凝りに凝った「ルター」のコンセプトアルバム他~今年聴いたCD・バッハカンタータ編【三位一体節後26】

 今度の日曜日、11月24日(三位一体節後第26日曜日)のカンタータは、BWV70、1曲です。

 もともとはヴァイマール時代のアドヴェント用のカンタータですが、ライプツィヒでは不用になったため、改作して第1年巻に組みこまれました。


 これで、暦も一段落。惜しい。もう1週間あれば、BWV140の登場でしたね。

 いずれにしても、1年間、ありがとうございました。

 また来週から、クリスマス、新年に向けて、新しい暦が始まります。引き続きよろしくお願いいたします。


 過去記事は、こちら↓ 


 <三位一体節後第26日曜>

    三位一体節後第26日曜日



  ☆    ☆    ☆



 春と冬のカンタータのお休み期間恒例の、印象に残ったCDのご紹介、
 早くも始めてしまいます。


 久しぶりに、カンタータのCDを。、
 一年の締めくくりくらいは、カンタータのこと、書かないと。


 いずれも、単なるカンタータ集ではなく、それぞれ特徴ある、かなり凝った構成が魅力、おすすめ。

 どちらも、タイトルに「ルター」がつきますが、使い方が微妙に異なる点に注目。



 ルター・カンタータ集

 BWV687&38、BWV684&7、BWV741&2

  R.ウィルソン&ムジカ・フィアタ、ラ・カペラ・ドゥカーレ

 
画像



 ルターのコラールに基づくコラール・カンタータ集&オルガン・コラール集。
 
 まず、ルターのコラールを基にしたオルガン編曲が奏され、それに同一コラールによるコラール・カンタータが続く。

 オルガン編曲は、クラヴィーア練習曲第3巻(ドイツ・オルガン・ミサ)の大規模編曲2曲(BWV687、BWV684)と、最初期の4声編曲(BWV741)、
 カンタータは、すべてライプツィヒ2年目のコラール・カンタータ年巻の傑作ばかり。

 オルガン曲、カンタータ、同じ1曲のコラールを基にして、どれほど異なる音楽、そしてどれほど豊かで大きな音楽が造り上げられているか、バッハの作曲の多様性と、その奥義を実際耳で体験できるしくみ。
 そして、さらに、そのすべてを体験したその上で、ルターによる原コラールの根源的な力が鮮やかに浮かび上がってくる。

 ツィンク等の楽器の名手でもあるアメリカ人指揮者、ローランド・ウィルソンが、ドイツで設立した古楽器アンサンブルのグループ、ムジカ・フィアタと、声楽アンサンブルラ・カペラ・ドゥカーレによる、演奏する喜びが生き生きと伝わってくるような演奏。



 ザ・シックスティーンのルター派ミサ曲集(第1集)

 BWV235、233、BWV102


画像



 カンタータではなく、ルター派ミサ(小ミサ曲)がメインのアルバムだが、それらのミサ曲のパロディ前の原曲が多く含まれるカンタータが、同時に収録されているところがミソ。

 やがてはロ短調ミサ曲へと連なる隠れた「バッハの最高傑作」、ルター派ミサ曲とともに、ミサ曲の原曲であるカンタータの演奏も併せて楽しめる、という豪華盤。

 これまで再三書いてきたとおり、バッハのパロディが、単なる既存曲の再利用ではなく、バッハの計り知れない創作精神の発露である「偉大なる再創造」であることを、自分の耳で確かめることができる。
 こちらも、バッハの作曲の奥義を体験するのに最適な好企画盤。

 ミサ曲ロ短調、カンタータともに名演のあるザ・シックスティーンの、決定盤的演奏。
 このグループ、このくらいの規模の曲が、一番合っているような気がする。

 第2集への期待も、否が応にも高まります。



 以上、どちらの盤も、最高の職人的な技法が最高の芸術に直結していることを示している。
 それを、最高の演奏で目の当たりにできる喜び!



 なお、カンタータがらみのCDでは、ここにきて、以下のような注目盤も。



 まずは、楽しいアリア集から。


 バッハ・アリア&ヴァイオリン協奏曲集 

  ヌリア・リアル、J.シュレーダー&バーゼル室内管弦楽団


 HMVのページ


 多くのヘンデルのアリア集等で、すばらしい歌声を聴かせてくれたヌリア・リアル嬢が、バッハのアリア集にチャレンジしてくれました。
 と言っても、よくあるカンタータ・アリア名曲集ではなく、ケーテン起源の曲やアンナ・マグダレーナがらみのアリアや歌曲等を中心にセレクトした、何ともリアル嬢にぴったりの内容。
 合間には、ケーテンの華、ヴァイオリン・コンチェルトまで収録されています。

 曲目を見ているだけで、何とも華やいだ幸福な気分になってきます。
 これは楽しみ。



 お次は、例によって、器楽編曲版。


 THE SILENT CANTATA カンタータからのコラール、アリア集 

  オズデミール&ムジカ・セクンツァ


 HMVのページ


 ただの器楽アレンジ盤ではなく、イスタンブール生まれのファゴット奏者、ブーラク・オズデミールのファゴットを中心とした編曲集。
 こちらは、曲目は定番の名曲オンパレードですが、聴きなれた曲がどのような新しい装いを見せてくれるのか、興味深いところ。
 ファゴットの音色も、これからの季節にぴったりなのでは。



そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

画像





この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

過去ログ

テーマ別記事