R.シュトラウス古楽系?~今年前半聴いたCD・R.シュトラウス編【三位一体節後第6日曜日】

 100周年記念のツール・ド・フランス、

 今年は、NHKBSで、「まいにち ツール・ド・フランス!~第100回大会を楽しもう~」というのを、放送してくれている。
 現在、中国ドラマ「項羽と劉邦」を観るため、WOWOW契約中なので、今年はJスポの生中継は我慢することにした。
 ただ、この「まいにち ツール・ド・フランス!」、以前やっていたフジテレビのダイジェストよりはくわしく、だいたいの流れはつかめるものの、おそらく海外の番組を直訳してそのまま放送しているもの。
 日本人の新城選手を特別クローズアップすることもないし(第2ステージでは、早くもスプリント勝負に出て、12位に飛び込んだのに!)、放送時間も短く、どうしても臨場感にかける。

 ツールは、美しい風景と果てしないと思われる時の流れの中で、突然、しかも次々と予測不能なさまざまなドラマが起こるのが、やはり魅力なのだ。
 まあ、しかたないけど。

 コルシカ島の何とも美しい風景の中での波乱含みのプロローグが終わり、いよいよフランス本土での激戦が始まった。
 第4ステージのタイムトライアルを皮切りに、昨日の第5ステージでは、我らが新城選手が序盤からアタック、200キロ越のアップダウンの激しいコースを逃げまくり、いきなり見せ場を作ってくれた。
 (第5ステージは、ストリーミング放送で部分的に見た)
 ツールで日本人が逃げ集団を形成するなんて、少し前には想像もできなかったこと。わかりやすい結果につながっていないので、ほとんど話題にはならないが、新城選手は、チームの一員として戦っているのだ。

 今日のBSの放送では、ちゃんと伝えてくれるだろうか。

 興味ある方は、NHKBSの番組、ぜひごらんください。風景を観るだけでもすばらしい。



 さて、今度の日曜日、7月7日・七夕は、三位一体節後第6日曜日。


 カンタータは、

 後期を代表する名作2曲、

 BWV170BWV9


 過去記事はこちら↓
  

 <三位一体節後第6日曜>

    きらめく夏の、名作カンタータ・たまにはきちんと曲目解説(BWV170、9)



 真夏のはじまりを告げる大名曲、BWV170。その数字を見ただけで、さわやかな気持ちになる?

 上記記事の他にもたくさん登場しています。ぜひご参照ください。


 BWV170、9のくわしい曲目解説は、こちら

 BWV170のCD名盤に関する記事は、こちらなど。

 BWV170の名演ライブを聴いた記事は、こちら



 早いもので、今年も前半が終了。

 今年前半に聴いたCD等の記事もちょこちょこ書いていこうと思います。


 まずは、今年前半、というか、昨年末に聴いて感想を書き、そのまま忘れていたものから。



 2000年録音のSDGシリーズ、コープマン全集などのカンタータCDでもおなじみのリサ・ラーション(ラーソン)さんのCDを。 
 


 R.シュトラウス 「町人貴族」、4つの最後の歌ほか、歌曲集

 リサ・ラーション(S)、ダグラス・ボイド指揮、ヴィンタートゥール・ムジークコレギウム


画像



 この前の「ちょっと変わったカンタータCD」の記事で登場したシュトゥッツマンさんと同じく、ガーディナーのSDG巡礼シリーズを支え、カンタータの世界ではなくてはならない存在であるリサ・ラーション(ラーソン)さんですが、
 今回は、カンタータのCDではなく、R.シュトラウス。


 「4つの最後の歌」のCDは、これまで何度取り上げてきたかわからないくらいですが、これまでのどのCDとも異なる、新しい魅力にあふれる名盤の登場です。

 カンタータの名演で聴かせてくれたままの、清楚でまっすぐですが、心からあふれる思いにつらぬかれた歌声が、あのR.シュトラウス最後のモノローグ、旋律を奏でます。
 そしてその歌さえもが、全体を構成する一つのピースになってしまうような、長い長いR.シュトラウスの芸術生活の総決算、この世のものならぬ絶美のオーケストレーションを奏するのは、この曲にしては珍しい小編成の室内オケ。
 過剰なビブラート等は一切排したピリオド風奏法ですが、感情はこもりきり、
 普通だと、絢爛たる響きに覆い尽くされてしまいがちな、実は繊細極まりないオーケストレーションの一音一音が、ダイレクトに心に伝わってくる。
 そこに刻み込まれた、R.シュトラウスの心の震えまでもが感じられる。

 最終曲、「夕映えの中で」。

 これまでの名演は、どれも、壮麗極まりない夕映えの風景が眼前に浮かび上がるような演奏がほとんどで、それこそがこの曲の真髄でもあるにちがいないのですが、
 この演奏、そんな風景というよりも、夕映えの、あの独特の気配、香気、空気感が、そのままダイレクトに心にしみわたってくるような演奏。
 そして、その「気配」の中で歌われる歌が、なおさらまっすぐに心につきささる。


 組曲(劇音楽)「町人貴族」は、リュリの編曲が出てくる作品で、クープランのクラブサン曲に基づく舞踏組曲&ディヴェルトメントとともに、大好きな曲。
 わたしは、リュリやクープランの原曲を聴くより、これらの作品を聴く方が好きだ。
 この精緻かつ情感豊かなな室内楽団の演奏は、もちろん、この曲にもぴったり。
 R.シュトラウスのすてきな愛聴盤がまた増えた。



 ところで、「町人貴族」と言えば、少し前に、NHK BSプレミアのプレミアム・シアターで、2012年ザルツブルク音楽祭のライブ、ハーディング指揮の「ナクソス島のアリアドネ」を観た。

 音楽劇「町人貴族」との2部構成での上演だったことも含めて、なかなか印象深い舞台で、感激した。
 「ナクソス島」はもちろんだが、組曲版とは異なり、舞台において生き生きと奏でられた「町人貴族」の音楽のすばらしさに、改めて感銘を受けた。

 やはり、R.シュトラウスの音楽は、舞台がよく似合う。 



 おまけ、意外に合うぞ、

 元祖、古楽系 R.シュトラウス



 鎮魂 ~ R.シュトラウス メタモルフォーゼン

  スロウィック&スミソニアン・チェンバー・プレイヤーズ


画像


 * CDが行方不明なため、タワーレコードさんのHPの画像をお借りしました。
   タワーレコードさんでは、現在残念ながら取り扱っていないみたい。


 その後、ブーム?になった、歴史的楽器、奏法による近現代作品演奏の先駆けとも言える、歴史的名盤。
 初めて聴いた時は、衝撃だった。
 今改めて聴いても、素朴な響きながら、かえって複雑極まりないスコアが、よけいな雰囲気を排して明瞭に浮かび上がってくる。しかも、各声部が切々と歌っていて、なかなか味わい深い。



 ジンマンのR.シュトラウス管弦楽曲&協奏曲選集

  デイヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団


画像



 大オーケストラの気合の入った演奏でずっと続けて聴いていると、たまにうるさいことのある、R.シュトラウスの交響詩や初期作品ですが、
 その純粋な音楽美を、実にすっきりとした演奏で堪能することができるができる、画期的なシリーズ。
 すぐ手元に置いて、愛聴しています。
 ただ、逆に、晩年の作品や協奏曲などは、わたしには、それほど特色が感じられない。
 もちろん、音楽自体がただの音楽ではないので、美しいんだけど。
 例えば、4つの最後の歌は、冒頭に挙げたヴィンタートゥール・ムジークコレギウムのもの方が、また、メタモルフォーゼンは、ウロウィックのものの方が、音楽の本質に迫ろう、という姿勢が、ずっと徹底している気がする。



 さて、冒頭の「町人貴族」は、作曲者のシュトラウス自身が、古楽をトリビュートした作品でしたが、
 おしまいに、そこでもちょっとだけ触れた、もう一曲の古楽トリビュート作品、クープランのクラブサン曲に基づく舞踏組曲&ディヴェルトメントの、CDを。


 R.シュトラウス バレエ音楽BOXセット

  若杉弘指揮、都響。


画像



 少し前にも、ご紹介したけれど、よいCDなので。
 長らく入手困難だったのを、これまた、タワレコさんが復刻してくれてるはずです。
 上記、クープランのクラブサン曲に基づく舞踏組曲&ディヴェルトメントをはじめ、お菓子のクリーム(泡立ちクリーム)などのめちゃくちゃ楽しい曲の他、大作「ヨセフの伝説」も収録。
 若杉さんは、このような大曲、秘曲を降らせたら、きちっとした誠実なアプローチが曲の真髄を見事に描き出して、その点においては右に出るものが無い、我が国が誇る指揮者の一人でした。
 クープランのクラブサン曲に基づく舞踏組曲&ディヴェルトメントも、妙にくずして甘ったるくしていない、正攻法の格調高い演奏でした。
 音楽自体が限りなく甘く美しいので、こういう方が、「古楽」の持つ古風な雰囲気が色濃く出て、すばらしい。



そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

画像





この記事へのコメント

ANNA
2013年07月04日 19:49
Noraさん、こんばんは。

数ヶ月前のこと音楽好きの知人宅にてR.シュトラウスの「4つの最後の歌」
を聴き、以来この作品が好きになり色々な盤で聴いているところですので
ご紹介のラーションさんのCDも聴いてみたいと思います。
 R.シュトラウスの作品、私はこれまで親しんでおらず、グールドの録音でピアノ曲を聴くぐらいだったのですけれども。
 何かのきっかけで思いがけず「好き」の扉は開くものなのですね。
またひとつ楽しみが増えました。ありがとうございます。
2013年07月05日 20:42
 ANNAさん、こんばんは。
 シュトラウス、いいですよ。わたしは大好きです。
 この人、根っからの劇場作曲家なので、やはりオペラが最高ですが、最晩年の協奏曲やソナチネなどは、モーツァルトが長生きして?20世紀まで生きていたらこんな曲を書いただろう、というような、大げさではなく、この世にこんな美しい音楽があったのか!と驚かされる名品ばかりです。
 若い頃の交響詩も、日本では外面的なハデさばかりが取沙汰されますが、そのあたりは舞台人ならではサービス精神の現れ、上記作品などを聴きこんだ上で交響詩に接するとなかなか味わい深いものがあります。

この記事へのトラックバック

過去ログ

テーマ別記事