今年聴いたCD・クラシック編 XマスSP~HENGELBROCK is Coming to Town

 まぶしい、まぶしすぎる笑顔。
 この人は、こんな感じで指揮するのだ。


 クリスマスとはほとんど関係ないけど。わたしにとっては、何よりのプレゼント。


 メンデルスゾーン 交響曲第1番
 シューマン 交響曲第4番(初稿) 
 ほか

    ヘンゲルブロック&NDR響


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 NDR響常任就任記念アルバムということだが、曲目がお決まりの大曲などではなく、かなりこだわった(屈折した?)プログラムであるところがいかにもこの人らしい。
 rbhhさんに教えていただいたデビュー・コンサート、第2回目のコンサートなどとともに、早速本領発揮。
 メンデルスゾーン&シューマンという、ロマン派の中のロマン派、であるとともに、バッハ命、のバッハオタクであることでも共通しているおなじみの2大作曲家。
 その中でも、メンデルスゾーンの方は、普段めったに演奏されない第1番。
 シューマンは、交響曲第4番、と言っても、これまた通常版とは異なる初版を演奏している。
 おまけに、メンデルスゾーンの有名なオクテットのスケルツォ付。
 そう言えば、少し前のメンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルトも、通常とは異なる初版を演奏していた。
 まったくこの人のマイナー曲志向は相当重症。有名曲でも、変わった版をやりたがる。
 ハンブルグであきれられないといいのだが。


 わたしはメンデルスゾーンの1番など聴いたことなかったし、シューマンの版のちがいなどまるで知らないので、演奏について自信を持ってとやかく言うことはできないが、
 まちがいなく言えるのは、とにかくめちゃくちゃ鮮烈で美しい演奏だということ。
 CDをかけた瞬間から、おしまいまで、とにかく一瞬たりとも途切れることなく、極上の音楽が邁進し続ける。
 したがって、まったく飽きることなく、最後まで聴きとおせてしまう。
 そしてこれが最も大事なことだが、この演奏で聴く限り、メンデルスゾーンもシューマンも、どちらとも生命力に満ち溢れた、とんでもない名曲のように聴こえた。

 メンデルスゾーンの1番など、モーツァルトの最上のシンフォニーみたいに聴こえるし、
 オクテットのファンタジックな雰囲気や、シューマンのスケルツォからフィナーレへの膨れ上がるロマンや、フィナーレの、オケが高速で唸りをあげる迫力など、この人ならであろう。

 とにかく最初から最後まで、「颯爽」という言葉がぴったり。


 NDR響という伝統ある銘器の響きを最大限に尊重、活かしながら、持ち前の若々しい情熱、エネルギーを最大限に爆発させた演奏だと思う。
 そういう意味では、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンが築きあげてきた、交響曲という枠組みをしっかりと守りながらも、ほとばしるロマンを高らかに歌った、メンデルスゾーン&シューマンの交響曲は、このデビュー盤に最もふさわしいのかもしれない。
 曲がそれほど知られておらず、変な固定観念に縛られていない点もプラスになったかも。
 ヘンゲルブロック、そこまで考えたか?ジャケットの、脳天気なまでに明るい笑顔を見る限り、怪しいものだが。


 この人、古楽オケを振らせると、これが古楽器?と首をかしげてしまうくらいに、自然で流れの良い、モダンオケ顔負けのロマンあふれる演奏を聴かせてくれて、そこが何よりも魅力的だったが、
 いざモダンオケを振らせてみると、(これまでに聴いたわずかな演奏の印象ではあるが)
 それまで聴いたことが無いなようなアーティキュレーション続出の、バリバリの最先端古楽オケ顔負けの個性的な演奏を繰り広げる。
 いずれにしても、ユニークで、伝統的モダンオケの常任としての活躍が本当に楽しみ。
 アーノンクールやヘレヴェッヘのブルックナーの例もあるので、まだ聴けていないブルックナーへの期待もふくらむばかり。


 さて、ヘンゲルブロック、いよいよ、来春には、NDR響を率いて初来日
 ヴァイオリンのクリスティアン・テツラフも同行。

 ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームス、という、めずらしくど真ん中のプログラム。
 自信のあるレパートリーで、直球勝負か。
 ハイドンの70番、というのがちとあやしいけど。

 詳細はこちらで確認してください。→かじもとのページ

 ついに、この幻の天才指揮者がわたしたちの前に、その姿を現す!
(ちょっとおおげさか)
 


 2枚目、がらっと雰囲気を変えて、

 セブラックの歌曲集



 デオダ・ド・セヴラック 歌曲と古いシャンソン

    奈良ゆみ(S)、椎名亮輔(P)


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 セブラックは、ブルックナーと同じくらい好き。

 セブラックと言えば、やはり、ピアノ曲かオルガン曲。
 しかし、それだけではなかった!

 ということで、以前すばらしいVn曲のCDをご紹介しましたが、今回は、歌曲集。
 こんなすてきな音楽を、これまで知らずにいたとは。
 わたしはフォーレの歌曲全集を普段愛聴していますが、その音楽をさらに素朴に、ひなびた感じにしたような歌、。
 セブラックが生きた大地の光や風を濃厚に感じさせる、まるで民謡そのもののような、郷愁あふれる歌の数々。
 中には、古くから民衆の間で歌い継がれ、愛され続けてきたシャンソンに基づくものも。
 そういう意味では、あの魅力的なピアノ曲の数々をそのまんま歌にしたような感じではあるんだけど、よりストレートで、それでいて、時々驚くほど現代的な表情も見せるところがまた魅力的。
 鳥の声や羊飼いの歌、梢を渡る風の音から鐘の音、遠くから聞こえてくる街のにぎやかな物音まで、
 フランスの田園で耳にするであろうさまざまな音が、実際にあちらこちらにちりばめられているのも、また楽しい。

 クリスマスの歌もはいっていて、これがまたしみじみと心に響く!

 今年のクリスマスにいかがでしょう。全体を貫く牧歌的な雰囲気も含め、ぴったりかもしれない。


 奈良ゆみさんの歌も、音楽にふさわしい真摯さに貫かれていて好感が持てる。もっと素朴な歌い方でもいいかな、とも思えるけど。ちょっとうますぎる、というのはぜいたくな悩みか。
 伴奏(と言っても、実際は真の主役と言ってもいいくらい)の椎名さんは、セヴラックに関する著作もあるようだが、その演奏は常にセヴラックに対する共感に貫かれていて、特にすばらしい。

 ちなみにこの椎名さん、ナイマンの本なども翻訳してらっしゃるとのこと。



 おしまいに、ブリリアント盤 ヘンデル イタリアンカンタータ全集の新譜。(第3集)


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 リリースされてよかった。
 この分じゃ、いつ完結するのか、想像もつかないけれど、とりあえずはほっと胸をなでおろす。

 有名曲や大曲が続いてるところが、ちょっと気にはなるけれど。

 曲や歌詞について、くわしくは、kohさんのこちらのページをぜひをご覧ください。



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この記事へのコメント

2011年12月21日 20:18
ごぶさたしていました。

ブリリアントのヘンデル・カンタータ全集、VOL.4が来年1月20日に発売されるそうです。この巻は大曲ではない、比較的地味目の作品が収録されているみたいです。
2011年12月22日 15:24
 kohさん、情報ありがとうございました。ほっといたしました。
 今回は間隔が短いですね。楽しみです。
 また参考にさせていただきます。あたりまえですが、イタ・カンとは言え、内容がわかるとより楽しいですね。

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