9月・終わらない夏の記録(つづき)~引き継がれた国芳の魂「奇怪・妖怪ものがたり」 @ 菱川師宣記念館

 ダルビッシュ、自己最多17勝、250K越え。そして武田(久)、こちらも自己最多に並ぶ34セーブ、通算100セーブ!

 この前の記事で、一試合一試合大切にしていきましょう、というようなことを書いたが、その後もさらにずるずると連敗続きでなんと1回も勝てず、
 もはや天王山でもなんでもなくなってから迎えたソフトバンク3連戦でも、2連敗、しかもどちらも大敗。
 9連敗。これで負けたらもうだめだ、という雰囲気の3連戦の最終戦、土壇場で、この二人が魂のリレーを見せ、立ちふさがってくれました。

 チームのため、そして100セーブのかかった武田にきちんとバトンを渡すため、
 「右腕がちぎれても抑える」つもりで8回にのぞんだダルビッシュ。
 圧巻の3者連続三振。

 言ったことは必ずやってくれるのがダルビッシュ。
 この人の存在をこんなにも頼もしく思ったことはない。

 そしてその思いにきっちりと答えた武田。

 それにしても、今のファイターズ、弱い、弱すぎる。
 背水の陣でのダルビッシュ登場で、かろうじて1勝、連敗を止めましたが、点がとれないことには変わりはない。
 このままでは、CS出場さえ危なくなってきた。
 たとえ出場できても、このままではとても勝てそうもない。

 こんなファイターズはこれまで見たことがない。いったい何があったのだろうか。

 今回の勝利をきっかけにして、ぐっと踏みとどまって、上昇ムードのままCS出場、ということになるといいんですが。



 気をとりなおして、前回の旅の続き。



 9月19日(月・祝)



 翌日は、ゆっくり、前日のお昼に行った「ばんや」の近くにある、

 菱川師宣記念館へ。


 以前他の美術館でポスターを見て、この展覧会には、絶対に行きたいと思っていたのだ。


 夏の大規模な国芳展の後も、このところ、歌川芳艶展や、東博の「博物館できもだめし」など、国芳の周辺の展覧会が続き、記事にも書いてきたが、
 そうなると、国芳の一番弟子ともいえる月岡芳年の妖怪画を中心としたこの展覧会も、見ないわけにはいかない、
 また、「浮世絵の祖」と呼ばれることも多い、南房総出身の大芸術家・菱川師宣についても、知っているようでいて意外と知らないことが多く、興味があった。
 
 と、いうことで、ちょうど良い機会なので、行ってまいりました。

 最終日。ぎりぎりセーフ。



 企画展 「奇怪・妖怪ものがたり」

  -世にも不思議な別世界へようこそ-

   @ 菱川師宣記念館  ~9月19日(月)まで。すでに終了。



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 最寄りの安房勝山駅。夏の駅。

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 菱川師宣記念館は、この安房勝山と保田のちょうど中間くらいにある。
 安房勝山駅にはタクシー乗り場あり。



 駅前の観光案内所に、すでに見返り美人の垂れ幕が。

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 海辺の道の駅・きょなんのすぐとなりにある菱川師宣記念館

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 当然のごとく、見返り美人がお出迎え。

 しまった。正面から撮ってしまった。

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 ちょっとそりすぎじゃ・・・・。

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 だいたいこんな感じ? 

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 見返り美人のステンドグラス

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 イメージキャラの「みかえりちゃん」。右は彼氏?の「よりともくん」

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 文明開化後の明治にあって、お江戸の闇の世界を守り続けた「最後の浮世絵師」、月岡芳年を中心とした企画展

 残酷絵だけでない、妖怪画、怪異画など、芳年のファンタジック?な側面をメインにした展示は、実に見応えがあった。

 和漢百物語の全作品をはじめ、新形三十六怪撰など、おなじみの妖怪・怪異スターのオンパレード。

 その中でも、代表的な大物八人?が、画面せましと勢ぞろいした、三枚続きの大作、「豪傑奇術競」は圧巻。


 芳年は、そのおどろおどろしい内容に反して、線がすっきりしていて、絵そのものが美しく、品格がある。

 どうしてもこの前見たばかりの芳艶と比べてしまうが、やはりちょっと次元がちがう、と感じてしまった。

 最晩年の「画帖 月百姿」など、あらゆる無駄なものが削ぎ落とされ、北斎の最晩年にも通じる清々しさ、美しさ。



▽ 展覧会ちらし

 すべて芳年の作品。(クリック+拡大すると、大きな絵をごらんいただけます)

 下半分が、「豪傑奇術競」。

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 ☆ 「豪傑奇術競」に描かれているヒーロー?ヒロイン?たちは、以下の通り。(展覧会の説明より。原文ママ)

  岩藤局・・・・お家騒動で討たれ蝶の化身となり復讐を誓う。

  仙冠者義虎・・・・源義経の末裔を名乗る、鷲に乗る飛行術。

  大蛇丸・・・・大蛇の化身。児雷也の宿敵。

  大友若菜姫・・・・大友宗麟の娘。蜘蛛の妖術で父の復讐を。

  魔蛇羅丸・・・・猫の妖術を使う。伊吹山の盗賊。

  須美津冠者義高・・・・木曽義仲の遺児。鼠の妖術で復讐を誓う。

  毛利宗意軒・・・・大魚に乗る妖術で由比正雪の謀反に加担。

  楠木胡姫・・・・楠正成の末裔。鶴に乗る隠行飛行術で足利家を狙う。

  天狗小僧霧太郎・・・・烏天狗のもとで修行し、家系図を取り戻す。

  
 最近、この方々のお姿を、やたら見かけるような・・・・。
 主に動物を操る豪傑たちのようで、あの将門公の娘、瀧夜叉姫などは登場していない。 



 常設の菱川師宣に関する展示に関しても、驚くことばかりで感銘を受けた。

 それまで一部の限られた階級が対象だった日本画の様々な技法を取り入れ、美人画・風俗画、武者絵、名所図会から春画まで、その後の浮世絵のあらゆるジャンルのもとになるような、実に多岐にわたる作品を、あくまでも「一般庶民」に向けて発信し続けた師宣は、まさに浮世絵の開祖、浮世絵界のバッハとでも言うべき存在。

 版本の版下絵師としてスタートし、やがては絵だけを独立させて観賞用の一枚摺版画を定着させ、その後の、世界に誇るべき日本の代表的芸術「浮世絵」そのもの確立させた功績は、はかりしれないほど大きい。

 その驚くべき業績の全貌が、とてもわかりやすく展示されており、そのような巨人が、なぜ保田という一地方の漁村から誕生したのか、などについても要領よくまとめられていた。


 いつもチェックしている仏画としては、おそらく師宣が下絵を画いたと思われる、縫箔師であった師宣の父、吉左衛門の手による、巨大な刺繍「仏涅槃図」(複製。実物は富津市松翁院蔵)がすばらしかった。  



▽ 唯一残された師宣の自画像。

  あのデュファイの肖像を彷彿とさせる、ヘロンとした姿が好ましい。 

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 菱川師宣の書いた銘がある鐘(複製)

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 近くにはスーパー「おどや」や、小さな飲食店がいくつか集まった施設もある。

 (下の写真は、おどやのソフトクリームコーナー。)

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 そして、すぐ背後は、美しい海!

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 前回の記事でご紹介した「ばんや」も近い。

 お近くに行かれた時は、ぜひ。



そのほかの「記事目次」

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カンタータ日記・奥の院

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宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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この記事へのコメント

たこすけ
2011年10月01日 14:59
>あのデュファイの肖像を彷彿とさせる、ヘロンとした姿が好ましい。 

妙にうけて大笑いしてしまいました。
・・・うかつであった(苦笑)
2011年10月02日 21:35
 デュファイの絵もそうでしたが、こちらもかなり脱力してますね。
 この人、とんでもなくすごい人なんですが、ギャップがすごいです。
 こちらはわざわざ自分で描いたようですから、江戸時代はこういうタイプが色男だったのかもしれません。 
天狗小僧霧太郎
2013年01月11日 23:40
突然ですが、天狗小僧霧太郎の後ろにいる動物わ何ですか?わかるなら教えてほしいです。
2013年01月12日 19:30
 霧太郎の後ろの黒いものでしたら、霧太郎の修行を助けた烏天狗だと思いますが、どうでしょうか。
 霧太郎のほかの絵にも必ず烏天狗が描かれているようです。
 この絵は確かに動物みたいな顔をしていますが、黒い羽根も見えますし、たぶん間違いないと思いますが。 

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