5種類の風神雷神と江戸名所図屏風(建仁寺展&日本絵画の魅惑展)~GW前後のアルバム3【復活節後3】

▽ 光琳のものです。

  * トーハク総合文化展にて撮影

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 カンタータのお知らせから。


 今日(5月11日、復活節後第3日曜日)のカンタータは、

 初期を代表する名作、BWV12
 ライプツィヒ2年目、ツィーグラー・シリーズの第1曲目、BWV103
 そして、豊潤な美しさに満ちた後期作品、BWV146
 の3曲。

 BWV12が、あまりにも有名ですが、
 後期のピカンダー・カンタータ、BWV146では、またまた今の季節にぴったりな、圧倒的な美しさのアリアが炸裂。


 過去記事は、こちら↓


 <復活節後第3日曜>

    無名詩人氏からツィーグラーへ(BWV103他)
    お気に入りのアリア・ピカンダー編、今この季節のための音楽(BWV146、188)



 この春は、風神・雷神の春でもありました。全部で5種類の風神雷神を観た。 



 4月18日(金)


 特別展 「栄西と建仁寺」展

  @ 東京国立博物館


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 春になり、金曜日の夜の夜間延長も始まったので、「栄西と建仁寺」展を観てきた。予想以上に見応えのある展覧会。

 以前記事に書いた、「頼朝その人」の肖像画のある福岡・聖福寺(栄西によって建てられた、日本最初の禅寺)に関する展示も多かった。
 源頼朝が、武家政権の確立や南都復興による鎌倉仏師の躍進等だけではなく、その後の武家社会の根幹となる禅文化の日本定着にも計り知れないほど大きな役割を果たしていたということを、改めて確認できた。
 頼朝は正しく文化の巨人でもあった。

 等伯&永徳と並ぶ第3、第4の戦国絵師、海北友松狩野山楽などのすばらしさを再確認。

 海北友松は、水墨画からやまと絵まで、あらゆるジャンルにおいて圧倒的なうまさで、ただただ驚嘆させられるが、単にうまいだけではなく、何事につけ真っ向勝負で心がこもっているところが気持ちが良い。
 等伯、この展覧会では、完全に負けてるぞ。
 山楽は、時空を超えた自然な陰影表現が魅力。大航海時代の賜物か。

 さて、風神&雷神、
 ついに、宗達VS光琳の豪華競演(展示場所はちょっとちがうけど)。
 宗達の風神・雷神が、5年ぶりに上京。これに合わせ、トーハクも、自分のところの光琳の風神雷神を展示。
 以前、光琳VS抱一の「競演」は観たことがあったが、やはりこれが観たかった。
 あまりのちがいにびっくりする。宗達の、大画面いっぱいほんとうに飛び回っているような軽やかさに比べ、光琳のものは、画面自体が重く、狭く、動きが止まってしまっている。装飾的な草花などの絵では天才的な光琳なのに・・・・。

 宗達の風神&雷神は、ほんとうにさわやかさの極み。

 雷神のかつぐ太鼓はほんとうの光で作られているかのように透き通って輝き、たなびくリボン(光琳は色も変えてしまっている)を観ていると、実際に風が吹いているように感じられてくる。
 そして、何よりも、画面が大空そのものなのだ。光琳は、寸分違わず写したということだが。


 また、仏像関連も、禅寺がらみの展覧会にしては、良いものがそろっていた。

 そもそも、風神・雷神からして、仏像の一種だが、
 その他、
 いずれも小像ながら、凛とした佇まいが印象的な、塔頭の諸仏、
 バラエティに富んだ様々な十六羅漢図、
 息を飲むほどのうまさが際立っていた、山口・洞春寺の維摩居士図、
 栄西をはじめとする、鎌倉でもおなじみの歴代の僧たちの迫真の坐像や画像、
 などなど、見どころ盛りだくさん。
 そして、何よりも圧巻だったのが、
 六道珍皇時の地獄絵図等や、小野篁&地獄の面々の立像


 * 特別展はもちろん撮影禁止に付き、以下すべて総合文化展の関連展示から。


 光琳の風神・雷神も、これだけ観ると、なかなかの迫力なんだけど。

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 海北友松 「琴棋書画図屏風」

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 部分。

 *拡大&クリックしてご覧ください。

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 同じく海北友松の山水図屏風

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 なお、この後、春の関西旅行で京都を訪れた折、たまたま養源院で、宗達と山楽のすばらしい絵を観ることができた。


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 楽しみにしてたリニューアル・トーハクも、ついにオープン!


 エントランス

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 エントランスにできたミュージアムショップの外観と内部。かなりおしゃれ。

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 近代美術室

 これらの壺は、展示ケースの中に入ってます。新しく採用した反射を抑えた特殊なガラスとのこと。見やすいけど、これはぶつかるぞ。
 いずれにしてもすごいが。

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 上記春の関西旅行の目的の一つでもあった、住吉大社を描いた、小林古径のすてきな絵がでていた。「住吉詣」。正に大海原をゆく船団!

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 こんな対照的な絵も。

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 やはりすごいぞ、高橋由一。

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 アイヌと琉球室

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 本館最奥の休憩室と展示室との間が、立派な自動ドアで区切られ、休憩室から庭園テラスに出られるようになった。(注、庭園までは下りられません)
 実は、これを一番楽しみにしてたのだが・・・・、
 この日は、雨で開放中止。がくっ。

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 このような展示も。

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 新しいロッカー室兼休憩室もできました。

 
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 わたしの憩いの場、地下のスペースも復活!

 しかし、この日は、かんじんのアイスクリームの販売機が・・・・、調整中。がくっ。

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 5月3日(土)


 日本の美・発見Ⅳ 日本絵画の魅惑 (前期)

  @ 出光美術館


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 LFJの時間つぶしのつもりで行ったのだが、ものすごく気合の入った、見応え満点の大展覧会だった。

 鎌倉時代、そして南北朝時代~室町時代の鮮やかな絵巻山越阿弥陀図、六道・十王図等の仏画
 あまりにも魅力的なやまと絵屏風の大作、(やまと絵、仏像等に関して、わたしたちは、南北朝~室町時代の美術をもっと見直さねばならない)
 これまでに観たどんな洛中洛外図よりも生き生きとして見事な、(あの熈代勝覧にも匹敵する)江戸名所図屏風
 世界の国々とそこに住む人々がくわしく描きこまれた、世界地図・万国人物図屏風、 などなど、
 ふだんはなかなか観る機会が無いような、大作がずら~り。

 江戸名所図屏風は、以前観た作品だが、何回観ても見飽きない、観たりない。
 もうおもしろくてしかたなくって、いつまでもいつまでも観ていたい、
 雰囲気は、洛中洛外図舟木本のテイストに限りなく近い。あれをさらに楽しくヒートアップさせた感じ。と言うより、あの舟木本の感じは、お江戸にこそふさわしい。

 世界地図・万国人物図屏風は、初見。こんなにおもしろいものもあったのか。これまたいつまでも観ていたい(というより、欲しい、家に置いておきたい?)
 このほかにも、南蛮人渡来図なども出ていたが、このあたりは、トーハクの特別展「支倉常長像と南蛮美術」(記事、こちら)に対抗か。


 それに加えて、菱川師宣、歌麿、北斎、英一蝶、池大雅、谷文晁等の錚々たるビックネームたちの、最高峰ともいうべき作品の数々。初めて観る驚きの作品も。

 等伯、人が描いてなくて、(そしてはまると)正に無敵絵師。烏の親子の前に立ちつくし、泣きそうになっている自分。

 当然狩野派の作品もあり、狩野光信の美しい西王母の絵もあったが、これは上記展覧会がらみで、トーハクで観た海北友松の作品が、圧倒的だったので、少し印象がかすんでしまった。

 そして、抱一による第三の風神・雷神も。
 琳派の開祖?宗達の美しい屏風の隣に置かれたその作品、光琳作品では完全に失われてしまっていた軽さ、ポップさを、間違いなく取り戻していた。
 以前、光琳VS抱一の時に感じたことは、まちがいではなかった、と、改めて痛感した次第。
 

 この展覧会、これだけでもすごいのに、GWで前期展示を終え、その後ほとんどの作品を展示替え(絵巻等は場面替え)という力の入りよう。
 正に、この美術館、ミニトーハク?
 訪れるたびに、所蔵品だけでも、次々とあっと驚くような作品を楽しめる。
 休憩所の眺めも最高なのもよい。3種類(×温冷)のお茶も飲めるし。

 前期を観ると、後期の割引チケットをもらえるので、後期展示、行きたいと思います。後期は前期より観た作品が多いようですが、何かあったら、また書きます。


 今回、図録も充実していたので、購入。だが、以前購入した図録を見返すと、かなり記載がちぐはぐなのが気になった。特に、上記江戸名所図屏風や等伯作品等に関して。

 まあ、美術の鑑定等に関しては、なぜもっと科学的な手段を講じないのか、ずっと疑問に感じてはいるのだが。(たとえば、音楽における小林義武先生をはじめとする楽譜鑑定のような)


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 さて、以上に、
 早春(というか、まだ真冬?)にトーハク・ボストン美術館展で観た、風変わりな(外国人風?)風神・雷神像(記事、こちら)、
 先の旅行において京都・三十三間堂で観た、おそらく宗達も観て参考にしたであろう、鎌倉復興期の風神・雷神バリバリ鎌倉彫刻ヴァージョンを加えて、
 全部で5種類の印象的な風神雷神像を、この春に一挙に観たことになりました。


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 そう言えば、こんな方も見たな。


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カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

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