今年前半観た映画等。ヴェルヌチルドレンの映画。ワーグナー映画。小川さん映画も。【三位一体節後7】

 お江戸の七夕。


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 今度の日曜日(7月14日)は、三位一体節後第7日曜日。


 カンタータは、

 第1年巻のBWV186
 第2年巻のコラールカンタータですが、なぜかコラール全詩節テキスト・カンタータのBWV107
 後期の、小ミサ曲の原曲として有名な、BWV187

 の3曲です。


 過去記事は、こちら。↓


 <三位一体節後第7日曜>

    「小」ミサ聴き比べ&テキスト・カンタータのミステリー(BWV187、107他)



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 Jスポ4が、ツール・ド・フランスを連日生放送しているが、先週の日曜日、第10ステージをまるっと無料放送してくれた。
 このステージ、ピレネーに入って第2戦目、
 本格的山岳ステージになり、満を持していきなりスカイ軍団の恐るべき統率力&実力が炸裂、フルームがマイヨ・ジョーヌを着た直後の、重要なステージ。
 NHKBSのダイジェストだけ見ると、何となくいつもとそれほど変わらないようなレース展開で、当然マイヨ・ジョーヌも変わっていないのですが、実は、あまりにも激しいチーム戦に、最終的には先頭グループの中にスカイのアシストは一人も残ることはできず、フルームだけが唯一人、いくつもの駆け引きを乗り越え、先頭集団の中でゴール、見事マイヨ・ジョーヌを守り切った、という激動のステージ。生中継で全体を見ると、そのあたりのツールならではのすさまじさ、おもしろさがよくわかり、ツールの醍醐味を満喫することができました。

 やはりケチらずに契約すればよかったか。


 スポーツ関連の話題が出たところで、一応、野球、ファイターズのことも。

 今週の火曜日、東京ドームで行われた対楽天戦に行って、散々な目にあいました。

 詳しい記事は、こちら
 楽天ファン、乃木坂46ファンの方は、ぜひごらんください。


 唯一、癒されたのは、こちら。↓心にしみる歌声でした。


 楽天×エル・システマのコラボ企画、「日本発!みんなで作ろう子どもオーケストラ」の第1弾、福島県相馬市桜丘小学校6年生による合唱、「ふるさと」。(嵐が歌っている歌)

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 子どもたちの心のこもった歌声を聴くことができたし、

 マー君の野球人生の中でも、日本国内で見ることができるものとしては、おそらく最高レベルに到達しつつあるその圧巻の投球を、いやでも体験することができたし、

 まあ、いいか。


▽ がんばれ!陽岱鋼! 

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 今日は、夏恒例の映画の記事。



 少し前、ついに、念願だったディズニー・シーのファンタズミック!を見たが、

 まずは、ディズニーの「ファンタジア」の兄弟分ともいうべき、ジュール・ヴェルヌの夢を引き継いだ者たちの映画を。



 ヒューゴの不思議な発明 Hugo

  2011年、アメリカ映画、マーティン・スコセッシ監督作品


 ちょうどWOWWOWで、ジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」(カラー版)を観た直後だったので、とても興味深く観ることができた。

 ヴェルヌから、ジョルジュ・メリエス、ディズニーを経て、センダック、セルズニックたちへと引き継がれた夢が、このジョルジュ・メリエスを描いた映画に結実し、大きな輪となった。
 ディズニー・シーにあるすべてが、火山も、深海も、あの魔法使いの衣裳も、すべてジョルジュ・メリエスの映画の中にすでにあったのだ。そしてそれらは、すべてヴェルヌの夢から湧き出でたものだ。


 ちりばめられたサティをはじめとする音楽とあいまって、20世紀はじめのパリの雰囲気がとてもよく描かれている、すてきな映画だった。
 でも、完成度が高い分、登場人物がみんな英語を話すのが、どうしても妙な感じだ。しかたないのだろうけど。
 初めて観るような、実際のメリウスの映画の映像もたくさん登場して、うれしかった。
 メリウス映画のメイキングシーンのクオリティも最高。

 ジョルジュ・メリウスは、田中久重の文字書き人形を知っていたろうか。
 もし、知らなかったら、ぜひ見せてあげたい。


 わたしが観たのは、WOWOWの通常版。
 機会があったら、巨大で精巧な「機械」じかけの20世紀初のパリの街、そしてその裏側に広がる壁の中の時計の世界、ヒューゴの世界を、3Dで体験してみたい。

 
 最後に、メリウスの回想シーンの中、上記自身の映画スタジオでの撮影シーンで、よく聴いてみると、ちらっとオルガン音楽がはさみこまれていた。曲は確認できなかったが、もしかしたら、小川さん関係?



 今年は、ワーグナー生誕200年、没後130年。

 お次は、ワーグナーの音楽とそのある種世紀末的な雰囲気にどっぷりと浸かりたい、という方に、ピッタリの映画。


 メランコリア


  2011年、デンマーク、スウェーデン、フランス、イタリア合作、ラース・フォン・トリアー監督作品


 宣伝コピーを見て、パニック映画か何かかと思ったが、まったくちがった。

 華やかで才能豊かだが、その鋭敏さゆえに何もかも失ってしまう妹と、ちょっと地味だが、財産や家族に恵まれ満ち足りた生活をおくる姉、そしてその愛する一人息子が、惑星メランコリアの”接近通過”(実は衝突)による地球の滅亡を、それぞれの態度で、しかしいっしょになって迎えるお話。

 第1部は、妹が、しあわせの絶頂であるはずの結婚式の最中に、破滅に向かってつきすすみ、何もかも失ってしまう様子を、まるで実際に結婚式を映したビデオみたいな淡々とした映像で、じっくりと描いてゆく。
 メランコリアは象徴的な影のようにしか登場せず、この部分は重厚な人間ドラマ。

 妹が、部屋にカンディンスキーか何かの前衛的な絵がこれみよがしに飾られていたのを、ブリューゲルなどの絵に替えてしまうシーンが印象的。

 第2部。
 いよいよメランコリアが接近し、地球は終末を迎える。
 海に開いた美しい庭園に、月(一つはメランコリア)が二つ浮かぶシーン、巨大になったメランコリアが海から静かに浮かび上がるシーン、
 メランコリアの影響で雪や雹が降るシーン、動物や昆虫たちがさわぐシーン、
 ついに衝突しようというメランコリアに照らされて、超自然的な光を帯びた地上の風景、
 何もかもが夢のように美しい。
 (実際に大きな惑星が”接近通過”するような時は、こんなものではすまないんだろうなとは、素人なりにも思うが、まあ、惑星は象徴的なアイテムなんだろうから、いいのだ)

 ただ、すべては、俗世界から隔絶された宮殿のような豪邸の中で繰り広げるため、パニック映画、SF映画的要素は皆無で、こちらもまた、結局は人間ドラマ。、
 姉は、妹のために「最高」の結婚式を準備したのと同様に、最高のシチュエーションでその時を迎えたいと願うが、妹は一笑に付す。
 甥っ子から”スチールブレーカーおばさん”と慕われていた妹、そのかわりに、おびえる甥っ子のために、「魔法のシェルター」をつくりあげ、その中で3人は、最後の瞬間を迎える。

 全編にわたって、トリスタンとイゾルデの前奏曲が流れ続ける。(有名な第1幕のもの。エンドロールの時だけ、しばしの沈黙の後で、第3幕のもの)
 その他は、シーンに合わせ、いくつかのダンス音楽のスタンダードが流れるだけで、ほとんど使われているのは、ワーグナーだけ。
 冒頭いきなり、第1幕への前奏曲のほぼ全曲が流れ、それにあわせてものすごく印象的な、この監督が自らの美意識のすべてを投入したような、シンボリックな映像が流れ続ける。このあたり、何となく、「ツリー・オブ・トップ」とも似ていると思ったが、全編見終えると、それらの映像の意味するところがとてもよく伝わってくる。
 全編見終えた後、再度、冒頭のこの「ワーグナーのプロモーション映像」部分を見ることをおすすめ。

 いろいろな意味で話題になった映画のようだが、映画として純粋によくできていると思った。  



 やっと見つけた小川さん映画(=バッハの音楽が登場する映画)も。ちょっとだけ。少しずつでも続けます。
 だけど、少ないな。もっとがんばらねば。


 * これまでの小川さん映画まとめページ↓
   
   小川の流れる映画(サントラ・バッハ)


 PARIS


  2008年、フランス映画、セドリック・クラピッシュ監督作品


 「ヒューゴ」同様、パリが舞台だが(20世紀初頭ではなく、現代、21世紀)、もちろん、こちらの方はちゃんとフランス語。
 重い心臓病の弟と、その世話をする姉を中心とした群像劇。
 日本でよく見られるように、劇的な演出でお涙頂戴風に盛り上げることはまったくせずに、外に出ることができない弟が、高層アパートのベランダからいつも見下ろしているパリの街の人々の「普通の」生活を淡々と描いていて、それがかえって胸にしみる。

 心を病んでほとんどストーカーと化した大学教授の場面で、アカデミズムの象徴みたいな感じなのだろうか、いつも、バッハが流れる。
 音楽の捧げもののトリオソナタ、フランス組曲第5番のジークなど。
 その教授の「健全で普通な」弟、建築会社で街づくりのプロジェクトをしている彼が得意そうに兄に見せる街づくりのイメージ映像では、BGMに「バッハのメヌエット」が使われていた。



 猿の惑星:創世記(ジェネシス)  Rise of the Planet of the Apes

  2011年、アメリカ映画、ルパート・ワイアット監督作品


 こちらも、意外だが正真正銘の小川さん映画。

 オリジナルも、ティム・バートン監督のリバイバルも、猿の惑星シリーズは、やはりSF映画の原点の一つ、タイトルにも大いにそそられるものがあり、公開当時は劇場にまで観に行こうとも思った。
 結局、機会が無くて、昨年になってケーブルテレビで観たのだが、これまでの作品とからめたさまざまな凝った部分はあったものの、何となく、よくできたパニック映画みたいな仕上がりになってしまっていた。
 高度な知能を持ってしまった猿の悲しみ、というのは、限りなくイマジネーションがふくらむ、最もわたしの琴線に触れるテーマと言えるし、勝手に、タイトル通りの神話的な雰囲気を期待していたのだ。

 と、いうわけで、作品としては、わたし的にはちょっとがっかりだったのだが、一応バッハの曲が登場していたので、記録しておきます。
 元音楽家の主人公のお父さんが、薬の効果で一時的に病状が回復して、生き生きと弾き始めるのが、
 平均律、しかも第2巻の、あの平和な喜びに満ちあふれたト長調フーガ。

 Prelude and Fugue no. 15 (BWV 884)



 以下、小川さんと関係ないが、今年前半印象に残った日本の映画やドラマ。かなり古いものもあり。



 「僕達急行 A列車で行こう」


  2012年、森田芳光監督作品


 森田監督の急死により、最後の作品になってしまったけれど、「遺作」的な重さはもちろん、そうした雰囲気は一切無く、登場人物の演技も含めてものすごく軽いタッチ、ストーリーも上質なTVドラマを長くしたような感じ、それがむしろ清々しく、楽しく観られた。
 ただ、電車&都会と田舎の風景の撮影だけは、ものすごく気合が入っていて、これは映画ならではだと思う。大画面で一度観てみたい。
 そして、全編に、森田監督のやさしさ、あたたかさがあふれている。

 「旅をしているわけではないけれど、通勤しているわけでもない」・・・・、
 わかるなあ。



 「宇宙ショーにようこそ」

  2010年、舛成孝二監督作品 


 光り輝く夏の農村、日本の原風景とも言える中でのびのびと暮らす子供たちを主人公とした、典型的なSFジュブナイル。

 同種の作品としては、「サマーウォーズ」があったが、
 こちらの「宇宙ショー」の方が、けた違いにスケールが大きく、
 夏休みの合宿の初日、合宿所の学校をスタートした後は、怒涛の勢いで銀河を駆け回り、すっかり全宇宙の英雄となって、合宿最終日、親たちが迎えにくる直前ぎりぎりに、学校に帰還する、という、ジュブナイル中のジュブナイル!

 地球人は知らない、月の裏側から全宇宙に広がっている、ポップアートがぎっしりつまったような宇宙世界が、たまらなく楽しい。



 以下、TVで観た連続ドラマ。完全にかなり以前観たものがメイン。



 NHKBSプレミアム 「火怨・北の英雄 アテルイ伝」


 社会的メッセージの濃厚な映画やドラマは苦手だが、これだけメッセージがまっすぐで力強いと、ただもうそれを受け止めるしかなく、しかもそのメッセージは、今の日本に一番必要なものでもあるのだ。 
 全編で4回だけの短い作品で、まるで大河ドラマの総集編みたいな駆け足の部分も多々あったが、東北の美しい自然の風景と、大沢たかおさん、北村一輝さん、高嶋政宏さんらの重厚な演技によって、力のこもった歴史ドラマになっていた。
 むしろ、ほとんど資料の残されていない、歴史の彼方に流れ去ってしまった「史実」を、よくぞこれだけの物語に膨らませたというべきだろう。

 登場人物の中でも特に印象的な役どころの、阿弖流為の妹、アサト役を演じていた高梨臨さん、
 わたしはこの人は初めて見たが、なかなかの好演だった。
 どこかで見たな、と思ったら、この人も、WOWOWのオリジナルドラマ、ネオ・ウルトラQに出演していて、なかなか味のあるストーリーテラー役をやっている。


 内容的には、幼いころに夢中になって観て、良くも悪くもわたしの歴史観の原点になっている大河ドラマ「風と雲と虹と」ととてもよく似ている。
 主人公の悲しいまでの純粋さも同じ。
 もちろん、アテルイたちと、将門ら坂東武者とはまったく異なる人々であり、アテルイたち「夷敵」を追いやった武士の末裔たちが、新しい「夷敵」となってゆくわけだが、
 「アテルイ伝」は、朝廷VS東北・坂東のまつろわぬ人々、という、日本の中世史の根幹をなす構図の最も原初的な大事件を描いたドラマ、と言えるのかもしれない。
 アテルイの意志は、将門の乱、平泉王国を経て、頼朝の鎌倉幕府開府へと綿々と引き継がれていった。
 ここにいたって、「夷敵」を征伐することを本来の目的としていた征夷大将軍は、実質的に「夷敵」を統率し、「夷敵」の立場を厚く守護する「夷敵」の盟主に変容した。

 そんな征夷大将軍の、頼朝以前のもっとも有名な人物である坂上田村麻呂が、きちっと描かれていたのもうれしかった。
 頼朝以降の、「夷敵」の盟主たる立場の征夷大将軍の萌芽が、田村麻呂の言動の中にすでに微妙に認められるような演出もよかった。



 日本テレビ系 「泣くな、はらちゃん」


 第1話、はらちゃんの世界に初めて音楽がもたらされるところ、伊坂幸太郎がデビュー作「オーデュボンの祈り 」において渾身の力を込めて書いたことを、いともかんたんに、さらりと表現してしまった。しかも効果的に。 

 その後、この話は、いったいどうやって収集させるつもりなんだ、と気になってしかたなく、一時も目が離せない状態で最終回を迎えたが、最終回、根本的な問題はほとんど何も解決することなく、そのまんま全編が終わったという、恐るべきドラマ。
 かなり良い意味で言ってます。

 そういう意味では、同クールで放送していたドラマの中では、予想外に(失礼)なかなか面白かった「信長のシェフ」も尻切れトンボだったのだが、こちらが完全に続編狙いのようだったのに対し(その後話は聞かないけれど)、「はらちゃん」の場合は、それはありえないだろう。

 もっとも、一応、最終回にも、わずかながらの進展はあった。
 越前さんはちょっとだけ成長し、薫子先生は再び筆をとり、清美さんは田中くんにようやく思いを打ち明けて、はらちゃんの世界には、ささやかな豊穣がもたらされた。
 あれ、こうして書くと、なかなかの大団円?
 世界の根本的な問題なんかより、一人一人の生き方が大切、ということなんだろう。

 やっぱりすごいドラマだった。

 それにしても、主演の長瀬智也さんは、怒るとものすごく恐い。恐すぎる。
 長瀬さんのドラマは、怒ると手の付けようがなくなる主人公が平和に生活しているが、やがて我慢の限界を超えてついに暴れてしまう、という物語の組み立てが多かった気がするが、これは、全編を使ってそれをやった感じ。
 子供たちにも人気のドラマだったそうだが、ちびっ子たち、テレビの前で震え上がったのではないだろうか。



 NHK連続TV小説 「あまちゃん」


 熱血ブラスを思わせるようなビッグバンドによる、インストのテーマ曲をはじめとする音楽がすばらしい。
 テーマ曲は、はじめ、あまりに瑞々しい青春っぽさに、それこそどこかの有名な高校生バンドが演奏しているのかと思ったら、錚々たるプロミュージシャンが顔をそろえるバンドなので、驚いた。
 あがたさんのライブでいい味を出していた坂田学さんも、鮮烈なビートを聴かせてくれている。
 劇中音楽も、みんないいが、ここぞという時には、すばらしいブラスアレンジ、あるいはギターアレンジの「星めぐりの歌」が流れる。

 前半は、文句なしにキョンキョンが実の主人公で、失われていた20数年間を取り戻す物語だった。
 後半、東京編になって、いきなり、いかにも、な感じになってしまったが、ここまで観たら、もう観ないわけにはいかない?
 上記「はらちゃん」の薫子先生役に続き、ここでも、薬師丸ひろ子登場。



 最近のアルバムから。


 駒場公園

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 スカイツリーと新幹線(㊙スポットより)

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そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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