夏休みのアルバム2~鎌倉再訪記’11夏 「立てる像」再び+座れる像たち 北鎌倉から国宝館・近代美術館

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 台風12号で被害に遭われた方には、心よりお見舞い申し上げます。
 北海道では、まだまだ雨が続いているようですが、これ以上被害が拡大しないことを祈るばかりです。



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 夏休みのアルバムの続きです。



 8月20日(土)



 鶴岡八幡宮境内にある鎌倉国宝館の、

 企画展Ⅱ 「仏像入門 ~ミホトケをヒモトケ~」

 および、

 同境内・神奈川県立美術館の、

 開館60周年記念 ザ・ベスト・コレクション 「近代の洋画」 (後期展示)

 を観に、また鎌倉にでかけました。
 どちらも、前回鎌倉に行った時に観て感銘を受け、記事にも書いた展覧会の、続きのような内容です。


 また、今回は、八幡宮に行く前に、北鎌倉に立ち寄り、魅惑の遊戯坐仏の数々を訪ねました。



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 鎌倉国宝館で開催されていた、前回の企画展、「鎌倉の至宝-国宝・重要文化財-」では、遊戯坐仏の美しくも自由自在な佇まいにすっかり魅了されました。

 遊戯坐仏と言えば、北鎌倉。北鎌倉は、正に遊戯坐仏の里です。
 そこで今回は、北鎌倉駅のすぐ近くの大寺院の谷戸深くで、遊戯坐仏を始めとする麗しき宋風仏たちが、どのような自由なお姿でいらっしゃるか、実際に見てみることにしました。



 雨がちだったお盆休み最後の週末、雨の合間の土曜日、八幡宮の鎌倉国宝館と神奈川県立近代美術館の展覧会に行った際、少し早めに出かけて北鎌倉に立ち寄った。
 曇天だが、気温は涼しいぐらいで、絶好の散策日和。
 悪天候が続いていたこともあり、観光客もほどほど。



 夏の太陽と青空は見られなくても、北鎌倉駅で降りると、わっ、と蝉の鳴き声が身体を押し包んできて、否が応にも、鎌倉に来たんだ、という気分が盛り上がる。

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 ちょうど昼前に着いたので、いきなり駅前の蕎麦屋、「やま本」で昼食。
 ここは、円覚寺の門前の杉林に大きく窓が開けていて、気持ちが良い。

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 いつものように、円覚寺境内に向かう。蝉の合唱が心にしみる。

 右は、白鷺池。池越しに見える建物は、さきほどの「やま本」。

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 拝観料を払い、境内に入りますが・・・、
 
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 今日の一番の目的は、円覚寺の「謎の塔頭」、龍隠庵に、東慶寺のあの水月観音と並ぶ遊戯坐観音の名品を訪ねること。

 今回は山門を横目に、まっすぐに龍隠庵を目指す。


 仏殿のちょうど真東、(正面向かって左側)
 選仏場と居士林との間の小道が、龍隠庵への登り口。

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 しばらく登ると、眺めの良い高台に出る。

 ここが、龍隠庵

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 龍隠庵は、円覚寺の壮麗な伽藍が夏の谷戸の濃厚な緑に静かに抱かれているのを見下すことのできる崖上に、ひっそりと佇む庵でした。
 正に「遊戯坐仏の桃源郷」とでもいうべきその場所で、
 小さいながらも、まるで宋風のあらゆる特徴が見事に結晶化したかのような美しさをたたえた遊戯坐仏に、出会うことができました。


▽ 客殿前には、縁台が置かれ、休憩できる。

 風がさわやかで気持ちよく、眺めもすばらしい。
 丁寧に植えられたハスの葉越しに、谷戸の緑に抱かれた円覚寺の大伽藍を見下ろす気分は最高。
 花が咲いていなかったのが残念。

 右、三門と桂昌庵・十王堂(弓道場)の屋根。左、仏殿の大屋根と選仏場の美しい藁屋根。

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 円覚寺龍隠庵と、そのすばらしき仏像に関して、詳しくはこちらの記事をごらんください。



 そのほかに訪ねた、北鎌倉駅のすぐ近くで観ることができる、

 魅力あふれる遊戯坐仏、宋風仏


 まずは、円覚寺

 仏殿の本尊、宝冠釈迦如来三尊像

 選仏場の聖観音菩薩坐像(遊戯坐像)薬師如来立像


 次に、鎌倉街道&横須賀線をはさんだ、円覚寺のちょうど真向かいの奥深い谷戸にひっそりと佇む東慶寺

 松ヶ丘文庫収蔵の聖観音菩薩立像(土紋仏)聖観音菩薩坐像(遊戯坐像)

 
 どれも、自由闊達の境地を全身で表す、心やさしき、しかしどこか儚げなすばらしい仏像たち。
 遊戯坐仏は、水月観音だけではないのだ。


 北鎌倉の谷戸は、これらの美しい仏たちが静かに安らぐ、「遊戯坐の里」なのだった。


 北鎌倉の魅力あふれる遊戯坐仏等に関する記事は、こちら


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 たっぷりと夏の北鎌倉の風情と遊戯坐仏を堪能した後は、鶴岡八幡宮へ。



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 企画展Ⅱ 「仏像入門 ~ミホトケをヒモトケ~」および平常展示 「鎌倉の仏像」

  @ 鎌倉国宝館 企画展Ⅱは、~8月28日(日)まで


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 夏休みということで、仏像の種類を実際に目で見て学べる好企画。

 大日如来から、さまざまな天部、羅漢、神像、果ては狛犬にいたるまで、鎌倉を代表する仏像がずらりと勢ぞろいでなかなか壮観でした。


 見たことのある像が多かったが、最も印象に残ったのが、釈迦三尊の代表として出品されていた、

 建長寺の、絹本著色 釈迦三尊像(室町時代)。

 今日は、ずっと遊戯坐仏を訪ねてきたわけですが、
 最後に、純粋な遊戯坐像ではないものの、遊戯坐テイストに満ち溢れた、ある意味遊戯坐精神の究極の姿とも言えるこの釈迦三尊像にたどりつきました。

 普賢、文殊両脇侍の、体中の力という力が抜けきったような座り方、
 二人をのせている象と獅子までもが、ふにゃふにゃ~~、となっている。

 そして本尊・釈迦如来も、一応きちっと坐してはいるが、妙にくしゃくしゃした蓮の葉?の上に無造作に座っている。


 秋の企画展に出ると言うことで楽しみにしていた、巨福呂坂伝来の歓喜天像も、一足早く展示されていた。

 自由研究の子どもたちもたくさんいたが、いいのだろうか。


 一番のお目当てだった、円覚寺の銅製釈迦三尊像も、ついに見ることができた。

 これは、歌源頼朝公も深く信仰していたと言われる、長野善光寺の絶対秘仏を忠実に模したものとして知られ、模刻とは言え、これ自体十分な美しさと品格をたたえている。。
 様式的にはむしろ洗練されていて、時代的には新しく感じられるが、両脇侍が、あのおチビ観音さま、あるいは法隆寺夢殿の救世観音のように、両手を胸の前で何かを大切に押し包むように組んでいる点が、古代仏の模刻であることを、雄弁に物語っている。
 長谷寺の有名な懸け観音と並んで展示されていた。


 平常展「鎌倉の仏像」では、あの栄西坐像がおでましになっていた。



 開館60周年記念 ザ・ベスト・コレクション 「近代の洋画」 (後期展示)

  @ 神奈川県立近代美術館・鎌倉 ~10月10日(月・祝)まで


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 前期、「立てる像」だけだった松本竣介の作品が、一挙5点に増えるというので、再度観にいった。

 巨大な「立てる像」を中心に、その周りを、得意の建物を描いた風景画、抽象的な人物画、クレーみたいな動物画の4点が取り囲んで、正に、「松本竣介特別コーナー」のような一角を形成している。

 そこだけ、凛とした、清々しい風が吹き抜けているかのようで、ほんとうにすばらしい!


 後期のみの展示で、他に気になった絵、

 人物画で知られる藤島武ニの、風景画、吹きわたる風そのものを描いたかのような、「台南風景」

 梅原龍三郎の風景画で、こちらは明るい陽光そのものを描いたかのような、「熱海野島別荘」

 超大作、阿部合成の「鯖をかつぐ人」も圧巻。



 花が咲くのを楽しみにしていたがハス、訪れたのは午後にもかかわらず、まだけっこう咲いていて、よかったのだが、葉っぱがえらいことになっていた。
 池が何メートルかせりあがったかのような勢い。

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 (初夏の時点)

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 美術館内からのながめ。

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 近代美術館本館のチケットで入館できる、というので、今回は、巨福呂坂の方にある鎌倉別館まで足をのばした。
 

 二見彰一版画展

  @ 神奈川県立近代美術館・鎌倉別館


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 実に音楽的な版画の数々。

 若いころは、単に青く、どこまでも青く、小さくシンプルに凝縮していたかのような作風が、
 後年になるに従い、スケールが大きく、カラフルになってゆく。


 「海のパストラル」、「星の音」、「星たちのアルペジオ」、
 「朝のコラール」、「花のコラール」、「波のフーガ」、「とぎれたフーガ」、「バッハを聴いた後で」、「もう一度バッハを」、
 「バルトークの部屋」、「スプリング・ソナタ」、「朝のホルン」、「海のホルン」、「カデンツァ・メランコリー」・・・・。
 
 このようなタイトルを聴いて、どのような作品を思い浮かべたでしょうか。
 音楽的なタイトルを見ているだけで、イマジネーションが湧きあがってくる。



 いつものように、小町通り入り口のイワタでお茶して、帰宅。

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