの間だけのことで、ピアノでこの曲を演奏するのが一般的になり、街中などでよく聴くようになったのは、やはりグールド最晩年の2度目の録音が大ヒットしてからだろう。

 このシーンでかかっている演奏、ものすごくゆっくりとした情緒たっぷりのもので、明らかにグールドのデビュー盤ではない。もし2度目の録音だったりしたら、それこそたいへんなまちがいだが・・・・?

 ピアノのゴールドベルグは、アニメ版でも効果的に使われていた。
 やはり、「時をかける少女」という作品そのものが、ゴールドベルグに代表されるバッハのピアノ曲につながるような、何かノスタルジックで、深い郷愁を誘う要素を有しているのか。



 上記「時をかける少女」放送の際には、「時をかける少女スペシャル」ということで、
 これまでに作られた、劇場版「時をかける少女」全4作品と、
(もちろん、やたら気合いの入った、モノクロの角川春樹監督作品も含め)
 なつかしい内田有紀主演のTVドラマ版「時をかける少女」などを集中的に放映していて、どの作品も懐かしく見ることができた。
 それらの中では、TVドラマ版のものが、主題歌であるNOKKOの「人魚」(作詞はNOKKO本人、筒美京平・作曲!&清水信之・編曲!)のすばらしさもあって、個人的には一番郷愁を誘い、心の奥にあるこの作品のイメージとぴったりくる。



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 その他・・・・、

 仲里依紗さん主演の映画では、「純喫茶磯部」も見た。
 この映画も、はじめいやいやながらも、やがていっしょうけんめいに、そしてすごく楽しそうに喫茶店をやるのだが、そんな楽しい毎日にもあっけなく終わりの時が・・・・、
 という内容で、上の「時かけ」と同じく、とにかく彼女の演技?が見事の一言。


 さて、突然話は変わりますが、先日、原田芳雄さんが亡くなってしまいました。

 原田さんの映画では、つい最近観た「たみおのしあわせ」が、心に焼き付いている。
 オダギリジョー&麻生久美子の時効警察コンビ再結成ということで話題になったようだが、ここでの主役はまちがいなく原田さん。大笑いさせられ、そしてしみじみさせられる。
 何だかよくわからない映画だったけど。
 ただ、わたしにとっての原田さんは、映画やドラマよりも、いつも「タモリ倶楽部」で、楽しそうに、そして熱く鉄道を語っていた姿の方が、なじみ深い。もうあの笑顔は見られなくなってしまった。
 ご冥福をお祈りします。


 「たみおのしあわせ」では、麻生久美子さんがものすごく怖かったが、

 麻生久美子さんが、ちょっと違う意味で怖かった映画が、「インスタント沼」
 おもしろいんだけど。
 麻生さん、そう言えば、「アイデン&ティティ」でも、いい味?を出していた。



 その他、最近観た、タイムトラベル映画。

 タイムトラベラベラーズワイフ 「きみが僕を見つけた日」
 
 タイムトラベルするたびに全裸になってしまうのが何ともまぬけだったが、一応意味のある伏線なのだった。
 それにしても・・・・。

 後は、「タイムライン」などなど。
 どれもなかなか味があった。
 タイムトラベルものは、やはりいいな。



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 さて、最後に、やっぱりこの作品について、触れねば。

 TVドラマ(TBS系) 「仁」


 ついに完結した。

 さまざまな伏線をやたら強調しまくっていたし、仁先生が、「歴史はわたしに何をさせようとしているのか」、「歴史はそれを許してくれるのだろうか」などと理屈っぽく自問自答するシーンが多く(特に第2部)、これは果たして収拾がつくのか、と正直心配だったが、
 原作とはまるで異なる、スパッとしたエンディング。
 しかも、これだけの人気ドラマながら、続編や映画化の余地をまったく残さないいさぎよさ、
 これ以上は考えられない結末で、第2部はけっこうドライな目で見ていたつもりが、いつの間にか号泣していた。

 あの宮部みゆきの名作「蒲生邸事件」をフィーチャリング?トリビュート?したのも大正解。
 しかも、、「蒲生邸事件」では唯一の欠点?とも言えた、「いくらなんでも泣かせすぎ」の部分を、
 「仁」においては、「宛名の無い手紙」という離れ業を使うことによって、ほどよいぐあいに仕上げている。

 「時をかける少女」以来の伝統である、「それでもわたしはわすれないっ!」的な、日本のタイムトラベルものならではのせつないエンディングに、不滅の金字塔を打ち立てた、と言っても過言ではないのでは。
(何言ってんだか・・・・)

 チビ龍馬くんが海に去っていくシーンなども、いろいろなことを考えさせられた。

 考えてみれば、仁のことが、咲や仁友堂の人たちの記憶から消されてしまっても、洪庵先生や龍馬など、すでに亡くなった人にとっては、変な言い方だが、仁は永遠なのだ。
 そして、歴史から仁が削除されても、仁がなしとげたことは、洪庵先生の意思をついで弟子たちがなしとげたことになって、ちゃんと「よりよい未来」につながっていた。

 一人の人間の存在というのは、その程度のあやふやなものだが、その程度に確かなものでもあるのかもしれないな、なんて思ってしまった。


 第1部の個人的影の主役は、なんといっても洪庵先生だったが、第2部では、からくり師・田中久重の登場がうれしかった。
 ほんのわずかな登場だったが、洪庵先生と同じく、あたかも無尽灯のように仁の行くべき道を照らし出した。
 「仁」では、もちろん歴史的スーパースターの配役・演技も、大河ドラマ顔負けでよかったけれど、そういうドラマチックな活躍をしたわけでなくても、じっくりと自分の人生を貫き、その結果、現代のわたしたちから見ても驚くような足跡を残した江戸の人たちが、まるでその人本人が乗り移ったかのように生き生きと描き出されていたように思う。


 さて、次に注目の時間旅行ものは、いよいよ「テルマエ・ロマエ」?

 ・・・・ちょっと負けるかも。

 しつこい?


 「仁」で龍馬役を好演した内野聖陽さんの若づくりが愉快だったTVドラマ、「10年先も君に恋して」(2010年夏放送)も、いかにもNHKっぽい、秀逸なタイムトラベルドラマでした。



                              ~ 2011年 星も見えぬペルセウスの夜に。



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