2013へびがいっぱい&まじめにカンタータ聴き初め【新年、顕現節】

 あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いいたします。


 昨年は、クリスマス(12月25日~27日)の後、12月30日の日曜日がありましたので、この日が降誕節後第1日曜日、
 新年の1月1日をはさみ、今年は、新年後第1日曜日が無くて、1月6日の顕現節を迎えることになります。

 昨年、新年前後のカンタータ一覧表(一口コメントつき)を作りましたので、早速、使わせていただきます。
 作っておいて、よかった・・・・。


 こちら


 新年前後のカンタータは、クリスマス、復活節、各マリアの祝日などと並び、数、内容ともに意外と充実しているのです。
 聴きごたえ満点の名作カンタータがずらっと並んでいますので、気になった曲をぜひお聴きになってみてください。


 今年、わたしは、
 バッハ全盛期の名作、第2年巻・コラールカンタータのBWV41
 豊潤、芳醇、どちらの言葉もぴったりな、後期の大人のカンタータ、BWV171
 の2曲を聴きました。

 BWV41。コワン盤。
 お正月にふさわしい祝祭的な冒頭合唱と、しみじみと新年を迎える喜びをかみしめるような、コワンのヴィオロンチェロ・ピッコロが絶品の  アリアとの対比がすばらしい。

 BWV171。リリング全集盤。
 ロ短調ミサでおなじみの冒頭モテットで気が引締められた後に続く、2つのアリアの美しさ!
 2つのヴァイオリンとテノールによるコンチェルトみたいな、テノールアリア。
 新年の青空のように晴れやかでのびやか、颯爽たる音楽ですが、実はけっこう緻密なフガートの技法が多用されているという、バッハマジックの典型。
 しみじみと訴えかけるようなソプラノのレチタティーヴォに続いて、ヴァイオリンとソプラノによる親密なデュエット。
 まるできらめく光がダンスしているかのような流麗さ。
 オジェーの真摯な歌声が心にしみ渡ります。
 今年も、天馬空を行くかのようなバッハの自由な魂にあやかりたいと思います。


 なお、過去記事はこちら。↓


 <降誕節後第1日曜>

    クリスマスとバッハその3 【降誕節カンタータ一覧】
    1年の最後の日没~降誕節後第1日曜(BWV152他)

 <新年>
    新年のカンタータ(BWV41、171他)
    「熙代照覧」の富士山、江戸城と、新年のカンタータ (BWV41他)

 <顕現節>

    三人の博士(BWV65、123)



 巳年ということで、まずは、こちら。


 NHK(Eテレ)元旦恒例、新春舞楽も、この曲でした。


 舞楽 「還城楽」(げんじょうらく)。

 以前、増上寺で観た時の写真。
 へびをつかまえて、大喜び。

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 以前、トーハクで観た、還城楽をモチーフにした見事な工芸品。
 海野勝珉の「還城楽図額」。
 
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 さて、毎年、新年には干支がらみの日本画を中心にご紹介していますが、へびだけに、日本画では、あまりお正月らしいものが無い。
 おなじみ国芳の浮世絵や狩野一信の五百羅漢図、涅槃図などには、へびはけっこう登場するものの、あまりおめでたい雰囲気でもない。絵巻などのへびもたいていは恐ろしげ。



 と、いうわけで、今年はちょっと趣向を変えて、へび関係の仏像から。


 へび関係の仏像


 へびにちなんだ仏像と言って真っ先に思い浮かぶのは、弁財天でしょう。


 やはりこちらから。

 昨年訪れたたくさんの寺院の中で、最も心に残った寺院の一つ、奈良佐紀路の喜光寺の、蓮池に囲まれた弁天堂の弁天様

 写真に写っている厨子の中に、秘仏の宇賀神像がおさめられていて、毎年蓮の花の咲くころに御開帳されるとのこと。喜光寺は蓮の寺として名高く、仏像もどれも見事なものばかりなので、いつか見てみたい。
 写真の弁天様も、かわいらしく、思いっきり癒し系だが、しっかりと頭には宇賀神を載せていらっしゃる。 

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 お次はおなじみトーハクの仏像から。

 (以下、すべて、過去に撮りためた写真)

 弁財天坐像。頭に宇賀神を載せ、琵琶ならぬ剣を持つ勇ましい姿。

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 ご近所、東京大仏・乗蓮寺庭園の弁天様

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 一面八臂の古風なお姿。

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 新年なので、大仏様も。

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 干支をあらわす十二神将にも、当然へびの神様がいます。


 再び、トーハクから。


 もと浄瑠璃寺の十二神将のうち、巳神。

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 もと横須賀曹源寺の十二神将のうち、巳神。

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 この時は、巳神が、ひときわ貫禄があるせいか、十二神将の本尊みたいに、ど真ん中に安置されていた。
 まるで今年のための配置みたい。
 みんな、頭にデザイン化された小さな動物を載せていて、おもしろい。

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 しかしながら・・・・、

 蛇がらみの仏像で、これまでにわたしが観た中で一番印象に残っているのは、

 奈良町大安寺嘶堂伝馬頭観音立像
 
 秘仏中の秘仏であるため、もちろん写真は無いのだが、遷都1300年の時に、幸運にも観ることができた。
 さすがにものすごい迫力。一本彫りならではの原初的な力がみなぎっていて、恐ろしいくらい。
 頭上に馬頭を載せていないので、なぜ、馬頭観音と伝わるのかよくわからないが、そのかわりに首や足など全身に蛇を巻きつけている。
 馬頭観音立像としては、大宰府・観世音寺の巨像に迫る名品だと思う。



 以下、蛇の彫刻。


 薬師寺金堂本堂基壇に彫られた四神のうち、北面玄武の彫刻。

 裏側にあたるため、普段は目にすることができない。
 レプリカが展示されているので、このようなものだということがわかる。
 レプリカは撮影OKなのですが、撮影に失敗したので、スケッチです。

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 神田神社隋神門玄武(北方七宿を表す蛇がからみついた形)

 大迫力。

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 日光東照宮五重塔初層十二支彫刻より。

 これは、すごくリアル。見事。

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 次に、見てみたいお祭り。


 えちごせきかわ「大したもんじゃ祭り」の世界一長い蛇(の頭)。

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 あと、写真は無いですが、

 出雲の石見神楽も、一度見て観てみたい。



 へびは恐いですが、こうして見てみると、なかなかめでたい気もしてきた。



 (追記)


 やはり、日本画が無いとさびしいので、載せておきます。
 北斎大先生に頼ることにしました。


 雉子と蛇(団扇絵)

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 「蛇と小鳥」~前北斎卍筆肉筆画帖より

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 どちらも同じような題材、厳しい自然の中の一コマを描いた作品ながら、何という違いだろう。
 北斎という天才の、まさにバッハを思わせるような表現力の裾野の広さを痛感させられる。
 「雉子と蛇」の武者絵のような激しい迫力、「蛇と小鳥」の、緊迫した中にも漂う静謐なまでの詩情。
 描かれた時期が異なると言ってしまえばそれまでだが、「雉子と蛇」が天保前記、「蛇と小鳥」が天保中期とそれほど離れていないのだ。
 これだけの短期間で作風が変容しているのだとしたら、それはそれですさまじい。

 「蛇と小鳥」が収録されている肉筆画帖の中の作品は、このブログでも、これまでに何度か紹介している。
 (こちらこちら。後者などあの高橋由一のルーツなのでは)
 他にも、水の中の魚や虹、セロファン紙の包みを描いた絵などが並び、超絶技法を圧倒的な完成度の中に結実させた作品ばかりが含まれる画帖なのだが、
 何とこれは、かの天保飢饉の最中、版画等の嗜好品の出版が困難になった時に、そこらへんの紙に肉筆で絵を描いて、それを束ねてどんどん売り出したものである可能性が高いという。
 このような高度な作品、しかも肉筆画が、ふつうに売られていたお江戸、恐るべし。



 最後に、いきなり海を越えてしまいますが、蛇と言ったらこの人、愛すべきルゥッソォの、「史上最高」の蛇の絵二点。


▽ アンリ・ルソー 「夢」

 ちらっとしか登場してませんが、実に効果的。こんな初夢が見てみたい?
 
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 そして・・・・、
 

▽ 「蛇使いの女」

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そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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この記事へのコメント

2013年01月09日 09:02
今年は年女なので巳の話には釘付けです。蛇は嫌いなのですが。
恥ずかしながら弁財天と蛇については今年知りました。
いかにぼーっと今まで過ごしてきたかの例です。
たくさんの仏像やヘビにかかわるのを見せていただき有り難うございました。
2013年01月11日 11:02
 tonaさん、
 仕事始め、初詣に行った直後にインフルエンザにかかり、寝込んでいたため、お返事が遅れてしまい、新年早々たいへん失礼いたしました。
 遅ればせながら、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 早めに医者に行ったのですぐに熱も下がり、今はもうほとんど何ともないのですが、今日ぐらいまでは外出禁止ということで、こうしてお返事を書いております。
 宇賀神の例にもあるように、以外にも、蛇は古くから神聖な生き物として大切にされているようですね。(日本に限らず)
 年女のtonaさんのために、本文の中に少しだけ日本画を追加しておきました。
2013年01月11日 17:00
インフルエンザかかったとのこと、大変でしたね。お見舞い申し上げます。
当然ながらお仕事は休まれたのですね。

Noraさん、北斎の絵をありがとうございます。
私は北斎が大好きです。
その通りですね。蛇が怖いです。
でもアンリ・ルソーのはそれほど怖さを感じません。
TVでアンリ・ルソーのこの「蛇使いの女」を解説していました。
ピカソなど数人に認められましたが、あまり評価を得られなかった画家ですね。でもどの絵も見るほどに面白いです。実に当時素朴派と言われながらユニークです。
鮭の絵、本当に高橋由一です!
2013年01月11日 23:22
> お見舞い申し上げます。

 tonaさん、ありがとうございます。
 おかげさまで、薬をもらった次の日には熱も下がり、ほとんど回復しました。
 ただ、ウィルスはまだ残っている可能性があるとのことで、医者には今日いっぱいは外出しないようにと言われたので、もう休みになることだし、誰かにうつしたらたいへんなので、明日中くらいは家にいようと思っております。

 tonaさんからコメントをいただいて、北斎に蛇のよい絵があったのを思い出しました。北斎、ほんとにすごいですね。
 それに比べて、ルソーはいかにもゆるいですが、わたしは大好きです。
 これでも、実物を観るとけっこうすごいのです。

 「蛇使いの女」のへび、こんなにやさしいへびは見たことありません。ルソーの描く動物はみんなこうなのです。  

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