続・池袋モンパルナス~ウルトラ前夜、高山良策展+’98 松本竣介展目録

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 2月22日(水)



 豊島区立熊谷守一美術館


 高山良策展 向こう側の気配 開催中 (~3月4日(日)まで)

  
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 高山良策は、大映映画(大魔神ほか)やウルトラ怪獣の怪獣や宇宙人の造型であまりにも有名だが、
 実は、戦前・戦中の池袋モンパルナス・アトリエ村のシュルレアリスムの伝統を引き継ぎ、独自のシュールな画風を確立させた、戦後アトリエ村を代表する画家なのだった。

 今回の展覧会は、戦後から1950年代に怪獣造形を始めるまでの間にスポットを当て、言わば怪獣前夜の作品に焦点をしぼったもの。
 後の怪獣のイメージが強いためか、あるいはあえてそのような作品を選んだのか、どの作品も、どこか怪獣や宇宙人を思わせる造形物、そして、どこかの惑星や異次元を思わせる空間の広がりが特徴的な作品群。

 会場には、画集を始めとするたくさんの資料も置かれていたが、その画集などを見る限り、かなりどろどろした作品も多いようだが、今回は、意識的にかどうかはわからないけれど、すっきりと美しい、空想科学的な作品がほとんどだった。

 後は、やはり、その画集で見た怪獣の造型がすばらしかった。恐ろしいのだが、どこかかわいかったり、哀愁が漂っていたりする。つまり、強烈な個性がある、見事な「作品」。
 これらが動いて暴れ回ったんだから、わたしたちの心をとらえて離さなかったわけだ。

 画集によれば、学研?の人形劇「注文の多い料理店」の人形等のデザインも手掛けたようで、これは機会があればぜひ観てみたい。


 今回は初めて、有料の熊谷守一の常設展も観たが、この美術館で何よりもすごいのは、1階の喫茶コーナーかもしれない。
 1階の喫茶コーナーには、モンパルナス関連を中心とした、美術書、展覧会目録などが数多く置かれ、自由に閲覧できる。
 1999年、没後50周年を記念して練馬区立図書館等で行われた、松本竣介展の目録など、必見!



 ちょうどよい機会なので、池袋モンパルナスの跡を、再びゆっくり訪ねてみた。


 写真はアトリエ村跡のうちのひとつ、さくらが丘パルテノン跡。

 数あるアトリエ村の中で、最も大規模だったのが、このさくらが丘パルテノン。(長崎アトリエ村)
 なんたって、名前からして、パルテノン。

 アトリエ村での生活を生き生きとつづった、吉井忠の日記の舞台がここ。
 他に、麻生三郎、丸木位里など。

 寺田政明宅、松本竣介宅などもこの付近。

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 池袋モンパルナス、アトリエ村跡を再訪した詳しい記事は、こちら



 モンパルナス関係の資料は、熊谷守一美術館の他、乱歩通りの、中古レコードで有名な八勝堂が充実している。(3階特設コーナー)

 また、今回は訪れなかったが、豊島区立のアトリエ村資料館もある。



▽ 10年以上前に、練馬区立美術館で開催された、没後50周年の松本竣介展の目録を入手。


 これによって、遅ればせながら松本芸術の全貌を俯瞰することができた。
 この人は、まごうことなき天才だった。
 これまで書いてきたように、池袋モンパルナスの主流はシュルレアリスムや抽象画だったわけだが、
 そんな中にあって、その決して長いとは言えない生涯にわたって、愛する人物、建物を、その「カタチ」を大切に、ただひたすら描き続けたことがわかる。
 さまざまに変化はするが、常に彼ならではの真摯さに貫かれたのタッチで。

 この人の絵は人物や建物のクローズアップが多く、フェルメールと同じで、広い視点の風景画というのは少ないのだが、
 戦争直後、あんなに愛して書き続けた建物たちがすべて失われ、一面の焦土と化してしまった東京の風景を、何点か描いている。

 ページをめくっていると、、ものすごくていねいに建物を描きこんだ作品群の後で、突然これらの絵が現れ、心がしめつけられる。

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