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zoom RSS ダウスゴー、唯一無二のシベリウスを聴いた!〜昨年末から今年に聴いたCD・シベリウス編

<<   作成日時 : 2013/02/16 19:07   >>

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 毎年、復活節前のカンタータがお休みの期間には、集中的にCDのご紹介をするようにしています。

 昨年心に残ったCDのご紹介がまだ途中ですので、早速続けていきたいと思います。



 今日は、冬のシベリウス特集。


 春の祭典、復活節は遠く、まだまだ寒い日が続きますが、これは、春の息吹を高らかに告げるシベリウスか。



 ダウスゴーのシベリウスほか 傑作交響曲集 (Blu−Ray・Disk)

 〜ベケット財団設立20周年記念「シンフォニック・サマー・プロジェクト」ライブ(2009年)

 1、ブラームス:交響曲第1番ハ短調
 2、ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調「新世界より」
 3、シベリウス:交響曲第5番変ホ長調
 4、ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」

  イーナ・クリングレボトン(ソプラノ:4)
  エアレン・ティアミ(バリトン:4)
  デンマーク国立交響楽団(デンマーク国立放送交響楽団)
  トマス・ダウスゴー(指揮)


画像



 室内楽的で精緻極まりないブルックナー2番の名演で、こんな人がいたのか、まだまだ世界は広い、と、びっくりさせられたダウスゴー。(こちらの記事
 北欧デンマーク出身のダウスゴーが当然シベリウスを得意としていることを知り、何としても聴いてみたいと思い、(昨年新日フィルに客演してシベリウスを演奏したらしい。こういうのを見逃すところがまだまだ未熟)
 CDではなく、Blu−Rayではありますが、早速、購入しました。


 ブルックナーの名演の印象、また、現代作曲家でもあるということから、クールで冷たい感じの指揮者なのかな、と想像していたら、ダウスゴーさん、ガクラン(みたいな服)着て汗を飛び散らす、とんでもない体育会系、熱血系でした。
 わたしは、なぜか、いつもこういう人に縁があるな。

 まあ、これはブルックナーもそうでしたが、基本的に無機的な感じはまったく無く、あらゆる旋律が、朗々と心を込めて歌われます。
 クライマックスにはすさまじいアッチェレランドがかけられ、速度的にも音量的にも極限を突き抜けた状態になり、大迫力ですが、
 デンマーク国立響が北欧ならではの美しく透明な音色を持っており、また抜群にうまいので、演奏がどんなに白熱・沸騰しても、決して音楽が濁ったり、破たんしたりはしない。
 どんな時でも、音楽は透き通り、ありとあらゆる声部が鮮やかに浮かび上がってきます。
 このあたりは、ダウスゴーさんの作曲家ならではの細やかで理論的なまなざしがしっかりとゆきとどいている証しなのかもしれません。
 実際、ブルックナーの演奏の最大の特色でもあった、不思議な、これまでの演奏では聴いたこともなかったような響きも、あらゆる場面で続出。楽しいことこの上ない!
 聴きなれた名曲が、生き生きと新鮮な姿となって、心に焼き付きます。


 さて、以上は、全4曲に総じて言えることなわけですが、
 ここで記したような、
 オケの美しく透き通った響き、
 各声部を大切にして、これまで聴いたことのないような響きを生み出す指揮者の表現、
 そして、指揮者、オケ奏者が一つになった情熱、
 これらは正にシベリウスの名演に必要不可欠なことで、これら諸要素が結実したシベリウスの演奏が、悪かろうはずありません。

 しかも、曲は、大自然の「祝典音楽」とも言うべき、第5番。
 祝典、と言っても、人間俗世界の、豪華絢爛、ハデな祝典ではなく、大地と星々と生命の織りなす大自然の祝典。
 シベリウスの演奏にはちょっとそぐわないイメージがあるかもしれない「燃え上がるような情熱」が、ここでは、完全にプラスの方向に働き、正に祝祭的、モニュメンタルな稀有の名演になっています。

 さらに一つ、この5番の演奏ならではの特色を上げるとすれば、リズムをとても大切に、生き生きと表現している、ということでしょうか。
 この交響曲の最も重要な大きな特色の一つとして、実はリズムの多様性、複雑性、ということが上げられます。
 大自然のさまざまなリズムが交錯するようなこの曲の魅力が、ここまで鮮烈に表現されたことは、これまで無かったと言っていいのではないでしょうか。


 シベリウスの5番、名曲だけに、星の数ほどの名盤が存在します。
 しかし、この5番に限っては、その「祝祭的な」性格からか、わたしにとっては生演奏が一番です。
 わたしはこれまで、幸運にも、ヤルヴィおじいさん、ヴァンスカ、セーゲルスタムなどの5番を生で聴いたことがありますが、そのどれもが圧倒的な音楽体験として心に焼き付いています。
 4番や6番などは、旅先や自宅など静かなところでCDを聴いて、それに並ぶような感動を得られたことがあります。しかし、5番だけは、わたしが考えうる最高の演奏だと信じる他ならぬヤルヴィおじいさんのグラモフォン新盤でさえも、生演奏の感動には、遠く及びません。

 その点、このダウスゴーさんのディスクは、映像作品なので、生演奏に近い感動が得られる、というところも高ポイント。
 ヤルヴィおじいさん、ベルグルント、渡邊暁雄&カムの全集盤などと並ぶ名演奏盤として、今後も大切に聴き続けていきたいと思います。


 それにしても、このディスクを見ると(ダウスゴーさん自身は少々あつくるしく感じられるかもしれないですが)、
 オケの一人一人の奏者がほんとうにいい顔をしている。
 同じ北欧のオケでも、以前見た、一人一人がエルフそのものみたいに美しかったスウェーデンのエーテボリ響とちがって、このデンマークのオケは、なんだか、親しみやすい、素朴(身近)な雰囲気の方が多いのですが、みんな、渾身の力を込めて、とにかくいっしょうけんめいに演奏していて、それが、そのままストレートに音楽の力となり、見事この「祝典」へとつながっている。
 
 会場のコペンハーゲン・コンサートホールの息のむような美しさ、独特の雰囲気も演奏の感銘にプラスに働いている。
 それらを見るだけでも価値があるわけだが、正に、「観る音楽の力」!



 ついでに、ちょっと、これも聴いてみた。


 ダウスゴーのベルワルド


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 十八番中の十八番。曲の真の姿、新しい魅力を教えてくれる。

 これからも、この人からはほんとうに目が離せないな。 



 特集、カムのシベリウス


 上でもちらっと触れましたが、わたしは、シベリウス全集では、ヤルヴィおじいさん盤やベウグルンド盤などの、錚々たる名全集とともに、渡邊暁生さん&オッコ・カムが分担して新日フィルを振っている全集を愛聴しています。

 最近、日本では、オッコ・カムの名前はあまり聞かないような気もしますが、
 この、かつて日本で最も身近な「シベリウス指揮者」だった人が、この頃はどのような演奏をしているのか、
 比較的新しい演奏を聴いてみました。


 シベリウス 交響詩集 「テンペスト」、「鳥」、「タピオラ」 

  オッコ・カム指揮、ラハティ響 (2011年)


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 最晩年の珍しい交響詩(劇音楽)「テンペスト」の、序曲、第1組曲、第2組曲のすべてを演奏している。
 曲そのものに、同時期の交響曲やタピオラみたいな結晶度は見られないが、劇的でバラエティ豊か、しかも、シベリウスならではの美学に貫かれた魅力的な音楽を、音の一つ一つに北欧の精霊が宿っているかのような、これ以上ないくらいの美しい響きで再現している。
 
 こうなると、この響きで交響曲が聴いてみたい、と心の底から思ってしまうが、その思いがちょっと満たされるのが、最後に収録された、交響曲に匹敵する凝縮度を誇る、シベリウスのもう1曲の交響曲というべき、交響詩「タピオラ」。
 「タピオラ」は、それこそ名演奏名盤にことかかないが、これまでに聴いたどの演奏よりも、奥深く、ファンタジーにあふれ、そして何よりも美しい演奏。
 姿なき「タピオラ」の姿を、はっきりと感じる!?


 そして、上記「この響きで、交響曲が聴いてみたい」という願いをさらに満たしてくれるのが、このCD。


 ニールセン 交響曲第1番
 シベリウス 交響曲第7番


  オッコ・カム指揮、コペンハーゲン・フィイル (2002年)


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 まごうことなき、21世紀になってからのカムの交響曲演奏。しかも、7番!

 少し前の演奏だし、オケや録音が異なるせいか、上記「タピオラ」の純度には及ばないものの、流麗で、しかも、さわやか。難渋なイメージがつきまといがちな7番の新しい側面を見せてくれる、素晴らしい演奏。



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