東洋美術の殿堂・トーハクでルッソオの魅力を再認識する。トーハクの冬景色~冬のアルバム3

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 まずは、冬の特別展2本立ての記録から。

 ただ、今回の2本立ては、パスポートの特別展のスタンプが、それぞれ必要だった。

 最終日、昼近くに起きて、駆け込みで行ってきました。


 2月23日(日)


 クリーブランド美術館展 名画でたどる日本の美

  @ 東京国立博物館 平成館 


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 この前のボストン美術館展と同様、トーハクのミニダイイジェストみたいな感じ。
 実際、厩図や蔦の細道図など、最近本館で同種の作品を観たばかりのものも多く、一瞬同じ作品が展示されてるのかと思い、混乱した。
 ただ、ポスターにもなっている、何だか悪い顔をした雷神を始め、見慣れない不思議な作品も多く、また、第一級の仏画もそろっており、見応えがあった。

 この「見慣れない不思議な」感覚というのは、海外の美術館所蔵の日本美術展に行く度に感じるのだが、例えば、日本の野球選手がメジャーリーグで成功してしばらくすると、何となく外国人っぽい雰囲気が身についてしまうのと同じようで、とてもおもしろい。
 (実際は、日本人好みとは少しずれた外国人好みの作品を中心にコレクションしているということ)


 大空武左衛門、本人も、描いた渡辺崋山も、どちらもすごすぎ。

 蕭白の蘭亭曲水図、現代の最もうまい漫画家が本気になって描いたようなタッチ。
 その他、群舞図薄図などが印象に残った。

 もう閉館間近だというのに、福富草紙絵巻に長蛇に列。福富がめちゃくちゃやられている絵に、みんなものすごく真剣に見入っていたが、どういうことか。


▽ 展示作品と同種の作品。

  (最近、本館にて撮影。特別展はもちろん撮影禁止)

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 あと、何と言っても、わたしにとってのこの展覧会の主役は、ルソー。「トラとバッファローのたたかい」

 ルソー晩年の超大作の一つを、無料(パスポートにスタンプ一つだけ)で観ることができた。
 たくさんのオレンジやバナナ、いくつかの鮮やかな花がちりばめられたいつものジャングルは、ますます気持ちよく濃密な香りを漂わせ、その中心であたかも歌舞伎役者のようにポーズを決める?虎とバッファロー。
 ロンゲの妙な虎にかみつかれ、やれやれ困ったものだ、とでもいうような、バッファローの達観した瞳。
 やはりルソーはいい。例えようも無くいい。

 トーハクでこのようなルソーの大傑作を観ることができた、というのも、忘れられない異次元?体験。
 日本画の中で観ると、ルソーが日本画にものすごく近いことがわかる。種類は決定的にちがうのだが、ものすごく接近している。
 この「トラとバッファローのたたかい」のトラは、日本美術の王道モチーフの一つである、「実物など見たことが無い霊獣としてのトラ」に連なってはいないだろうか。
 熱帯の楽園や動物たちをさも実際に見てきたかのように描く精神は、中国等の仙境や地獄・極楽の情景を確かな実在感を持って描き切る日本絵画の巨人たちの精神に重なりはしないだろうか。
 ルソー晩年の作品に漂う極楽感の秘密はここにあった?


 そのまま、向かいでやっている、

 人間国宝展 生み出された美、伝えゆく技

 へ。


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 さまざまなジャンルの人間国宝の作品が、それらの作品と関連する、あるいはそれらの作品に影響を与えた実際の国宝・重文等の歴史的文化財といっしょに並べられていて、壮観!

 それにしても、人間国宝の作品、どれもすごすぎ。
 基本的には、器や着物などなのだが、これは恐れ多くて絶対に使えない。昔の作品ももちろんすごいのだが、皇族や貴族、大金持ちなどが使っている様子を、かろうじて想像できる。縄文土器でさえ。
 しかし、近現代の超絶技巧が結実した人間国宝の作品は、全く想像できない。

 あと、予想以上にカラフル。見た目鮮やかな、楽しい展覧会でした。


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 平成館

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 その他、最近のトーハクの記録。



 1月29日(水)


 トーハクのギャラリートーク(秋篠寺十一面観音について)

  @ 仏像ルーム


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 期待していたこの仏像固有の説明は殆ど無かったが、説明の間20分ほどずっと仏像を観つめていて様々な新しい発見があったのは大収穫だった。いつも見慣れている仏像なのに。やはり仏像は、長時間対峙することが重要だと思った。

 初めて秋篠寺に行った時、あまりにも完成されすぎた姿になってしまっている伎芸天よりも、何となく妙なところのあるがそこがまた美しい帝釈天にずうっと見とれていたことを思い出した。



 月がかわって、トーハク国宝室は、等伯の松にかわり・・・・、


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 雪舟 秋冬山水図

  * こちらも現在は展示終了。

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 トーハク国宝室。

 冬の方が飛びぬけて有名だが、秋の絵も、まるで秋の豊かでやわらかな色彩、香りまでもが感じられるようで、すばらしい。


 秋(部分)

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 冬(部分)

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 冬のトーハク


 冬木立

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 トーハク点景


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 本館とツリー

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 夕焼けトーハク

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 ところで、WOWOWで観ていた中国歴史大河「項羽と劉邦」、2月についに最終回を迎えた。

 三国の有名キャラたちがいなくなった後も、司馬懿が西晋の建国&三国統一の基礎を築くまでをていねいかつ重厚に描き切り、曹操のモーレツぶりを見事に引き継ぐそのすさまじいキャラ&演技で、ラストの大団円まで大盛り上がりだった「三国志」に比べると、楚&項羽の滅亡をクライマックスに持ってきて、項羽&虞姫の死と晩年の劉邦の様子だけをやたら時間をかけて描いて終わらせた本作は、ちょっと尻すぼみ的な観が否めなかった。

 でも、前半、秦滅亡あたりまで、趙高が生きている頃は、抜群におもしろかった。


▽ トーハクで見つけた張良

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 ロダン

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