大人の修学旅行・京博山城の仏像展と京都世界遺産巡礼~常に海を近くに感じた春の関西旅行4

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 3日目は、朝早く、京都に移動。

 目的は、京博で始まった、特別展「南山城の古寺巡礼」展。
 数年前に、この地域の仏像を巡る機会があったのだが、このあたりは魅力的な仏像の宝庫であるにもかかわらず、山里や山深くにあるお寺が多く交通の便が悪いので、あれも観たい、これも観たいと思いながら、結局ほんの一部しかまわることができなかった。
 その時に観たかった仏像のほとんど(特に本当にわしゃわしゃ手がある第3の千手観音、寿宝寺の千手観音像、神童寺の諸仏)が一堂に会するこの展覧会。
 絶対に行こう、と決めていたところ、なんと、ディランライブの翌日が初日だったのだ。

 展覧会を観た後は、せっかくなので、ちょっと駆け足に、京都観光。
 たくさんの修学旅行生に交じって(その修学旅行生たちの反応を見るのもまたおもしろかった)、まだ行ったことの無い、あるいは遠い昔に行ったけれどすっかり忘れてしまっている世界遺産寺院等を中心に、「大人の修学旅行」としゃれこみました。

 最近の京都旅行は、なぜかやたら暑い時期などが多く、コンディション的にはあまりよくないイメージばかりだったのですが、今回は、一気に新緑が萌え始める最高の季節。楓などきらきら輝きわたり、この時期の方が美しいのではないか、と思えるくらい。
 人出も、桜とGWの間ということもあり、修学旅行生以外はそれほどでもなく、いろいろな意味で最高だった。



 大阪なんばのホテルを出てから一時間も経たないうちに、あの巨大な京都駅の吹き抜け空間に立っているのだから驚く。それほど遠くないエリアに、わたしにとっては夢の都、大阪、京都、奈良のすべてがおさまっているという密度の濃さ。



 市バスの一日フリー切符を購入、すぐにバスに飛び乗る。



 特別展覧会 「南山城の古寺巡礼」展

  @ 京都国立博物館 ~6月15日(日)まで


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 展覧会は、朝一だったとは言え、開催直後だというのに、人はまばら。
 京都で仏像展をやったところで、特に珍しくもあらしませんな、ということか。観光客は、本当のお寺をまわるのに忙しいだろうし。東京でやったら、たいへんなことになるだろう。551のお店と同じ?


 いよいよ開館。

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 単に仏像がずらっと並んでいるのではなく、基本的に、一部屋一寺院、仏像だけではなく、さまざまな寺宝やパネル等も交えて、工夫された展示がなされており、展覧会のタイトル通り、一つ一つの寺院を訪ねているようなバーチャル感が味わえる。自然に、仏像に関しても、本尊を拝観する、というような気分に。

 初夏の朝のさわやかな空気の中、それほど人のいない、改修成ったばかりの歴史的建築(迎賓館やトーハク表慶館でおなじみの片山東熊の作品)の中での観覧、というのも、その雰囲気を助長させている。

 やはり何といっても、寿宝寺の千手観音、それから、神童寺や禅定寺の素朴な諸仏がすばらしかった。
 特に、寿宝寺・千手観音は、何を隠そう千手観音大好きのわたしとしては最も観たかった仏像だったのだが、唐招提寺像や葛井寺など、その他の名だたる「実際に手がわしゃわしゃとある千手観音」が、古代ならではのある種の妖艶さを感じさせるのに対して、この像は、美しく整い咲いた花のような明るさが魅力。そして、いずれの像も、例えようもなく強い、ということに関しては、変わらない。


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 博物館を見学した後は、午前中は、そのまま、三十三間堂や養源院など、周辺のお寺を一気に回る。



 三十三間堂


 この春は、東京の展覧会でたくさんの風神・雷神を観たが、その元祖とも言える方々を改めて観てみたくて、立ち寄った。

 たくさんの修学旅行生に混ざって、一体一体の観音像をゆっくりと観た。
 創建仏の風格、そして、鎌倉復興仏の中では、やはりおなじみ康円の結晶化したような美しさが印象的。


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 表側と裏側

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 養源院


 東京の展覧会で観て、深く感銘を受けたばかりの宗達と山楽の、見事な絵を観ることができた。

 山楽は、相変わらず不思議な濃淡画。
 宗達も、このモダンさ、ポップさは何事か?と思ってしまうほどの洒脱の極みの動物画なのだが、有名な血天井を供養するためのものだというのがちょっと恐かった。
 血天井は、徳川家康のドラマ等を観ると、必ず登場する有名な場面の舞台となったもの。

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 そして、何よりも、この楓の緑。かすかに残る花びらの輝き!


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 訪れる人はわずかだが、冒頭の写真も含め、みんな絵になっている。(わたし以外は)

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 午後は、仁和寺、龍安寺等世界遺産巡礼。その間にある蓮花寺もよかった。



 一旦駅に戻り、バスで一気に仁和寺へ。


 バス停を下りたところにある、大きな山門が望める蕎麦屋さんで、ランチ。

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 仁和寺


 仁和寺は、独特の魅力に満ちていながら、どこか醍醐寺と似ている。

 醍醐寺がどこか中世風なのに対して、仁和寺は、古代の香り漂う平安風ではあるけれど。

 2寺院とも、同じく真言宗の大本山の世界遺産ということもあるが、

 門を入ると、明るく広大な伽藍空間。

 左手には、広大で美しい庭園を擁する本坊的な伽藍。(醍醐寺はあの三宝院、仁和寺は「御殿」)
 右手には、夥しい至宝が並ぶ霊宝館。

 正面に威風堂々たる本堂、その左の森には五重塔。

 そして、どちらもあまりにも有名な、京都でも有数の桜の名所。

 心地好いデジャヴュみたいな感覚に浸る。


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 名高い御室桜。確かにこれが全部咲いたら、えらいことだ。

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 御殿


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 彼岸の大海の岸辺のような庭園。

 後に登場する龍安寺庭園以上に、「海」を感じさせられた。

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 醍醐寺三宝院の最奥にある護摩堂に、あの日本一華麗な快慶の弥勒菩薩座像がまつられているように、広大な御殿の奥の奥、霊明殿には、日本一精緻で美しい工芸仏、国宝・薬師如来(+七仏薬師、十二神将)像がまつられている。

 高さ20センチ余りの中にすべてが見事におさまったこの仏像は、昭和61年調査で史上初めて開扉された秘仏につき、写真は当然お前立ち。

 この仏像や、霊宝館の本尊、阿弥陀三尊、このお寺の仏像は、これ以上ないほど、雅な表情をなさっている。
 京の仏像の代表。

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 連花寺


 眺めの良い丘の上に、たくさんの石仏が佇むお寺。「きゅうり封じ」の秘法が有名。

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 仁和寺から龍安寺に続く、「きぬかけの路」。

 名前から、どんなにロマンチックな路かと楽しみにしていたら、車の往来の激しい、きつい登り道だった。

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 そして、最後は、世界遺産の中の世界遺産、このお寺。


 龍安寺


 昨年のトーハク京都展で、石庭のバーチャル映像を観て以来、再訪したかったのだ。

 石庭ももちろんよかったが、新緑に満たされた、池を中心にした広大な境内がすばらしかった。


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 立命館大学と同志社大学。

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 文化財保護事業 「京都非公開文化財特別公開」 4月26日(土)より


 これには、ちょっと早かった。残念。





 かつての一大リゾート・浜寺公園、それと大阪の中心部をまっすぐにつなぐ阪堺電車、日本の大航海時代の舞台・堺の街、海の社・住吉大社、そして、海の古代寺院・四天王寺、遠く海の彼方の文化に思いを馳せていた太子の精神も含めて。
 
 この、太古の昔から、海に向かって大きく開けているようなところ。 
 これこそが、大阪の大きな魅力の一つなのだろう。

 そして、京都の世界遺産めぐりでは、枯山水を始めとする大海そのものや海の岸辺を連想させる庭の数々を観ることもできた。

 結局、実物の海を一度も見ることは無かったけれど、常に海を身近に感じる大阪・京都駆け足の旅でした。





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