クラウディオ・アバドさんを偲ぶ。

 クラウディオ・アバドさんが亡くなってしまった。


 わたしに、クラシック音楽の楽しさ、そしてブルックナーの音楽の楽しさを教えてくれたのが、アバドさんでした。
 もうはるか昔のことです。初めてラジカセを買ったのがうれしくって、いろいろなジャンルの音楽をかたっぱしからエア・チェックしていたのですが、最初に録音したのクラシック音楽が、たまたまアバドさん&ウィーン・フィルの指揮するブルックナー(3番のアダージョNo.2)で、いきなり、その魅力にすっかり心奪われてしまったのです。(記事、こちら

 それがすべての始まりでした。
 その体験が、長い時を経て、バッハやルネッサンス・中世の音楽につながってゆき、いまだにブルックナーは、わたしの心の大切な部分を占め続けています。

 アバドさんがいなければ、今のわたしは存在していなかったでしょう。
 昨年予定されていたルツェルン祝祭 管弦楽団との来日公演は、そのアバドさんがたどりついた至高のブルックナーを生で聴くかけがえのない機会だったので、わたし自身特別な思いを込めて楽しみにしていたのですが、ついにそれを果たすことはできませんでした。

 
 先の大震災の際に、真摯なメッセージを送ってくださった、アバドさんの力強い瞳が忘れられません。

 その時の演奏を始めとする、晩年のルツェルン音楽祭におけるライブ映像は、けっしておおげさではなく、人類の至宝だと思います。

 アバドさんは、一見まったく何でも無い静かな微笑み、そのやさしさ、やわらかさの中にこそ、音楽の核心、人間のほんとうの強さがあることを、全生涯をかけてわたしたちに教えてくれた、偉大な芸術家でした。


 20世紀から21世紀へと、クラシック音楽の伝統の橋渡しをしてくれた音楽家、クラウディオ・アバド氏の逝去を悼み、心からご冥福をお祈りいたします。


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