昨年聴いたCD・ちょっと変わったブルックナー編【顕現節後第2日曜日】

 「市川雷蔵 時代劇全仕事」を観るため、スカパーの時代劇専門チャンネルを視聴していますが、大河ドラマアーカイブスシリーズで、今日から5回に分けて、「花神」(’77)の総集編が放送されます。

 適塾出身の村田蔵六(大村益次郎)が主人公なので、当然洪庵先生も登場、しかも宇野重吉。ちょっとイメージがちがう気もしますが、楽しみです。

 テーマ音楽は、先日亡くなられた林光さん。
 大河ドラマのテーマは、その時々の日本を代表する現代音楽家が手掛けているので名曲ぞろいですが、中でもこの「花神」は、同じく林光さんの「国盗り物語」などとともに、最高峰といっていいのではないでしょうか。
 「国盗り物語」は、いかにも大河らしい勇壮かつ壮麗な音楽でしたが、この「花神」は、主人公の大村益次郎同様決してハデではないものの、じわじわと心にしみる柔らかで美しい音楽。「花神」(=花咲爺)というやさしくも美しい言葉にぴったり。
 林光さんを偲びつつ、ドラマを観たいと思います。



 さて、年末にまとめて新年後のカンタータのお知らせを書いておいたのに、早いもので鏡開きも終わり、もう新しいお知らせを書かねばなりません。


 今度の日曜日(1月15日)は、顕現節後第2日曜日。

 カンタータは、

 初期のBWV155

 第2年巻(コラールカンタータ)のBWV3

 後期のBWV13

 の3曲です。


 BWV3BWV13、ともにたいへんな名品ですが、どちらもくわしい過去記事があります。

 ご参照の上、ぜひお聴きになってみてください。


 BWV3  → こちら

 BWV13 → こちら


 その他、過去記事は、こちら↓


 <顕現節後第2日曜>

    闇の中の閃光(BWV13、3他)
    顕現節後第2日曜(BWV3)
    顕現節後第2日曜(BWV3)
    CKの名品BWV3を聴く



  *    *    *    *    *    *



 最近聴いたCDの感想文、年をまたいで、「昨年聴いたCD」として続けます。

 新春恒例?のブルックナーから。ただし、いつもとちょっとちがうブルックナーです。



 BRUCKNER SYMPHONY IN CATHEDRAL

  バボラーク、チェコ・ホルン・コーラスほか


画像



 ラデク・バボラークさん率いるチェコ・ホルン・コーラスによるブルックナーシリーズ第2弾。

 以前ご紹介した前作は、ブルックナーの原点、モテットを、ホルン・アンサンブルで演奏した、夢見るように美しい録音が中心で、そのおまけとして、交響曲第7番のアダージョのホルン+オルガン版がついておりましたが、
 今回は、その交響曲編曲部分のみをさらに発展させた内容。
 何と、9番の第1楽章と、8番の第3楽章を全曲、という、超重量級のヘビーな内容となっております。

 前回と同じく、基本的にオルガンがベースで、ここぞというところで(と言っても、9番と8番なんだからここぞというところだらけなわけですが)、名手揃いのホルンコーラスが、朗々とメロディーを奏するパターン。
 今回はそれにVnソロも加わり、始めから終りまで夢のように美しく、陶然となります。
 教会での豊潤なエコーの録音がさらに雰囲気を高め、まさにタイトルどおりの、「シンフォニー・イン・カテドラル」。

 ただ、この音楽には、骨格となるビートがありません。
 実体の無い、幻のような音楽。ふわふわと浮遊し、漂流する音楽。
 夕日が完全に沈んでしまった後の、ゆらゆらと揺らめく残照、
 現れては消え、現れては消える、二度と戻ること無い思い出のような音楽です。

 従って、これは、原曲をよく知っている熱烈なブルックナーファンのためのCDと言えそうです。
 原曲を聴いたことが無い方には(そのような方がこのCDに手を伸ばすとはおもえませんが)、あまりにも淡く、あまりにも取りとめのない音の連続にしか聴こえないでしょう。
 でも、よく知っている人間にとっては、せつないくらいになつかしいフレーズたちが、忘却の霧の彼方から、次々と立ち現れるような、そんなかけがえのない体験が待っています。

 特に、アルバムの最後、8番アダージョのコーダ、
 まるで静かに明滅する微光のような、オルガンのやわらかな響きの中で、ホルンとVnが交わす対話の美しさは、この編曲版ならではのもの。
 実際の交響曲とはまた異なる味わい。



 2枚目も、ちょっと珍しいアルバム。

 わたしも初めて聴いた曲ばかり。 

 
 ブルックナー 男声合唱のための作品集

    男声合唱団 ブルックナー08


画像



 上の文章で、ブルックナーの原点はモテットだ、というようなことを書きましたが、ほんとうの原点の原点は、男声合唱かもしれません。
 かなり遅くなってからの交響曲作家、ブルックナー、
 それまでの彼の半生は、一部は教会音楽に、残りの大部分は男声合唱に費やされてきました。作曲だけでなく、彼は特に自分で歌うことが大好きだったのです。
 ブルックナーの音楽はオルガン的である、というようなことがよく言われ、事実そういう点もあるのかもしれませんが、それ以上にブルックナーの音楽は、どう考えても、合唱的、特に男声合唱的です。
 ブルックナーの男声合唱おたくぶりについては、ヘルゴラントの記事にも書きましたが、ヘルゴラント以外の主な男声合唱曲を収めたこのCDは、ブルックナーの真の原点がきざみこまれた、ファン必聴の一枚です。

 若いころの彼の楽しそうな笑い声が聴こえてきそうなCD。
 世俗男声合唱曲が中心。(一部世俗混成合唱曲、宗教カンタータ)
 トロンボーンのための作品、オルガンによる即興演奏なども収録。
 最後は、30歳の時の大作カンタータでしめ。
 ここにはすでに、わたしたちがよく知るブルックナーがいます。



そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

画像





この記事へのコメント

2012年01月17日 08:51
「国盗り物語」のテーマ音楽がどんな曲だったかすっかり忘れました。
印象に残っても忘れてしまいますので。
私は契約解除してしまったので、時代劇専門チャンネルも観ることがなくなりました。Noraさんはお勤めしていてお忙しいのに一時も無駄にしない感じ。
壁紙が掛け軸のようで素晴らしいと以前から思っていました。
2012年01月18日 14:42
 tonaさん、こんにちは。
 大河ドラマで、記憶に残っているのは「勝海舟」くらいからでしょうか。(仮面ライダーでおなじみの藤岡弘、さんが竜馬役だったので、何となく印象に残っている)
 はっきりと見始めたのは、おそらく平将門を主人公とした「風と雲と虹と」からで、こんな人がいたのか、と感動し、以降、歴史が好きになりました。
 「国盗り物語」は、他局の再放送(確かテレビ東京?)かビデオで観ました。
 音楽は、わたしもすぐにあやふやになってしまいますが、大河ドラマの場合、図書館でテーマ音楽集というのを借りたので、だいたいわかります。

 時代劇チャンネルは、数年前、ひょんなことから、市川雷蔵の大ファンになり、昨年末から全時代劇放送が始まったので、契約しました。
 まだ始まったばかりで、全部放送するのには3年くらいかかるそうなので、気の長い話です。ただ、たまにそれこそ古い大河ドラマや、最新の映画などもやるので、コツコツ見続けようと思っています。
 
 壁紙は、ウェブリブログの場合、種類が豊富なので、選ぶのが楽しいです。
 一応、内容にあった壁紙にしようとは心がけています。

この記事へのトラックバック

過去ログ

テーマ別記事