若狭おばま貸切観光タクシー国宝めぐりプランで観る小浜の仏像~秋の観仏行・若狭の秘仏めぐり編その3

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 こちらも、ずいぶん時間がたってしまいましたが、
 秋の観仏旅行記、続き。 



 みほとけの里 若狭の秘仏 文化財特別公開(小浜市エリア)

 若狭おばま貸切観光タクシー・国宝めぐりプラン

  若狭おばま観光案内所、運行会社・三福タクシー、大和交通


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 旅行3日目。(最終日)



 午前中は、ゆっくり小浜の海辺や古い街並み等を散策した後、お昼頃、小浜駅へ。


 いよいよ、若狭おばま貸切観光タクシー・国宝めぐりプラン


 このプランの要件は、

 ① 2時間以上の貸切観光、
 ② 小浜市国宝めぐり8ヶ寺のうち2つ以上拝観。
 
 時間ごと、タクシーの大きさごとで値段が定められ、時間内に可能であれば何ヶ寺まわってもよい。
 出発地は、小浜駅でなくても、ホテルやその他の駅などの希望するところに迎えに来てもらってもよく、最後に下りるところもどこでもOK。

 電話で予約してもよいし、小浜駅に停まっているタクシー(三福タクシー or 大和交通)の運転手さんなら、ある程度お寺にくわしいので、その場で直接たのんでもよいとのこと。


 散策をしながら駅に向かったため、何時ごろ小浜駅に着くかわからなかったので、予約はせず、ちょうどその時、駅に停まっていたタクシーに、国宝めぐりプランをお願いした。
 わたしたちの乗ったタクシーの運転手さんは、若いけどやたらお寺に詳しい若い方で、しかも親切で気が利いており、とても快適に小浜の寺社巡りを楽しむことができた。 


 わたしたちがお願いしたのは、圓照寺、妙楽寺、明通寺の三ヶ寺。
 一つのお寺だいたい一時間と見て、3時間コースとした。



 12時ちょっと過ぎ、小浜駅を出発。

 運転手さんにお昼ご飯は大丈夫ですかと聴いたら、たいていの運転手はお弁当を持参しているので全く問題ないとのこと。


 美しい農村をゆく。

 昨日の海沿いのバスツアーに対し、今日は、のどかな山村のドライブとなった。

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 すぐに始めの目的地に到着。

 市内から南川をさかのぼっていった谷あいに静かに佇む圓照寺。

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 明るい農村を見下ろす小高い丘に位置する、それほど大きくはないお寺だが、清潔で個性的な庭園と優美でおおらかな平安仏が魅力的。



 臨済宗南禅寺派 地久山 圓照寺


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 建物、庭園等、清潔でよく整えられた、典型的な禅寺の趣が漂うお寺だが、創建当初は真言宗・遠松寺と号し、現在も北陸随一の大日如来、等身大の見事な不動明王をまつる。(ともに平安仏)


 階段を登った小高い丘に、堂塔が並ぶ。
 村を見渡せる明るく開けた境内、木々や草花がていねいに育てられている。


 りんどうの花越しに仏堂を見る。

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 正面、巨大な厨子の中に大ぶりな仏像が三体。

 中央には仰ぎ見るように大きく、しかも金色に輝く大日如来。どどーん、すこーん、といった感じ。どこかタイの仏像を思わせる屈託の無さを感じさせる。

 向かって右側には大ぶりの三面千手観音。しかし細い腕が6本ほどしか残っておらず、そこが独特の魅力につながっている。
 左側には、これまた大きな不動明王立像。こちらは、前日に観た長楽寺の毘沙門天を思わせる、美しい姿。
 タクシープラン一つ目のお寺から、インパクト満点でした。


 庫裏

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 庫裏の横にある庭園

 明るい境内に面した戸口を開けると、突然、しん、とした光景が眼前に現れる。

 こちらは、裏山の自然をそのまま生かしているため、野生のモリアオガエルが生息していることでも知られる。

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 次はいよいよ、このタクシープランで最も行きたかった、そして最も心に残ったお寺。


 南側に沿って、谷を少しだけ、市街の方に戻ると、すぐにそのお寺に到着。


 高野山真言宗 岩屋山 妙楽寺

  北陸観音霊場第3番礼所


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 行基が若狭巡礼の折に一本の木から千手観音を刻んで岩窟にまつり、その後空海によって再興されたのが現在の安楽寺だと伝えられている。


 入口は、どこの村にもあるような、ごくごくふつうのお寺といった感じだったのだが、参道を進むにつれ、次第に何やら清浄な気配が漂ってきて、

 山門前の清らかなせせらぎにかかる橋を渡り、門をくぐったとたん、空気ががらりと変わる。

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 門から中をのぞいた時に、すでにただならぬものは感じていた。
 
 突然、俗世から切り離され、霊気に満ちた木々の王国に瞬間移動してしまったみたいな、これまで体験したことが無いような感覚。
 何だか恐ろしいような、その一方で懐かしいような。

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 すぐに木々が開けて、堂塔が並ぶ広場が見えてくる。

 美しい本堂。
 鎌倉初期建立の若狭最古の建築物。寄棟造檜皮葺。

 中山寺の本堂も美しかったが、このお堂もそれに決してひけをとらない佇まい。

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 そして、本堂の正面脇の木戸から堂内に足を踏み入れたとたん、
 ただならぬ気配は、さらに一段高い次元に・・・・!

 息もできないような張りつめた緊張感、厳粛さと、究極のやすらぎ、おおいなる慈愛が共存する空間。

 正面には、大きな厨子があり、その中には、その厨子からはみださんばかりに大きな、24面千手千眼の異形の観音菩薩が。

 厨子の中は、金色の光にあふれ、それが周囲にまで放射している。
 長い長い年月の間、秘仏として大切にされてきたため、鮮やかな金箔が見事に全身に残っているのだ。
 すさまじい数の顔、手が、金色の光と相まって、慈悲の雨のよう観ているこちらの方にに降り注いでくる。
 その光の中心には、何とも凛々しいお顔。そしてすらっとしてたおやかな体躯。
 手が実際に(約)千本ある千手観音は、すでに何体か観てきたが、これはかの葛井寺のものに並ぶ霊的な美しさをたたえた像だと思った。

 厨子の左には大ぶりの不動明王坐像。右側にはこれまた大ぶりの聖観音立像。どちらも大らかで美しい平安仏。
 その周囲には、すでにこの地方のいくつかの寺院で親しんできた、地元仏師の手になる、素朴さの極みの愛すべき四天王像。
 他には弘法大師像などのいくつかの小像が並び、天蓋には飛天が舞飛ぶ。

 超絶的な美しさを放射する本尊を中心とした、類まれな仏像空間!


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 参道、せせらぎと門の中、そして本堂内部、と、先に進めば進むほど、霊的な美しさがだんだん研ぎ澄まされてゆく、驚異の三段グレードアップ型寺院。


 前日に、秘仏めぐりバスツアーで中山寺に行き、これまで訪れたあらゆる寺院の中でベスト10に入る、と感動したばかりだが、
 このお寺も、仏像はもちろん、建築、森厳とした境内の佇まい、何もかもが特別で、またまた、これまで訪れたあらゆる寺院の中でベスト10に入る、と言っていいのでは??と思ってしまった。

 海に開けた明るい中山寺に対し、こちらは森の奥深くに守られている異郷のような、まったく対照的なお寺だけど。


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 今度は南川から離れ、美しい田園を西へ。

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 沿道には、コスモス等の秋の花が揺れている。

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 山間の道をひたすら西へ。

 トンネルと谷をいくつか越えた先に、次の目的地が。

 次のお寺も、絶対に訪れたかったお寺。

 鬱蒼とした森に、二つの国宝建設と二体の巨大な異形の仏像を抱く名刹。

 中心伽藍付近の拝観受付のところまで、車で登ってくれたので、実際の拝観の順序は、中心伽藍から山門へと降りてゆく形になった。


 真言宗御室派 棡山(ゆずりさん) 明通寺


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 坂上田村麻呂によって創建されたという伝説のある古刹。現在の伽藍は、鎌倉期再興以降のもの。

 
 国宝の本堂三重塔が、さすがに風格のある、大建築。
 鎌倉時代の再建とあって、どこか禅宗っぽい凛とした風情も併せ持つ。あたりを振り払うかのような威厳に満ちた佇まい。
 二つで一つ、まるで対になっているかのような建築。古色蒼然、威風堂々たる組み合わせ。


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 本堂内は、圧巻の仏像空間。
 正面に大きな厨子。中には、のほほんとしてゆるやかな薬師如来。典型的な平安仏。
 観ていると、思わずこちらまで微笑んでしまう。
 その両側に、2体の異形の巨大仏。
 右、シヴァ神を踏みつける三面八臂の降三世明王。
 左、蛇を握りしめている深沙大将。
 どちらも、とにかく大きい。粗削りだが雄大、大迫力。
 その周囲には、例によってこの地方独特の素朴な魅力にあふれる十二神将が並ぶ。みんな目がぎょろりとして、かわいい。
 とにかく、土の香りがする、厳かなんだけどどこか親しみ深い空間でした。

 また、三重塔も、初層内陣を、特別公開中だった。(小浜の寺・特別公開)

 心柱は無く、鮮やかな十二天像が描かれた4本の柱があり、普通の仏堂内部みたいな感じ。十二天像等は、壁面などにもびっしりと描かれ、その中心には、これまた鮮やかな釈迦三尊と阿弥陀三尊が背中合わせで鎮座している。


 仏像は、その他にも、客殿の安時代の不動明王、山門の鎌倉時代の仁王像など、盛りだくさん。


 そろそろ紅葉が色づき始めた庭園が、息を飲む美しさだった。

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 全山を通じて、石畳が見事な寺でもあった。

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 さて、以上で、お願いしていたお寺はすべて拝観できたが、まだ多少時間がある。

 午後3時、東小浜駅がゴールの予定。東小浜発午後3時ちょっと過ぎの電車に乗って、帰る。
 もう一つお寺をまわるか、東小浜駅に行ってしまい、すぐ近くの若狭歴史民俗資料館に行くか、ということになったが、せっかくなので、お寺に行くことにした。
 運転手さんが選んでくださったのが、東小浜駅に向かう途中にある萬徳寺。
 小さなお寺なので、十分拝観できるという。

 これがまた、大正解だった。


 はじめの圓照寺と同じく、静かな田園を見守るような、庭園と平安仏のお寺。


 高野山真言宗 延宝山 萬徳寺


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 門の中は、一面のまぶしい白砂。

 左側に、茅葺の大屋根と広々とした縁が懐かしい書院。
 広大な枯山水をはさんで書院と向き合う緑深い山の斜面に大小さまざまな石を配し、風格あふれる築山としている。この斜面は天然記念物の大山ツツジでも知られる。
 まるで境内全体がひとつの枯山水庭園みたいなお寺。


 本堂は、門の正面、枯山水の突き当りの急な崖上に建っている。
 つまり、枯山水越しに、美しい農村を見下ろす位置。

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 本尊の阿弥陀如来坐像は、ゆったりとした造りの格調高い平安仏。
 大日如来像ともう一体の阿弥陀如来像?を両脇に従えている。
 その左右に檀があり、不動明王や弘法大師像が。
 周囲を飾る透かし彫りの彫刻が美しい。


 その他、書院にも、蔵を改造したような仏堂が付属しており、見事な地蔵菩薩立像、二童子を含む不動明王像、弘法大師像等がまつられている。
 それ以外にも、曼荼羅、仏画など、寺宝多し。


 本堂より。萬徳寺の庭園越しに見る、のどかな小浜の農村の風景。

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 萬徳寺は紅葉の名所でもあり、日本の紅葉百選にも選ばれている。
 今頃は、庭園全体が真っ赤に色づいている頃なのではないだろうか



 と、いうわけで、3時少し前に、ゆとりを持って無事東小浜駅に到着。

 大充実の小浜観仏ドライブでした。
 運転手さん、ありがとうございました。



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この記事へのコメント

マール
2014年12月10日 20:59
こんばんは。いつも楽しみにみています。ところで、この週末に姪の結婚式で東京にいきます。半日ほど時間があるのでトーハクに行きたいと思っているのですが、ホームページ調べても広すぎて、どこをどうまわればいいのか見当がつきません。
半日ほどで仏像を堪能するとしたら、どこへ行けばいいのかアドバイスもらえればすごく助かります。よろしくお願いいたします。
2014年12月11日 21:08
 マールさん、姪御さんがご結婚なさるとのこと、おめでとうございます。

 確かにトーハクは広大で、HPの内容も膨大なので、慣れない方にはちょっとわかりにくいですよね。
 コメント欄にてお答えしようと思いましたが、字数制限があり、またリンクも一つしかできないので、簡単に、新しい記事にまとめました。(右URL)
 よろしかったらご参照ください。
 トーハクの仏像を楽しんでいただけたら、うれしいです。

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