オケゲムの新しい地平~最近聴いたCD・古楽編。新譜特集。

 浅田真央さん、世界選手権、フリーで巻き返しての銅メダル、おめでとうございます。
 そして、侍ジャパン、この強豪ひしめく大会で、アメリカまで夢をつないでくれてありがとう。



 早いもので、いつの間にか、レントももうすぐ終わり。
 取り急ぎ、まだ取り上げていないCDを。あんまりすごいCDなので、今日は1枚だけ。

 CD感想、今後も随時続けてゆきます。
 



 オケゲム プロラツィオーヌム

  カンデル、アンサンブル・ムジカ・ノーヴァ


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 カンデル&アンサンブル・ムジカノーヴァについては、ミサ・クユスヴィス・トニ(任意の旋法で演奏可能なミサ)の画期的、超名演のCDで心から驚かされた。(こちらの記事

 そのカンデル&アンサンブル・ムジカノーヴァが、ついにオケゲムの最高傑作、ミサ・プロラツィオーヌム(様々な旋法のミサ)に挑戦、
 この驚愕の大傑作に、正に驚愕の大名盤が誕生!

 ミサ・プロラツィオーヌムに関しては、これまでヒリヤード・アンサンブルの精緻極まりない演奏が不動の決定盤として知られ、わたしも、この曲に関しては、これ以上の演奏はちょっと考えられないのではないか、と思っていました。
 逆に言えば、それ以外に、これは、という演奏にほとんど出会ったことがない。
 と、いうか、この曲にチャレンジするアンサンブル自体が少ない。

 クユスビス・トニの演奏から、期待に胸が高鳴るのを抑えつつ、CDを購入しました。


 そして・・・・、

 CDをかけたとたん、どこまでもまっすぐな人間の声が、耳に飛び込んできた。
 女声を含めた、美しいけれど、素朴とも感じられるような、まごうことなき人間の声。これまでなじんできた、オケゲムの世界とはまったく異質な世界がふんわりと広がる。
 ヒリヤード盤の、とても人間の声とは思えないほどの研ぎ澄まされた表現からすると、ちょっと、ガクッとしてしまう。
 これで、あのプロラツィオーヌムが表現しきれるのか?と思わず心配してしまったほど。

 しかし、その心配はすぐに吹き飛び、驚きと喜びがそれに変わりました。

 美しくまっすぐな声が、豊かな響きを伴って、正確に、的確に、オケゲムの残したすべての音符を心を込めて歌ってゆくことによって、400年前に生きたオケゲムの心から湧き出た音楽、一つ一つの「歌」が一つに重なりあって出現する光の世界が、心いっぱいに広がる!

 あのプロラツィオーヌムの、超絶的な音響世界が、鮮やかな色彩をともなって総天然色となり、さらに、温かさ、温度までをも獲得した!


 オケゲム、その超絶的な作曲技法だけがいつまでもクローズアップされるけど、この人、やっぱり大デュファイの弟子だった。
 そして、その対位法の豊かな世界は、まちがいなくバッハにまで連なるのだ。
 頭ではわかっていたそのことを、ものすごい説得力を持って体感させてくれる演奏。
 まちがいなく、オケゲムの真髄を未来に指し示し、オケゲム演奏の新地平を切り開く一枚。


 必聴!!



 おまけ


 これまでの主なオケゲムの記事↓


 バッハの源流への旅・その4~オケゲム「プロラツィオーヌム」

 バッハの源流への旅・番外編~オケゲム、再び

 最近聴いたCDから・オケゲム名盤登場!演奏進化史概略付 



そのほかの「記事目次」
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カンタータ日記・奥の院

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カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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