新たな画家との出会い・ホドラー展@国立西洋美術館~絵画的音楽と音楽的絵画2(with 建築)

 日本・スイス国交樹立150周年記念

 Hodler フェルディナント・ホドラー展

  @ 国立西洋美術館 ~1月12日(月・祝)まで


画像



画像




 この頃は仏像や日本画のことばかり書いていますが、わたしはもともとモンドリアンやクレー、カンディンスキーなんかが大好きで、このブログを始めた頃は、カンタータの記事を書いては、これらの画家の絵を勝手に貼りつけたりしていました。

 モンドリアンそのもののことを書いた記事などは、今も自分でもよく見る好きなページで、このブログの参照数ベスト10にも入っていて、とてもうれしく思います。


 これまでホドラーの絵は一度も観たことが無かったと思いますが、(たぶん)
 展覧会のポスター等を見る限りは、とても音楽的だけれど、シーレやクリムトに近い意味で音楽的であるように感じられました。
 ところが、今回展覧会で実際に作品に接してみて、むしろクレーやモンドリアンにとても近しいところがあることが実感できました。つまり、これは、絵が音楽的と言うより、音楽そのものと言った方が近い、ということ。
 また、大好きな画家が一人増え、何だかうれしくなってしまった。


 展示 Part4、変幻するアルプス-風景の抽象化、
 クリーム色のやさしい光に満ちた、天井の高い大空間の中、壁に整然と並べられたスイス各地を描いた風景画を観るのが、至福の時だった。

 どの絵にも音楽があふれている。
 展覧会のキャッチコピーや解説等には必ずリズム云々ということが書かれているけれど、リズムだけが感じられるわけではない。そこには、ハーモニーも、メロディーも、さらには対位法までもが確かに存在している。
 実際の自然の風景などに対峙している時、音楽が聞こえて来るようなことがよくある。
 いや、それが気のせいだとしても、少なくとも抽象的な図象のようなものが、ふと情景の中に見出せる瞬間は、確かにあるように思える。
 ホドラーは、超然とした美しさにあふれるスイスの風景をモチーフにして、そんなあまりにも音楽的な図像を強調し、見事に描き出してくれている。
 クレーやモンドリアンがその後成し遂げたことを、その先陣を切って、しかもわたしたちの一般的な視点に最も近い所で、やってみせてくれている。


画像



 クリーム色の光が漂うその大空間での至福の時は、かけがえのない音楽体験だった。
 そして、その貴重な体験は、広々と突き抜けたその展示室あってのものでもあった。
 思い返せば、少し入り組んだ展示順路を通り抜けて大きな展示室に入った瞬間、突然がらんと空間が広がったその時から、「音楽」は始まったような気がする。
 この音楽体験は、ホドラーの魂と建物が共鳴した結果でもあるのだ。


 * 後で確認したところ、ホドラー展の行われている増設部分は、
   ル・コルビュジエの設計した本館を増設したもののようなので、修正しておきました。
   但し、オリジナルの雰囲気がよく生かされていて、
   効果的で快適な鑑賞が楽しめる展示施設であることには、何ら変わりは無く、
   却って、原点となる建築の精神を大切にしながら施設を新しく、大きく生かし続けている、
   関係者の熱意が実感できました。



 なお、デュフィと同じく、ホドラーの本領は、巨大な室内装飾、つまり建築の一部である壁画にあるらしい。
 ホドラー+建築=音楽、というのは、やはりそれほど見当違いではないわけで、できればそれらの大壁画も観てみたいものだと思った。


 この展覧会の最後にたどりついたレマン湖の風景-これはまた、ホドラーが最後に辿り着いた風景でもあるのだが、
 雲や空の色彩が溶け合い、湖には幾本もの直線が並び、一番手前にはまるで音符そのものみたいな白鳥や波が整然と並ぶその絵は、もはや音楽そのもの。
 ここで見られる抽象化、図像化は、すでに、その後のクレーに限りなく近づいている、いや、それさえも超えようとしているかもしれない。
 これはすぐれた芸術家には、等しくあてはまることだけれど、もっともっと長生きしてほしかった。どのようなところに辿り着いたか、見てみたかった。


 今回の展覧会は、絵画と音楽の関係について、またあれこれと考えさせられるものだったが、
 折しもこの後、同じく上野カハクで開催中だった「ヒカリ展」で、光と音というのは、わたしたち人間からすると、感知する器官も異なるし、まったく別なもののように感じられるが、どちらも突きつめて言えば物質の波動であり、基本的には同じようなものなのだということを、科学的にも何となく認識することになった。



 せっかく金曜の夜の夜間開園だというのに、人はそれほど多くはなかった。

 上野駅公園口を下りると、もう目と鼻の先、少しでもお時間がある方は、ぜひ。



▽ 記念撮影コーナー。なんだ、こりゃ。

  ジョジョの人、もしかしたら、すごく影響受けてる??

画像




 上野公園の晩秋の風景。


画像
画像



画像




 いつものようにイルミがわりに、カハクの「ヒカリ展」で撮影した写真を。


 これらは、りっぱなイルミ。


 特別展 「ヒカリ展」

  @ 国立科学博物館 ~’2月22日(日)まで


 光る繭関係

 エントランス

画像
画像


画像
画像


 ツリー

 左側は、そのまま見たもの。発光繭の中にLED電球を入れて光らせている。
 右側が、フィルターを通して見た、繭自体の発光。フィルターでLEDの光を消している。

画像
画像



 光る花

画像
画像



 光るサンゴや石。以下は、もともと自然界に存在しているもの。

画像


画像
画像



 スケールの大きな光。

 右の写真は、馬に見えやすいように、写真の向きを勝手に変えています。

 若狭で観た馬頭観音を思い出す。

画像
画像




画像
画像




画像




 完成!

画像






そのほかの「記事目次」

「全体記事目次」

カンタータ日記・奥の院

浅田真央さん情報・最新版

宮沢賢治記事目次

カンタータ日記・大阪モダン建築図鑑

画像





この記事へのコメント

ANNA
2014年12月18日 20:50
Noraさん、こんばんは。

ホドラーの絵画、私も観るのはたぶん初めてなんです。ポスターを見て、この展覧会に行こうと思ってました。
「絵画を聴き、音楽を観る」というのでしょうか?絵画から音楽を感じたり(景色かから感じる時も)、音楽を聴いている時に色彩を感じることってありますね。
私もクレーやモンドリアンの絵画を観るときに、音楽を感じて…私が聴いたことのある音楽ですけれど…鳴り出すことがあります。
ホドラーの絵画も音楽を感じる絵画だったようですね。
私も観に行きたいと思ってます。



2014年12月20日 17:56
 ANNAさん、こんにちは。

 ホドラー、ほんとうによかったですよ。
 日本でこれだけ本格的に作品が集まるのは40年ぶりとのことで、このような未知の画家はなるべく自分の目で見ておきたいと思い、行ってきましたが、想像以上に心に迫るものがありました。
 こうなるとほとんど何十年に一度御開帳の秘仏と同じで?貴重な体験をしたような気分ですが、これを機会に人気が高まって、もっと頻繁にたくさんの作品を観ることができるようになればいいのに、と思います。
 人物がダンスしているような作品がリズミカルで音楽的なのは当然なのですが、わたしには、一見静かな風景画の方にこそ、より音楽的な要素が充満しているようにも感じられました。

 本文中にも書きましたが、その風景が並んでいるPart4は、照明等も含め、展示室の雰囲気も最高でした。残念ながらコルビュジエの設計ではないようですが、本館のよいところをきちんと生かしているように感じられました。

この記事へのトラックバック

過去ログ

テーマ別記事