何とも悩ましい?カンタータのCDたち~最近聴いたCD・カンタータ編

 CDのジャケットが何とも季節外れなので、花の写真を。(これも悩ましい理由の一つ?)


 わしゃわしゃ。

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 今日、4月27日(復活節後第1日曜日)のカンタータは、

 第1年巻のBWV67
 2年目の(しかしもはやコラール・カンタータではない)BWV42
 の2曲。

 復活節の気分そのままに、春の気配の色濃い名作カンタータが続きますが、そうした中でも春のしっとりとした一面を感じさせる場面が多くなり、それの雰囲気がまたたまりません。


 過去記事はこちら↓


 <復活節後第1日曜>

    春のよろこび~復活節 【復活節(イースター)・カンタータ一覧】
    「教会」コンチェルト・バッハの最高の協奏曲は・・・・?(BWV42ほか)
    桜・さくら・サクラPart 2~江戸絵画でバーチャルお花見+BWV67簡単解説





 毎年、復活節前のお休みの間は、集中的にCDの感想を書いているのですが、今年は、年明け早々からよいCDが立て続けにリリースされたので、だいぶフライングぎみにCD記事を書きはじめ、また、冬季五輪や何やかやがあったこともあり、実際のお休み期間中にはほとんどCD記事をアップできませんでした。
 従って、今後も折に触れてCD記事を続けていきたいと思います。


 今回はまず、カンタータCDの続き。



 これまで、当ブログでは、個性的かつ魅力あふれるアーティストによる、さまざまな特色あるカンタータ録音シリーズについてご紹介してきました。

 ピエルロ&リチェルカール・コンソートのシリーズ、

 ミルンズ&モントリオール・バロックのシリーズ、

 etc・・・・、


 どれもみな、これまでリリースされてきた一枚一枚が、強烈に記憶に焼き付いている超名盤。

 そこに収録されている演奏は、それぞれの曲を代表するような、鮮烈さと普遍性を兼ね備えた名演奏ばかりです。


 最近は、あまりこれらのシリーズについて触れる機会がありませんでしたが、

 実は、これらのシリーズ、スピードは遅いながら、こつこつと着実に進んでおります。

 しかも、圧倒的な演奏水準はそのままで!


 ただ、これらのCDたち、内容のすばらしさは買う前からわかっていて、実際聴いてみると、その予想をはるかに上回るような充実度で、買ってよかった!としみじみ思うんですが、
 それが今後もずう~っと果てしなく続いていくかと思うと、はたしてこれ、いつまで買い続ければいいんだ?などとふと感じてしまう。

 値段もけっこう高いし。

 カンタータのCDだけでも、もう置くところが無いし、どこに何があるのかほとんど把握できなくなりつつあるし。

 
 そんな、ある意味ぜいたくな、うれしい悩みの種のCDたちでもあるのです。



 エリック・ミルンズ&モントリオール・バロック OVPPカンタータ集(第5集)


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 顕現節後のカンタータ集。

 印象的なジャケットデザインも含めた見事なトータル・アルバムっぷりも、あいかわらず健在。
 リリースも、復活節前の週間が始まる寸前で、音楽&演奏の凛とした美しさが、周りの季節が劇的に移り変わってゆく様子にぴったりとマッチしていて、すばらしかった。

 心より、全集完結を祈るが、このままのペースではいったいいつになるのか。



 ピエルロ&リチェルカール・コンンソート OVPPカンタータ集


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 こちらは、待降節、クリスマスのためのカンタータ集。

 リチェルカール・コンソートのCDは、これまで一度もハズレたことが無いので、すべて購入してきましたが、ニュースがとどいたのが新春、内容はベタなクリスマス曲集なので、さすがにちょっと、購入を躊躇してしまった。


 CDをかけた瞬間に、BWV110のまばゆいばかりに光り輝く冒頭合唱が、聴く者の心を鷲掴みにする。

 ただ、まばゆければまばゆいほど、何だか季節外れ。

 ちょうど今頃、復活節等の春のカンタータにも、tp等がまぶしいカンタータがあるじゃないか、と言う方もいらっしゃると思いますが、BWV110のどこか硬質な、きんきらきんなきらめきに比べて、春のカンタータの輝きは、あくまでも、あたたか、やわらか、そしてのどかなのだ。そのあたりが、バッハのカンタータのすごいところでもある。
 
 BWV110のエンターティンメント的な世界も、リチェルカール・コンソートの独壇場だが、BWV63151のしっとりとした美しさもまた、このグループならでは。
 


 ヘレヴェッヘ&コレギウム・ヴォカーレ カンタータ集


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 カンタータCD史上に燦然と輝く、壮麗さの極みのヘレヴェッヘのシリーズも、ハルモニアムンディから自主レーベルPhi Clに舞台を移して、健気に継続中。

 今回は、ライプツィヒ1年目、第1年巻の終盤、偉大なるコラール・カンタータ年巻誕生前夜の、コラールカンタータ完成に向けて刻々と変容してゆくカンタータ群を中心にした集成。
 コラール・カンタータ直前の、「定型カンタータ」の最高峰、インスブルックのコラールが登場するBWV44などは、再録音。全曲録音という意識はそれほどなく、自らの表現の欲求に従っているのか。

 それを表すかのように、磨き抜かれた美しさ、柔らかさはそのままに、表現の更なる深化が顕著。



 ザ・シックスティーンのルター派ミサ全集


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 完結!

 以前ご紹介したシリーズの第2弾、完結編。
 続編を熱望していたが、意外と早く実現した。

 パーセル・カルテットのあの名盤に限りなく迫るセットだと思う。

 やはり、普遍的な「ミサ曲」へと変容する前のカンタータと聴き比べができるところが魅力。

 カンタータも、とびっきりの名演。



 この他、クイケンのOVPPシリーズなどもあるが、これは最近もう完全に脱落してしまっている。

 ある程度まとまって、セット化してからまた考えよう?





 さて、カンタータのCDに関しては、さらにもっと大きな、深刻な悩み?があります。


 昨年から今年にかけて、すでに完結したカンタータ全集について、立て続けに全集BOX化のニュースが届けられたのですが、果たしてどうしたものか。


 BCJのシリーズ、ガーディナーのSDG巡礼シリーズ、

 どちらも、プロジェクト進行中は、毎回待ちきれないような思いで新盤のリリースを待ち、夢中になってその演奏に耳を傾け、大きな驚きと感動とともに記事を書いてきました。
 つまり、大部分のCDは持っている・・・・。だけど、どちらもリリース時には値段が高価だったこともあり、決して全部そろっているわけではない。


 その二つのシリーズの全集BOXセットが、それぞれが対極的とも言える魅力的な形で、リリース。
 (ガーディナーはすでにリリース済み、BCJは今夏リリース予定)

 これは困った。どちらも、ものすご~くそそられる。

 しかし、どちらも、基本的にはあらかたは所有しているわけだし、単独リリース時には、単価が高いのを苦労して購入して、しかも、一枚一枚のCDをその都度大切に聴いた思い出がある。
 1枚1枚の思い入れが強く、CDそのものへの愛着もあるので、それらを処分してしまうのもしのびない。

 これらはセットの購入に関して、毎日のように、悩んでいます。



 BCJ豪華BOX 

 
 HMVの公式ページ、こちら


 これはちょっとすごい!

 5分冊、1000ページを超える上製本ブックレット、未発表お宝音源(BWV1083)、そして、シルバー基調の美しい装丁のBOX。
 BCJカンタータ全集。現在の安価ボックス全盛の風潮に一石を投じるような豪華さ。
 正に、永久保存盤。
 

 BCJの世界的な偉業を、美麗な装丁で、豪華な解説等とともに、ずっと手元に置いておきたい・・・・、

 とは思うんですが、当然ながら、値段が(昨今のBOXセットの例からすれば)とびぬけて高く、なかなか手が出にくい。

 ちなみに時価10万円なり。

 完全限定盤とのことなので、そんなこと言ってる場合に、チャンスを逃してしまう?



 ガーディナーSDG巡礼シリーズBOXセット


 HMVの公式ページ、こちら


 こちらは、一転して、(SDGシリーズにしては)けっこう安価。

 このシリーズは、当然1枚1枚の演奏もすばらしいのだが、2000年という記念すべき年に、文字通り世界中を巡礼してほとんど全曲録音を成し遂げたということで、ドキュメントとしての性格も強く、全体をまるっとひとまとめにした時の価値には計り知れないものがあるような気がする。まるで太陽のように熱く燃え盛るようなロマン性が、初めてその巨大な姿を現す、とでも言うか。

 買おうと思えば買えないことも無いのだが、こちらのシリーズは、独特の個性的なジャケットも含めて、1枚1枚のインパクト、思い出がより一層深い。
 BCJのように年代別ではなく、教会歴別の選集で、リリースも、いつも、概ね教会歴に従っていて、音楽が常に季節にピッタリだったことも、1枚1枚の思い出が心に焼き付いている理由かもしれない。

 これらのCDはとても手離す気にはなれない。かと言って、全集と個別CD双方を保存しておくのもどうかと。





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そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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この記事へのコメント

ANNA
2014年12月14日 14:07
Noraさん、こんにちは。


こちらでご紹介のあった、ピエルロ&リチェルカールコンソートのOVPPカンタータ集を
求めまして、毎日のように聴いてます。
クリスマスのためのカンタータ。せっかくだからアドベントが近づいてから買い求めようと思い、待つこと半年ちかく…ようやく入手しました!
演奏、親密感のある歌唱ともに素晴らしく、時間があると繰り返し聴いています。
BWV151のアリア、暗闇に灯るほのかな灯りがゆらゆらと揺れるような…そんな光景が
思い浮かびます。華やかではないけれど、おごそかな雰囲気が漂う音楽ですね。
カンタータを聴き始めてこのアリアに出会ってから、クリスマスにふさわしい音楽のように
思えて、この時期よく聴いています。
素敵なアルバムと出会えて嬉しいです。ご紹介下さりありがとうございました。


2014年12月15日 16:21
 ANNAさん、こんにちは。

 こちらの記事では季節ハズレだ何だとグチグチ言っていますが、このCDのことをすっかり忘れていて、今年のクリスマスはどれを聴こうかなどと考えておりました。
 ようやく季節が巡ってきましたね!おかげさまで思い出し、また改めて聴くことができました。ありがとうございます。
 これはほんとうにいい演奏ですね。名盤の多いクリスマスカンタータ集ですが、その中でも特筆すべき美しさなのではないでしょうか。選曲もいい。
 カンタータは基本的にはいつどこで聴いてもいいと思うのですが、やはりそれぞれの季節に聴くと格別です。クリスマスのカンタータ等は特にそうで、カンタータが季節の音楽だということをものすごく実感することができます。

 BWV151のアリア、わたしも大好きで、今でも好きなアリアのベスト10に入るのではないかと思います。
 「お気に入りのアリア」クリスマス編の中で真っ先にあげたのも、この曲でした。
 このリチェルカール・コンソートの演奏は、深い呼吸のリズムを強調した舞曲そのものみたいな甘美な演奏で、この大名曲の新たな魅力を見せてくれたものだと思います。
 上記お気に入りのアリアの記事の中でご紹介しているガーディナーの演奏などは、リチェルカールよりも1分近くも長い、即興的なオブリガート旋律がたゆたうかのような静謐な演奏でした。
 このように様々な側面が楽しめるのも、名曲の証のような気がします。

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